JAPAN SPECIAL GT-CUP
8.11sun at Fuji Speedway

Practice Top Qualify Interview


★GTインサイドレポートとは? 『GTインサイドレポート』は、全日本GT選手権シリーズ(GTC)に訪れる新聞、雑誌、放送などの取材記者、カメラマンのために用意されたプレス・サービス・リリースです。GTC毎戦の予選・決勝日において、リアルタイム(1日A4リリース約15枚)に発行され、GTC参加のチーム&ドライバーのコメントや情報、GTCで起こるさまざまな話題を提供しています。これを基によりよい取材活動を行っていただき、ファンのみなさんに質の高いGTC情報を還元していただくためのサービスです。このレポートを一般のファンにも公開してほしいというリクエストが多く寄せられましたので、一部編集し『Network Edition』として公開することにいたしました。また、GTファンクラブ会員の方々には、オリジナルのコピー 版をサービスしております。ご興味のある方はこちらもご利用ください。
●文中、カーナンバー前の#はGT500、*はGT300クラスを表します。



★練習走行日−9日のトピック★

■#60 ラーク・マクラーレンF1GTR
金曜日のフリー走行トップタイムは#60服部尚貴だった。相棒のシューマッハがシルバーストンのF1テストからまだ戻らないため、この日は1人でドライブを担当したが、しっかり定位置につけてみせた。「クルマは何も変わってない。かなり傷んできているのは確かだね。仙台で折れたサスペンションも特に対策部品などはつけていないけど、まぁあのコースはサスペンションに厳しいコースだったから…。今回は他のマシンが速くなってるから、トップタイムを出すのはかなり難しかった。スカイラインは直線もの凄く速いんだよ。明らかにエンジンが速くなってる。でもコーナーがまるで遅いからタイムが出てないんだ。え、スカイラインのドライバーは直線スピード変わらないって言ってるって? バカ言うでネェ。ウチより全然速いよ! スープラは直線でもコーナーでも速いね。だからいつもよりレースは厳しくなると思うよ。暑さは今回それほどでもないからいいけどね。決勝はやってみなくちゃわからないけど、絶対スカイラインだけ速く走らせないからね」と服部。かなりスカイライン勢を意識しているようだった。
■#34 STPタイサンポルシェGT2
前回の仙台でボディの劣化を訴えていたチームタイサンの34号車。その対策としてシャシーを昨年のこのレースでクラッシュしその後使用していなかった33号車のものに交換してきた。またエンジンに関しても今回からリストリクター径が1.2mm 拡大されてパワーアップしている筈なので、かなりのポテンシャルアップではないかと思われたが、松田秀士によれば、「ちょっとピックアップが良くなったかなぁっていう程度。ECUを書き換えていないので、ブースト圧は上がらないし、パワーも変わらないね。結局全部やりなおさないと速くならないよ」とのことで、思った程ポルシェのポテンシャルは上がっていないようだ。
■#8 FET SPORT SUPRA
前回の仙台ハイランドでトム・クリステンセンがレース前半を独走したFET SPORT SUPRA。そのスープラに急遽元F1ドライバーでマツダでルマンを制したこともあるベルトラン・ガショーが乗ることになった。「スイスでバカンスを過ごしていたら電話があった。それで誘われたんだ。月曜日、今週の月曜日だよ。一応シーズン終了まで乗ることになると聞いている。僕にとってすべて新しいことばかりで、すごくおもしろいよ。クルマは良いと思うし、チームもプロフェッショナルだしね。今日初めて乗ったのでまだ他車と比較することまで出来ないけど...。パートナーのトムのことはよく知らないけど、良いドライバーだと思うよ。F1以外に日本でレースに出るのは1991年にマツダで出て以来だけど、暑さも大丈夫。問題ないよ。それとこのレースではタイヤが重要な意味を持ってくると思う」
■#3 ユニシアジェックススカイライン
#1 カルソニックスカイラインとともに、今回が実質シェイクダウンのユニシアジェックススカイライン。金曜日3回のフリー走行をフルに使ってセットアップが行われたが今ひとつ決まらなかった模様。長谷見昌弘は「サスペンションが決まらなくてね。いろいろやっていたんだけれど、ようやく最後になってわかったんだ。これから変更して明日試してみるつもり。エンジンは僅かに中速が良くなった程度で、最高速なんか全然変わらないよ。これでスカイラインだけ速くなったなんて言われちゃ、かなわないよね。大体、俺と星野がこんだけ苦労してんのに、タイム出ないんだから…」と、困惑の表情。
■#2 ZEXELスカイライン
今回から96年仕様のGT-Rを持ち込んだニッサン勢。レギュレーション変更もあり、タイムアップが期待されたが、福山英朗選手によれば、「少しは良くなってますよ。具体的には、エンジンのピックアップが良くなって、立ち上がり加速が少し良くなりました。あとはドライサンプになってエンジン搭載位置が低くなったので、フロントの応答性がホンの少し良くなった気がしますね。ストレート・スピードは95年モデルと変わらないですよ。富士でコンマ5、6秒速くなるくらいじゃないですか。でもまだスープラの方が全然速いですよ。もちろん今後少しずつ進化する可能性はありますけど、相当頑張らないとトップ争いは難しいでしょう。他のスカイラインと比べてどうかと言うと、ここまではNISOMOの2台が少し開発が進んでいますけど、すぐに他のクルマも速くなるから一緒ですよ」とのことで、スカイラインが予選で一気にポール争いに名乗りをあげることは、今回はまだ難しいようだ。
■#556 KURE R33
NISMOワークスとしてスカイライン勢の中では最もテストが進んでいる1台がKURE R33。マクラーレンとスープラ勢に続くタイムを出しているが、鈴木利男は「エンジン? 全然変わらないですよ。最高速度をエンジニアに聞いてみてよ。まったく変わってない筈だから。新車だから良くなっただろうって言われるけど、一緒ですよ」と、あまり御機嫌は宜しくない様子。スカイライン勢はどのチームも苦戦のようだ。
■#1 カルソニックスカイライン
やはり今回から96年仕様になったカルソニックスカイライン。今朝のフリー走行がほとんどシェイクダウンということで、午前中のフリー走行は星野一義がセットアップに専念した。パートナーの影山正彦は星野の走行を見守るだけで、「まだ1回も乗ってないんですよ。星野さんに任せてますから心配はしていないですけど…」と、速くドライブしたそうな様子だった。一方ドライブを終えた星野は、「速くなったかって? うーん、あんまり変わらないね。ニューカーになったってことが違うくらいだな。速さはおんなじ。アタッックもしてみたけど1分33秒だったし…。第2戦の時は31秒台くらいが出てた筈だから、かえって遅くなってるってことか…。一応来る前に基本セットはやってきたつもりだったんだけどね。タイムが出ない理由? ドライバーが乗れてないからじゃないかなあ(笑)」と不満気な表情。こちらも今後の進化に期待するしかないようだ。
■#36 カストロール・トムス・スープラ
午前中のフリー走行で#61マクラーレンに次ぐ2番手のタイムを出したトムス・スープラ。今回からリストリクターの径が1.3mm 大きくなって、逆に車両重量が50kg重くなったが、速さは相変わらずといった感じであった。関谷正徳は、「今回のレギュレーション変更でスープラは少し損してる気がするよ。マシンが進化しているから50kg重くなってもトントンという感じだけどね。タイム的には変わらないんじゃないかな。今回はやっぱり暑さ対策が重要になるだろうね。マクラーレンは換気が良くて涼しいけど、スープラはフロアの辺りから熱気が来て暑いんだよね。クールスーツは着るけど、その辺でハンデがあるからなぁ」とやや不満顔だったが、打倒マクラーレンの1番手はやはりスープラ勢ということになりそうである。





★最高速チェック★


9日(金) 練習走行日のストレートエンドで各マシンの最高速をチェックしてみた。
速くなったと噂されるマシンも多いがその実際はどうだろう。
[GT500]
NoMachine9:50-10:5013:00-14:0015:00-16:00
1カルソニックスカイライン277276274
2ZEXELスカイライン280275277
8FET SPORTS SUPRA272270273
30 綜合警備PORSCHE280269270
34STPタイサンポルシェGT2276274280
36カストロール・トムス・スープラ274273274
37カストロール・セルモ・スープラ271267271
39サードスープラGT280276276
55WISEスカイラインGTR(4WD)285286287
61ラーク・マクラーレンF1GTR 283283288
88タムラ ディアブロ イオタ270 273-
100ADVAN BP NSX254251253
556KURE R33280275275
[GT300]
6imuraya BP MR-2247--
12パーソンズシルビア237234232
26タイサン スターカードRSR247243243
910ナインテン ポルシェ249240248
*公式データではありません。協力:TRD





★予選日−10日のトピック★


■#37 エリック・コマス(予選1回目総合トップ)
「1コーナーを抜けたところで縁石に乗り上げてスピン。それから反対側にクラッシュしてしまった。トラブルかって? いや、そうじゃない。アタックしていてそれで....。午後はポールポジション? 狙わないよ。今回のマシンのセッティングに満足しているしね。でもウエイトハンデがなければあとコンマ5秒は速いタイムを出せると思う。30kgじゃない、80kgなければだよ。この前勝って30kgハンデウエイトを載せているところに今回から規定が変わって1100kgの車重が1150kgになったから。でもここはストップ・アンド・ゴーがそれほどキツくないからまだ良いけどね。それにしても何で3戦終わったところでレギュレーションの変更をするのかね。ウエイトハンデ制は素晴らしいと思うよ。これには賛成だけど、この変更には反対だ。しかもどうしてマクラーレンを有利にするようなこと(リストリクター径の緩和)をするのかね。日産? どこに居るの? 4位? そう。いいんじゃないか」
■*18 ゴールデンベアーポルシェ(予選1回目GT300 クラス1位)
金曜日の練習走行日から好調で、1分38秒台のタイムを連発していたが、午前中、1回目の予選で1分37秒964をたたき出し、GT300クラストップに躍り出た。タイムを出した小林は「今回から964RSRのシャーシに変更しました。エンジンは最新スペックですが、サスはマルチリンクではなくトレーリングアームです。タイヤがいいのとエンジンがよくなったためもあっていいタイムが出ています。でも37秒台は予想以上ですね。ただ、午後は路温も外気温も涼しくなるだろうから、まだわかりません。終了まぎわにバタバタしそうですね。われわれもタイヤはまだ残してますが、タイムアップできるかどうかは路温と外気温しだいですね」と、満足げなようすだった。
■*31 池谷勝則(予選1回目GT300 クラス2位)
「まだボクが2回、茂木くんが1回しかアタックしていない。タイヤのおいしいところはまだ残っている。午後も路面温度はあまり下がらないだろうから、(タイムアップするためには)あとは気力だね」
■*910 袖山誠一(予選1回目GT300 クラス3位)
「タイヤはまだ残しているし、ちゃんと(アタックを)やればもう少しいけると思うけどウチにはちゃんとやる人がいないから・・・ (笑)」
■#556 KURE R33
予選1回目で、マクラーレン、スープラに続き4番目のタイムを出したKURE R33。アタック役は鈴木利男だが、近藤真彦も基準タイムを既にクリアした。近藤は、「95年仕様より全然いいことは間違いないよ。特に低速のコーナーがいいね。最高速は変わらないんじゃないかな。マクラーレンやスープラとトップ争いするにはもう少し時間がかかるだろうけど、これからちょっとずつ良くなると思うよ」とのことで、どうやら開発は順調に進んでいるようである。
■#1 カルソニック・スカイライン
1回目の予選で7番手につけたカルソニック・スカイライン。ただし午前中は星野一義のみがドライブし、影山正彦は前日に続き師匠の走りを見ているだけだった。影山によれば、「最初はオーバーステアで踏めなかったようですけど今は解消して良くなっています午後はまず僕が乗って、最後に星野さんがもう1度アタックすることになると思います」とのこと。ところでカルソニック・スカイラインのピット裏テントには綺麗な花束があったが、聞けば一昨日が影山の誕生日だったそう。「おととい平成8年8月8日に33才になったんだけど、何も悪いことがおきなくて良かったよ(笑)。いいことばかりだったからねぇ」と影山。その勢いをかってこのレースもいい結果を残したいところだろう。
■*12 パーソンズ・シルビア
予選1回目で、3台のポルシェRSRに続きGT300クラスの4番手につけたパーソンズ・シルビア。アタック役を担当した本山哲は、「ポルシェはストレートが速いですからね。ここはウチは厳しいですよ。MR2も直線速いですし…。でもシルビアはコーナーが速いですからね。決勝はノートラブルで走れれば、いいところにいけるんじゃないですか」と、明るい表情で語ってくれた。
■*72 WAKO'S BMW M3
今回のレギュレーション変更で一番損をした形なのが、#72 WAKO'S BMW M3だろう。前回ポルシェ勢の脱落により優勝を飾ったが、車両重量が一気に80kgも重く(新規定で50kg増、重量ハンデ30kg)なっては、「勝負権ないよ!(木下隆之)」という意見も仕方ない。最大のライバルであるポルシェは、リストリクター径が逆に大きくなっているのだ。「戦意喪失しちゃったなぁ。1周で1.5秒くらい遅いんだもん。ポルシェの方が速かったのにさぁ、なんでウチだけこんなにハンデが大きくなるんだよ。だいたいこれが通知されたのも3日前だしなぁ。プラモデルだって3日じゃ仕上がらないと思うよ」と木下は続けたが、「でも絶対に諦めない。悔しいから絶対チャンピオンとってやる!」と決意を新たにしていた。
■#39 アラン・フェルテ
「リストリクターが大きくなって車重が50kg増えたけどそれほど大きな違いは感じない。ダンロップがまったく新しいタイヤを作って来たので、以前との比較というのは単純には出来ないんだ。もちろんタイヤとブレーキに厳しいことは間違いないし、今回のように暑いと尚のこと厳しい。セッティングは不満とも満足とも言えないね」
■#8 FET SPORT SUPRA
トム・クリステンセン:「クルマのセッティングは昨日やって、今朝もいじってまた良くなっている。今朝はハードコンパウンドのニュータイヤで行ったが、午後はポールを狙ってアタックするよ」 ベルトラン・ガショー:「昨日10ラップと今朝7〜8ラップした。まだコースを覚えているところだけど、感触は悪くない。タイム? 1分33秒台だった。トムが使ったタイヤでそのまま行ったタイムだよ。午後はもっと良くなるだろうし、明日はさらにね。表彰台を狙うよ」
■#37 カストロール・セルモ・スープラ(予選総合2位)
ポールポジション獲得かと思われたが、最後の最後にマクラーレンF1GTRに逆転されたエリック・コマスだが、表情は明るい。「午後はミディアム・ハードで走ったけど、今朝のタイムを出した時のタイヤはハードコンパウンドだった。ポールポジションでも2番目でも、1コーナーにトップで入って行くのはマクラーレンだ。僕らのクルマは2台のマクラーレンに続いて3位で入ると思う。予選は2位でもレースはわからない。シンパイシテイマセン。レースハチガイマス。ビックリバコッ!!」
■#60 服部尚貴(予選総合3位)
「今回、ベストはボクのタイムです。ラルフは午前中出遅れたし、午後は1周目のAコーナーで飛び出しちゃったから。ちょっとブレーキトラブルが出たみたい。前回の富士で出たトラブルと同じかどうかはちょっとわかりません。今回、61号車のほうがエンジンをオーバーホールしてきたから調子がいいんです。60番のほうはこの次にオーバーホールですから」


ポールポジション・インタビュー


■デビッド・ブラバム(#61ラーク・マクラーレンF1GTR 予選総合1位)
「ドウモアリガトウゴザイマス。ポールポジションを獲得できて非常に嬉しいです。前回の富士のレースでは優勝することができて、選手権ポイントでトップに立つことができました。今回もポールポジションを獲得できたことは、チャンピオンシップをリードすることに寄与しますので、大変良かったと思っています。昨日から今朝にかけてチャンスはあると思っていましたが、簡単ではなくかなり難しかったですね。ジョンと自分とで、ソストタイヤが使えるように、一生懸命いいセットアップを目指して努力しました。なんとかポールは取れましたけど、37番のトヨタとは僅かな差しかありませんから、明日もそれを考慮に入れて頑張りたいと思います。ポールポジション・タイムを出した後にコース上に止まってしまったのは、フュエル・プレッシャーの警告灯がついたので、おそらく燃料がなくなったんだと思います。決勝はそれぞれのクルマが接近した戦いを繰り広げると思います。我々は少しアドバンテージを持っているわけですが、暑さとタイヤをどのように使うかが大きな問題になってくるでしょう。もちろん勝つ自信はあります。ただしいつもよりかなりタフなレース、そしてエキサイティングなレースになると思いますから、とてもやり甲斐を感じています。ここまで4戦全てでラーク・マクラーレンF1GTRがポールポジションを獲得してきましたから、今回はそれを勝利に結び付けたいと考えています」
■袖山誠一(*910 ナインテンポルシェ GT300予選1位)
「予選ポールは初めてですから嬉しいですね。前回の仙台ではスタビが2度折れまして、余計なピットインを2度して遅れました。そこまでは2連勝かなと思っていたんですが、そうはうまくいかないですね。おかげで重量が10kg減りましたけど。もちろんその対策はしています。クルマとしてはリアのウィングの部分を軽くしました。993GT2と同じ形状で軽いパーツです。トータルでクルマが20kgくらい軽くなりましたから、今ウェイトを20kg積んでるんですけど、積んでない状態と同じ重さです。実は金曜日からクルマが凄く遅くて、この席に来れるような状況じゃなかったんです。それでゴールデンベアーポルシェさんのチームにお願いして、コンピュータのロムを拝借しましたら、いきなり調子良くなってしまって、こんなタイムが出てしまいました。余裕で貸してくださったんでしょうけれど、負かしてしましまして、申し訳なかったですね(笑)。37秒台のタイムは特に狙って出したわけでなくて、速いクルマを避けながらのタイムだったんですが、運良くポールが取れまして、チームは喜んでいます。決勝は、4〜5台でトップ争いが暫く続くのではないかと思います。前回の富士はタイサンのポルシェと2台でしたが、今回は4〜5台でということになりそうですね。ですからちょっと頭を使って、最後まで前の方にいられるように頑張ります」








★決勝日−11日のトピック★


■#88 タムラ ディアブロ イオタ
朝のセッションで池沢さとしが走行中、最終コーナーで後方から来たクルマに道を譲ったもののよけきれずにスピン。ギアが1、2速とバックに入らなくなり、最後はオーバーヒートしてしまった。
■#37 カストロール・セルモ・スープラ
朝のセッション中、Aコーナーでスロー走行中のクルマにひっかかりフル・ブレーキングしたところで*31 カルテックスポルシェと接触。#37はリアバンパー、*31は左前フェンダーを破損したが、損傷は軽微で決勝出走には問題ない模様。
■#19 小林且雄
「金曜日の練習走行中にクラッシュし、その修復のために土曜日の予選を走ることができなかった。嘆願書を提出して、朝のセッションで基準タイムをクリアすることを条件に最後尾からスタートすることになりました」
■#34 STPタイサンポルシェGT2
チーム・タイサンは今回、GT500クラスの#35ポルシェGT2の出場を取り止めたその代わりというわけではないだろうが、昨年の最終戦以来倉庫にしまわれていた、フェラーリF40を今回ピットに持ち込んだ。正式なエントリーではないが、金曜日の練習走行では木下みつひろのドライブにより周回を重ねていた。タイサンの千葉監督としては、性能の均等化という観点からF40を他車より僅かに規制の緩い特認車両として選手権に復活させたい意向のようだが、特認が拒否されたため参加は叶わなかった。チーム・タイサンのピットに寂しく置かれたF40のフロント・ウィンドウには、こんな貼紙が。
『GTC御来場の皆様へ。95/8、1分31秒138 は速すぎるということで、+100kg 、車重1300kgのハンデとなりました。96/5、特認車は1分29秒でもOK。私のタイムはP5!! 皆様の総意でもう一度特認車で走らせて下さい。1200kg、35φ×2−悲しきF40より−』
■#60 ラーク・マクラーレンF1GTR
朝のフリー走行で1分31秒378のトップタイムをマークした#60マクラーレン。服部尚貴は走行終了後パートナーのラルフ・シューマッハと入念なドライバー交替の練習をしてから、ご機嫌で以下のように答えてくれた。「クルマは凄く調子いいですよ。特に問題ない。ただエンジンがちょっとね。実はここまで#60の方はノンオーバーホールなんですが#61は前回オーバーホールしてるんで、エンジンは#61の方が少し速いんです。他のマシンとどっちが速いかって? うーん同じくらいじゃないですか。今日はラルフが先に乗って、僕が後半乗ります」
■*57 カストロールSFアンフィニRX7
「JSSに参加していたのですが、そのままGTCに移行するか、クルマを新しくするか検討していました。で、雨宮さんのところが速いのでFDで行けそうだということで、今年の始めから準備して今回ようやく間に合いました」(元JSSチャンピオン、深沢寿裕ドライバー) 「アンフィニ西東京の社員が集まってやっています。ドライバーも荻窪店の工場長です。今日は手伝いに来てくれた人が居ますけど、このクルマは基本的に4人で作りました。仕事が終わってからの作業なので夜中に作ったクルマです。ですから今回も有給休暇で来ているんです。ええ、出張ではありません。会社からの援助は受けていますけど、クラブ活動ですから...。クルマはマツダのスポーツキットを使って組んでいますが、エンジンは外注しています。パワーは計ってはいませんが、恐らく320 馬力ぐらいだと思います。今後ですか、仕事があるので遠くには行けないんですよ。東北は仙台ぐらい、西は鈴鹿までですね。美祢までは時間的に無理です」(小美濃友之チーム監督)
■*910 袖山誠一
「決勝のペースは周りしだい。6番のMR2 も速いし、ゴールデンベアーポルシェも、クルマとしてはウチよりも仕上がりがいいみたいですからね。それに決勝では*26タイサンも必ず来るでしょう。ウチとしては、このあたりと12番のシルビアなどをつねに射程におきながら、最後に一番前にいるようにしたいと考えています。タイヤは、無交換でいけるように抑えていくつもりですが競り合ったらそうもいかないでしょうから、交換の練習もしています」




決勝スタート直前
気温:28.8度  湿度:50%  路面温度:41度
入場者数:8/11 50,800人(8/10 10,200人)
*95 左前タイヤパンクでピットスタート


リタイヤ
(GTインサイドレポート班調べ)

     No.  原因                      周回数  

#36 エンジン                  2L

*12 ラジエター                 6L

#60 ブレーキ(1コーナー・コースアウト)    8L

*72 デフ・トラブル              18L

#30 ドライブシャフト             19L

#5 サスペンション              20L

#37 ミッション                27L

*18 1コーナーでコースアウト         28L

*31 ハブ・トラブル              28L


■#60 R.シューマッハ
「ブレーキがね。ペダルが床までいっちゃったんだ。あれじゃあ、どうしようもないよ」 #1 カルソニックスカイライン(総合優勝)  影山正彦は95年第1戦鈴鹿(4/2)以来のGTC優勝。星野一義はGTC初優勝。スカイラインGTRとしては、95年第4戦富士(8/13)ユニシアジェックススカイラン以来。
■*18 ゴールデンベアーポルシェ
クラッシュした小林正吾は、右足すねの骨折と右手の切り傷。命に別状はないが、総合病院に搬送された。
■#1 カルソニックスカイライン(総合優勝)
優勝が決まった瞬間、ピット内で椅子に立ち上がって星野一義は万歳三唱。その後、スタッフ全員と握手して喜びを爆発させていた。「バンザーイ! 長い間勝ってなかったからね、マクラーレンなんかもいたし。とにかくうれしい。走っているあいだは足許が熱くて、まいったけどね」
■*31 ナインテンポルシェ 長坂尚樹(GT300クラス1位)
「作戦どおり、バッチシ。クルマのバランスもよかったしね。タイヤは後ろだけ交換してる。いやあ、富士は縁起がいいよ」
■#61 ラーク・マクラーレンGTR(総合2位)
デビッド・ブラバム「今日の結果には満足していない。ピットワークが遅すぎた。あれで15秒ロスしてしまった。それとセーフティカーの導入もジョン(ニールセン)の追い上げにストップをかけることになってしまった。スカイラインGTRはあの後ブースト圧を上げたんじゃないかな。僕だったらそうするよ。選手権ポイント? それは良かった。15ポイント加算出来たからね。ポールポジションをとって、レースは2位。まあ悪くはないけどね」 ジョン・ニールセン「スカイラインGTRを追いきれなかったね。セーフティカーが入った後で急に速くなった。あれで燃費を節約出来たからブースト圧を上げたんじゃないか。僕の方はブレーキに問題があってブレーキングを早めなければならなくなってしまって思うようにペースを上げられなかった。でもリスクを冒して追い上げるより、2位をキープして選手権ポイントのことを考えた方が良いと思ったんだ。だから良い結果だったと思う。ところであのアクシデントを起こしたポルシェのドライバーは無事なの? 骨折だけ? それは良かった。僕はこのあとデンマークでイベントがあって、ルノースパイダーに乗るんだけど、それから鈴鹿1000kmでまた日本に来る。今日は満足しているよ」
■#2 ZEXEL スカイライン(総合3位)
鈴木亜久里「昨日までカッコ悪すぎたからね、予選ではスカイラインのビリだもの。今日くらいカッコつけないと。クルマは2日間いじり壊して終わって、今日けっきょく元に戻したんだもの。でもスカイラインが上に来てお客さんは盛り上がったでしょ? やっぱりスカイラインはカッコよくないとね」 福山英朗「スズキアグリ、カッコよすぎ! カッコいいとこ、みんな持ってちゃうんだもんなあ(笑)。でも、まだ表彰台の真ん中じゃないですからね。次もがんばりますよ」
■*7 RE雨宮SuperG RX7 (GT300クラス3位)
山路慎一「予選から考えれば、MR2のがアドバンテージがあったことは確か。スリップを外したら絶対に抜けないよ。終盤の競り合いの時は、お互いに、もうシフトアップ合戦だったよ。でも、前を走ってた6番のMR2はエンジンかな、ボロボロいってたしね。まあ、ウチも結構危なかったんだけどさ。72番のBMWはリタイア? 向こうはノーポイントか。ラッキーだね」
■#3 長谷見昌弘
「タイヤの表面が剥離してマフラーをつぶしてしまい、カウルまで損傷してしまった。ウチ以外のスカイラインは速かったけど、ウチはまだまだやらなきゃいけないことがたくさんある。今回、スープラは自滅だからね。チャンピオン争い? ウーン、61号車が抜け出しちゃったからなあ」
■#556 鈴木利男
「クルマは完璧だったかって? ハイ、完璧な大オーバーステアでした。木曜日からずっとそれが直んなくて・・・。まだまだやらなきゃならないことがいっぱいあります。スカイラインのパワーが上がったのは事実だけど、予選の結果を見るかぎりまだスープラのほうが速いですからね。次もがんばります」
■*6 川崎哲哉
「交代してすぐエキゾーストが破れはじめ、グラスウールが室内に入ってきてしまった。それがだんだんひどくなって、最後は全部バンといって止まってしまった。まあ、レースだからしょうがないですね。こんなこともありますよ」
■#37 エリック・コマス
「マシンの調子自体は悪くなかったんですけどね。竹内からマシンを引き継いだ時には、ギアボックスがノイズが出ていて心配だったんだけど。マシン自体は煮詰まってきているので、残りを全部勝つ気でいきます」
■#39 サードスープラGT
ワイン・ガードナー「アクシデントは俺じゃないよ。アランの時だから分からないよ。あの後クルマはダウンフォースは無くなるし、メインストレートは遅いしで1秒以上遅くなったと思う。まあ、これもレース。仕方ないさ」
■#8 FET SPORT SUPRA
ベルトラン・ガショー「クルマはすごく良かった。問題なかったよ。ただ、僕のパートではコースがすごく滑りやすくてそれが大変だった。でも体力的には問題なかった。全然大丈夫。次のレースについては何とも言えないなあ。コースを知らないからね。ともかく今日の結果には満足しているよ。」
■トム・クリステンセン
「スカイラインGTRはストレートがすごく速かった。コーナーも悪くなかったけど、特にストレートが。コーナーで少し離してもストレートエンドで詰められてしまう。速いドライバーだし、無理して抑えることも出来なかった。でもクルマはレース毎に良くなっている。チームが良い仕事をしてくれているから。今度の水曜日にイギリスでトムスGBの作ったプロトタイプカーのテストをする。実は数週間前に既に1日テストしているんだ」





以上、インサイドレポート班による。