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あっと言う間に今年も5月の半ば、いわゆる折り返し点に近づいて来た。2000年AUTOBACS CUP全日本GT選手権(JGTC)も、前半最後の山場といえる第3戦SUGO GT CHAMPIONSHIPが5月27、28日に宮城県・スポーツランドSUGOで開催される。序盤で遅れたチームにしてみれば、ここで勝負を賭けないと今季後半での追い上げが間に合わなくなる可能性があるだけに必死でくる。もちろん、1、2戦で成績を残したチームにしてもここで突き放せば、今後自分のペースを作ることもできる。長丁場の選手権シリーズとしてもここが折り返し点なのだ。
開幕戦で圧倒的な"速さ"を見せながらマシン・トラブルで失ったNo.18 TAKATA童夢NSXだったが、早くも第2戦でそのアキレス腱を克服し、まさにブッちぎりの速さで勝利を手にした。もちろんこの1戦だけでNSXのウィークポイントが解決された
と断言は出来ないが、今後NSX勢が憂いなくスピード勝負に出てくると言えよう。ただ、この勝利でNo.18はウエイトハンディをさらに課せられることとなり、アップダウンのキツイSUGOでは、やや不利と考えられる。そこでNo.16 Castrol無限NSX、そしてこのレースから2000年型になるNo.64 Mobil 1 NSXなどが勝負を賭けてきそうだ。
ただ、先に述べたとおりSUGOは急勾配のストレートがあるだけにターボのマシンがやや有利と考えられる。となると、第2戦で2位に入ったNo.2 カストロール・ニスモGT-RやチャンピオンカーNo.1 ロックタイト・ゼクセルGT-Rといったあたりが今季後半を有利に闘うために思い切った走りを見せてくれそうな気もする。また、今季は昨年ほどのパフォーマンスが発揮で
きないスープラではあるが、第2戦でNo.6 エッソウルトロンタイガースープラが予選2位、決勝でもNo.38 FK/マッシモセルモスープラが3位と徐々にだが先行する国産2車種に追いついてきた。ことにNo.6は、昨年もマシントラブルでリタイアするまでトップを快走し、4月に行われたSUGOテストでNSX勢に割ってはいる2番手を記録しており、期待を感じさせる。
さらに、第2戦では国産GT勢を驚かせたNo.21 ZEROマクラーレンGTRも侮れない存在となってきた。いままでマクラーレンF1GTRはストレートが長い富士でこそ健闘したと言われたが、先のレースではコーナーでも十分な速さを見せており、このパワーがモノを言うSUGOでもかなり楽しみな存在になりそうだ。
ドライバーの面から気になる存在を探すとすれば、No.100 RAYBRIG NSXの飯田章か。このところ"GT最速"の名をNo.18の脇阪寿一に奪われた感があるが、昨年は予選2位、先のSUGOテストではセッション最速を記録するなどSUGOとの相性はいい。また、No.16の道上龍も、予選はチーム戦略としてNo.18に譲る形で来ていたが、No.18が90kgものウエイトハンディを背負っているだけに、今度は攻守所を変えて予選でアタッカーとなり勝負してくるかも。これに昨年ポールのNo.6の野田英樹を交えたポールを巡る争いが注目だ。
決勝では、上記のドライバーたちに加え、昨年のチャンピオンであるエリック・コマスの走りに注意したい。前戦では6位となりポイントこそ大きく増やせなかったが、代わりにウエイトを20kgと減らした。それだけにこのSUGOは一気にポイントを稼ぎに来るはず。さらには、このところ精彩を欠いているTOM'S勢の関谷正徳/土屋武士組も巻き返しを狙ってくるはずだ。ともあれ、このところ車種によるタイム差がそれほど大きく出ないだけに、決勝が混戦となるのは必死であろう。
開幕戦に続き第2戦もNo.26 シェルタイサンアドバンGT3R(松田秀士/福山英朗組)が、ポール・トゥ・ウィンを決めてしまった。第2戦の2位もNo.910 ナインテンアドバンポルシェ(余郷敦/和田久組)となり、GT300クラスではポルシェGT3Rの優位が固まった感もある。だが、この2台に関してはそれぞれウエイトハンディがそれぞれ100kg、60kgと搭載されること
になり、今度はそうそう逃げ切れない可能性もある。だが、ポルシェはそのマシン・レイアウトからウエイトハンディの効きにくい車種とも言われており、このSUGOもNo.26とNo.910がある程度流れを握ってくることは確かだろう。
国産GT300で注目なのは、No.19 ウェッズスポーツセリカ(脇阪薫一/原貴彦組)だ。この第3戦には秘密兵器と言える2.2リッターの3S-G改を持ち込むことも検討されており、このエンジンがもくろみ通りのパフォーマンスを発揮すればGT3Rに肉薄することも不可能ではなさそうだ。ことに先のSUGOテストでもNo.19はGT3Rを差し置いて、クラストップタイムを叩き
出しており、期待を感じさせる。また、同じボアアップ版の3S-G改にターボを載せたバージョンをNo.31 スーパーオートバックスアペックスMR-S(新田守男/五十嵐勇大組)が用いる可能性もあり、弱点だったトップスピード不足がこれで解消されるとMR-Sも大きくパフォーマンスアップすることもあり得るだろう。
この他にも、先のSUGOテストでは、No.7 RE雨宮マツモトキヨシRX7(山野哲也/松本晴彦組)、No.81 ダイシンADVANシルビア(大八木信行/青木孝行組)も好タイムを記録しているだけに、今回はGT3Rの独壇場とは行きそうにない予感がする。
毎年SUGOは波乱の多いレース展開になるだけに、最後まで見てみなければ分からない。え、そんなの当たり前だろうって。そうだ。だから、気になる君は5月28日スポーツランドSUGOに来るしかないのだよ。
GTインサイドレポート班
Report by GT INSIDE REPORT TEAM
○第3戦ウェイトハンディ搭載車
単位:kg / カッコ内は性能ハンディ分 |
GT500 |
No.1 |
ロックタイト・ゼクセルGT-R |
30 |
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No.2 |
カストロール・ニスモGT-R |
50 |
(20) |
No.6 |
エッソウルトロンタイガースープラ |
20 |
(20) |
No.16 |
Castrol 無限 NSX |
30 |
(20) |
No.18 |
TAKATA 童夢 NSX |
90 |
(40) |
No.38 |
FK/マッシモセルモスープラ |
20 |
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No.100 |
RAYBRIG NSX |
20 |
(20) |
GT300 |
No.7 |
RE雨宮マツモトキヨシRX7 |
30 |
(20) |
No.26 |
シェルタイサンアドバンGT3R |
80 |
(30) |
No.81 |
ダイシン ADVAN シルビア |
20 |
(10) |
No.910 |
ナインテンアドバンポルシェ |
60 |
(40) |
No.911 |
ダイアモンドポルシェGT3R |
10 |
(10) |
○救済措置対象車両 |
GT500 |
No.39 |
デンソーサードスープラGT |
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GT300 |
No.51 |
オートスタッフアドバンシルビア |
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