今度はNo.36 カストロール・トムス・スープラが来た! GT300もNo.81 ダイシンシルビアが連続ポールをゲット!
Round 5 Japan Special GT Cup 8月7日、富士スピードウェイで1999年AUTOBACS CUP全日本GT選手権第5戦JAPAN SPECIAL GT CUPの公式予選が行われた。予選2回目で1分26秒906を記録したNo.36 カストロール・トムス・スープラの黒澤琢弥がポールポジションを獲得。スープラによるポールは今季第2戦から4戦連続。GT300クラス・ポールはNo.81 ダイシンシルビアの福山英朗で、2戦連続今季3回目となる。シルビアは今季開幕以来GT300のポールを独占中だ。 猫の目天気に悩まされた予選1回目 この日の富士は黒い雲と青空が交互に訪れるという悩ましい天候。予選1回目が始まった午前10時30分時点では、雨は止んでいるものの、路面は完全なウエット状態。今季のGTCの予選は各回1時間で、その1時間を20分ずつに3分割。最初をGT500の占有、次をGT300占有、最後の20分間は両クラスの混走でアタックする仕組みだ。したがって、最初のGT500占有時点では全車レインタイヤでのアタックとなった。この条件でトップはNo.18 TAKATA童夢NSX(脇阪寿一)の1分35秒457。2番手には前戦MINEで優勝したNo.1 ペンズオイル・ニスモGTR(E.コマス)となった。GT300の占有時間になると、路面もだいぶ乾きだしてくる。まず先にトップとなったのはNo.81 ダイシンシルビア(福山英朗)だったが、セッション中盤に一時的に降った雨に足をすくわれたか1コーナーでコースアウト。自走して戻ったが、これ以後タイム更新が出来なかった。GT300占有終了時点でトップはNo.25 モモコルセ・アペックスMR2(新田守男)で1分38秒097。 両クラス混走時間になったころには、走行ラインがほぼドライとなったため、ほとんどのマシンがコースに飛び出した。この混雑のなか、No.36 カストロール・トムス・スープラの関谷正徳が1分28秒271とただ1人28秒台のタイムを出してトップに立った。No.18 TAKATA童夢NSX(金石勝智)もセッション終了最後のラップで28秒415と迫ったが、わずかに届かず、暫定ポールはNo.36 カストロール・トムスのものとなった。GT300もこの混走タイムに前戦勝者のNo.15 ザナヴィARTAシルビアの土屋武士が1分35秒258を出してクラス暫定ポール。このレースが初登場となるポルシェ996GT3のNo.26 STPアドバンタイサンGT3Rが、大健闘の2番手となった。 予選1回目終了以降は、雨は降らず午後14時40分からの予選2回目は、まずドライコンディションでスタート。まずトップとなったのはNo.6 ESSO Tiger Supraの野田で1分28秒127。いつ変わるか分からない天気だけに、各車これをターゲットにドンドンとアタックに入る。このNo.6 ESSO Tigerをまず退けたのがNo.36 カストロール・トムス・スープラの黒澤琢弥で1分27秒677。しばらくこのタイムがトップにあったが、13分過ぎに僚車No.37 カストロール・トムス・スープラの鈴木利男が27秒514でトップを奪う。だが、その直後にNo.36 黒澤が27秒447で再び奪い返す。すると、今度はNo.35 マツモトキヨシ・トムススープラのP.H.ラファネルが26秒951を記録して首位に。だが、またもやNo.36 黒澤が1分26秒906とトップを奪還。これで、No.36、No.35、No.37、No.6とスープラ4台が上位を独占。5番手にようやくNo.100 RAYBRIG NSX(飯田章)が入り、午前のレインコンディションでは健闘を見せたスカイラインGT-R勢のトップは10番手のNo.12 カルソニックスカイライン(星野一義)だった。この後GT300占有タイムとなり、まずランキングトップのNo.25 モモコルセ・アペックスMR2(新田守男)1分が34秒941でクラストップに立つ。だが、ストレートスピードに強みを持つNo.61 テイボン・トランピオ・FTO(中谷明彦)が34秒727でこれを上回る。これもつかの間、前戦MINEでもポールを獲得しているNo.81 ダイシンシルビアの福山が1分34秒409を出してクラストップに立つと、さらに33秒604と唯一の33秒台へと入れる。これにNo.15 ザナヴィARTAシルビア(土屋)が34秒538まで迫るが届かず。このままGT300占有タイムが終了。続いて混走タイムとなるのだが、ここで空から雨が落ちてきて、コースをあっという間に黒くしてしまった。このため、以後タイムアップするマシンはなく、結局GT500はNo.36 カストロール・トムス・スープラの、GT300はNo.81 ダイシンシルビアのポールポジションが確定した。一方、この雨のワナに落ち込んでしまったのが、GT300ランキングトップのNo.25 モモコルセ・アペックスMR2だった。このセッション5番手のタイムを出しながら、第2ドライバーの高木真一のタイムが予選通過基準タイムにわずかコンマ082秒足らず、この5位のポジションがなんと最後列へと替わってしまった。これにより、チャンピオン争いでもライバルのNo.19 ウエッズスポーツセリカ、No.15 ザナヴィARTAシルビアに対して大きなハンデを背負うことになった。また、No.86 BP・KRAFT・トレノも午前に生じたクラッチトラブルが午後になっても直らず、結果的にNo.25同様の理由で最後列スタートとなる予定だ。 GT500 POLE POSITION No.36 カストロール・トムス・スープラ 1'26.906(黒澤琢弥) 「素直にうれしいです。予選1回目は関谷さん、2回目はボクと2人がそれぞれトップタイムを出し、ウェットでもドライでもさまざまなコンディションのなかでトップですから、マシンは完璧と言えました。これはドライバーがと言うより、チームの総合力の勝利だと思います。セッティングは今年関谷さんがしていますが、ボクと好みも近いですし、ドライバーに合わせて変える必要がないのもうちの強みでしょう。第3戦SUGOでも勝ちましたが、これはタナボタのようなもの。今度こそ実力で勝ったと言えるようにしたいです」 関谷正徳「すごくよかったです。決勝レースですが、(マシントラブルがあって)この前の合同テストで十分走っていないので不安がないわけではない。でも何ごともなければ一番になれると思っています。ドライバーもメカニックもミスをなくすだけです」 GT300 POLE POSITION No.81 ダイシンシルビア 1'33.604(福山英朗) 「クルマはすごく速いですよ。速いクルマじゃなければポールは獲れませんからね。今回はねらってたんですが、午前は気負いすぎて飛び出しちゃってアセりました(笑)。決勝は"来た球をフルスイングするだけ"のつもりでいきます。今回から、第4のペダル(クラッチの左側)という秘密兵器をメカが作ってくれました。右足はブレーキだけ、左足でこのペダルとクラッチを同時に踏むと、クラッチが切れるだけでなくアクセルもあおってくれて、ラクにシフトダウンができるというスグレモノなんです」 大八木信行「前回のMINEで出たトラブルはすでに対策済みです。今回は、とにかくきちっと走って結果を残したいです」 |