Round5

JAPAN SPECIAL GT CUP
8.7 sat / 8 sun

Practice
クルクルと変わる富士ウェザーに悩まされる…
トップのTAKATA童夢NSXにARTAゼクセルスカイラインが迫る
GT300は初登場のSTPタイサンアドバンGT3Rがトップに

Round 5 Japan Special GT Cup
Practice Report / 6 Aug. '99


 8月6日、静岡県・富士スピードウェイでAUTOBACS CUP全日本GT選手権第5戦「JAPAN SPECIAL GT CUP」の直前テスト走行が行われた。走行は午前と午後の2回、各1時間30分、41台が参加して行われた。

 ここ数日、関東平野部は強い日差しが降り注ぐ真夏日が続いているが、この日の御殿場周辺は朝から雨模様。まるで雲の中に入ったように強い雨が降り注いだ。

 午前のセッションは9時ちょうどにスタート。まだ雨足がひどくなかった序盤は、No.36 カストロール・トムス・スープラ、No.12 カルソニックスカイライン、No.3 ユニシアジェックススカイラインなどがコースインし、ヘビーウエットのコースを積極的に周回した。だが、30分を過ぎたころからは、まさにバケツをひっくり返したような雨となり、さすがに全車走行を見合わせ、9時50分からはコース・クローズとなった。

 この時点までのトップタイムはNo.36 カストロール・トムス・スープラの1分49秒824。これにNo.3 ユニシアジェックススカイライン、No.12 カルソニックスカイラインがトップ3となっていた。

 10時15分ごろに雨はパタリと収まり、コースも再びオープンする。とはいえ、コースは当然ウエットコンディション。薄日も射し出してストレートこそ水が吐けていったが、ヘアピンや300Rでは、マシンより高く水しぶきが巻き上がる状態だ。午前の走行時間は途中の中断時間を考慮して10分間延長され、10時40分まで行われた。

 ラスト7分でNo.12 カルソニックスカイラインが1分45秒975を記録し、トップに立つ。続いてNo.3 ユニシアジェックススカイラインが1分49秒987で3番手に。だが、すぐにNo.37 カストロール・トムス・スープラが1分47秒096を出して入れ替わって3番手に。だが、No.37はその後300Rでスピンアウト。幸いダメージは少なく自走して戻ってきた。

 トップのNo.12 カルソニックスカイラインはその後1分44秒444までタイムを縮め、このまま午前の走行トップとなった。


 GT300クラスでは、No.7 RE雨宮マツモトキヨシRX7が雨の中を積極的に周回。序盤は1分56秒672でクラストップ、総合でも10番手と好パフォーマンスを見せる。雨に強いNo.21 BP-トランピオ-BMWがクラス2番手、No.15 ザナヴィARTAシルビアが3番手だった。雨の上がった終盤でもNo.7 RE雨宮マツモトキヨシRX7はタイムを刻み、最終的には1分54秒488でクラストップ、総合でも10位と、雨ということもあるが大健闘を見せた。2番手は変わらずNo.21 BP-トランピオ-BMW、3番手にはNo.19 ウエッズスポーツセリカが入った。

 午後に入っても雨は強く降ったりピタッと止んだりを繰り返す。午後の走行開始予定、14時時点で雨は止んでいた。だが、路面はやはりウエットであることは変わらない。コース確認のために5分遅れの14時5分に走行が始まった。10分経過時点では、No.100 RAYBRIG NSXが1分39秒927と午前のタイムを大きく更新してトップに立つ。だが、このころからまた大粒の雨が落ちてくる。ここからやく30分間ほど雨が降り続き、この間はほとんどのチームはピットに戻り大きなタイムアップは見られない。

 そして開始約30分を過ぎるころからまた雨が弱くなり、各チームがレインセッティングでコースに飛び出していく。ここで、飛び出してきたのはNo.1 ペンズオイル・ニスモGT-R。1分39秒021でトップに。だが、その僅か2分後にはNo.2 ARTAゼクセルスカイラインが1分39秒242と僚友に代わってトップに立つ。ドライコンディションの予選ではスープラ、NSXに一歩差を付けられているスカイラインだが、このような悪条件になると強さを発揮する。

 だが、このころになると雨は完全に止み、路面はレコードラインを中心に徐々に乾き出す。路面状況が良くなってきた50分経過時点でNo.18 TAKATA童夢NSXが1分38秒704のタイムでトップに出たのを合図とするかのように、2番手にNo.35 マツモトキヨシ・トムススープラが、3番手にNo.64 Mobil 1 NSXと予選上位の常連マシンが顔を出し始める。走行開始1時間弱の15時時点でトップがNo.18 TAKATA童夢NSX、2番手がNo.64 Mobil 1 NSX、3番手No.16 Castrol無限NSXとNSXが上位に並んだ。だが、ここでNo.2 ゼクセルARTAスカイラインが1分37秒358でNSX勢に割ってはいる2番手に飛び込んだ。さらにNo.12 カルソニックスカイラインも1分37秒984を記録し4番手とスープラ勢を飛び越えていく。

 これからさらにタイムアップしていくかに思えたところだが、ここでまた雨が強く降り始めてしまい、路面はあっという間にヘビーウェットへと変わっていく。走行中の各マシンも、これでほとんどピットに戻ることになり、ここでタイムアタックは事実上終了。あとはレインセッティングや走行練習を試みる数台が走るのみとなった。このまま、予定通りの15時30分に走行終了となった。

 この結果、今日のベストタイムはNo.18 TAKATA童夢NSX(脇阪寿一)。2番手はNo.2 ARTAゼクセルスカイライン、3番手はNo.64 Mobil 1 NSX、以下No.12 カルソニックスカイライン、No.100 RAYBRIG NSX、No.16 Castrol無限NSXがトップ6となった。

 GT300クラスでは、まず序盤は2連勝中のNo.15 ザナヴィARTAシルビアがクラストップになるが、路面が乾き出すとNo.61 テイボン・ラリアート・FTOが1分47秒290でトップに、続いてNo.19 ウエッズスポーツセリカ、No.15 ザナヴィの順となる。だが50分経過時点で、今回がGTCデビュー戦となるポルシェ996GT3のNo.26 STPアドバンタイサンGT3Rが1分45秒289でトップを奪う。これに対してNo.15 ザナヴィも1分45秒483までタイムを詰めるが、トップのNo.26 STPアドバンタイサンに届かず2番手。この後、雨が降り出しため、No.26がトップのままこのセッションを終了。GT300も上位は午後のセッションのタイムが午前を上回ったため、今日のトップタイムはNo.26 STPアドバンタイサンGT3R(松田秀士)。条件が悪い中とはいえ、事実上シェイクダウンでGT300トップになるというパフォーマンスを披露することになった。


No.18 TAKATA童夢NSX(GT500トップタイム)
脇阪寿一「今日は、最後にちょっと乗っただけだけど、悪くなかった。ベストタイムを出した時も、普通に走っていただけで、特にプッシュはしていない。クルマが決まってるからね。明日の予選は、晴れたらどのタイヤを選ぶかが問題。雨なら今日よりもう少しタイムが出ると思うけどね。晴れの方が心配だな。何とか久しぶりにポールポジションを取って、勝ちたいね」

No.26 STPアドバンタイサンGT3R(GT300トップタイム)
松田秀士「GT2とはだいぶ違いますけど、ポルシェらしいクセのあるクルマです。エンジンはパワーバンドが広くて扱いやすいんですけど、足回りがまだ煮詰まっていません。午後のセッションでも雨のセッテイングを意識したわけではなくて、ドライのまま行ったんですが、リアにエンジンがあるのでこういうコンディションでは強いですね。その方向で進めたセッティングがたまたま今の状況に当たっていたという気がします。出だしとしてはいきなりトップグループで走れたので上々でしょう」




フリー走行結果 1回目
Po No C-Po Machine Driver Time Tyre WH
1 12 500-1 カルソニックスカイライン 星野一義 影山正美 1'44.444 BS 10
2 36 500-2 カストロール・トムス・スープラ 関谷正徳 黒澤琢弥 1'44.787 MI 30
3 37 500-3 カストロール・トムス・スープラ 鈴木利男 片山右京 1'47.096 MI 60
4 32 500-4 cdma One セルモスープラ 木下隆之 近藤真彦 1'47.379 BS
5 2 500-5 ARTAゼクセルスカイライン 鈴木亜久里 M.クルム 1'47.444 BS
6 3 500-6 ユニシアジェックススカイライン 長谷見昌弘 田中哲也 1'47.458 BS
7 18 500-7 TAKATA 童夢 NSX 脇阪寿一 金石勝智 1'47.519 BS 20
8 38 500-8 FK/マッシモセルモスープラ 竹内浩典 立川祐路 1'51.180 BS 20
9 39 500-9 デンソーサードスープラGT 土屋圭市 影山正彦 1'53.727 YH 20
10 7 300-1 RE雨宮マツモトキヨシRX7 松本晴彦 山野哲也 1'54.488 YH 20
11 64 500-10 Mobil 1 NSX T.コロネル 光貞秀俊 1'55.384 BS 20
12 88 500-11 ノマドディアブロGT-1 和田 久 古谷直広 1'56.024 TY
13 6 500-12 ESSO Tiger Supra 野田英樹 W.ガードナー 1'57.531 BS 20
14 21 300-2 BP-トランピオ-BMW 一ツ山康 伊藤大輔 1'59.718 TY
15 35 500-13 マツモトキヨシ・トムススープラ P-H.ラファネル 山路慎一 2'03.209 MI 30
16 19 300-3 ウエッズスポーツセリカ 織戸 学 原 貴彦 2'05.480 YH 70
17 15 300-4 ザナヴィARTAシルビア 土屋武士 井出有治 2'05.825 YH 80
18 20 300-5 オートレット セリカ 松永雅博 佐藤久美 2'08.342 YH
19 72 300-6 オークラRX7 石川 朗 平野 功 2'08.411 YH
20 11 500-14 エンドレス アドバン GTR 和田孝夫 木下みつひろ 2'08.480 YH
21 99 300-7 大黒屋ARCぽるしぇ 吉富 章 日置恒文 2'09.510 DL
22 81 300-8 ダイシン シルビア 福山英朗 大八木信行 2'11.842 YH 50
23 70 300-9 外車の外国屋アドバンポルシェ 石橋義三 P.ヴァン・スクート 2'15.829 YH
24 71 300-10 シグマテック911 城内政樹 河野尚裕 2'19.837 YH 10
25 910 300-11 ナインテンアドバンポルシェ 余郷 敦 D.マラガムア 2'21.348 YH 20
26 25 300-12 モモコルセ・アペックスMR2 新田守男 高木真一 2'21.998 YH 80
27 77 300-13 クスコスバルインプレッサ 小林且雄 谷川達也 2'34.570 YH 20
28 1 500-15 ペンズオイル・ニスモGTR E.コマス 本山 哲 2'49.872 BS 60
29 911 300-14 ダイヤモンドポルシェ 石原将光 野地廣行 2'50.877 YH
30 55 300-15 アドバンタイサンポルシェRSR 須賀宏明 田嶋栄一 2'51.168 YH
31 355 300-16 イエローマジックF355GT 井上隆智穂 高橋 毅 2'55.844 YH
32 14 300-17 ホイールショップアルタシルビア 古在哲雄 小宮延雄 2'57.594 YH
16 500 Castrol 無限 NSX 中子 修 道上 龍 計測出来ず BS 70
61 300 テイボン・トランピオ・FTO 中谷明彦 R.ファーマン 計測出来ず TY

フリー走行結果 2回目
Po No C-Po Machine Driver Time Tyre WH
1 18 500-1 TAKATA 童夢 NSX 脇阪寿一 金石勝智 1'37.156 BS 20
2 2 500-2 ARTAゼクセルスカイライン 鈴木亜久里 M.クルム 1'37.358 BS
3 64 500-3 Mobil 1 NSX T.コロネル 光貞秀俊 1'37.499 BS 20
4 12 500-4 カルソニックスカイライン 星野一義 影山正美 1'37.984 BS 10
5 100 500-5 RAYBRIG NSX 高橋国光 飯田 章 1'38.119 BS 50
6 16 500-6 Castrol 無限 NSX 中子 修 道上 龍 1'38.293 BS 70
7 36 500-7 カストロール・トムス・スープラ 関谷正徳 黒澤琢弥 1'38.418 MI 30
8 38 500-8 FK/マッシモセルモスープラ 竹内浩典 立川祐路 1'38.498 BS 20
9 6 500-9 ESSO Tiger Supra 野田英樹 W.ガードナー 1'38.674 BS 20
10 37 500-10 カストロール・トムス・スープラ 鈴木利男 片山右京 1'38.776 MI 60
11 35 500-11 マツモトキヨシ・トムススープラ P-H.ラファネル 山路慎一 1'39.080 MI 30
12 3 500-12 ユニシアジェックススカイライン 長谷見昌弘 田中哲也 1'39.533 BS
13 1 500-13 ペンズオイル・ニスモGTR E.コマス 本山 哲 1'39.606 BS 60
14 39 500-14 デンソーサードスープラGT 土屋圭市 影山正彦 1'40.067 YH 20
15 32 500-15 cdma One セルモスープラ 木下隆之 近藤真彦 1'40.749 BS
16 30 500-16 綜警 McLaren GTR 山田洋二 岡田秀樹 1'41.304 BS
17 88 500-17 ノマドディアブロGT-1 和田 久 古谷直広 1'43.106 TY
18 11 500-18 エンドレス アドバン GTR 和田孝夫 木下みつひろ 1'43.696 YH
19 26 300-1 STP アドバンタイサン GT3R 松田秀士 D.シュワガー 1'45.289 YH
20 15 300-2 ザナヴィARTAシルビア 土屋武士 井出有治 1'45.483 YH 80
21 61 300-3 テイボン・トランピオ・FTO 中谷明彦 R.ファーマン 1'45.592 TY
22 19 300-4 ウエッズスポーツセリカ 織戸 学 原 貴彦 1'46.027 YH 70
23 99 300-5 大黒屋ARCぽるしぇ 吉富 章 日置恒文 1'46.421 DL
24 72 300-6 オークラRX7 石川 朗 平野 功 1'46.625 YH
25 20 300-7 オートレット セリカ 松永雅博 佐藤久美 1'46.770 YH
26 910 300-8 ナインテンアドバンポルシェ 余郷 敦 D.マラガムア 1'46.797 YH 20
27 81 300-9 ダイシン シルビア 福山英朗 大八木信行 1'47.294 YH 50
28 7 300-10 RE雨宮マツモトキヨシRX7 松本晴彦 山野哲也 1'47.855 YH 20
29 86 300-11 BPアペックスKRAFTトレノ 田中 実 雨宮栄城 1'47.977 TY
30 77 300-12 クスコスバルインプレッサ 小林且雄 谷川達也 1'48.084 YH 20
31 71 300-13 シグマテック911 城内政樹 河野尚裕 1'48.349 YH 10
32 21 300-14 BP-トランピオ-BMW 一ツ山康 伊藤大輔 1'49.555 TY
33 70 300-15 外車の外国屋アドバンポルシェ 石橋義三 P.ヴァン・スクート 1'50.745 YH
34 55 300-16 アドバンタイサンポルシェRSR 須賀宏明 田嶋栄一 1'51.420 YH
35 14 300-17 ホイールショップアルタシルビア 古在哲雄 小宮延雄 1'51.459 YH
36 25 300-18 モモコルセ・アペックスMR2 新田守男 高木真一 1'53.554 YH 80
37 911 300-19 ダイヤモンドポルシェ 石原将光 野地廣行 1'54.892 YH
38 111 300-20 JIM GAINER F355 井倉淳一 真希遊世 1'58.750 YH
39 355 300-21 イエローマジックF355GT 井上隆智穂 高橋 毅 2'01.076 YH
40 84 300-22 アイエーテックシルビア 袖山誠一 中村善州 2'07.234 YH
41 10 300-23 アビリティ・マリオポルシェ 麻生英彦 桧井保孝 2'08.917 YH

タイヤ=BS:ブリヂストン/YH:ヨコハマ/DL:ダンロップ/TY:トーヨー/MI:ミシュラン
WH=ウェイトハンディキャップ(kg)