Round2

All Japan FUJI GT Race
5.2sat / 3sun - FUJI Speedway

Race

悪天候により決勝レースは中止に
ローリング時に多重クラッシュ発生で負傷者が…

Round 2 All Japan FUJI GT Race
3 May '98
Race Report

 5月3日、富士スピードウェイでAUTOBACS CUP全日本GT選手権第2戦の決勝レースが行われる予定だったが、突発的な事故による遅れとその後の霧による視界不良のため、残念ながら中止されることになった。

 この日、富士スピードウェイは朝から激しい雨が降っていた。だが、午前9時から30分行われたフリー走行時には、一時的に雨も止み決勝レースには差し支えのないように思えた。しかし、GTの決勝前に行われたサポートレースの遅れなどで、スタートが20分ほど遅れた。悪いことに、その遅れたスタート予定時間前から、また雨が強く降りだし、路面コンディションはハードなウエット状態となった。

 このためローリングスタートで、先頭を走るペースカーが1周でコースから退去せずにもう1周となった。その際に中段グループで混乱が生じて、多重クラッシュが発生した。

 事故の状況としては、前を走るクルマの巻き上げる水煙による視界不良の中、2周目のローリングに入ったが、中段以降はレースのスタートが切られたとペースを上げるクルマと、ペースダウンするクルマがあって混乱。そして、No.71シグマテックにNo.910ナインテンポルシェが追突。No.71は弾かれてコースを横断。一方、コース脇に止まったNo.910に、No.27 TFCJフェラーリF355GTが止まりきれずに激突。この時、火が出たNo.910のガソリンタンクから漏れたガソリンをNo.27が被る形になり、No.27はクルマ全体が火に包まれてしまった。深刻な状況にクルマを止めたNo.7 RE雨宮マツモトキヨシRX7の山路慎一が、消火に当たりクルマの中に取り残されたNo.27 太田哲也を助け出した。

 この処理作業後に、決勝レースを再開する予定だったが、この頃からコース全体を濃い霧が覆ったために、レースのスタート時間が延期された。だが、最大リミットである時間になっても天候は回復しなかったため、競技規則に基づき決勝レースは中止されることとなった。

 レースは中止となったが、この天候の中を多数来場してくれた観客のために、各GTマシンは、ペースカーの先導の下でパレードラップを行い、その後メインスタンド前にマシンを止めて、全ドライバーとキャンギャルなどが最後まで残ってくれた観客に手を振り、手袋や帽子などを投げ入れるなど、感謝のあいさつを行った。観客からは、それに対して拍手や歓声が送られた。

 ローリング時の事故によりケガをした、No.910の砂子智彦選手は右足を骨折して重傷。No.27の太田哲也選手は、全身に火傷と打撲を負い、内臓にもダメージを受けて重体で、2人は御殿場市内の総合病院において手当を受けている。

 なお、今日の入場券(半券)は、富士スピードウェイで行われる8月9日のGTC第4戦、または3戦行われるフォーミュラ・ニッポン、JTCC(インターテック)に振り替えられることとなった。




参加ドライバー代表
高橋国光(No.100 RAYBRIG NSX)
「これだけたくさんのお客さんが集まってくれたなかでレースが中止になってしまったことは、天候のせいとはいえ、ホントに申し訳なく思います。にもかかわらず、ファンのみなさんからブーイングも出ずに、あたたかく受け入れてくださったことには頭が下がります。それだけ日本にGTCが定着し、レースファンも成熟してきたということでしょう。ありがとうございました」

*事故状況等に関しては、主催者側、GT-Aの発表ではなく、GTインサイドレポート班の取材によるものであることを、お断りいたします。




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