Round2

ALL JAPAN FUJI GT RACE
5.1 sat / 2 sun

Race
決勝は譲らない! NSXが6戦連続優勝!
終始他を圧倒する走りでRAYBRIG NSXが勝利を手にする
GT300はモモコルセ・アペックスMR2がブッちぎり優勝
RAYBRIG NSX

Round 2 ALL JAPAN FUJI GT RACE
Race Report / 2 May. '99


 五月晴れの好天に恵まれた5月2日、富士スピードウェイでAUTOBACS CUP全日本GT選手権第2戦ALL JAPAN GT RACEの決勝が行われた。

 定刻の13時15分にダミーグリッドを離れたマシンは39台。昨日の予選で予選基準タイムをクリアできずに嘆願書により、ピットスタートの条件付きで決勝を走る予定だったNo.24 ヒラノMS BP&μ R32GTSは、チームが用意した給油装置がレギュレーションに合致していなかったため結局出走できなくなり、参加総台数は40台だったが、スタート前に1台が消えることになった。

 そして、13時19に、ローリング走行から決勝レースのスタートが切られた。1コーナーに最初に入ったのは、ポールのNo.38 FK/マッシモセルモスープラ(竹内浩典)。これに予選2位のNo.39 デンソーサードスープラGT(影山正彦)が続く。予選3番手のNo.100 RAYBRIG NSX(飯田章)は、やや出遅れてNo.6 ESSO Tiger Supra(野田英樹)にかわされて4番手で1コーナーを抜けた。上位陣は順当に抜けた1コーナーだったが、中団ではトラブルが発生。予選11位と不本意な位置からのスタートとなった開幕戦鈴鹿の勝者No.18 TAKATA童夢NSXと、朝のフリー走行2位と好調だったNo.30 綜警McLaren GTR(山田洋二)が接触。これにNo.2 ARTAゼクセルスカイライン(鈴木亜久里)も巻き込まれて、3台とが1コーナーのグラベルにコースアウト。No.2 ARTAゼクセルは何とか自力でコースに戻れたが、他の2台は早くもここでレースを終えてしまう。

 トップに立ったNo.38 FK/マッシモセルモだが、1分37秒後半から38秒台のラップで思うほどペースが上がらない。これに対しスタートで遅れたNo.100 RAYBRIGは1分26秒台というハイペースで追い上げにかかる。4周目には2台のスープラをかわして2番手となりトップのNo.38に迫っていく。そして、9周目の1コーナー手前でNo.100 RAYBRIGはNo.38 FK/マッシモセルモを捕らえトップに立つ。だが、早くも出た周回遅れに引っかかってしまい、最終コーナーでNo.38 FK/マッシモセルモに抜かれてしまう。しかし、ストレートで再度スリップに入り込んで、再び1コーナーでNo.100 RAYBRIGがトップに立つ。No.100 RAYBRIGは飯田を逃げさせて、十分マージンを稼いでから、高橋国光に繋ぐ作戦。このため飯田はコンスタントに27秒台を連発して懸命の逃げを図る。それが分かっているだけに、追いついていきたいNo.38 FK/マッシモセルモの竹内だったが、先週シェイクダウンしたばかりのマシンは、38秒を切るかという程度でタイムが上がらない。

 3番手争いはNo.6 ESSO TigerとNo.39デンソーサード、No.64 Moboil 1 NSX(山西康司)の争いだが、スピードはNo.64 Mobil 1がひとつリードして3番手に。No.39、No.6 の2台のスープラは徐々に後退、19周目から代わってNo.36 カストロール・トムス・スープラ(関谷正徳)がNo.64 Mobil1を攻めていく。2台は時にサイド・バイ・サイドで争う。24周目に2台が並んでAコーナーに突っ込むが、インのNo.36が少々無理をした形になりってハーフスピン。コースアウトは免れたものの、これでNo.36は上位の争いから脱落した。

 中盤戦に入る30周過ぎで、トップはNo.100 RAYBRIG NSX、11秒以上遅れて2番手のNo.38 FK/マッシモセルモスープラ。この後23秒近く離されて、3番手にNo.64 Mobil1 NSX、No.39 デンソーサードスープラ、No.12 カルソニックスカイライン(星野一義)と続く。31周目には早くもNo.64 Mobil1 NSXが予定のピットインに入り、ドライバーはコロネルに代わる。34周目にはNo.39デンソーサードスープラGTがピットに。ドライバーは土屋圭市となる。2番手No.38 FK/マッシモセルモスープラは38周目にピットへ入り、立川祐路にドライバー交代。この時左リアタイヤがうまく外れずに、20秒ほど余計にタイムロス。この間もNo.100 RAYBRIGは27秒台で走り続ける。

 そして、規定ギリギリの43周目にNo.100 RAYBRIG NSXはピットインし、高橋国光へとドライバーが代わる。これで、2番手No.38 FK/マッシモセルモとの差は51秒。No.38 FK/マッシモの立川、23歳がNo.100 RAYBRIGの高橋、59歳を大きく上回るラップを連続して刻めば逆転不可能な数字ではなかった、だが、No.100 高橋はコンスタントに29秒から30秒で走行し、No.38 立川とほぼ変わらない。このため、2台の差は縮まるどころか、少しずつ離れていくことになった。一方、3番手以下の争いは激しく動く。まず39周目3番手だったNo.64 Mobil1 NSXは黄旗の出ている区間で追い越ししたためにペナルティを科されることになり、上位争いから脱落。結局終盤にミッションのトラブルからコースアウトしリタイアとなる。これに代わって3番手を争うのはNo.39デンソーサードスープラGT、No.12カルソニックスカイライン(黒澤琢弥)、No.1 ペンズオイル・ニスモGTR(オロフソン)の3台。予選ではスープラやNSXの後塵を浴びたスカイラインであったが、さすが決勝では上位に現れた。ことにNo.12はNo.1、No.39を相次いでかわして、41周目に3番手になる。このNo.12カルソニックに追いすがりたいNo.39デンソーだったが、終盤53週目にターボにトラブルを起こして、スローダウン。ピットに戻ったが、修復かなわずリタイアする。

 これで、上位3台はNo.100、No.38、No.12とほぼ固まる。このころになると、No.100 RAYBRIGの高橋は30秒強で安定周回。高橋は50秒後方のNo.38 FK/マッシモのプレッシャーをほとんど感じさせずに、そのままチェッカーを潜り、昨年の第6戦MINE以来の勝利を手にした。2位はNo.38 FK/マッシモセルモスープラ、3位にNo.12 カルソニックスカイラインと、開幕戦に続き3車種が表彰台を分け合う形になった。




MOMOCORSE APEX MR2

 GT300クラスは、スタート周に大波乱が発生。予選で他を圧倒するタイムでクラスポールを獲得したNo.15 ザナヴィARTAシルビアがオーバーヒートを起こし、1周しただけで緊急ピットイン。結局、トラブルが深刻でこのままリタイアしてしまう。これで、予選クラス2位のNo.25 モモコルセ・アペックスMR2が労せずトップに立ち、2番手のNo.81 ダイシンシルビア、3番手No.7 RE雨宮マツモトキヨシRX7を徐々に離していく。14周目にNo.7 RE雨宮マツモトキヨシRX7は他車との接触から左リアタイヤを痛め、急遽ピットイン。15周目にはNo.81 ダイシンシルビアもミッショントラブルでリタイアし、No.25 モモコルセ・アペックスはいっそう楽になる。このトップNo.25を追うのは開幕戦の勝者No.19ウエッズスポーツセリカだが、ほぼ34秒弱で周回するNo.25に比べラップは35秒台が精一杯の状態。最終的にNo.25 モモコルセ・アペックスMR2は2位以降にほぼ1周の差をつけて、ゴールした。2位はNo.19 ウエッズスポーツセリカ、3位には開幕戦トップでゴールしていながらレース後の車検で車両規定違反で優勝を取り消されたNo.71 シグマテック911が今度は正真正銘の表彰台を得た。



WINNERS' VOICE


Podium GT500
左から、立川祐路/竹内浩典(No.38)、飯田章/高橋国光(No.100)、影山正美/星野一義(No.12)

GT500
No.100 RAYBRIG NSX
飯田 章「スープラの速さを考えると今回はちょっときついかと思ってたんですけれど。金曜日からメカニックにわがままを言いつづけて、それをかなえてくれたおかげです。トップに立ってからは、クニさんに10秒といわず20秒といわずマージンを作ることだけを考えてました。ソフトタイヤを選んだので後半きついのかと思ってたら、逆に軽くなったぶんバランスがよくなりました。最終コーナーからストレートにかけてスープラが速いのがわかったので、無限も夏の富士にはかなりのエンジンを作ってくれると思います。トヨタがホンダに火をつけたということでしょう」
高橋国光「久しぶりに富士で一番高い所に立ててうれしかったです。アキラ(飯田章)がマージンを作ってくれて、エンジンもけっこう乱暴に使ったんですが、メカニックががんばってくれたおかげでノートラブルでした。チェッカーの5周前くらいからちょっと意識しはじめて、遅いクルマをパスするのにちょっとドキドキして祈りながら走ってましたよ」




Podium GT300
左から、原貴彦/織戸学(No.19)、高木真一/新田守男(No.25)、城内政樹/河野尚裕(No.71)

GT300
No.25モモコルセ・アペックスMR2
新田守男「ストレートがシルビアにくらべてちょっと遅かったので、それだけが心配でした。早い段階でシルビアが脱落してくれたので、楽な展開になりました。クルマはパーフェクトでした」
高木真一「優勝は2年ぶりです。やっぱりうれしいものですね。MR2はミッドシップということでフォーミュラに近い性格をもっています。私としてはフォーミュラの経験のほうが長いので、合ってると思います」