Round4

CP MINE GT RACE
7.11 sun - Race

Race
手に汗握る攻防戦!
ペンズオイル・ニスモGTRが大逆転で今季初優勝

Round 4 CP MINE GT RACE
Race Report / 11 Jul. '99


 7月11日、セントラルパークMINEサーキットでは、AUTOBACS CUP全日本GT選手権第4戦CP MINE RACEの決勝レースが開催された。  天候はどんよりした曇りながら心配された雨は大丈夫そうだ。気温は23度、路面温度は26〜29度。午前中のフリー走行でクラッシュしたポールポジションNo.37 カストロール・トムス・スープラも無事修復してスターティング・グリッドに並べることが出来た。一方、スタート1時間前にGT300クラス予選5位のNo.7 RE雨宮マツモトキヨシRX7がミッショントラブルを起こし、他車がグリッドについてもまだ交換作業を行っていた。また、No.21 BP-トランピオ-BMWがブレーキ・トラブルでこれもピットスタートとなった。

 14時ちょうどにローリングスタートが切られ、1周のフォーメーションの後、レースがスタートした。ポールスタートのNo.37 カストロール・トムス・スープラが順当にトップで1コーナーに。続いてNo.35 マツモトキヨシ・トムススープラ、No.39 デンソーサードスープラGTと予選通りに駆け抜けたが、No.64 Mobil 1 NSXはやや出遅れ気味で、両サイドにNo.6 ESSO Tiger Supra、No.18 TAKATA童夢NSXが飛び出した。これで、No.64 Mobilは挙動を乱し、バックスタンド先の第2コーナーでコースアウトして出遅れる。序盤はNo.37、No.35、No.6の3台のスープラがトップを争うが、コンスタントに1分27秒台のラップを刻むNo.37が徐々に後続を離していく。一方、No.35はブレーキ系にトラブルが発生したようで、No.6、No.39に相次いでかわされる。すると、この4番手No.35を先頭にNo.1 ペンズオイル・ニスモGTR、No.16 Castrol無限NSXがテール・トゥ・ノーズでバトルを開始する。予選13位から好スタートを切って7周で8位番手まで上がってきたNo.12 カルソニックスカイランだったが、そのスタートがフライングと判定され、10秒間のペナルティ・ストップで後方へ下がることになる。また、No.36のカストロール・トムス・スープラはブレーキ・トラブルでコースアウトし、以後も走りが不安定になり後方に甘んじる。

 2番手のNo.6 ESSO Tiger Supraは早くも30周目にルーティンのピットインを行い、野田からガードナーにドライバーチェンジ。これで2番手になったNo.39だったが、34周目に最終コーナー出口でスピンしたが、立て直すとそのままピットイン。ルーティンの作業に入った。  35周目には6番手につけていたNo.1がピットイン。No.1は一時5番手になっていたのだが、4速ミッションが壊れ、一時的にペースダウン。だが、本山の巧みなドライビングでそれ以上に下がらずに戦い続ける。当然、代わったコマスもこの4速のないマシンでの戦闘を続けることになる。

 30周台でほとんどのマシンがピットインを行ったが、トップのNo.37 カストロールとこの時点で2番手となったNo.16は、ギリギリまでピットインを延ばす作戦を取った。No.37は41周目にスタートからトップを保ったままピットへ。ドライバーは片山にバトンタッチ。ここまで順調に見えたNo.37だったが彼らもブレーキが甘くなるトラブルを抱えていたのだった。No.16はさらに48周まで引っ張りピットイン。ドライバーは道上から中子修へと交替。コースに戻るタイミングでNo.37を抜きたかったが、わずかにNo.37が先行しトップとなる。No.16はタイヤの暖まらない状態だったため3番手のNo.1 ペンズオイル・ニスモGTRにもかわされてしまう。この後、No.16は後方から追い上げてきたNo.2 ARTAゼクセルスカイラインと10周以上に渡り激しい3番手争いを展開していく。

 50周時点でトップNo.37と2番手No.1の差は3秒弱。後続は10秒以上下がってしまったために、マッチレースの様相を呈してきた。周回遅れと互いに抱えるトラブルの種という爆弾を抱えながら、共に27秒から29秒台で激烈な駆け引きに入る。逃げ切りたいNo.37だったが、続出する周回遅れに詰まって、その差はついに60周目には1秒を切って、一旦はテール・トゥ・ノーズ状態に。しかし、No.37右京もガンバリを見せ周回遅れが切れるとまたわずかにNo.1コマスを引き離して差を1.5秒まで開く。

 だが、ラスト10周を切った時点で、また彼らの前に一団の周回遅れが現れ、2台の差はなくなる。ブレーキに難があるNo.37はコーナーでNo.1に詰められ、最終コーナーからの立ち上がりと直線では4速を欠くNo.1が離される。

 だが、ラスト6周で再々度追いついたNo.1コマスは勝負に出て、1コーナーでNo.37のインを突いて前に出る。2コーナーでは今度はNo.37がインを突き返してトップを奪い返す。そして次のラップも1コーナーでNo.1がアタック。そしてこんどはNo.37の反撃を封じて、72周目にしてようやくトップに立つ。No.37も最後の力を振り絞ってNo.1に追いすがるが、1秒少々の差を残したままレースはゴールとなった。

 No.1 ペンスオイル・ニスモGTRは今季初優勝。本山にとってはGTC初優勝となった。2位にはNo.37 カストロール・トムス・スープラ、3位にはNo.16 Castrol無限NSX。No.16と競り合ったNo.2はラスト2周で駆動系にトラブルを起こし、リタイアしてしまった。





GT300はザナヴィARTAシルビアの2連勝
 GT300クラスは、2番手のNo.15 ザナヴィARTAシルビアがポールポジションのNo.81から序盤にトップを奪いそのままトップを譲ることなく、ゴールした。No.81は18周目にサスペンショントラブルからホイールを痛めてリタイア。2位には予選3番手のNo.25 モモコルセ・アペックスMR2が、他車との接触でマシンを傷めながらもなんとか走りきった。


WINNERS' VOICE

GT500
No.1 ペンズオイル・ニスモGTR
本山 哲「1番はすごくうれしいんですけど、ボクが乗ってる後半にギアボックスのトラブルが出てまして、はっきり言って降りたときには完走できるとは思えなかった。完走できることだけを祈ってる状態から勝てたので、信じられないです。タイヤも温存しながらいってて、クルマのセッティングもよくて、それとチームのことですけれどピットストップがすごく速くて、それが順位を上げていったと思います。具体的には4速がなくなって、4速がない状態でいかに速く走るかボクのときから考えていて、それを無線でピットやエリックに伝えたりして、あとはエリックにまかせました」
エリック・コマス「今日はとても楽しくレースができました。右京さんとのバトルはギリギリまで攻めてもお互いに押し出すようなことはしませんでしたし、2人ともハードなバトルでしたけれどいいレースができました。ピットストップの後に4速がなくなっていたのはわかっていたので、なんとかクルマを保たせようと、なんとかチャンピンシップのために15点獲ろうと考えたんですけれど、そのうち右京さんのクルマがブレーキなのかタイヤなのか、ちょっと調子が悪いようだと気がついて、勝負をかけてみようかと思いました。渋滞をうまく使うことができたので非常にラッキーだったと思います」




GT300
No.15 ザナヴィARTAシルビア
土屋武士「マージンは前半からあったんですが、見た目以上にきびしくて、ダイシンシルビアの大八木さんがすごく速かったんで、ペース配分もなく最初から全開でいきました。め一杯でこのまま走っちゃったら最後まで走れないなというペースで走ってもついてきてるんで、本当に(ダイシンのリタイアは)ラッキーてしたね」
井出有治「交替したときに後ろと15秒くらい差があったと思うんですけど、タイムを見て自分でがんばってさらにタイムを拡げました。前回の優勝のときよりも余裕がありました。このまま連勝できるようにがんばります」