No.64 Mobil 1 NSXが今季初ポールをゲット! GT300はザナヴィARTAシルビア今季3度目のGT300ポール獲得
Round 6 GT CHAMPIONSHIP in TI
Qualify Report / 25 Sep. '99 9月25日、岡山県・TIサーキット英田で1999年AUTOBACS CUP全日本GT選手権第6戦GT CHAMPIONSHIP in TIの公式予選が行われた。予選2回目に1分28秒203を記録したNo.64 Mobil 1 NSXのトム・コロネルがポールポジションを獲得し、4戦続いたスープラの連続ポールを阻んだ。GT300クラスではNo.15 ザナヴィARTAシルビアの土屋武士が1分35秒381でクラスポール。シルビアは今季開幕以来6連続ポールだ。 NSX4台による激しいポール争奪戦 公式予選第1回目は定刻通り午前10時20分から1時間で行われた。前日は台風に見舞われた岡山県地方だが、この日は台風一過の快晴。気温も29度と夏のような暑さとなった。GTCでは1時間の予選時間を20分ずつ3つに分け、最初がGT500占有、次にGT300占有、最後は両クラス混走となる。 GT500占有セッション開始から飛び出したのはスープラ勢だった。まず開始8分過ぎにNo.36 カストロール・トムス・スープラの関谷正徳が1分30秒355でトップに。これに対し、NSX勢は10分過ぎからアタックを開始。走り出すとすぐにNo.64 Mobil 1 NSXのトム・コロネルが1分30秒043であっさりとNo.36からトップを奪い、さらに次の周には28秒989までタイムアップする。2番手には29秒423でNo.16 Castrol無限NSXの道上龍がつけるが、すぐにNo.18 TAKATA童夢NSXの脇阪寿一が29秒350とNo.16のタイムを更新。この後、この2台が交互に順位を替える激しいアタックを行うが、トップのNo.64コロネルには届かない。コロネルは、さらに1分28秒959までタイムアップしトップを堅持。このまま占有セッションは終了し、後の混走セッションでもこのタイムを上回るものは現れず、No.64 Mobil 1 NSXが暫定ポールを決めた。 一方、2番手争いは、No.18 TAKATA童夢NSXの29秒183で決着。3番手には、もう1台のNSX、No.100 RAYBRIG NSX(飯田章)が29秒303、5番手はNo.16と上位4台をNSXが独占した。4番手にはここTIに相性のいいNo.12 カルソニックスカイライン(影山正美)がスープラ勢を抑えて入った。スープラ最上位は6番手のNo.36 カストロール、これにNo.38 FK/マッシモセルモスープラと続く。だが、スープラ勢のほとんどは午後の予選をメインと考えていたようだ。 激走!コロネル。他車を寄せ付けずポール獲得 予選2回目は、午後3時ちょうどからスタート。午前と同様1時間で行われた。この2回目でもまずNo.36 カストロール・トムス・スープラの関谷が1分30秒729でリーダーとなるが、その優位は1分と続かなかった。No.16 Castrol無限NSXの道上が、あっさりとNo.36を上回る29秒836を記録すると、ここからはNSX勢の独壇場となる。No.64 Mobil 1 NSXのコロネル、No.100 RAYBRIG NSXの飯田がポンポンとタイムを上げ、開始10分を過ぎたときにはトップ4はNSXで占められた。そして12分過ぎにNo.64 Mobilが1分28秒957とついに28秒台に突入。No.64はさらに28秒413までタイムアップする。 これに対し、スープラ勢でもNo.38 FK/マッシモセルモスープラの立川祐路が29秒035、No.36 カストロールが28秒987とタイムを上げて迫る。だが、それもつかの間、No.100も28秒613まで上げ2番手に、No.16も28秒822へ、No.18も28秒649とアップし、またもや上位はNSXに。そして、最後はNo.64 Mobil 1 NSXのコロネルがハードにアタックし、GT500占有セッション終盤に1分28秒290まで刻んでいった。他のNSXもこれに追いつけるものはなく、占有セッションは終了。GT300との混走セッションでも上位陣にはタイムを更新するものはなく、No.64 Mobil 1 NSXの今季初ポールが決定した。 一方、GT500ドライバーズ・ランキングトップのエリック・コマスが駆るNo.1 ペンズオイル・ニスモGT-Rはスカイライン最上位ながら予選8位。優勝すれば連覇が決まるが、この位置からは少々辛いところだろう。逆転チャンプを狙うNo.36 カストロール・トムス・スープラの関谷/黒澤組は5位、3列目からのスタートとなった。 GT300クラスでここまで今季2勝、2ポールのNo.15 ザナヴィARTAシルビアは、制限いっぱいのウエイトハンディ80kgを搭載している。だが、そんなことはお構いなしに、午前、午後共に土屋武士のドライブで終始クラストップをキープ。結局、午前の1分35秒381がこの日の最高タイムとなり、今季3回目のポールポジションを獲得した。年間3回のポールはGT300クラスの最多記録だ。 第5戦富士でデビューウィンを果たしたNo.26 STPアドバンタイサンGT3Rが、午後の予選で35秒549を記録して予選2位に。3位にはTIを得意とする谷川達也のドライブするNo.77 クスコスバルインプレッサがつけた。GT300クラスのランキングトップのNo.25 モモコルセ・アペックスMR2の新田守男は午後に出した35秒907で6位からのスタートとなる。 左からトムコロネル、光貞秀俊、土屋武士、井出有治 GT500 POLE POSITION No.64 Mobil 1 NSX 1'28.203(トム・コロネル) 「テストから非常に状態がいいね。ここでは、去年のオールスターで勝っているので、今回のレースも自信を持って臨んでいる。予選に関しては、天気の状態が違ったということと、タイヤがどれがベストかという確信を持てていなかったが、結果的にはいいタイヤチョイスができた。プログラムの記事でも書いてあるが、今回のレースは絶対勝つもりだ。チームにも自分にもその態勢が整っているし、テストでも予選でもまったくミスがないので、クルマがこの状態をキープしてくれれば、表彰台の一番高いところでふたたび皆さんにお目にかかれるでしょう」 光貞秀俊「アタックはトムでしたけど、ボクはユーズドタイヤで1周目からどれくらいで走れるかとか、自分のなかで課題を持って(予選を走って)いました。レースは気持ちが先にいってもダメだし、クルマが先にいっても飛んでっちゃうし、落ち着いていけば結果はちゃんとでると思ってます」 GT300 POLE POSITION No.15 ザナヴィARTAシルビア 1'35.381(土屋武士) 「残り2戦でチャンピオンの可能性があって、それを意識していかなきゃダメなんですが、(シリーズポイントの)トップとは差がひらいているんで、とにかく今回勝たなきゃいない。ここは抜くポイントが少ないんでポールポジションを獲らなきゃいけないという状況のなかで、獲れたのはよかったと思います。ウェイト(80kg)はきびしいてす。もちろん勝ちにいきます。ボクが先に乗ります。2番手がポルシェで、ストレートが速いんでどういう展開になるのかわからないですけど、自分たちの力をつくしてがんばります」 井出有治「プレッシャーには慣れました。予選は土屋さんが出ていけばタイムを出してくるのはわかっていたので、ま、安心していました。(レースは)いつものパターンで土屋さんが引き離して戻ってきてくれれば…。ピットアウトしたときに(後続と)10秒差があれば大丈夫です」 |