Inside Report


NICOS cup GT All Star Race
11.17sun at Central Circuit






★11/16 Sat. − 公開練習★


■No.1 カルソニックスカイライン

影山正彦「コーナーが連続してるから忙しい。でも、公道みたいな感じでおもしろいよ。抜きどころは1コーナーの入口と反対側の直線の終わり。抜きどころが少ないから、クラスが違っても簡単には抜けないね」

星野一義「小さいコースだけど、小さいなりに安全面なども考えてあって良いサーキットだと思う。ただ、スカイラインにはコーナーが小さすぎてキツイ。抜きどころは1コーナーで着いてバックストレッチの終わりで抜くか、最終コーナーで着いて1コーナーの突っ込みで抜くか、だろう。自分の好きなコースか、といえば結構キツイねえ。大排気量車には小さいし。ただ、ユーザーがサーキット走行をするにはちょうど良いと思う」


■No.2 ZEXELスカイライン

3回行われたフリー走行で2番手のタイムを出したZEXELスカイラインの鈴木亜久里。先週行われたITC国際ツーリングカー選手権でも「楽しんでやりますよ」と言いながらも素晴らしい成績を残しただけに、このレースでも一発狙っている模様だ。「コース幅が狭くて大変じゃないですか?」という意地悪な質問にも「僕らはプロだから、どこでも一緒。言われたところを走るだけだよ」と余裕のお言葉。「僕らのクルマだけちょっとブレーキに問題があったけどもう良くなった。ここはスカイラインが調子良く走れそうで、まるで日産感謝デーみたいだね。ただ抜けないね。スタートで一番前に行った人の勝ちって感じかな。ま、決勝レースは1日が楽しく終わればいいよ」と、相変わらずの亜久里スマイルを披露してくれた。


■No.3 ユニシアジェックススカイライン

「ここは最終コーナーがポイントだね。Rが小さいから、あそこでトラクションがよくかかれば、1コーナー手前で前のクルマを抜けるんだよ。だからスカイラインにとっては不利だよね。6気筒のFRでフロントヘビーでしょ。トラクションが一番かかりにくいんだ。逆にスープラやポルシェは、トラクションもかかるしストレートも速いから、抜くことに関しては有利だよね。つまりスカイラインには予選が真剣勝負になるってこと。予選で前にいかないことにはどうにもならないよ」とは長谷見昌弘の弁。練習走行では上位につけるスカイライン勢だが、1台づつ走る予選では、各アタック役ドライバーの果敢な走りが見られそうだ。

田中哲也「トリッキーでおもしろいコースですね。ただ、セーフティゾーンが少ないのでコースアウト即クラッシュという危険な部分もあるし、コーション・ランプが見にくいという問題もありますけど、競り合いがなければおもしろいコースでしょう。でも競り合うとなると...。僕は好きな方ですけど」


■No.7 RE雨宮SuperG RX7

山路慎一「コースは一見きれいなんだけど、実際にはかなりバンピーです。ウチのクルマはパワステじゃないので、クルマが跳ねるのを抑えるのがたいへんですね。でも、跳ねたときにリアだけ出ちゃったりフロントからいっちゃったりしない、つまり変な言い方ですが着地がいいのでタイムが出ているんでしょう。パワーがあるクルマでも出口で踏めないようなんで、結構ついていけます。公道っぽいコースは結構好きなんですよ。ボク、マカオも3回行ってますし」

松本晴彦「コースは結構おもしろいかもしれないですね、危なそうで(笑)。下りのコーナーなんか、かなりおもしろいですよ」


■No.25 FEDEX 300Z-GTS

今シーズンから登場したアメリカIMSAシリーズのチャンピオンマシンである300Z。日本のGTCでは苦戦を強いられていたが、このセントラルサーキットでは1回目の練習走行でいきなりトップタイムを記録した。2回目の練習走行ではマシンがコース上で止まってしまったが、影山正美はご機嫌だ。「クルマは何も変わってないんです。ここはストレートが短いから、足のいいウチのようなクルマが速いんでしょうね。タイヤは今回2種類のドライ用があるんですが、もう1つ柔らかいのが欲しいくらいです。さっき止まったのは停電です(笑)。急に電気が来なくなっちゃって。でも大丈夫ですよ」と影山。この後パートナーの立川裕路に、「ウチが前のクルマを抜けるのは、最終コーナーのところだけだよ。ストレートは遅いから、マシンを振るしかないかもね(笑)」と、本気とも冗談ともつかないアドバイスをしていた。

立川祐路「狭いコースですけど、ボクは結構好きです。ウチのクルマはこういうコースに合っています。コーナーが速いから、ストレートの短いコースはいいんです。この1年、こういう大きいクルマに乗れたのはいい経験になりました。といっても、決勝では前回初めて乗れたんですけどね(笑)」


■No.26 タイサンスターカードRSR

今年度のGT300クラス・チャンピオンを獲得したタイサンスターカードRSR。タイトルをとった勢いをかって、ここセントラルでもクラス優勝といきたいところだが、鈴木恵一はちょっと不満そうな表情。「ここは危ないですねぇ。エスケープゾーンが狭いですからね。それにこのレイアウトだと、抜かれる時がまた危ないですよ。我々はスピードを大きく緩めないと、GT500のマシンに抜いてもらえないんです。だからレースを真剣にやるのか、危なくない程度でやるのかを選択する必要があるでしょうね」と鈴木。大ベテランも難コースにちょっと悩んでいるようだ。


■No.30 綜合警備PORSCHE

山田洋二「小さいコースですね。筑波よりは直線が長いですけど。ボクにとっては少々疲れる、忙しいサーキットです。おもしろいのは最後のヘアピンでじっと我慢しているところ。中規模のサーキットで、気楽に楽しめる感じですね。綜合警備さんのためにも恥ずかしくないレースをしたいです」


■No.34 STP タイサンポルシェGT2

松田秀士「抜きどころはないことはない。抜こうと思えばどこでも抜けるんだけど、エスケープゾーンが狭いのでリスクは大きい。新しいコースだから、おもしろいことはおもしろいけど、かなりバンピーで、大きなうねりがある。チャレンジしがいのあるコースではあるけどね」

中子 修「このコースはポルシェには合ってないよ。NSXなんかはおもしろいんじゃないの」


■No.36 カストロール・トムス・スープラ

関谷正徳「むずかしいコースですね。それとセーフティゾーンが少ないので怖いね。抜きどころは1コーナーの進入とバックストレッチ後のコーナーの突っ込みかな。観客席がコースにすごく近いし、たくさん見える席もあるのでお客さんには良いんじゃないかな。カメラアングルもすごく良いところがあるでしょ。迫力ある写真もとれると思うよ」

片山右京「小さいサーキットですね。チューンしたクルマでサーキット走行するには良いんじゃないですか。それほどスピードも出ないから大きなクラッシュにはならないでしょうし。こういうレイアウトだとモナコを思い出しますが、あそこにくらべればずっとスムーズですよ。ただ僕はあまり小さいサーキットは好きな方ではないですね。楽しんでいますけど、結構マジになっているところもあるし、僕らも勝つための手応えはあります。僕がクルマに慣れるために、レース後半を想定して古いタイヤで走っていたんですけどそれでも17秒前半のタイムは出ていますから。“大将”に行ってもらって良いところでハンドルを渡してもらえば、“いい仕事しまっせ”というところです。予選ですか? 予選は関谷さんが乗ります」


■No.37 カストロール・セルモ・スープラ

エリック・コマス「ここは市街地コースみたいなところがあっておもしろいね。僕は好きだ。今までのコースとは異なっている。1コーナーも独特だし、S字部分、左右のコーナーが連続していておもしろいし。狭い? いやそんなことない。いろいろ批判もあるだろうけど僕は好きなサーキットだよ」

竹内浩典「GTカーには狭すぎますね。それとすごくバンピーで、舗装し直さないと....でもレイアウトとしてはおもしろいと思いますよ。特に1コーナー、それからバックストレッチ後のコーナーの連続はおもしろいですね。抜きどころですか? ないです。スタートして1コーナーに入った順位でそのまま周回するんじゃないでしょうか。ピットの作業時間が順位を大きく左右することになりそうですね。セッティングはダウンフォースを思い切り増やすように、それとやわらかくする方向でセッティングしています」


■No.39 サードスープラGT

GTC初参加のフランス人ドライバー2人。オリビエ・グルイヤールは1988年にインターF3000シリーズ2位から翌1989年にF1にステップアップ。1992年まで4シーズン、グランプリを戦った。最近はBPRシリーズでマクラーレンF1GTRを駆って活躍している。1990年にはニッサンのCカーに乗ってル・マン24時間に参戦した経験もある。ダビッド・ドュッソーは1993年フォーミュラ・ルノー仏チャンピオンで、1994年と1995年はともにフランスF3選手権3位。今年はインターF3000のうちニュルブルクルングとポーの2戦に参加。ともにリタイアに終わったものの、ポーでは暫定ポールポジションを決め、決勝でも4位を走行し、3位を追い上げるという実力を見せた。

オリビエ・グルイヤール「ここはおもしろいコースだ。ただGTカーでは難しい。路面への接地性がもっと高いフォーミュラカーなら問題ないけど、GTではすべてのコーナーで、とくにブレーキングが難しい。それに半分ブラインドのコーナーもある。もちろんまだ攻めてはいない。まだまだ、これから。チームはやる気いっぱいだ」

ダビッド・ドュッソー「小さくてあまり速くないサーキットだが、大小いろいろなコーナーがあってとてもおもしろいコースだ。僕は好きだ。ただ、安全性には首を傾げるようなところが何カ所かあるが...。また、いま進めているが、マシンのセッティングは大変だ。ドライビングも難しいし」

公開練習2回目にサードスープラは7コーナーのグラベルにストップした。ドライブしていたドュッソーは次のように語った。「4、5コーナー、6コーナーとすごく良い感触で回ったんだ。その後の直線部分で突然左前輪がパンク。ちょうどグラベルの終わりのところに行ってしまってフロント部分を少しクラッシュしてしまった。5年間レースをやっているが、クラッシュしたのは2度しかない。これが3度目。残念だよ」


■No.70 外国屋アドバンドリブポルシェ

石橋義三「エスケープゾーンが狭いから、万が一なにかあったら危険だけど、コース自体としてはおもしろいとは思う」

星野 薫「おもしろいコースですけど、セーフティゾーンが少ないですね。レイアウトは問題ないと思うし、きらいな方じゃないんですけど、競るとコースが狭いので抜けない場合は当たることになってしまいそうですから、当たると大きいですからね。セーフティゾーンさえ広ければ良いんですけどね。ブレーキトラブルでもあったらと思うと...」


■No.100 ADVAN BP NSX

土屋圭市「コースはおもしろいんじゃないの、ちょっとキツイけど。パワー差が出にくいからいいだろうって? 直線にシケインでもあればね、でないと両側から抜かれちゃうよ」

高橋国光「難しいけどおもしろいコースですね。サーキット自体新しいので路面のミューが非常に低くてすべりやすい。ラインを外すと特にそれが言えるので、ダッシュしにくいんです。レースではそこがまたおもしろいと思いますよ。我慢を強いられるだろうけど、レースではハプニングが起こるかもしれないね」


■No.556 KURE R33

今シーズンは後半から調子を上げてきたKURE R33。その好調さをここセントラル・サーキットでも維持しているようだ。近藤真彦は、「来る前は、全然曲がれないようなタイトコーナーばかりって印象を持っていたんだけど、実際走ってみたらそうでもないね。ただタイヤがすごく暖まりにくい。気温のせいなのか路面のせいなのか良くわからないけど…。あとピットロードの入り口がタイトすぎるね。ピットインに失敗したらもう1周回らなくちゃいけなくなるね(笑)」と、このコースは概ね気にいった様子。マシンの方は、「クルマは調子いいですよ。ただこのコースはタイトなので、スカイラインだとクリッピング・ポイントが見えないんだよね。最終コーナーなんか目一杯ステアリングきって、首を思い切り伸ばさないと見えないんだ」と、スカイラインの大柄なボディだけがちょっと気になるようだ。

鈴木利男「コースは、ウーン、エスケープゾーンがちょっと狭いですね。それとかなりバンピー。コーナーはそれほどでもないんだけど、メインストレートと、裏の直線でかなりクルマが跳ねるんですよ。タイヤが全然温ったまんないから、結構たいへんですね」


■No.910 ナインテンポルシェ

今シーズン最後までGT300クラスのチャンピオンをタイサンスターカードRSRと争ったナインテンポルシェ。シーズン終盤からこのナインテンポルシェに、袖山誠一のパートナーとして乗ることになった玉本秀幸に意気込みを訊いた。「美祢のクラッシュは、エンジンが3cmくらいずれてしまうほどだったんですが、きれいにリペアして今は全く問題ありません。ただエンジンが1シーズン、オーバーホールなしで使ってきたものなので、やはりのぼり坂は辛いですね。ここはタイトで厳しいコースです。特に立体交差下の1つ手前の左コーナーが、下りが急なのですぐテールが出てしまいそうになります。決勝ではGT500のマシンに抜かれる時が危ないですね。緩いRのコーナーは諦めてもらって、タイトコーナーで譲るしかないでしょうね」と、速度差のあるマシンを操る難しさを語ってくれた。その玉本に、ヘルメットのカラーリングについて訊いてみた。と言うのも、彼のヘルメットは、1973年のアメリカGPで亡くなった故フランソワ・セベールのものとそっくりなのだ。「実は物凄いセベール・ファンでして、レースを始めた頃からずっとこのヘルメットを使っています。タミヤの12分の1のティレルなんか3台くらい作りましたよ(笑)。今33歳ですからリアルタイムでセベールを見たギリギリの年齢なんですが、今でも僕のヒーローなんです」と玉本。とても明るい玉本の活躍に期待したい。

袖山誠一「路面が滑りやすいですね。ほかのサーキットの感覚で行くと思ったより滑ります。タイサンのポルシェなんかはずいぶん跳ねていたみたいですけど、ウチのクルマではそれほどは感じません。タイヤが温まりにくいので、予選ではベストタイムは出ないかもしれないですね。7〜8周しないと温まってこないんですが、予選は4周目でアタックですからね」


◎NISMOトリオ(鈴木亜久里、近藤真彦、福山英朗)

NISMOのテントで仲良く談笑していた鈴木亜久里、近藤真彦、福山英朗。福山は朝宿泊先のホテルから亜久里が先にサーキットに行ってしまったために、仕方なく1人でクルマを運転してきたのだが、「おかしいんだよ。僕が一番最初についてたんだから」と不思議な顔。「いや、だって朝、亜久里さんに1時間もハメられたんだから」とはマッチ。「亜久里さんのクルマに乗ってホテル出た途端、亜久里さん、どんどん運転していくんで、すごいなぁ、もう道覚えたんだと思ってたら…」「サーキットまでの道なんかオレ全然知らなくてさ、こっちだろうと思ったら全然反対だったんだ」と亜久里。マッチは「お陰で1時間もグルグルあっちこっち走ってサーキットに着いたもんだから、帰りの道が全然判らないんですよ」と心配顔だった。この2人、帰りも同じクルマだったが、はたして無事にホテルに着けただろうか?