SUZUKA GT300km
in SUZUKA Circuit

| 3/30 sun. | Wether: Fine | Course: Dry | Start: 14:05:02 | Finish: 15:57:16 | SEIKO TIMING |




スカイラインvsスープラの激しいバトル
スタートダッシュを決めた
ZEXELスカイラインが逃げ切る

心配された雨も何とか持ち、鈴鹿サーキットのコンディションはドライ。1997年のGTC開幕戦SUZUKA GT300kmの決勝レースは30日14時ちょうどスタートした。
スタートはトルクに優るスカイラインの特性を生かして、No.2ZEXELスカイライン/鈴木亜久里がタイミング良くダッシュ。ポールポジションのNo.37カストロール・トムス・スープラ/関谷正徳を押さえて1コーナーにトップで進入する。これにNo.556 KURE R33/影山正彦No.12カルソニックスカイライン/星野一義No.39デンソースープラGT/影山正美と続く。


師弟対決!兄弟対決!

スタートダッシュを決めたNo.2ZEXEL/亜久里は2分07秒台で周回。このハイペースにNo.37スープラ/関谷は付いて行けず、徐々に引き離なされていく。その後ろでは、No.12カルソニック/星野No.KURE R33/正彦という去年まで共に闘った師弟コンビが激しく争う。だが、4周目のヘアピンで星野が突然失速。テール・トゥ・ノーズで後ろに付けていた正彦は避けきれずに追突。フロントを一部破損してしまう。星野はデフのトラブルらしく、このままリタイア。この勝負はあっさりと水入りになった。

星野に代わって3番手を行く正彦を攻めたのが、実の弟であるNo.39スープラ正美だった。スープラのストレートスピードを活かして、接触の後遺症か今一つスピードの乗らないNo.556に襲い掛かる。だが、正彦は巧みなブロックラインを使って正美を前に出させない。これにスタートで出遅れたNo.36カストロール・トムス・スープラ/デ・ラ・ロサも加わって、6周に渡って3つ巴のバトルを展開した。

ここから抜け出したのはラップペースが明らかに勝っているNo.36スープラ/ロサだった。No.36スープラは96年型で、スープラ勢の中では熟成の度合いがもっとも進んでいた。No.556/正彦は周回遅れに引っかかった隙を突かれてNo.39/正美にもかわされ5番手と順位を下げる。さらに激しい追い上げを見せるNo.36スープラは、11周目にはNo.37スープラもかわして2番手に上がり、トップを行くNo.2スカイラインを追っていく。

これで、トップがNo.2スカイラインNo.36スープラNo.37スープラNo.39スープラNo.556スカイライン。タイヤとのマッチングに苦しみペースのあがらないNo.3ユニシアジェックススカイライン/長谷見昌弘は我慢の走りで6番手に付ける。

 22周目に入るとトップのNo.2スカイラインが予定のピットイン。亜久里からコマスへとバトンタッチする。これを皮切りに上位陣が続々とピットインをしていく。この時、No.556はのピットインが長引く。これはNo.12との接触で、エアジャッキの接続口がフェンダーの中に食い込んでしまったためだった。このロスで6番手に順位を下げてしまう。



スープラに襲いかかる
トラブル


これ以外はピットインでの順位変動はなく、後半戦に突入する。トップを行くNo.2スカイライン/コマスは追うNo.36スープラ/クルムとの間隔を見ながらの走行。時折、周回遅れに引っかかって間が詰まるが、前が開くとコマスはペースアップしなかなか追いつめるまでには至らない。そんな36周目にNo.36スープラが白煙を上げる。

だが、クルムはピットに入らず、そのまま走行を続ける。一方、3番手を行くNo.37スープラ/鈴木利男は思うようにペースが上がらない様子。3番手のNo.39スープラグルイヤールに差を詰められ、39周目についに2番手が交代する。その直後、白煙がさらに酷くなった2番手のNo.36スープラがメインストレート脇のグリーンでついに止まってしまう。
これで、一気に楽になったNo.2コマスは若干ペースダウンをする余裕を見せて、そのままゴールを迎えた。この勝利はNISMOにとって5年ぶり、亜久里にとって全日本F3000で勝って以来9年ぶり、そしてスカイラインにとって記念すべき100勝目だった。






シルビア、MR2、ポルシェが壮絶バトル
RS☆Rシルビアがデビューウィンを飾る


GT300クラスは、GTC初登場のNo.19RS☆Rシルビアがスタートで飛び出し、クラス・ポールでディフェンディングチャンピオンのNo.26タイサンスターカードRSRを押さえてトップに立つ。これを3ローター化でトルクアップし戦闘力を上げたNo.7RE雨宮SuperG RX7が追うという展開。No.26タイサンスターカードRSRはスタートで躓き3番手に、これにNo.910ナインテンポルシェNo.25つちやMR2と続く。

15周過ぎにNo.7RX7が突如オイルを吹き上げペースダウン。ピットに戻ったものの、ミッションケースが割れていたということで結局リタイアとなった。これで、No.19シルビアの逃げ切りと見えたが、No.26ポルシェがペースを上げ差を詰める。

そしてピットインの作戦だが、No.19シルビアは26周目とGT300では早めに、そしてNo.26ポルシェは36周目と粘った対照的な作戦だった。No.26ポルシェがピットインからコースに戻った時、トップのNo.19シルビアは約20秒ほど前方だった。ガソリンが満タン時にはシルビアの方が速いが軽い状態だとポルシェが速いという、No.19ドライバー福山の話の通り、徐々に差は縮まっていく。このままだと最終ラップ前に逆転かと思われた43周目、No.26ポルシェは、なんとピットロードの速度規制を守らなかったというペナルティで10秒、さらにはラスト2周でガス欠でもう1度ピットインするというミスを連発し、逆転どころか表彰台をもふいにする。

4位となった。No.19シルビア/織戸学は、これで気が抜けたのか最終ラップにスピン。だが何とかリカバーして、シルビア初出場レースで初優勝を飾った。織戸にとっても全日本選手権での初勝利だった。

ゴールの際の誘導の手違いでNo.19がチェッカーを受けることが出来ず、他チームから抗議が出たため、一時失格という情報も流れたが、結局リザルト通りNo.19の優勝となった。













No.2 ZEXEL SKYLINE
Aguri SUZUKI


■鈴木亜久里:「チームは喜んでました。NISMOがGTで勝つのは5年ぶりでスカイラインの100勝めって言ってました。NISMOも日産も改めてスタートを切ろうといったレースで優勝できたのは嬉しですね。

スタートはポールの関谷さんがアクセル踏むまでは待ってようと思ってました。エンジンのトルクがあるんでスカイラインの方がひとつのギアが長いので、スタートは少し有利かなと思ってました。

それで前に出れて、少し楽になるなって。それで最初は一生懸命逃げたんです。2分7秒くらいのハイペースで逃げました。36号車が追い上げてくるのは分かってました。その時はブレーキが少し深くなって、最初に攻めすぎたんで少しタイヤがきつかったんですが、何とか押さえられるなって。このままトップでエリックに渡せば、彼が何とかしてくれるのは分かってましたから。

今回はスープラはトラブルだったんですが、次回トヨタも対策してくると思いますし、我々も早く新しい車を導入したり、強化をしていきたいですね。

今期の目標は、まず土曜日の夜にトムスの舘監督の誘いに乗らない、夜遊びに付き合わないですね(笑)。昨日も誘われたんですが、11時までに引き上げたんで、勝てたんです。あとはレースの神様が決めることですから、まじめにレースやっていけば何回か勝てるんじゃないかなと」

No.2 ZEXEL SKYLINE
Eric COMAS

■エリック・コマス:「日産での最初レース勝ててうれしいです。いいスタートになった思います。みんなのおかげです。なぜなら...(以下日本語で)あぐりさん、ちょべりぐっどすたーとですね。そう、あとでわたしはキープポジション。と、36のくるま、ちょっとはやいでした。でもラップタイムがおなじくらい。あとで36ばんのくるまリタイア。そのご、かんたんでした。もちろん、レースおわりまでゆっくりいきました。なぜなら、ゆうしょうしたいからです。すかいらいん、このくるまとてもすきです。いまきょねんのくるまですね。もうすこし、97ねんのくるま、たぶん、とてもはやいです。このしゅうまつはすーぷらとすかいらいんおなじくらいのはやさでした。そう、コンペティティションがハイレベル。(英語に戻って)この選手権はとてもすばらしいので、日産の勝利の為に頑張りたいです」








No.19 RS☆R SILVIA
Hideo FUKUYAMA

■福山英朗:「(レース後かなり厳しい顔でしたが?)状況は分かってました。けど、まあたいして若くないんですけど(笑)、若い選手を育ててくれって言われてましたから、キツイ顔するところはしないと、育ちもしませんから。ぴっと締めるっと。

今日はかなりラッキーな部分もあって優勝できました。クルマは去年のシルビアとはまったく別物で、生まれたばかりの赤ちゃんみたいなクルマなんで、もっともっと仕上げていかないと、シーズン通しては厳しくなると思います。

26のポルシェが追い上げてた時にピットで呪いかけてましたから(笑)、黒旗でピットに入った時は、天井を突き破るくらい飛び上がって喜びました(笑)。

今年はタイトルは取りたいので、僕らも、開発のスタッフも頑張りますから、運良く取れればありがたいですね。
え、今年のうちのキャンギャルの衣装が過激ですって? それがそもそも全ての間違いです(笑いながら織戸の方を見る)」

No.19 RS☆R SILVIA
Manabu ORITO

■織戸学:「ラスト1周で『ああ、あと1周だぁ』と思ったら、ちょっと心の中でいろいろ考えることがあって。胸に込み上げるものとか、ちょっとニヤニヤしちゃって。で、自分の不注意ですピンしちゃったんですけど。(福山「優勝したら、キャンギャルとなんか約束してたんじゃないの(笑)」)。まあ、状況はそんな感じです(笑)。そうしたら、(ストレートに戻って)チェッカーを受けるはずが、こうやって(オフィシャルがピットを指した)入れられちゃったんで、もしかしたらGT300はピットに入んなきゃいけないのかなって、勝手に解釈しちゃったんです。それが混乱の原因です。これは僕のミスです。

交代してからは順位を考えないで走ってました。練習というとおかしいですが、自分がこれから学ばなければいけないことがたくさんあるからと、それを心がけて走りました。
今日はほんとに、福山さんを始めメカニックの人たちがやってくれてれ、僕は走るだけだったですけど、こういういい結果が残せてうれしいですね」