Round3

Hi-land GT CHAMPIONSHIP
6.27 sat / 28 sun - SENDAI Hi-land RACEWAY

Race

またもNSXは勝利の女神に見放される…
そして、ペンズオイル・ニスモGT-Rが2連勝!
3位は激戦をしのいだカストロール・トムス・スープラに PENNZOIL NISMO GTR

Round 3 Hi-land GT CHAMPIONSHIP
28 Jun. '98
Race Report

 6月28日、全日本GT選手権第3戦の決勝レースが仙台ハイランドレースウェイで開催された。心配された雨もなく、ドライコンディションでレース開始時間を迎えた

GT500

 いつも以上にゆっくりとしたフォーメーションラップから決勝レースはスタート。大きなトラブルもなく、予選1、2番手のNo.16 Castrol無限NSXとNo.23 ペンズオイル・ニスモGT-Rは順調に走行、後続を引き離していくかに見えた。だが、異変は早くも起きた。2周目の最終コーナーで、それまで5番手につけていたNo.18 TAKATA童夢無限NSXがスピン。大きく順位を落とす。そして12周目、トップを行くNo.16が突然ピットイン。続いてNo.64 Mobil 1 NSXもピットに入ってくる。結局、ともにマシントラブルでリタイアとなってしまった。その後方ではスープラ、スカイライン、NSXが入り乱れての接近戦が繰り広げられていたが、目立ったのはNo.100 RAYBRIG NSX。予選では10番手と出遅れていたが、13周目には6位、21周目には3位、22周目には2位と、次々順位を上げていった。25周目、徐々に順位を挽回しつつあったNo.18がスピンアウトしてリタイア。残るNSXはNo.100のみとなる。この時点でのトップ3はNo.23、No.100、No.5 5ZIGEN SUPRAの順。その後方ではNo.2 ZEXELスカイラインとNo.39 デンソーサードスープラGTが激しくバトル、さらにNo.3 ユニシアジェックススカイライン、No.12 カルソニックスカイラインが続く。27周目、No.12が予定より早めのピットイン。マシンに異常を感じてのピットインだったが、トラブルは発見されず、ドライバーを交代して出ていく。これをきっかけとするように、他の上位車も次々とルーティンのピット作業に入っていった。

ZEXEL SKYLINE 一方、トップ争いを展開するNo.23は1分50秒台といまひとつペースが上がらない。これに対して負い上げるNo.100は毎周48秒台とその差は目にみえて詰まっていった。そして、34周目にコーナーで膨らむNo.23のインを突いてNo.100がトップに立った。その直後の35周目にNo.23がルーティンのピットイン。ドライバーは影山正美に代わる。この時のピット所要時間はわずかに37秒ほどだった。そして、正美に代わったNo.23のペースは49秒台と他のクルマと遜色なくなる。一方トップに立ったNo.100はピットインをぎりぎりまで伸ばす作戦を取る。ここで飯田がピットインのマージンを稼ぐべく頑張るのだが、No.23との差は開かない。そして、41周目についにNo.100がピットイン。ピットでの所要時間は43秒と差が出てしまった。そして高橋国光がステアリングを握るNo.100がピットロードに達した時、No.23は既に1コーナーに達していた。こうしてNo.23がトップを奪い返した。再び追う立場になったNo.100だが、48秒台をコンスタントに記録しているのに対し、タイムは50秒台と差は徐々に開いてしまう。そして、なんと45周目の1コーナーで周回遅れと接触し、コースアウト。これで本命と言われていたNSXは4台すべてレースから姿を消してしまった。これによって、No.23正美は一気に楽になる。2番手のNo.2、亜久里との差は約23秒。ラップタイムも互いに49秒台で結局その差は大きく変ることなくチェッカーを迎えた。幻の富士を挟んでNo.23 ペンズオイル・ニスモGT-Rが連勝した。

 最後の表彰台となる3位争いには、ラスト20周に渡りNo.37カストロール・トムス・スープラのフォンタナとNo.36の谷川がサイド・バイ・サイドを展開。しかし、フォンタナは谷川のアタックをしのぎ切ってコンマ5秒速くでゴールラインを駆け抜けた。




GT300

TSUCHIYA MR2

GT300も鈴鹿に続きつちやMR2が制す!
ザナヴィシルビアの初勝利はお預けに


 GT300クラスは、クラス2番手のNo.25 つちやMR2の舘信吾がスタートで出遅れ、オープニングラップはポールポジションのNo.15 ザナヴイシルビアの近藤真彦、3番手のNo.7 RE雨宮マツモトキヨシRX7の山路慎一のトップ争いで幕を開けた。

 3周目、後方から追い上げてきていたNSXに進路を譲った形のNo.15 近藤をインからNo.7 山路がパスし、トップに。4周目は、1分53秒台のNo.7 山路に対して、No.15 近藤は55秒台。2台の差は2.4秒まで広がる。だが、4周目には4位、5周目にはNo.7 山路の2.5秒差までNo.25 舘は追い上げてきていた。54秒台のNo.7 山路に、No.25 舘は53秒台で迫る。6周目は1.8秒差だったが、7周目は0.6秒の僅差まで追い上げてきていた。9周目のバックストレートで、とうとうNo.25 舘がトップに立つ。10周目にはトップのNo.25 舘とNo.7 山路は2.1秒差まで広がる。

 30周を過ぎ、ルーティンのピットインで3番手走行のNo.81 ダイシンシルビアは、福山英朗から大八木信行に交替するが、数周で再びピットイン。「ターボ系のトラブルだと思う」と福山。各車ピットインを行う中、No.44 アペックスDLモモコルセMR2の新田守男はピットストップを遅らせる。44周目でピットインを行い、トップはNo.25 鈴木恵一に。1.8秒差で2位はNo.15 青木孝行。さらに20秒以上後方に3位のNo.7 松本晴彦。60周を走りきったNo.25 つちやMR2が鈴鹿に続く優勝を飾った。2位には、初の表彰台となったNo.15 ザナヴイシルビア、3位は、昨年の富士以来久々の表彰台となったNo.7 RE雨宮マツモトキヨシRX7が入った。





総合優勝
No.23 ペンズオイル・ニスモGT-R

影山正美「本当に信じられないくらいうれしいです。まず、エリックさんが50kgのウエイトを積んで、予選2位になってくれて、なおかつ決勝でもいい順位でクルマを渡してくれてから勝てたんです。前回の鈴鹿は勝てたけど、自分のミスがあって悔しい思いをしたんで今回は意地でもポジションをキープしようと思ってたんです。走り出しても自分の順位というより、とにかくプッシュしていくことだけを考えました。で、100番がクラッシュしているのを見て楽にはなったんですが、後ろが亜久里さんと無線で聞いて、何が起こるかわかりませんし、もう一度気を引き締めて走りました」

エリック・コマス「私も正美さんも、今日はよくガンバったと思います。予選で本当はポールになりたかったけれど、ウエイトを積みながらフロントローを獲れたことが良かったと思います。レースでは16号車をプッシュしていくつもりでした。でも、16号車はレースから去ってしまったので、問題なく正美さんにバトンタッチしました。ピットインのタイミングは、僕はもう少し早めがいいかなと思っていましたが、結果的にはいいタイミングになって、正美さんがそのポジションをキープしてくれたので、勝てたと思います」



GT300クラス優勝
No.25 つちやMR2

舘 信吾「鈴鹿に続いてまたスタートを失敗してしまいました(苦笑)。スタートラインの手前で15号車に並びかけて、アクセルゆるめて、ブレーキを軽く踏んだら、みんながビューっと行ちゃって。まあ、クルマも良かったんで抜けるとは思いましたが、タイヤに無理をさせてしまって、ピットで交換することになってしまいました。まあ、結果的に勝てて良かったです」

鈴木恵一「勝ててうれしいですね。信吾君が僕にクルマを渡してくれた時は40秒以上あったんですが、ちょっと出るのに時間が掛かっちゃって、出たときにはほとんどマージンがなくてちょっと大変レースをしてしまいました(笑)。まあ、出ていってみたら少し後ろが離れたんで、それなりに走ることができました。実は、信吾がスタートを失敗したんですが、それ以上にいい走りをしてくれて勝ちを取ったってことです」




backtopHome