早朝の霧やサポートレースでのクラッシュなど、競技の進行の遅れが心配されたが、GT決勝の前にはスケジュールも予定通りに戻り、好天に恵まれた中で決勝レースが始められることになった。
また、午前中の練習走行でクラッシュしたNo.12 カルソニックスカイラインもNo.30 NICOS PORSCHE、そしてマシントラブルを起こしたNo.15 ザナヴィシルビアもメカニックの奮闘でマシンを修復。3台共に最後尾ながら決勝のグリッドにクルマを並べることが出来た。
NICOS CUP GT ALLSTAR '98
早朝の霧やサポートレースでのクラッシュなど、競技の進行の遅れが心配されたが、GT決勝の前にはスケジュールも予定通りに戻り、好天に恵まれた中で決勝レースが始められることになった。
また、午前中の練習走行でクラッシュしたNo.12 カルソニックスカイラインもNo.30 NICOS PORSCHE、そしてマシントラブルを起こしたNo.15 ザナヴィシルビアもメカニックの奮闘でマシンを修復。3台共に最後尾ながら決勝のグリッドにクルマを並べることが出来た。
14時5分の定刻にフォーメーションラップがスタート。その中で、No.55 STPタイサンバイパーがシートにトラブルが出て、急遽ピットに戻って修復作業を行ったため、ピットスタートとなった。3周のフォーメーションの後、ポールポジションのNo.64 Mobil 1 NSXを先頭にしてNICOS CUP GTオールスター戦'98のスタートがローリングで切られた。
その直後の1コーナーで早くも波乱が起こる。ダッシュ良く6番グリッドから飛び出したNo.36 カストロール・トムス・スープラ(フォンタナ)だったが、集団の中でNo.18 TAKATA童夢無限NSX(脇阪寿一)と接触。これにNo.50 ARTAスカイライン(本山哲)も巻き込まれて、この3台はマシンを壊して早くもリタイアとなった。 一方、ポールスタートのNo.64 Mobil1 NSX(山西康司)はトップをキープしたまま、1周目を終えるが、2番手のNo.16 Castrol無限NSX(道上龍)は一瞬の失速で一気に6番手まで順位を落としてしまう。これでNo.64をプッシュするのはNo.100 RAYBRIG NSX(飯田章)となる。No.64とNo.100はテール・トゥ・ノーズでバトルを展開。これに1周目の混乱を付いて順位を挙げたNo.23ペンズオイル・ニスモGT-R(影山正美)とNo.37(バート)も追いついて、4台が1列になって争う。この後方は5秒弱開いて、No.16を先頭にNo.39デンソーサードスープラGT(土屋圭市)、No.2 ZEXELスカイライン(鈴木亜久里)、No.3ユニシアジェックススカイライン(長谷見昌弘)が一団となる。そして4周目には、最後尾から追い上げてきたNo.12カルソニックスカイライン(星野一義)が、早くもここに追いついた。その直後の5周目。No.2にマシントラブルが生じて、3コーナー出口で突然のスピン。これを避けようとしたNo.3は大きくコースアウト。また、目の前でこの混乱を見たNo.12は間一髪でかわして、順位を挙げた。この際にNo.2がコース上でマシンを止めてしまい、この撤去作業でセーフティカーがコースに入った。これで、各車の間隔が一気に詰まる。7周のパレードラップの後に、再スタートとなる。 この再スタートを上手く使ったのがNo.23だった。コース上に残るオイルに足を取られて失速したNo.64とそれに引っかかったNo.100をNo.23が一気に抜き、トップに立つ。特にNo.64はNo.23とのバトルで大きくラインを乱して7番手まで落ち、No.37、No.39の2台のスープラも相次いでNSX2台をかわして、久々にNSX不在のトップ集団を形成した。 これでNo.23が逃げ切り体制かと思われたが、やはりGT選手権はそう甘くはない。No.23は周回遅れをかわす時に接触をしてしまい、それが原因かマシンが思うようにコントロールできなくなり、ピットインをせざるおえなくなった。一方、No.37もGT300をかわしそこねて接触、スピンを喫して順位を下げる。これで、再度No.100がトップを奪い返す。 順位を下げてしまったNo.64は24周目、早めに所定のピットインを敢行。ドライバーはポールタイムを出したコロネルとなり、後半戦での巻き返しを狙う。そして、30周を過ぎると他のチームもルーティンのピットインを始まる。まず2番手を争うNo.39が30周目にピットインし、谷川達也に交代。33周目にはこのNo.39を追うNo.12がピットインして黒澤琢弥へとバトンを渡す。一方、トップに立ったNo.100はギリギリまでピットインを延ばして、43周目に高橋国光に交代。ピットアウト直後はわずかにNo.64の前に飛び込むが、交換したばかりのタイヤのため、タイムがのらずにNo.64にトップを譲ってしまう。この後、No.64はいったんNo.100を引き離すが、50周くらいからはNo.100が巻き返してテール・トゥ・ノーズ状態にし、57歳で今季最年長全日本優勝の記録を作った高橋国光と若干25歳のコロネルがバトルを繰り広げた。だが56周目にNo.100にトラブルが発生し、一瞬失速し4秒ほどの差が開いてしまい、これで勝負が付いてしまった。No.64 Mobil 1 NSXはこのまま逃げ切って、第4戦の富士以来の勝利を得ることになった。2番手はNo.100 RAYBRIG NSX。3番手にはNo.12カルソニック、No.3 ユニシアジェックス(田中哲也)とのバトルをしのいで逃げ切ったNo.39デンソーサードスープラGTが入った。
GT300クラスでは、オープニングラップにNo.61テイボン・トランピオ・FTOの原貴彦がトップに立った。序盤、2番手を走行のNo.25つちやMR2の舘信吾はオイルに乗ってしまいスピン。再スタートを切るが大きく順位を落とす。だが、ペースカーランによって助けられこの時点で5番手まで挽回していた。No.61、No.15ザナヴィシルビアの青木孝行、No.7 RE雨宮マツモトキヨシRX7の松本晴彦がトップ4。20周時点ではすでにNo.25はNo.61をとらえてトップに。GT300で真っ先に動いたのはNo.7だった。No.77クスコスバルインプレッサはスローダウンしピットイン。左フロントと右リアサスペンションを他車との接触でいためており玉本に交替することなくリタイヤ。ピットストップを遅らせたNo.25がトップ。No.61をNo.7が追う展開となった。だがこの2台は接触し、このためサスペンションを傷めたNo.61はリタイヤとなってしまう。No.25つちやMR2は鈴木恵一に交替した後もマージンをキープしてまたしても優勝。2位にはNo.7 RE雨宮マツモトキヨシRX7が入り、3位にはNo.15 ザナヴィシルビアが表彰台に挙がった。
No.64 Mobil 1 NSX
トム・コロネル「交代してすぐはプッシュできたけど、途中からなぜか左コーナーでクルマが曲がりにくくなってきてしまった。後ろの100号車も左コーナーでねらっていたみたいだけど、ブレーキングで抜かせなかった。勝利はシリーズでなくてもねらっている。だから今日はとてもハッピーだよ」
山西康司「序盤はいいペースだったんですが、SCが解除になった後、まだコース上にオイルが残っていたんです。それで3コーナーでスピードが乗らなくて、抜かれてしまいました。それからパッシングするのに時間がかかっちゃいました。シーズン最後になって、クルマにもノレてきた感じです」 No.25 つちやMR2
舘 信吾「序盤はすごくオイルが出ていて、しまったと思ったらスピンしていました。SCカーをうまく使えて、挽回できて良かったです。ペースを上げてカバーできると思っていましたから。シリーズ戦ではないですが、もちろん勝てたのはうれしいです。これを入れて7戦中6勝という結果には自分でも驚いています。初めてのGTCでしたから。もてぎは悔やまれますが、それが自分たちの実力だと思います。でも、チャンピオンを獲れたことは大きな自信になりました」
鈴木恵一「自分のペースを守って、信吾が稼いでくれたプラスを維持しようとしたら、予想以上に後ろが離れてくれた。スピンしたぶん、信吾ががんばったね」 |