Round2 ALL JAPAN FUJI GT RACEGTC2000 Round2
Race Review


00-05-03 Round2 Race Report
最後まで走れれば敵はいない!
No.18 TAKATA童夢NSXがポール・トゥ・フィニッシュで圧勝
GT300はトラブルに悩みながらもNo.26 シェルタイサンアドバンGT3Rが連勝

No18 TAKATA DOME NSX


 5月4日、富士スピードウェイで、AUTOBACS CUP全日本GT選手権第2戦ALL JAPAN FUJI GT RACEの決勝レースが開催された。決勝スタート直前のサーキットの上空は、雲が多いものの明るさはあり気温17度。路面はドライコンディションで路面温度24度とまずまず良好だ。朝のフリー走行でトラブルを起こしたNo.69 RGS-MIRAGEを除く38台が定刻の14時30分にローリングスタートを切った。

 ポールポジションから好スタートを切ったのはNo.18 TAKATA童夢NSXの脇阪寿一。予選2位のNo.6 エッソウルトロンタイガースープラ(野田英樹)を抑えて、トップで1コーナーへ飛び込んだ。これにNo.2 カストロール・ニスモGT-R(クルム)、No.21 ZEROマクラーレンGTR(中谷明彦)と予選順に続く。だが、中断以降では大混乱が起こった。1コーナー出口で集団の中で1コーナーを大外から仕掛けたNo.32 cdmaOneセルモスープラ(近藤真彦)がアウト側の縁石に乗り上げ、その拍子にスピン。これにNo.37 カストロール・トムス・スープラ(鈴木利男)が接触。この避けようとしたNo.39 デンソーサードスープラGT(影山正彦)にNo.35 マツモトキヨシ・トムススープラ(ラファネル)が突っ込むという多重クラッシュが発生。これでNo.35、No.37、No.39が1周もせずレースを終えた。No.32もフロントを大きく壊し、ピットで修復してコースに戻ったがやはりレース続行は無理と言うことでリタイア。わずか数周で4台のスープラが姿を消してしまった。

 開幕戦同様にトップのNo.18 TAKATA童夢は他車より1秒弱は速い1分26秒から27秒のハイペースで逃げを打つ。その後方でNo.6を先頭にNo.2、No.21の3台が接近した2位争いを展開。この2位集団の牽制合戦でわずか7周ほどでトップNo.18と2番手No.6の差は5秒近く開いてしまう。11周目についにNo.2 カストロールGT-RがNo.6 エッソをかわして2番手に浮上。前の空いたNo.2はペースを上げてトップのNo.18 TAKATAを追うが、両車共に28秒台でその差は5秒前後からなかなか詰まらない。一方、3番手となったNo.6 エッソにNo.21 ZEROマクラレーン、No.16 Castrol無限NSX(道上龍>中子修)、No.38 FK/マッシモセルモスープラ(竹内浩典)も加わった4台がテール・トゥ・ノーズでバトルを展開。だが、No.6はストレートは速いものの、ブレーキに不安を抱えておりコーナーで詰められる苦しい展開。20周目にNo.6はNo.21に抜かれ4番手となり、さらにNo.16にも抜かれたことで、31周目に早めのルーティンのピットインを行い、ステアリングをガードナーに託した。
 これで、トップNo.18、2番手にNo.2、続いてNo.21、No.16、5番手には開幕戦の勝者No.1 ロックタイト・ゼクセルGT-R(コマス)が上がってきた。
 中盤になると、トップNo.18 TAKATA童夢NSXと2番手No.2 カストロール・ニスモGT-Rの差が徐々に開き、35周を過ぎた頃には約10秒となる。この頃から上位陣が所定のピットインを始め出す。3番手につけていたNo.21 ZEROマクラーレンGTRも35周目にピットインするが、作業に手間取り順位を下げてしまう。一方、タイミングのいいピットインと作業でNo.8 ARTA NSX(鈴木亜久里>土屋圭市)とNo.38 FK/マッシモセルモスープラ(竹内浩典>立川祐路)が順位を上げ、33周目から6番手を争いサイド・バイ・サイドの闘いを展開する。が、ヒートアップしすぎたか36周目に2コーナーで接触、No.8がコースアウトしリタイアとなった。

 トップ争いで先に動いたのは、追うNo.2カストロール・ニスモGT-R。クルムは37周目にピットへ。他チームが約30秒程度行う作業をわずか23秒弱で済まし、交代した片山右京をコースへと送り出す。これに対して、トップNo.18 TAKATA童夢NSXは39周目にピットイン。脇阪から金石勝智へと交代し、約30秒弱でコースへ戻る。ピット作業のスピードではNo.2が勝ったが、それがコース上での差に大きくは響かず、上位陣のピットインが終わった40周過ぎには、またその差は9秒程度となった。
 この1、2番手の後方ではNo.12 カルソニックスカイライン(本山哲>星野一義)とNo.1 ロックタイト・ゼクセルGT-R(影山正美)、No.38 FK/マッシモセルモスープラ、No.6 エッソウルトロンタイガースープラが僅差で3番手を争う。この中で抜け出したのは後方から追い上げてきたNo.38 FK/マッシモだった。No.1、No.12を相次いで交わし、52周目に3番手となる。

 トップのNo.18 TAKATA童夢NSXの金石のタイムはほぼ28〜29秒台と極めて安定しており、29秒前後で周回するNo.2 カストロールの片山とは徐々に差が広がっていく。59周目に一度32秒台とタイムを落として、周囲を慌てさせるが、次のラップからはまた何事もなかったかのように28秒台に戻して、トップを走り続ける。
 結局、このままNo.18 TAKATA童夢NSXはピットイン時以外は他車にトップを譲ることなく、ポール・トゥ・フィニッシュで勝利を飾り、開幕戦リタイアの雪辱を果たした。2位には、開幕戦の練習走行で遭遇した事故の後遺症であるむち打ちを耐えながら走りきった片山右京のNo.2 カストロール・ニスモGT-Rが入った。3位はNo.38 FK/マッシモセルモスープラとなった。


No.26 シェルタイサンアドバンGT3Rが見事なポール・トゥ・ウィン

No26 Shell TAISAN ADVAN GT3R

 GT300クラスは、No.26 シェルタイサンアドバンGT3R(松田秀士>福山英朗)がポールからトップを保ったままスタートしたが、なんと走行中にシートベルトが弛むというアクシデントが起こり、一度はNo.910 ナインテンアドバンポルシェ(余郷敦>和田久)にトップを譲るが、ピットインの作業を巧みにこなし、このアドバンテージで順位を逆転。このままトップを守りきって開幕に続いて2戦続けてのポール・トゥ・フィニッシュで優勝した。3位は、後半にコーナーの速いNo.77 クスコスバルインプレッサ(谷川達也>小林且雄)と直線スピードに勝ったNo.81 ダイシンADVANシルビア(大八木信行>青木孝行)が激しく競るが、No.81が制して表彰台に昇った。


WINNERS


GT500 WINNER
No.18 TAKATA 童夢 NSX
脇阪寿一「予選では差がなかったけど、ペースをコントロールして走った。勝ててよかったです。タイヤからバイブレーションが出たりなくなったりしてたけど、問題はなかった。スタートではペースカーがちょっと速かったんで、ボクが後続をナイスコントロール(笑)したんです」|
金石勝智「最初からペースを落として走ってたんだけど、ピットからはもっとペースを落とせという指示が出てたんです。今回は最後まで気の抜けないレースでしたね。最終コーナーを抜けて、やっと"勝った"という感じがしました。(59周目にペースが落ちたのは)慎重になりすぎてたんです。30秒台で走ってたらみんなよろこぶだろうなと思ったんで(ちょっとよろこばせておいて)次の周ではまたペースを上げたんです」


GT300 WINNER
No.26 シェルタイサンアドバンGT3R
松田秀士「ダンパーのセッティングをミスって、ナインテン(No.910 ナインテンアドバンポルシェ)に抜かれて、もう勝てないなと思ったんだけど、いいかたちで勝ててよかったです。ピット作業もよかったし、今日はいい意味でデータをとれました。Bコーナーで左手がシートベルトにあたって外れてしまったんです。左足で支えてベルトをはめるのに4周かかってしまいました。ピットに入って直したかったんだけど、タイムが上がってたんでそのままいけということで…」
福山英朗「合わせて89歳のベテランコンビがこんなに速いクルマに乗っちゃいけないなんていわれてるみたいですけど、今回はピットストップの差で勝てましたね。ボクも松田選手も時差ボケであまり調子が出なかったんですけど、チームに救われました」



GTインサイドレポート班
Report by GT INSIDE REPORT TEAM