CP MINE GT RACEJGTC2000 Round6
Race Review


00-10-01 Round6 Race Report
カルソニックスカイラインが1512日ぶりの勝利!
コマス/正美組はしぶとく3位に入りランキングトップで鈴鹿へ

12 CALSONIC SKYLINE


 10月1日、セントラルパークMINEサーキットで、AUTOBACS CUP全日本GT選手権第6戦『CP MINE GT RACE』の決勝レースが開催された。
 練習日の金曜、予選の土曜と雨の続いたMINEサーキットだったが、この日は朝から夏のような日射しが降り注いだ。気温も決勝直前の13時30分で、気温31度と夏のような温度となり、路面温度も41度となった。このため各車タイヤに厳しいサバイバルな展開が予想された。

 14時ちょうどにローリングがスタートして1周の後、決勝のスタートが切られた。スタートでは予選2位のNo.64 Mobil 1 NSX(D.シュワガー)が鮮やかにポールポジションNo.18 TAKATA童夢NSX(脇阪寿一)を刺して、1コーナーにトップで進入した。だが、その直後にとんでもないアクシデントが待っていた。1コーナー出口でNo.64 Mobilのテールと直後にピタリと付けていたNo.18 TAKATAのフロントが接触。弾かれる形になったNo.64はハーフスピンを喫して、真横になってコース上に止まってしまった。直後にいたNo.100 RAYBRIG NSX、No.12 カルソニックスカイラインらは、なんとかこれを避けたがNo.2 カストロール・ニスモGT-R、No.8 ARTA NSX、No.30 綜警McLarenGTR、No.36 カストロール・トムス・スープラが巻き込まれてクラッシュ。このまま、この6台は走行不能になり0周でリタイアとなった。また、No.6 エッソウルトロンタイガースープラ(野田英樹)も避ける際に、他車と接触してスピンを喫して最後尾まで落ちる。このアクシデントの処理のためにセーフティカーが入って、8周に渡ってパレードラップとなった。
 この時の順位はトップNo.18 TAKATA童夢NSX、2番手No.16 Castrol無限NSX(光貞秀俊)、以下No.12 カルソニックスカイライン(星野一義)、No.1 ロックタイト・ゼクセルGT-R(E.コマス)、No.35 マツモトキヨシ・トムススープラ(P.ラファネル)、No.38 FK/マッシモセルモスープラと続いた。
 9周目に再スタートの1コーナーでは、2番手にNo.16 Castrol無限に、No.12 カルソニック、No.1 ロックタイトの2台のスカイラインが襲いかかる。No.16はこの2台に相次いでかわされ、さらには12周目にNo.35にも抜かれて、5番手に順位を下げる。これで、トップ争いはNo.18のNSXとNo.12、No.1の2台のスカイラインで激しく争われる。この3台はときに1分26秒台という予選並のタイムを叩き出しながら、テール・トゥ・ノーズで競り合っていく。この中で最初に動いたのはNo.1 ロックタイト・ゼクセルGT-R。タイムが29秒台とやや落ち気味になってきた32周目に、他車に先駆けてピットイン。ドライバーは影山正美にと代わり、いつもながら20秒足らずの素早いピットワークでコースに戻る。続いてNo.16 Castrol無限NSXがピットイン。ドライバーは道上龍に交代。
 この間、No.18とNo.12はタレ出したタイヤを滑らせながら、なんとか29秒台を出してラップを稼ぐ。そして38周目にトップのNo.18 TAKATA童夢NSXがピットイン。ドライバーが金石勝智へと交代。なんとか、No.1の前でコースに戻った。そして、次のラップにはNo.12 カルソニックスカイラインもピットイン、ドライバーは本山哲へ。No.12も速やかにピットワークをこなしてコースへ戻る。No.18の前には出れらなかったが、No.1の前に辛くも出ることができた。結局ピットによってもこの3台の順位関係は変わらず。  ここから後半戦、27〜28秒台で競り合うNo.18とNo.12に対して、No.1は0.5〜1秒ほど襲いペースで徐々に離されていく。どうやら交換したタイヤの選択に失敗したようだ。
 これで、トップ争いはNo.18 TAKATA童夢NSXとNo.12 カルソニックスカラインの一騎打ちに。また一時はポジションを下げたNo.38 FK/マッシモセルモスープラ(立川祐路)、No.16 Castrol無限NSXが4番手を争う。またスタートのアクシデントで最後尾に落ちたNo.6 エッソタイガーウルトロンスープラ(W.ガードナー)も盛り返してこのバトルに加わってくる。
 トップ争いは48周目の1ヘアピンで決着が付いた。No.12 カルソニックスカイラインがNo.18 TAKATA童夢NSXをついにかわして、トップに立つ。そして一気に差を広げようとNo.12 本山は1分28秒前半で逃げを打つ。だが、No.18 金石も何とか食い下がって、その差は1秒から2秒の間で固まってしまう。結局、この僅差をNo.12 カルソニックスカイラインが守りきって、今季初勝利を飾った。星野、本山共にJGTC2勝目。星野にとっては1996年の第4戦以来、1512日にぶりの美酒となった。2位にはNo.18 TAKATA童夢NSX。3位にはNo.1 ロックタイト・ゼクセルGT-Rが入って、これでコマス/正美組は選手権ポイント60として、ランキングトップに返り咲いた。No.16 Castrol無限NSXの道上は、終盤No.38をかわして4位となり、コマス組にわずか1ポイント差で、最終戦鈴鹿を迎えることになった。



26 Shell TAISAN ADVAN GT3R

サバイバルバトルをNo.26 シェルタイサンアドバンGT3Rが制す!

 GT300クラスは、ポールポジションのNo.28 RDタイサンBP GT3R(柴原>須賀)がドライバー交代まではトップを守ったが、その後に他車との接触を喫して3位となる。ポイントランキングのNo.910 ナインテンウェディングアドバンポルシェ(余郷>和田)は予選7位と不利なスタートだったが、ドライセッティングが当たってグングンと追い上げ、No.28に迫ったが、こちらも他車と接触してしまい、2位に止まった。優勝したのは、予選4位から堅実にトラブルもアクシデントにも巻き込まれず走りきったNo.26 シェルタイサンアドバンGT3R(松田>福山)となった。
 これで、ドライバーズ選手権は、No.910の余郷/和田組とNo.26の福山が70ポイントで並び、こちらも最終戦鈴鹿で互いに決着をつけることになった。



WINNERS

GT500 WINNER
GT500 WINNER
No.12 カルソニックスカイライン
星野一義「たまには勝たせてよ(笑)。本山がよくやってくれたよ。(再スタートで前車を抜いたのは)ああいうときに出ないと、なかなかラップしているときに出るというのはたいへんだからね。ねらっていて、ヨーイドンでいったよ」
本山 哲「ここまでチャンピオンの可能性が残っていたんで、チーム全体にいいプレッシャーがありました。金曜からむずかしいコンディションだったけど、予選では最後の1周だけいいタイムを出せた。おかげでいいレースにつながりました。(No.18を追い抜いたときには)周回遅れが入っていて、チャンスがあって、チャンスのあるときに抜くしかないと思って一発で決めたんですけど。お互いトップ争いだから軽くこすっちゃって…。悪かったんだけど、ま、レースだからしょうがないです」



GT300 WINNER
GT300 WINNER
No.26 シェルタイサンアドバンGT3R
松田秀士「着実にいってればいいんだけど、なんともスッキリしないですね。クルマがイマイチ速くない。なんとか勝てて鈴鹿にはいいかたちでいけるんだけど、課題はある。相手が順調だとこの位置にはいられない」
福山英朗「こんな苦しいレースをよく拾ったもんだ。ナインテンのほうがずっと速かったよ」



GTインサイドレポート班
Report by GT INSIDE REPORT TEAM