Round6

GT CHAMPIONSHIP in TI
9.26 sun

Race
パーフェクト・ウィン!
Mobil 1 NSX&ザナヴィARTAシルビア
共にポール・トゥ・フィニッシュを飾る
64 Mobil 1 NSX

Round 6 GT CHAMPIONSHIP in TI
Race Report / 26 Sep. '99


 9月26日、TIサーキット英田で、AUTOBACS CUP全日本GT選手権第6戦GT CAMPIONSHIP in TIの決勝レースが開催された。  午前中はどんよりした曇りだったが、午後になると晴れ間ものぞくまずまずの天気。気温は30度、路面温度は37度とこの季節にしてはやや高め。

 決勝直前のウォームアップ走行でNo.20 オートレットセリカがエンジンブローを起こし、ストレートから1コーナーにかけてオイルをこぼしてしまうアクシデントが発生し、走行は一時中断。このオイル処理のため、レースのスタートが12分遅れることになった。また、No.20 オートレットセリカはトラブルは致命的なもので、残念ながらチームはスタートすることなくレースを終えることになった。

 この1台を除く36台すべてがグリッドに並び、決勝レースは午後1時27分にローリングスタートが切られた。
 1周で隊列が整い、決勝レースがスタート。まずはポールのNo.64 Mobil 1 NSX(光貞秀俊)、予選2位のNo.100 RAYBRIG NSX(飯田章)がサイド・バイ・サイドでホールショットを争い、わずかにNo.100 RAYBRIGがリードしてトップに。3番手もNo.16 Castrol無限NSX(道上龍)、No.18 TAKATA童夢NSX(金石勝智)、No.36 カストロール・トムス・スープラ(黒澤琢弥)の3台が一団となってバトル。この中からNo.18 TAKATA童夢がわずかに抜け出した。この後、トップのNo.100 RAYBRIGは逃げをはかるべく1分29秒中盤から30秒台のハイペースで、後ろのNo.64 Mobil1との差を少しずつ開く。15周時点では最大4秒のマージンを作ったNo.100 RAYBRIGだったが、この後はペースが落ちだし、ここからはNo.64 Mobil1が差を詰めていく。この2台のペースは後続のNo.18 TAKATA以降とは明らかに違い、3番手以降は大きく差が開く。
 そして30周が経過すると、トップNo.100 RAYBRIGとNo.64 Mobil1との差はほとんどなくなり、そしてNo.100 RAYBRIGが32周目に周回遅れにつっかえると、その隙を突いてNo.64 Mobil1がパッシング。トップ座を奪い返した。
 この後、No.64 Mobil1は39周目に予定のピットインを行い、光貞からトム・コロネルへとバトンタッチ。No.100 RAYBRIGは42周目にピットイン。ドライバーは飯田から高橋国光へとチェンジ。だが、このピットインの差の間にNo.64 Mobil1の稼いだマージが大きくものをいって、トップNo.64とNo.100の差は一気に21秒と開いたのだった。No.64 コロネルは、あとは後続との差を計りつつ、悠々と逃げ切って今季初勝利を飾った。
 一方、2位争いは終盤大激戦となる。今ひとつペースの上がらないNo.100 RAYBRIGに対して、No.18 TAKATA童夢NSXと一時はトラブルで遅れたNo.36 カストロール・トムス(関谷正徳)と予選で出遅れながら、激しい追い上げで順位を上げてきたNo.2 ARTAゼクセルスカイライン(ミハエル・クルム&鈴木亜久里)の4台がラスト20周で激しいバトルを展開。この中でNo.2 ARTAゼクセルが49周目に2番手のNo.100 RAYBRIGを抜き、2番手を確保。抜かれたNo.100 RAYBRIGはこの後ズルズルと順位を下げてしまう。また最後の表彰台の争いはラスト3周から激しくなり、タイヤが厳しくなったNo.36 カストロールをNo.18 TAKATA童夢(脇阪寿一)が最終ラップにかわして、その座を手にした。


15 Xanavi ARTA SILVIA
 GT300クラスは、ポールのNo.15 ザナヴィARTAシルビアが終始、トップをキープ。これを追っていたNo.26 STPアドバンタイサンGT3Rは51周目に、アクセルワイヤーのトラブルでストレートでストップ。これで楽になったNo.15 ザナヴィARTAはそのまま逃げ切って今季3勝目を挙げた。No.26 STPアドバンタイサンが消えた後の2番手争いはNo.77 クスコインプレッサとNo.7 RE雨宮マツモトキヨシRX7が終盤サイド・バイ・サイドで激しく争いう。これに競り勝ったNo.7 RE雨宮マツモトキヨシが前戦富士に続き連続の2位を獲得。No.77 クスコスバルは3位ながらも今季初の表彰台に挙がることになった。


チャンピオン争いでNo.1ペンズオイルは貴重な4ポイントを獲得
No.25 モモコルセ・アペックスMR2はリタイアでランキング2位に
 チャンピオン争いだが、第5戦終了時にGT500ランキングトップだったNo.1 ペンズオイル・ニスモGT-Rのエリック・コマスは、パートナーの本山哲と共にウエイトハンディ80kgを背負いながらもしぶとい走りを見せて7位完走。貴重な4ポイントを得てランキングトップを守った。一方、No.36 カストロール・トムス・スープラの関谷正徳/黒澤琢弥組は表彰台を逃したために、その差を12ポイントまでに詰めるに止まり、最終戦もてぎでは、No.1 コマスが優位に戦えることになった。

 GT300では、やはりこのレース前のランキングトップのNo.25 モモコルセ・アペックスMR2の新田守男がマシントラブルで痛恨のリタイア、ノーポイントとなって、優勝したNo.15 ザナヴィARTAシルビアの土屋武士/井出有治組がわずか1ポイントの差でトップに立った。これで最終戦はこの2チームにの一騎打ちとなると予想される。



WINNERS' VOICE

GT500
No.64 Mobil 1 NSX
トム・コロネル「計画はいつもこのように立てているんですが、なかなか予定通りにいかないのがいつもだったんです。このサーキットに関しては無敵だと思っています。ポールポジションをとっても、レース中に問題があることもあるんですが、今回はそういうことがまったなくて、すべて完璧なレースだったと思います。もちろんタイヤが減ってくると、どういうトラブルが出るかわからない不安はあったので、センシティブに運転していました。中嶋監督とは常に無線で話していたんですが、無理しないでハードブレーキングしないようにと言われていました。今日は渋滞が非常に多かったのでそれに巻き込まれないように注意していました。No.3とタッチしてしまったのですが、最終的になんのトラブルもなく勝てて良かったと思います」
光貞秀俊「最高のクルマを与えてくれたチームとスポンサーに感謝したいです。全日本選手権で2週連続優勝もうれしいですね。うまく歯車が回っているんだと思います。スタートで(No.100)飯田選手が結構プッシュしてる感じがしたんで、ドンパチやってもしょうがないんで、後ろについてようすをみていました。抜き返したときはボクのほうがペースがよかったんで、あの時点で自分のベストのプッシュをして抜きました。一発で勝負がついたんでよかったと思ってるんです。やっぱりトップでバトンを渡すのと渡さないのとでは、チームにピット作業の部分で変にプレッシャーがかかって欲しくなかったし、そういう部分でなんとかトップで渡して、というのが自分のなかでありました」




GT300
No.15 ザナヴィARTAシルビア
土屋武士「こうしなきゃ勝てないというのはあると思うんですけど、自分たちがおもいっきりいって、回りかどう出てくるかというので、とにかく勝ちたいという気持ちでプッシュしました。井出クンにも『もしかしたら早く入るかもしれないよ』と伝えて、なにも考えずに速く走ることだけを考えていました。そうしないと勝てないときってあると思うんです。前半で無理してプッシュして、中盤で抑えようと思っていたんですけど、やつばりポルシェは速くて、抑える間もなくずっとプッシュしっぱなしでした。No.25が止まったのは無線で聞いていましたけど、自分のことで精一杯でした。最終戦でランキング2位のつちやMR2と1ポイント差、12ポイント差に4台もいて、親子対決とか言われてますが、このまま引き下がるような親父じゃないですし、ボクもこのまま引き下がるような息子じゃないんで、どっちの勝ちたいという気持ちが強いかということだと思います」
井出有治「(昨日10秒差があれば大丈夫と言っていたんですが)土屋さんから渡されたときに15秒、その後少しつまったんで、プッシュしてある程度タイムを上げようと思ったんですけど、ポルシェが止まったんで、後はタイヤをいためないように走りました。クルマのトラブルはなかったんですけど、途中10周目ぐらいからドリンクが飲めなくなってしまって、脱水症状でつらかったです」