|
00-09-06 Round5 Preview
|
全7戦で行われる2000年AUTOBACS CUP全日本GT選手権(JGTC)にとって、第5戦はシリーズ後半の流れを決める重要な一戦だ。ここまで行われた4戦すべて勝者が違い、2勝したチームはまだない。しかもランキングトップから9番手までが16ポイント差と1勝(20ポイント)すれば逆転しかねない僅差でひしめいている激しさ。したがって、9月9、10日に岡山県のTIサーキット英田で開催される第5戦GT CHAMPIONSHIP in TIで勝利もしくは上位に入賞したチームが残り2戦の主導権を握れることになる。
今季はホンダNSXが強いと言われている。確かに4戦して3勝がNSXだ。だが、同じチームが勝っているわけではなく、やはり安定度には欠けると言われても仕方がないところ。これに対して勝負強いスカイラインGT-Rと、さらに新型マシンの実力が疑問視されていたスープラも前戦富士では、No.38 FK/マッシモセルモスープラがポールポジションに、決勝でもNo.39 デンソーサードスープラGTが2位に入るなど、NSX、スカイラインと互角の力を取り戻したといえよう。結果、第4戦はNo.8 ARTA NSXが勝ったものの、2位スープラ、3位にNo.12 カルソニックスカイラインと国産GTマシン3車種が表彰台に並ぶという拮抗した状況となってきた。この実力もポイントも接近した状況下で、どこが抜け出すか、すべてがこのTIラウンドに掛かってきていると言えよう。
昨年のTIラウンドは第6戦として行われ、今季現時点でランキングトップのNo.64 Mobil 1 NSXが優勝している。Mobil 1 NSXはその前年のGTオールスター戦として行われた時でも優勝しており、このTIサーキットはゲンの良いサーキットだ。だが、今年はドライバー陣が一新されており、相性の良さだけで判断することは難しいだろう。となると、8月16、17日に同サーキットで行われた合同テストでトップタイムを叩き出したNo.38 FK/マッシモセルモスープラが注目の1台となりそうだ。先に述べたとおり、No.38は第4戦でもポールポジションを獲得しており、速さではNSXをもしのぐパフォーマンスを見せている。だが、どうもマイナートラブルに陥ることが多く、結果が残せていない。それさえ克服出来れば悲願の勝利も夢ではないはず。もう1台注目はNo.12 カルソニックスカイラインだろう。第4戦では3位と久々の表彰台に登り、テストでもコンスタントにスカイライン勢のトップに顔を出している。超ベテラン星野一義と今一番熱い走りを見せられる本山哲であれば、そろそろ一番高いところへ手が届いてもおかしくないはずだ。
チャンピオンシップで言えば、ディフェンディング・チャンピオンNo.1 ロックタイト・ゼクセルGT-RとNo.18 TAKATA童夢NSXの争いが要注意だろう。No.1としては第2戦SUGOでのノーポイントがあるだけにこのTIでは確実に表彰台に挙がって高ポイントを稼ぎたいところだ。
一方、No.18は速さでは定評があるが取りこぼしも多い。また、先日行われたフォーミュラ・ニッポンで大クラッシュした金石勝智の回復具合も心配なところ。それだけにこちらも勝利というより、いかに高ポイントを稼げるかが大事になってきそうだ。
一方でこのTIラウンドから新戦力を加えて、勝利を狙うチームもある。No.16 Castrol無限NSXは道上龍と昨年Mobil 1 NSXで活躍した光貞秀俊のコンビに変わる。現時点でランキング3位のNo.16にとってあと必要なのは勝利の20ポイントだ。そしてチームタイトルを狙う上でもこの光貞に期待するところ大だろう。もう1人注目のドライバーが加わったのがNo.30 綜警McLarenGTRだ。これまでのエース岡田秀樹の助っ人にやってきたのは、現在フォーミュラでも活躍中の松田次生だ。若干21歳で今年フォーミュラ・ニッポンに初のフル参戦。しかも第3戦で早くも優勝を決めるという期待のヤングタイガー。ただ、カートからフォーミュラ一筋だった松田ゆえ、GTはもちろん本格的なツーリングカーレースは初めての挑戦になる。ともあれ非凡な才能がGTでも発揮されることは予想に難くない。これで国産GT勢にマクラーレンが食い込むとなれば、チャンピオン争いにも一石を投じることになりかねないだろう。
GT300クラスでは、TEAM TAISAN Jr.のNo.26 シェルタイサンアドバンGT3RとNo.28 イクリプスRDタイサンGT3Rが3勝を挙げており、ポルシェ911GT3Rの有利は否めない。しかし、このGT3Rに唯一土を付けているNo.19 ウェッズスポーツセリカ、そして4戦中2回表彰台に乗っているNo.7 RE雨宮マツモトキヨシRX7の逆襲も期待したい。
そして、ツイスティなTIサーキット英田で注目したいマシンがトヨタMR-Sだ。今季デビューしたばかりのMR-Sはまだ本来の実力を発揮しているとは言えない。特に直線スピードの不足が気になる。だが、その一方でコーナリングに関しては軽量ミドシップの良さが遺憾なく発揮されている。
それだけにこのTIではNo.31 スーパーオートバックスアペックスMR-SとNo.20 ネッツアペックススピリットMR-Sが活躍しそうだ。このほか、中低速コーナーを得意とするNo.77 クスコスバルインプレッサも面白い存在になりそうだ。
何はともあれ、この第5戦TIサーキット英田は、今シーズン最大の山場になるといっても過言ではないだろう。これを見逃したら、今季のJGTCの意味がない。サーキットで、TV中継で、そしてこのウェブサイトで十分にチェックして欲しい。
GTインサイドレポート班
Report by GT INSIDE REPORT TEAM
○第5戦 『GT CHAMPIONSHIP in TI 』 TV放映予定
9月16日(土) 16:00〜17:15
テレビ東京系全国6局ネット
放映局:テレビ東京/テレビ大阪/テレビ愛知/テレビ北海道/テレビ瀬戸内/ティーエックスエヌ九州
9月10日(日) 14:00〜(生中継 ※ゴール迄放映)
CS:Jスカイスポーツ(スカイパーフェクTV/CATV他)
問い合わせ先:Jスカイスポーツ カスタマーセンター TEL:03-5500-3488(毎日9:00〜20:00)
○第5戦 ウェイトハンディ搭載車 単位:kg / カッコ内は性能ハンディ分
GT500 |
No.2 |
カストロール・ニスモGT-R |
20 |
(20) |
No.6 |
エッソウルトロンタイガースープラ |
40 |
(40) |
No.8 |
ARTA NSX |
60 |
(10) |
No.12 |
カルソニックスカイライン |
20 |
(0) |
No.16 |
Castrol 無限 NSX |
40 |
(20) |
No.18 |
TAKATA 童夢 NSX |
70 |
(60) |
No.35 |
マツモトキヨシ・トムススープラ |
10 |
(10) |
No.36 |
カストロール・トムス・スープラ |
20 |
(20) |
No.38 |
FK/マッシモセルモスープラ |
10 |
(10) |
No.39 |
デンソーサードスープラGT |
40 |
(10) |
No.64 |
Mobil 1 NSX |
50 |
(20) |
No.100 |
RAYBRIG NSX |
20 |
(20) |
|
GT300 |
No.7 |
RE雨宮マツモトキヨシRX7 |
70 |
(60) |
No.10 |
アビリティ・マリオポルシェ |
10 |
(0) |
No.19 |
ウェッズスポーツセリカ |
20 |
(0) |
No.26 |
シェルタイサンアドバンGT3R |
80 |
(50) |
No.28 |
イクリプスRDタイサンGT3R |
50 |
(20) |
No.81 |
ダイシン ADVAN シルビア |
50 |
(30) |
No.86 |
BP・KRAFT・トレノ |
10 |
(10) |
No.910 |
ナインテンウェディングアドバンポルシェ |
60 |
(60) |
No.911 |
ダイヤモンドアドバンポルシェ |
10 |
(10) |
※累積最大ウェイトハンディ GT500:120kg / GT300:80kg |
○救済措置対象車両
GT500 |
|
対象車両なし |
GT300 |
No.51 |
C-WESTオートスタッフADVANシルビア |
|
|
|