Review


MINE GT RACE
10.27sun at Mine Circuit

| 1996.10.27 sun | MINE Circuit - 3.23898km | Start 13:53 | 晴 Fine |
| Course Condition : ドライ Dry | Temp : 1st-19.1 |



シューマッハ/服部組が
ポール・トゥ・フィニッシュで今季3勝目


無念!! カルソニックスカイライン4連覇ならず!
シリーズタイトルは
マクラーレン(No.60 D.ブラバム/J.ニールセン)のものに


10月27日、山口県・MINEサーキットで'96全日本GT選手権(GTC)第6戦(最終戦)「MINE GT RACE」の決勝レースが行われた。

雲ひとつない快晴のなかで決勝レースは行われた。スタートではポールポジションのNo.60 ラーク・マクラーレンF1GTRR.シューマッハ、予選2位のチームメイト、No.61 ラーク・マクラーレンF1GTR D.ブラバムが続き早くもワンツー態勢を作り上げる。3番手はNo.37 カストロール・セルモ・スープラ E.コマスNo.36 カストロール・トムス・スープラ 関谷正徳の僚友が続く。そして、予選順位通りならば、この後にNo.8 FET SPORT SUPRANo.39 サードスープラGTが続くはずだったが、この2台は直前のウォームアップ走行で勘違いから走ってはいけないメインストレートを通ってしまったためにピットスタートとなってしまった。代わってこの間隙を付いたNo.556 KURE R33 鈴木利男No.2 ZEXELスカイライン 鈴木亜久里No.3 ユニシアジェックススカイライン 長谷見昌弘のスカイライン勢が続いた。シリーズランキングトップのNo.1 カルソニックスカイライン 影山正彦も予選13位からジャンプアップし9番手前後へと順位を上げた。

トップのNo.60 R.シューマッハは快調にラップを重ね、時には1分26秒という予選並のハイペースで後続を引き離していく。一方、2番手のNo.61 D.ブラバムは、No.37 E.コマスに迫られ、激しいバトルとなる。この2台の後方少し開いてNo.36No.556No.2が接近戦を展開する。No.1 影山正彦は8番手まで順位を上げるが、ブレーキにトラブルを抱えて思うようにペースが上げられず、後続のNo.34 STPタイサンポルシェNo.25 FEDEX 300Z-GTSからプレッシャーを受け始めた。


☆あっけない幕切れ。GT300タイトルは恵一/新田組の手中へ


そして、20周に近づいたあたりからレースは最初の動きを見せる。まず、悪戯な女神に出逢ってしまったのがGT300クラスのランキング2位、No.910 ナインテンポルシェ 袖山誠一だった。彼がチャンピオンになるには最低でもランキングトップのNo.26 タイサンスターカードRSRの前に出なければならなかった。予選ではNo.26の後塵を拝したものの決勝レースでは果敢に追い上げ、No.26の後方1、2秒の位置にまで来ており追いつくのも時間の問題と思われた。しかし混戦状態の中、No.910の直後を走っていたマシンがスピン、そのままNo.910に追突してしまった。2台はもつれるようにしてコースアウト。No.910の逆転チャンピオンはその努力を出すまもなく終わってしまった。この時点で、No.26 タイサンスターカードRSR鈴木恵一/新田守男組のドライバース・タイトルが決まった。

そして、次なるドラマはGT500クラスへと移る。22周目に4番手を走っていたNo.36がトラブルで突如スローダウンし、これまた実力を発揮することなくレースを終えた。26周目にはチャンピオン候補の本命、No.1がパドック裏の30Rでコースアウト。ブレーキトラブルを抱えながら、後続からのアタックを押さえている矢先だった。1度はコースサイドにマシンを止めた影山正彦だったが、執念でコースに復帰しピットに戻る。しかし、ブレーキだけでなくコースアウトのダメージも大きく、無念のリタイアとなった。これを見届けたランキング2位のNo.61 D.ブラバムは5位以上に入れば誰が勝ってもチャンピオンを獲得できることになったため、無理にNo.37 E.コマスを押さえる必要もなくなり、次の周にはE.コマスにあっさりパスされた。

一方、チャンピオンには関係のないNo.556No.2は、このレースの上位入賞を賭けているためにバトルが更にヒートアップする。そして、38周目についにバックストレッチで接触。No.2は大きなダメージもなく、すぐにレースに復帰したが、No.556はタイヤバリアに接触し、マシンにダメージを負った。このため、1度ピットに戻り修復作業を行ったことで、上位入賞を逃すこととなった。

このような後続グループのアクシデントとは全く無縁にNo.60は周回を重ね、シューマッハから服部へのドライバー交代も全く問題なく行われた。No.37 E.コマスは2位に上がった後、果敢に追走し規定周回ギリギリまで走るが、15秒以上あった間隔を10秒にするが精一杯だった。E.コマスからバトンを受け取った竹内も、余裕を持って走る服部に対して迫ることはできなかった。結局このままNo.61 ラーク・マクラーレンF1GTRがポール・トゥ・フィニッシュで今季3勝目を上げた。2位にはNo.37 カストロール・セルモ・スープラが、3位には混戦を勝ち抜いたNo.2 ZEXELスカイラインが入った。そして、No.61 ラーク・マクラーレンF1GTRは後半マシンをいたわりながら走り、4位に入賞。これによって'96年のドライバース・タイトルを手にすることになった。

GT300クラスは、予選クラス2位のNo.12 パーソンズシルビアが1周目にスピンし、大きく遅れてる。これで予選トップのNo.6 imuraya BP MR2 土屋武士が序盤をリードし、このまま走り切るかに見えた。だが、ピットインの際にエンジンの再始動に手間どり大きく遅れてしまう。これでトップに立ったのはNo.26 タイサンスターカードRSRだった。No.26はこのまま逃げきり、自らのシリーズ・チャンピオンを決定を今季3勝目で飾った。

(入場者数:40,400人)



Round 6 Champion Driver
60 LARK McLaren F1GTR

Ralf Shumacher



■ラルフ・シューマッハ 「美祢はフォーミュラも含めて全部勝てたので、大好きなコースです。今日はもう少しスープラが速いかと思ったのだけれど、意外に伸びなかったので、余裕を持って走ることができました。チームにとってはシリーズで1、2位がとれて非常に良かったと思いますが、自分にとっては満足していません。というのも今年5回ポールポジションをとって、3回勝ったのに、2回ミスをして、その結果が2位でしたから、残念に思っています。JGTCはマシンが重くて、フォーミュラほど面白くはありませんでしたけど、3回優勝できましたし、これからもずっと忘れないと思います」


'96 Series Champion Driver
61 LARK McLaren F1GTR

Jhon Nielsen


■ジョン・ニールセン 「昨年のBPRに続きGTCでチャンピオンを、同じマクラーレンでとれたことを大変嬉しく思っています。チームの関係者やスポンサーの皆さんのお陰です。今日のレースはタイヤに少し問題があったので、確実にフィニッシュしてチャンピオンを取ることを目指しました。日本のGT選手権は、BPR以上にお客さんやプレスの注目度が高いことに驚きました。またチャンピオンをとれたのはパートナーのデビッドのお陰でもあります。改めてお礼を言いたいと思います。今年の初めは100kgだった体重が90kgまで落ちましたので、もし来年も日本に来たら80kgまで痩せられるでしょう(笑)」