Hi-land GT CHAMPIONSHIP
at Sendai Hi-land Race Way


InsideInterview


★GTインサイドレポートとは? 『GTインサイドレポート』は、全日本GT選手権シリーズ(GTC)に訪れる新聞、雑誌、放送などの取材記者、カメラマンのために用意されたプレス・サービス・リリースです。GTC毎戦の予選・決勝日において、リアルタイム(1日A4リリース約15枚)に発行され、GTC参加のチーム&ドライバーのコメントや情報、GTCで起こるさまざまな話題を提供しています。これを基によりよい取材活動を行っていただき、ファンのみなさんに質の高いGTC情報を還元していただくためのサービスです。このレポートを一般のファンにも公開してほしいというリクエストが多く寄せられましたので、一部編集し『Network Edition』として公開することにいたしました。また、GTファンクラブ会員の方々には、オリジナルのコピー版をサービスしております。ご興味のある方はこちらもご利用ください。
●文中、カーナンバー前の#はGT500、*はGT300クラスを表します。


★練習走行日−28日のトピック★

■#3 ユニシアジェックススカイライン
 今回、リヤ・ウイングを変更してきた。“主翼”の両側に翼端板を備えた小型のウイングを追加したものを持ち込んで来た。この小型のウイングは後部が斜めにカットされている。これはスカイラインGT-Rのリヤ・バンパーの形状に対してJAFから変更するよう指示があり、今回両側をえぐるような形状に変更してきたが、そのためリヤ・ウイングも変更せざるを得なくなった。これは「上から見た車両の輪郭から突出してはならない」(技術規則47-2-2)に合わせるためだ。「苦肉の策だよ」とは長谷見選手の弁。
■#39サード・スープラGT
 サード・スープラを駆るふたりのドライバーはともに仙台ハイランドレースウエイの走行は金曜日が初めて。アラン・フェルテは「覚えるのがたいへんだよ。初めてのコースでこの雨、霧だろ。おもしろいコースでこういうテクニカル・コースは大好きだけどこの雨じゃたいへんだよ。ドライで走りたいね。え? 週末も雨?....」。一方、ワイン・ガードナーも「霧で何も見えない。覚えるのがたいへんだ。フロント・ウインドウにコース図を張って見ながら走るか。それにしても何も見えない。コースはナイスコースだと思うよ」と。
■#37 カストロール・セルモ・スープラ
 エリック・コマス「ここはポルシェが速いよ。とくに雨ではね。ぼくは去年雨のル・マンでポルシェに乗ったのでわかるんだけど、荷重が後輪にかかり、トラクションがすごく大きいんだ。そこへ行くとスープラはたいへんだよ。ステアリングを切ってもリアはオットットって........。ツーリングカーみたいに? やめようよ、ツーリングカーの話しは」
■#25 FEDEX 300ZX-GTS
 アメリカンな雰囲気に溢れたIMSA-GTSマシンのFEDEX 300ZX-GTS。初登場の前回富士は満足に走れなかったが、今回は気合い十分。チーム・ルマンの片桐マネージャーは「エンジンのチューンをアメリカに日本のガソリンを送るなどして調整してもらいました。今回EFIというところからエンジニアもきています。EFIというとインジェクションと間違えられるのですが、コンピュータ関係の会社の名前です。今回は一応雨対策もしていますし、やっとまともに戦える状態になりました」と自信ありげ。ドライバーの影山正美も、「見た目より凄く曲がりやすいクルマなんですよ。前回よりかなり進化していますよ」とのことだった。ただしサイドウインドウとワイパーがないために、雨がひどくなるとやや不安を抱えることになりそうだ。
■*31カルテックス・ポルシェ
 GT300クラスは、第1戦タイサン・ポルシェRSR、第2戦は910ポルシェと、3.8リッターNAエンジンを搭載するポルシェ911RSRが2連勝中だ。だが今回、強力なマシンがこの2台の前に立ち塞がることなりそうだ。カルテックス・ポルシェがエンジンをターボ仕様に変えてきたのである。ドライバーの池谷勝則によれば、「今回からシングル・ターボエンジンに積み替えてきました。排気量は3.3をボアアップした3.4リッターです。木曜日に初めて走ったばかりなので、まだ空燃比などのセッティングが出ていません。下の方はトルクが出ているんですが、上が頭打ちになってしまうんです。でもエンジンさえ決まれば他は決まっているので、かなりいける筈です」と、自信を見せている。これに対してライバルの910ポルシェをドライブする袖山誠一は、「ここは4000回転以下にまで落ちるコーナーがあるので、下からトルクの出るカルテックス・ポルシェが有利だと思う。ウチのクルマは6000から上の伸びはいいけれど、下のトルクが細いので立上がりで苦しいんです」と、やや不安な表情だった。
■#1 カルソニックスカイライン
 今回からリアバンパーの形状などを変更してきたスカイラインGT-R勢。ただし各チームとも昨年から使用しているマシンで、ル・マンで使用した96スペックのマシンは次戦からの登場になる。その中で3年連続チャンピオンの影山正彦は、「クルマはすごく調子いいですよ。スカイラインはOKなんですけどフォーミュラ・ニッポンの方がねぇ…」と、今回マシンが好調な模様。ただしマクラーレンやスープラと優勝を争えるかという質問には、「スカイライン・クラスではトップを取れると思うけどね(笑)」とやや諦めムード。それでも「雨が降って荒れたレースになってくれた方がいいね。どさくさまぎれに優勝できるかも知れないし(笑)」と、レースが荒れれば一気に優勝争いに加わる構えのようだ。
■#100 ADVAN BP NSX
 金曜日の雨のフリー走行中S字の先でスピンし、マシン後部を僅かに傷めた土屋圭市。今回から新車の右ハンドル車を投入しての参戦だが、ちょっとご機嫌が悪いようだ。「クルマはハンドルの位置が違うくらいで殆ど変わらないんだ。もう少しよくなってるかと思ってたんだけどね…。特にエンジンはまだまだパワー不足。8500くらいまでは回るんだけど、5000〜6000くらいが重いんだよ。それに今日はタイヤのグリップが悪くて、スピンしてしまった。頭にきちゃうよ。でも明日の予選で10位以内に入れれば、決勝はなんとかなると思うんだ」と、予選に向け気合いを入れ直していた。
■#60 ラーク・マクラーレンF1 GTR
 金曜日のフリー走行1回目ではシューマッハがコースアウト、61号車が#30綜合警備ポルシェから2秒遅れと、不安な出だしだったマクラーレン。雨は苦手なのかと思いきや、フリー走行2回目でドライブした服部は、「遅いのかと思ったけど、全然問題なかったよ。ここで事前のテストをしたのが良かったみたいね」と上機嫌。3回目の走行の時に、60号車がクラッチのチェックのためにほとんど走行できなかったのが唯一の心配点か。


★予選1回目−29日午前のトピック ★


■*31池谷勝則 (カルテックスポルシェ、予選1回目GT300クラストップ)
 「一発を狙って1回だけブーストを上げてタイムを出した。この後GT500も走ってタイヤカスなんかも出るし、気温も路面温度も上がって条件が悪くなると思ったから、最初のセッションに賭けた。もう、タイヤは2セット使っちゃったので午後はアタックしません」
■*12本山哲 (パーソンズシルビア)
「このシルビアは、JTCCのサニーと同じエンジンでFR駆動なんです。車重がこちらの方が重いので、サニーの方が動きは軽いですけど、運転は同じように楽しいですよ。コーナリングも速いですし。ただGTレースもこのマシンも初めてなので、まだなんとも言えませんけど、午後の予選で1番になれるよう頑張ります」
■*72木下隆之 (WAKO'S BMW M3)
「ドライで走るの初めてなんで、やり直すところが一杯あるんだよね。だってストレートで4速までしか入らないんだもん。ギア自体は変えられないから、午後までにデフで調整することになるはずだよ」
■#61 ラーク・マクラーレンF1 GTR
 予選1回目が始まって5分程したところで、冷却水らしきものを漏らしながらピットに戻ってきた61番のマクラーレン。30分程を作業に費やしようやくコースに復帰したが、すぐにピットロードエンド先のダートにマシンが止まってしまった。ドライブしていたニールセンはピットに歩いて戻ってきたが、「ウォーターホースが外れて、漏れた水がリアホイールにかかってしまい、あやうくスピンしそうになったよ。2回も続けて同じことが起こるんだもんなあ…」と、珍しいトラブルに首を捻るばかり。
 そのニールセン、30分の修理作業中はまるで動物園のクマさんのようにマシンの周りを心配そうに歩いていたが、ここ仙台ハイランドのピットはかなり狭い。ガルウィング・ドアが開いた状態の脇を通ろうとした時、その大きな身体がドアにひっかかり「ベキッ!」と大きな音がしたが、さすがマクラーレン、ドアはビクともしなかった。
■#60 服部尚貴 (ラーク・マクラーレンF1 GTR)
 予選1回目3番手のタイムに終わり、「これから、これから。ちょっとトラブルがあってね。午後は逆転するよ」
■#35 O.ララウリ (タイサンポルシェGT2)
「午前中ふるわなかったのはタイヤ・チョイスを失敗したんだ。それとセッティングも決まっていなかった」
■#3 長谷見昌弘 (ユニシアジェックススカイライン)
「48秒台は目一杯のタイム。午後の目標タイム? 目標タイムなんてないよ。それより1つでも前(の順位)に行く、ということだよ、我々GT-R勢は。気を抜くとすぐフタ桁台に行ってしまうからね。1周でコンマ5秒差をつけられたら、大変なのに2秒も速いんじゃ...」
■#30 田嶋栄一 (綜合警備PORSCHE)
「余裕もなにも、クルマのバランスが悪くてこんなタイムが出てると思わなかった。昨日は雨だったし、テストでも昨年のポールタイムより悪い48秒台しか出ていないしね。リアの動きが神経質すぎてポルシェの良さが出ていないんです。午後はそのあたりを見直してもう一回いきます。うまく当れば45秒台はいけると思います。2年連続ポール? イヤイヤ、欲をかくとロクなことがないですからね(笑)」
■#37 カストロール・セルモ・スープラ (予選1回目GT500クラス1位)
E.コマス:「今(午前中)のセッションはコースの状態が良くなかった。他もタイムが伸びなかったのは、そのためだろう。クルマについては80%満足している。残り20%は加速時にフロントが不安定になることなんだ。午後はもっとタイムは伸びるよ」竹内浩典「コマスのセッティングはカートのような乗り方が必要なんです。ブレーキングで前荷重にして、舵角を入れて・・・って乗り方じゃあ追いつかない。1、2回はそれができても、コンスタントに続けるのは難しいです。やっぱりF1まで実力で昇りつめた人は違いますね。勉強になります。とりあえずコマスの1秒落ちが目標です」
■#34 松田秀士 (STPタイサンポルシェGT2)
「我々のクルマは走行距離数が多いのでストレスが溜まっているんです。それと昨日エンジンを壊してしまって、昨年スペックのエンジンに積み替えているんですよ。これがあまりよくなくて。それとオーバーステア。もう何をやってもダメなんです。目標タイムですか? 1分48秒台には入りたいですね」


★予選2回目−29日午後のトピック ★


■*12 パーソンズシルビア (GT300クラス予選1位)
 GT300クラス予選2回目は、1回目でトップだったカルテックス・ポルシェがターボ・トラブルでストップし、1回目3位だったパーソンズシルビアが逆転でポールポジションを獲得した。初参戦でポールを獲得する快挙を成し遂げた本山哲だが、本人はいたって冷静に、「クルマが凄く良かったですね。何もトラブルもでませんでしたし。ただ初めての参戦なので、他のクルマと比べてどうかというのはまだ良くわかりません。予選で走ってみた限りでは、ウチのクルマはコーナリング・スピードが速いようです。直線はそれほどスピードが乗らないですよ」と語ってくれた。ただし最後には、「人気のあるシリーズなので、ぜひ出たかったんですよ。ウレシイです」と笑顔を見せた。
■*72 WAKO'S BMW M3 (GT300クラス予選3位)
 GT300クラス予選2回目で、3位まで順位を上げたWAKO'S BMW M3。1回目で合わなかったデフを交換し、木下隆之がニュータイヤでアタックした結果だ。だが木下はこのアタックにまだ不満の様子。「デフを換えてセットし直して、凄くいい方向にいってたんで、新品タイヤでアタックしたんだ。ただウチは木曜日にテストできなかったから、ドライの新品タイヤでアタックしたのは、これが最初なんだよ。だからタイヤの温め方が良くわからなくて、最初の1周は半分タイヤを使いきれなかった。で、2周目でなんとかまとめたんだけれど、ミスもあったし、ひっかかったりでね。不完全燃焼って感じだね」
■#3 ユニシアジェックススカイライン
田中哲也:「長谷見さんのタイムは、このクルマとしてはすごいものですよ。午後の予選最後の10分くらいにみんな賭けていたみたいだね。長谷見さんも残り10分でニュータイヤで出たんだ。けど、混んじゃってその後はタイムアップできなかったみたい」長谷見昌弘「スカイラインでトップって言ってもねぇ。7番手じゃあ、寂しいよね。だってトップと2秒違うんだよ、2秒。10周も走ったら見えなくなっちゃうよ」
■#8 FET SPORTS SUPRA (予選総合2位)
T.クリステンセン:「クルマにはまだまだやる事はいっぱいあるんだ。このくらいの成績じゃあ、全然満足していない。前回は組み上げたそのままの状態だったけど、今回はダンパーを替えるなどチームがいい仕事をしてくれた。ボクはヨーロッパでレースをしていて、こちらのテストしてる時間がとれなくて、ホントチームが良くやってくれたんだ」
■*26 タイサンスターカードRSR (GT300クラス予選2位)
鈴木恵一:「午後は新田のタイムだよ。ウエイトハンデを50kg積んでると、こことか菅生はキツイね。シルビアは0だからねぇ。タイヤは全く問題なし。決勝はいけると思うよ」 新田守男:「午後の方が、泥の浮きとか前の日の雨の影響がなかったけど、今度は路面温度が上がって難しかった。シルビアがあそこまで行くとはねぇ」
■*31 カルテックスポルシェ
午後の予選開始早々に白煙を上げて、ピットに戻ってきたカルテックスポルシェ。池谷は「ターボトラブルだよ。ブーストを上げてたわけではないんだけど...。原因は幾つか考えられるから、対策はするよ。それより、このままでは茂木選手が予選通過タイムを出してない(午前も午後も走行していない)ので、決勝に出られないんだ。嘆願書を出すことになると思うけど...。午前中良かっただけに、これで最後尾スタートとなるのとても残念だ」と辛そうな表情。
■#60 R.シューマッハ (ラーク・マクラーレンF1GTR、ポールポジション)
「ポールタイムを出した後に、エンジンがカットオフするような症状が出たんだ。でも、すぐに治ったから、問題はないと思う。明日は再発しないことを祈るよ。もちろん、ポールポジションは嬉しいけど、レースは決勝に勝たないと意味がないからね。明日のスタートは、内緒だけど、服部だよ。とにかくトヨタより早く走りたいね」
■#1 星野一義 (カルソニックスカイライン)
「予選の結果でもベスト10に入るのがやっとという状態だから、決勝はポイントを稼ぐように走るつもり。ただ完走狙いというんじゃなくて、目いっぱい走って出来るかぎり多くポイントを稼ぐようにする。次戦からマシンが'96年仕様になるのでそれに期待して、今回はガマンのレースをすることになるだろうね」
■#39 アラン・フェルテ (サードスープラGT)
「予選のタイムアタックはワイン(ガードナー)が担当したんだけど、我々の現状では1分46秒台は無理だ。クルマのセッティングは悪くないけど、今より速く走るというのは難しいだろうね。ワインは思いきり攻めたんだ。決勝は出来る限り速く走って完走してポイントを稼ぐ、これが決勝レースの目標だ。でもここはすごく良いサーキットだね。GTで走っていてもすごく面白いコースだよ。ただ、メカにはいろいろと注 文を出したけどね」
■#61 ジョン・ニールセン (ラーク・マクラーレンF1 GTR)
「午前中の予選、冷却系の水漏れトラブルが出たので、ほとんど走ることが出来なかった。それで午後の予選でドライのセッティングをしなければならなかったのであまりアタックできなかった。金曜日の練習走行は雨だったからね。それにデビッド(ブラバム)がコースを覚えるために走らなければならなかったから尚更アタックは出来なかった。ただ、ラルフが新品タイヤで出したタイムと、私が古いタイヤで出したタイムとがそれほど開いていなかったから、決勝レースは結構行けると思う。しかし50kgのウエイトハンデは効くね。ヘアピンへの突っ込みのブレーキングは大変だった。ブレーキの温度も上昇してしまっているけど恐らく大丈夫でしょう。私の体重?100kgだ。10年前かほとんど変わっていないんですよ。そうですね、同じマシンでも軽い服部選手が20kgのハンデウエイトで走るのと私が50kgのウエイトを乗せて走るのとでは65kgぐらいの差になってしまうでしょうね(笑)。確かにこれは大きいですよ」


★ポールポジション・インタビュー★


■ラルフ・シューマッハ:(#60ラーク・マクラーレンF1GTR 予選総合1位)
「No.61の方に午前中冷却水のパイプのトラブルがありましたが、それは我々のクルマには出ませんでした。もっとも我々のクルマにもポールポジションのタイムを出した直後にエンジンが突然止まる症状が出ましたが、それはすぐに直って戻ってくることができました。ポールポジションを連続で獲得できてとても嬉しいです。でもポールポジションを取れても優勝できなければ意味がないので、明日も頑張ろうと思います。この種類のサーキットは凄く好きなんですが、GTカーのレースにはちょっと小さすぎると思います。前回の富士で起きたブレーキ・トラブルが完治しているかは秘密です(笑)。今回も服部選手がスタートドライバーをつとめますが、レース序盤は慎重にいくつもりです。そしてトヨタよりも速く走る予定です。もちろんブレーキ・トラブルが再発しないように祈っています」
■本山 哲 (*12 パーソンズシルビア GT300予選1位)
「予選結果は自分でもビックリしています。クルマはコーナリングが物凄くいいという印象を受けました。造った時からほとんどトラブルも出ていません。直線スピードが伸びないのが気になりますが、それ以外は何も問題ありません。誰でも乗れるという感じで、運転がとてもしやすいクルマですね。GTには前から出たいと思っていましたので、いい機会を与えられて嬉しいです。でもできればGT500クラスの速いクルマで走りたいですけど。明日の決勝はなんとか完走して表彰台に上がれればいいなと思っています。パートナーの井手君はまだクルマにも環境にも慣れていないのでプレッシャーを感じて苦しんでいますけれど、慣れれば速く走ってくれると思います。ちょっとずつ勉強してもらって、レースではコースアウトしないように気をつけてもらいたいと思います」






★決勝日−30日午前のトピック


■#60 ラーク・マクラーレンF1 GTR
 朝のフリー走行が開始された途端、ボディ右側のサイド・カウルをなくした状態でピットインしてきた60番のマクラーレン。すぐにスペアが用意されたが、接続金具がうまくつながらない様子で、15分ほど試行錯誤していたが、結局諦めてカウルを外したままでコースに復帰した。ドライブしていた服部尚貴によれば、「出てった周に突然カウルが飛んでっちゃった。別にどこかに当たったとかひっかけたわけじゃないんだけどね」とのこと。ただし「カウルがないと違うかって? ウーン、『ラーク』って読めないくらいかな。『ァク』になっちゃう(笑)」と、走行にはたいして問題はないようだった。
■#55 都平健二 (WISEスカイラインGTR)
「金曜日の(クラッシュした)影響? 大丈夫。それはないですけど、ダウンフォースが足りない。雨なら4WDが有利っていうけどねぇ。雨でもABSの付いたポルシェが速いから、うんと降るか、逆に生乾きの状態ならチャンスがあるかもしれないな」
■#30 田嶋栄一 (綜合警備PORSCHE フリー走行トップタイム)
「予選の午前中はちょっとオイル漏れがあって、それがリアタイヤにかかって滑っていた。午後、それは解消したんだけど、なぜかタイムがあまり伸びなかった。路面は午前中は砂もちょっと出てたし午後のほうがよかったんだけど・・・。今朝のフリー走行トップですか。え、狙ってたかって? いえいえたまたまですよ。もちろん満タンですよ。凄くいい感じでした。決勝ですか? うーん、わからないですよ。でも雨だったら面白いかも知れないですね。先にどちらが乗るかもまだ決まってません。いずれにしてもお天気次第ですね」
■#36 関谷正徳 (カストロール・トムス・スープラ)
「予選の記録はボクのタイム。決勝スタートはボクでいく予定です。クルマの調子はいいしタイヤもいい。自分で言うのもなんだけど、ウチはボクとペドロの足し算のレベルが高い。だから2位はいけると思う。ただ、雨だとちょっとチャンスがないね。なに、予報は雨? まずいな、そりゃ」
■#25 FEDEX300ZX-GTS
 金曜日の練習走行では雨にたたられたためもあって、ほとんどまともに走行できなかった。好天に恵まれた予選日はタイムアップが期待されたが、残念ながらマイナートラブルを連発、満足いく走りはできず。片桐マネージャーによれば「指示された部分をシーリングしたら、思ったより雨は入ってこないようになりました。ただ、ウィンドシールドがアクリルでしかもエンジンの上にかぶさるように装着されているので、熱気が上がってきて曇っちゃうんです」とのこと。エンジンは若干オイル漏れが見られたが、壊れるようなことはなく、丈夫でいいエンジンだと評価していた。課題と なっているのは、エンジンのセッティングに対する考えかたが日本とアメリカでは違うこと。「うまく生かすことができればすごくいいエンジンだと思うし、クルマの造りも大雑把なようでいて実際はなかなかよく考えられていて、さすがレースのプロが造ったクルマだなとは思うんですが、問題はそのおいしい部分を生かしきれていないこと。なんとか日本のGTCに合うようにしないとね」と片桐マネージャー。
■#8 トム・クリステンセン (FET SPORTS SUPRA)
「フリー走行? 100リッター、満タンで走ったよ。それにしてはタイムがいいって?クルマは毎回良くなっているからね。僕はまったくテストはやっていなくて、このレースでスープラに乗るのは3回目なんだけど、チームとTRDの努力で進歩しているよ。ただ、リヤのグリップが不足している。これは僕らのチームだけではなくどのスープラも同じだけどね。それにスープラは小さいエンジンに大きなターボを付けているし、フロント・ヘビー。ドライブは簡単ではないんだ。決勝の目標? さあ、レインタイヤで長い距離を走っていないからどうなるか判らないな。谷川さんと2人で走るレースだし、マクラーレンはまるで違うクラスだし。もちろん優勝したいけど、こればっかりはやって見なければわからないよ」
■#37 カストロール・セルモ・スープラ
エリック・コマス:「フリー走行では1ラップしかしていない。サスペンションがどうのというより、クルマのバランスの問題。リアがすごく不安定なんだ。昨日の予選のあいだずっとそうだった。決勝でのリヤ・タイアの摩耗がこわい」 竹内浩典:「今朝乗って、クルマは良くなっていると感じました。ターンイン・アンダーで、それからオーバーになるのを空力と車高で調整しています。でも、エリックのセッティングで、もう胃に穴が開きそうですよ」



○お馴染みのピットウォークはここハイランドでも大盛況
 決勝日お昼のピットウォークは、多くのお客様がピットに溢れんばかりだった。途中から雨が強くなり、最後は逃げるようにピットを後にした方も多かったが、一般のお客様がいなくなると同時に、910ポルシェのピットに猛ダッシュをかけたドライバーが1人。今やGTC名物となった感のあるキャン"カマ"のおふたりとの記念撮影を所望したこのドライバー、3人でカメラの前に並んだはいいが、いきなり男の大事な部分を握られ、思いっきり腰が引けていた。撮影終了後、「さすがにツボを心得ている」との感想を残してこのドライバーは自分のピットに戻った。一方、キャン"カマ"の2人は「意外と立派だったから、60番のマクラーレンも応援しようっと」とのことであった。


★決勝レースのトピック


○決勝スタート直前情報
気温:25〜32度|湿度:69%|路面温度:28〜37度|入場者数:6/30 48,400人(6/29 6,100人)


■#3 ユニシアジェックススカイライン(総合2位)
長谷見昌弘「このクルマの現状では、表彰台に上がるのがまず大変だよ。だから、今回は2位でも優勝と同じです。星野さんとことの闘いですか? やっぱりスカイライン同士だし、勝ちたいじゃない」田中哲也「ともかく、ミスしないように気を付けて走りました。後半タイヤがタレて、きつかったです。でも、特にプレッシャーは感じていませんでした」
■#36 カストロール・トムス・スープラ (総合3位)
関谷正徳「ボクのミスでスピンしたからねぇ。迷惑掛けちゃったなぁ。でも、いいレース見せられたでしょ。それで、カンベンしてね」
■*6 imuraya BP MR-2 (GT300クラス2位)
福嶌稔大「ずっと雨でドライのセッティングが出ていなかったけど、メカが良くやってくれました。ちょっと、タナボタっぽいですけどね。次はもうひとつ上に行けますよ。ボクは今回だけなんだけどね」 川崎哲哉「いやぁ、スピンしちゃったよ。ダサイねぇ。自分のペースを越えてアタックしたのは良くなかった。予選で失敗したのが痛かったけど、楽しみ(優勝)は次に取っておきましょう。ライバルが増えてもウチは関係ないですよ。チームのみんなが自分の仕事をキチッとやれば成績は付いてきますよ」
■*7 RE雨宮SuperG RX7 (GT300クラス3位)
山路慎一:「エンジンがボロボロいってたのはパーコレーションだと思う。あれがなければ、勝ちが見えていたような気もするし、ちょっと残念です。でも、まともにチェッカーが受けられて良かった。今回は予想どおりサバイバルレースになりました。暑かったし」 雨宮代表:「いやぁ、ヒヤヒヤでしたよ。パーコレーションでね、いつ止まるかと。うーん、良かったよ、結果残せて。ここんとこ、あれだったからね」
■#60 ラーク・マクラーレンF1 GTR
服部尚貴:「1回目のスピンでダメージを受けたと思う。2回目で飛び出して、3回目の時は完璧折れていたみたいだね。まあ、残念です」
■*26 タイサンスターカードRSR
新田守男:「エンジンがいきなりドカンと止まってしまった。コースの一番上のところです。その6ラップ前くらいから煙が出ていると、無線で連絡があったので、回転を落としていたのになぁ。ああ、もう!」
■#1 カルソニックスカイライン
星野一義:「アレやんないと抜けないからね。でも、気合いが入りすぎた。必死だよ、ずっと。北海道からずっと真面目に走っているんだ。結果的にはスピンしたけど、エキサイティング賞でしょ。明日、誕生日なんだ。大台? いやいや一歩手前。でも、走りは若いって書いておいてね」
■*12 パーソンズシルビア
本山哲:「朝からちょっとステアリングの具合がおかしくて、ピットスタートになってしまった。途中、追い上げていたんだけれど、スプーンで他車と接触してサスペンションを傷めて、ダメでした」
■#8 FET SPORTS SUPRA
トム・クリステンセン:「自分としてはレースの前半をリードしてパフォーマンスを見せることができた。クルマはすごく良くなっていたし、できれば表彰台に上がりたかった。けど、ホイールナットが外れなくなって、タイムを大幅にロスしたから。若い谷川さんは経験が必要だしね。残念だけど、ガッカリしてもしょうがないから、次こそやるサ!」
■#39 サードスープラGT
アラン・フェルテ:「後半ブレーキが効かなくなってしまって、どうしようもなかった。あと1ラップというところでもがんばりきれなかった。それにしてもワインは良い仕事をしたよ」 ワイン・ガードナー:「クルマは良く走った。マクラーレンに追いつくんだけど、どうしても抜くことは出来なかった。向こうの方がコーナーで安定していたから。こっちはコーナーでズズズッて。かなりプッシュしたんだけどね」


以上、インサイドレポート班による。