RAYBRIG NSX2位で、国さんのラストランを飾る
NICOS CUP GT ALLSTAR RACE '99 in AUTOPOLIS 今シーズンを締めくくるビッグイベント、NICOS CUP GTオールスター戦'99 in AUTOPOLISの決勝レースが11月28日、大分県・上津江オートポリスで開催された。 昨晩から早朝までは小雪がちらつくあいにくの天候だったが、決勝レースが始まる昼過ぎには時折雨が降るもののおおむね曇りという状況となった。 とは言え、やはり気温は5度程度。路面温度も6度。しかもレース前に一端、雨は止んだもののコースはウエットのまま。初開催のサーキットだけに天候の変化の予測が出来ず、各チームタイヤ選択に頭を悩ませた。 そして、定刻の13時30分にフォーメーションラップがスタート。気温の低さを考慮してフォーメーションは2周行われた。そして、スタートではポールポジションのNo.64 Mobil 1 NSX(光貞秀俊)が好スタート。これに予選2位のNo.16 Castrol無限NSX(道上龍)がピタリと付ける。この2台は浅溝のレインタイヤ。ところが、予選3位のNo.18 TAKATA童夢NSX(金石勝智)はカットスリックを選択したのだが、これが裏目に出て2周目にスピンし大きく出遅れる。また、予選4位のNo.6 ESSO Tiger Supra(ワイン・ガードナー)、No.12 カルソニックスカイライン(星野一義)はスリックタイヤを使うというギャンブルに出たが、思うように路面は好転せずに、一気に最後尾まで順位を下げてしまった。しかもNo.6 ESSOは10周目にスピンアウトし、コースに復帰するもののレースからは脱落した。 トップNo.64、No.16は僅差で、ともに1分55秒から54秒のハイペースで後続に差を付けていく。予選で中段に付けたNo.38 FK/マッシモセルモスープラ(竹内浩典)、No.36 カストロール・トムス・スープラ(黒澤琢弥)らスープラ勢は低い路面温度にタイヤがマッチせず、順位をさげ、代わって3番手を争うのはNo.100 RAYBRIG NSX(高橋国光)とNo.1 ペンズオイル・ニスモGT-R(エリック・コマス)。そして、予選12位のNo.2 ARTAゼクセルスカイライン(ミハエル・クルム)、No.3 ユニシアジェックススカイライン(長谷見昌弘)が一気にジャンプアップしてこの後ろに付けた。 レース序盤は雨が降ったり止んだりと、微妙な状況。雨がおさまった序盤はインターミディエイト・タイヤのNo.1 ペンズオイルが、No.100 RAYBRIGを抜き、トップ2台のNSXに1秒差程度までグッと迫るが、また雨が強く降り出すと、引き離されてしまう。このような天候に悩んだ、No.1 ペンズオイルは思い切って20周で早くもピットイン。ドライバーは本山哲に、タイヤもレインに代えた。24周目には3番手走行のNo.100 RAYBRIG NSXもピットイン。今季で引退する高橋は、ステアリングを飯田章に譲り、最後の走りを終えた。 一方、トップを行くNo.64 Mobilと2番手No.16 Castrolはピットインを先に延ばす作戦に出た。No.64は31周目にピットイン。ドライバーはトム・コロネルに代わる。追い上げるNo.16 castrolは規定ギリギリの34周目にピットイン。タイヤを換えずにピット作業時間短縮を狙った。だが、ドライバーが中子修に代わる時に、シートベルトのバックルが不調になり時間を使ってしまい、せっかくの作戦がムダになる。コースに戻ったときにはすでに、トップNo.64 Mobilは6秒以上前を行ってしまった。とは言え、後半の追い上げに期待を掛けたが、なんとこの頃から雨が完全に上がって日差しも出てくるなど、無交換のタイヤには一気に不利となり、追うどころかペースはどんどん落ちてしまう。 ペースが2分1秒程度と上がらないNo.16 Castrolに対して、No.100 RAYBRIGとNo.1 ペンズオイル、No.2 ARTAゼクセルスカイラインは1分56〜57秒と急激に差が詰まる。中でもNo.100 RAYBRIG NSXは55秒台を連発し、43周目にはNo.16をかわして、トップのNo.64に迫っていく。とは言え、この時点でNo.100に20秒以上の差を付けていたNo.64だったため、簡単に逃げ切るかと思えた。だが、No.64はシフトにトラブルを抱え、思うようにペースは上がらない、なんとかNo.100との間を考えながらコロネルが残りを走りきろうと頭脳戦に出る。そして、ラストラップには3.5秒差まで迫られたが、なんとか逃げ切って、No.64 Mobil 1 NSXそしてコロネルにとっては2年連続のGTオールスター戦勝利となった。3位には終盤No.16とNo.1をかわしたNo.2 ARTAゼクセルスカイラインが入った。 STPアドバンタイサンGT3Rはペナルティとトラブルに沈む GT500 No.64 Mobil 1 NSX トム・コロネル「今日のような展開では、レースをコントロールすることがだいじで、それがうまくいきました。ボクとしては、コースに出て最初の2、3周を速く走れたことがよかったですね。ウェットタイヤだったので、途中からコースが乾き出したのは苦労しました。それと終盤にクラッチがおかしくなってシフトダウンがスムーズにできなくなって、スロットルを使ってごまかしました。飯田選手が追い上げてきたのは中嶋さんから無線で聞いていまして、その差をつねに伝えてもらいました」 光貞秀俊「スタート前のタイヤの選択はとてもむずかしかった。トムとじっくり考えて決めたのがうまくいったということですね。スタートもうまくいって、序盤は道上(No.16)とペースを作れました。いいレースの流れができたことが勝利につながったと思います。選んだタイヤはレインだったんですが、途中でブロー気味になってアンダーが出たんですが、ちょうどそのころに霧雨が降り出して、ストレートでも水のあるところを走るなど、タイヤをいたわって走りました」 GT300 No.77 クスコスバルインプレッサ 小林且雄「最後はドライになってきて、タイヤを保たせるのを気にした走りになって、走りはつまらなかったけど、結果はオーライだったね」 谷川達也「午前中も雨だったんですが、ぜんぜんダメでした。本気で走ってもタイムでちぎられていました。でも決勝に向けてセットを変えたら楽しく走れるようになった。これだけコロッと変えてくれたんで、チームのおかげです。金曜にエンジンが壊れて載せ換えてるんで、壊れないことを祈って、最後までヒヤヒヤしてみていました。シリーズでいいことなかったんで、(今回の優勝は)来年にもつながる結果になったと思います」 |