チームワークの勝利! カストロール・セルモ・スープラの追走届かず GT300は峠の勇者、RE雨宮に凱歌!! コース幅が狭く、タイトなコーナーの連続するセントラルサーキットでは前にいることが絶対有利と言われていた。しかも、折からの低い気温に各ドライバーがタイヤの暖まりに不安を感じていた。それだけにフォーメイションラップでは、どのマシンも大きく左右に振っていた。ペースカーが抜け、メインストレートに隊列が入ったとき、スタートが切られたと何台かのマシンが追い抜きをかけたが、実際にはスタートの合図がなされなかった。このため、もう1周隊列を整えて再度のローリングスタートとなった。このラップを1周減算してレースは71周となった。 再度のスタートの1コーナーは、予選の順に*No.556 KURE R33鈴木利男、*No.2 ZEXELスカイライン鈴木亜久里、*No.3ユニシアジェックススカイライン田中哲也と3台のスカイラインがクリアしていく。慣れないスープラのせいかコーナーでの挙動が大きい6番手の*No.36カストロール・トムス・スープラ片山右京を、*No.100ADOVAN BP NSXの土屋圭市が激しく攻めたてる。 *No.556利男と*No.2亜久里が後続をやや離して本格的なトップ争いが始まると期待された5周目にNo.556が突然のピットイン。ターボのトラブルで、応急措置して1度コースに戻したが、やはりダメだった。本来ならここでレースを終えるところだが、NISMOチームはターボ交換の大手術を決意。メカニックは必至の作業に入った。これで、No.2亜久里が余裕で逃げるのかと思いきや、亜久里のペースが落ちていく。*No.3田中にあっさりとかわされたところで、こちらもピットイン。タイヤの内圧が狂ってしまったためのハンドリングトラブルということで、4本のタイヤを替えすぐにピットアウト。11番手にまで落ちた亜久里は、ここから猛烈な追い上げを開始する。 トップに立った*No.3。いつもならエースの長谷見昌弘がスタートドライバーを務めるところだが、今回長谷見は若い田中にタイムアタック、そしてスタートドライバーを任せた。後ろから迫るのは元F1ドライバーでGTC最速と言われる*No.37カストロール・セルモ・スープラのエリック・コマス。これは追いつかれるのも必至かと誰もが思った。しかし、田中はコンスタントに17秒台をキープ。一方のコマスは何とか17秒台という状態で、その差が徐々に開いていく。 その後ろは少し離れて、じわじわと順位を上げてきた*No.1カルソニックスカイラインの影山正彦が3番手。この影山を激しく攻めるのが序盤出遅れた*No.36片山。ようやくマシンに慣れたのか片山のドライビングは鋭さを増す。そして、14周目の1コーナーでNo.1影山をパスし、片山は3番手に上がる。5番手には*No.100土屋。 その後では*No.39サードスープラGTのグルイヤールと*No.34 STPタイサンポルシェGT2の松田秀士がサイド・バイ・サイドの激戦を繰り広げている。GT300クラスでもトップの*No.7 RE雨宮SuperG RX7山路慎一と*No.910ナインテンポルシェの玉本秀幸が時にはテールとバンパーが接触するほどのハードバトルを展開している。 今回のレースでは2回のピットインが義務づけられているので、30周を過ぎたあたりから各車がレギュラーのピットインを開始する。トップのNo.3はタイヤは無交換で長谷見へ交代。これでまだピットインをしないNo.37のセルモ・スープラがトップに。この後No.37は、45周までコマスが一気に走りきる。そして、竹内浩典に交代の時もタイヤ交換せずに時間を稼ぐ。48周を過ぎて、追うNo.3長谷見は2回のピットをこなしたが、トップのNo.37竹内はまだ1回残っている。この時点で両者の差は20秒。そして、57周目にNo.37はガス給油のみのピット・ストップでコースへ戻る。つまり、序盤のコマスのタイムの伸び悩みは低い路面温度下でハード・タイプのタイヤを持たせる走りだったのだ。だが、この作戦は功を奏さず、コースに戻ったときにはNo.3は約10秒程前に出ていた。一方のユニシアジェックスもタイヤ無交換作戦を選択していた。田中からマシンを引き継いだ長谷見は、追うNo.37竹内のペースに合わせて、限界に近づいたマシンを巧みに操るベテランならではの走りで、No.3ユニシアジェックススカイラインをトップのままゴールへと運んだ。序盤の田中のガンバリ、そして短時間で的確なピットワークと緻密な作戦、そして長谷見の巧みな好走とチーム全体で勝ち取った勝利といえるだろう。 この後*No.37は、45周までコマスが一気に走りきる。そして、竹内浩典に交代の時もタイヤ交換せずに時間を稼ぐ。48周を過ぎて、追う*No.3長谷見は2回のピットをこなしたが、トップのNo.37竹内はまだ1回残っている。この時点で両者の差は20秒。そして、57周目にNo.37は正にピットでの一旦停止だけで義務の2回のピットインをこなしコースへ戻る。つまり、タイヤも燃料もそのまま。序盤のコマスのタイムの伸び悩みはフル満タンのガソリンの重さのせいだったのだ。だが、この奇抜な作戦は功を奏さず、コースに戻ったときにはNo.3は約10秒程前に出ていた。 長谷見は無交換のタイヤをいたわりながら、追うNo.37竹内のペースに合わせて走行するベテランならではの走りをみせて、*No.3ユニシアジェックススカイラインをそのままゴールへと運んだ。序盤の田中のガンバリ、そして短時間で的確なピットワークと緻密な作戦、そして長谷見の巧みな好走とチーム全体で勝ち取った勝利といえるだろう。 2位には*No.37カストロール・セルモ・スープラが。3位には序盤のピットインを逆手に事実上1回のピットで済ませ、また亜久里と福山英朗の走りで順位を上げた*No.2 ZEXELスカイラインが入った。 また、ラスト10周は5位を争う*No.1カルソニックスカイラインの星野一義と*No.100ADVAN BP NSXの高橋国光という両ベテランがテール・トゥ・ノーズの激しいバトルをコーナーごとに展開し、観客席を多いに涌かせた。そして、約1時間を掛けてNISMOチームは*No.556のターボを交換。近藤真彦をコースに送りだした。近藤は17秒台を連発し、観客の声援に応えていた。同様に*No.34もドライブシャフトのトラブルに見回れながらも修理を行って最後まで走行した。 WINING INTERVIEW No.3 UNISIA JECS SKYLINE 長谷見昌弘:「ドライバー交代してコースに出た時、2位との差で余裕があったので自分は楽にドライブすることができた。今日は田中哲也が良く走ってくれた。勝因? 田中哲也のがんばりだね」 田中哲也:「クルマがすごく良く走ってくれました。最近2、3戦は苦しい戦いを強いられていたが、メカニックが良くやってくれてクルマは本当に良く、今年最高の仕上がりだった。シーズン最後のレースを優勝で飾れてとても良かったと思っています」 No.7 RE AMAMIYA SuperG RX7 山路慎一:「初優勝って言っていいんですよね?(笑)ウチは今回ずっとクルマもタイヤも調子よかったし、すべてうまくいきました」 雨宮勇美代表:「ありがとう。ウン、とりあえず勝てたことはうれしいですね」 |