JGTC2000 JAPAN GT FESTIVAL
6.23-25 / SEPANG CIRCUIT
JGTC2000 SPECIAL STAGE
Race Review


00-06-25 JAPAN GT FESTIVAL in MALAYSIA Race Review
マレーシアにスカイライン伝説が生まれた日…
No.2 カストロール・ニスモGT-Rが大逆転で優勝を決める!
壮絶!!No.18 TAKATA童夢NSXは灼熱地獄に苦しむ
No1 GOAL!

 日本レース初の試みであるJAPAN GT FESTIVAL im MALAYSIAの決勝レースが6月25日、マレーシアのセパン・インターナショナル・サーキットで3万人以上の大観衆の下で開催された。
 心配された雨雲も晴れ、暑い日差しがセパンに戻ってきた。エンジンを換装を行っていたNo.55 エクリプススリランカバイパーGTSRを除く、23台がスターティング・グリッドに並んだ。14時ちょうどにローリングスタートが開始されると、グランドスタンドに詰めかけた1万数千人の大歓声がメインストレートを駆けるマシンたちに注がれた。そして、1周のローリングの後、歴史的な決勝レースのスタートが切られた。
 ポールスタートのNo.18 TAKATA童夢NSX(脇阪寿一)は見事にスタートを決め、1コーナーにトップで飛び込む。続いて予選4位のNo.36 カストロール・トムス・スープラ(土屋武士)が好スタートで2番手に、そして予選5位のNo.64 Mobil 1 NSXが3番手に。予選3位のNo.32 トヨタセルモスープラ(近藤)と7位のNo.12 カルソニックスカイライン(星野)がスタート直後の混戦で接触。この2台はこのトラブルもあって大きく後退した。
 トップに立ったNo.18は2分4秒台というハイペースで、いつものように逃げを打つ。2番手は2周目にNo.36をかわしたNo.64となるが、No.18との差はじわじわと広がっていく。
 4番手には予選8位から上がってきたNo.8 ARTA NSXだったが、スタート時のフライングを取られてペナルティストップを命じられ、上位から脱落する。これに代わって4番手になったのは予選6位のNo.3 ユニシア・ザナヴィスカイライン(田中)、5番手が予選9位と出遅れたNo.2 カストロール・ニスモGT-R(片山)だった。
 しばらく上位の順位はそのまま動かなくなる。特に20周を過ぎた頃にはトップのNo.18と2番手のNo.64の差は8秒弱まで開いてしまう。そして迎えたルーティンのピットインでレースは動いた。No.2 カストロール・ニスモGT-R(クルムに交代)とNo.1 ロックタイト・ゼクセルGT-R(コマスに交代)は速やかにピットインを終えた。だが、2番手のNo.64 Mobil 1 NSX(伊藤に交代)、3番手につけていたNo.36 カストロール・トムス・スープラ(関谷に交代)はピットから出る際にエンジンがストールしかけて、No.3 ユニシア・ザナヴィスカイライン(長谷見に交代)もピットで時間が掛かってしまい、No.2、No.1が一気に2、3番手に躍進。後塵を浴びることになった、3台は一団となって争いさらにしまう。この中でNo.3はエンジンにトラブルが出て、No.36もペースが上がらずに、No.64がなんとか抜けだすが、トップ争いからは絡むことは出来なくなっていた。
 2番手に上がったNo.2だったが、無難にピットインをこなしたトップのNo.18 TAKATA童夢NSX(金石に交代)との差は、この時点で6秒近く開いていた。No.18の金石、No.2のクルム共に2分5秒台前後を出していたために、この差は詰まらないかと見えた。ところが、35周を過ぎたあたりから急にNo.18のペースが乱れて時には8秒台まで落ちてしまう。これを知ったNo.2クルムは4秒台も出すペースで一気にその差を縮めていった。No.18金石のクールスーツは交代した時点からまともに動いておらず、この時金石は体力的に限界に近づいていたのだ。そして40周目にNo.2クルムはNo.18の隙をついてトップに立つ。そしてその後も2分5〜4秒台のペースで、後続を引き離していた。さらに3番手のNo.2コマスもペースの落ちたNo.18を抜くべく猛然とペースを上げていく。そして残り4周となった49周には、周回遅れを2台挟んでNo.18の背後に付けた。そして50周目の1コーナーで周回遅れをまとめてかわしに掛かったNo.1スカイラインのテールが大きく流れた。これでタイヤにダメージを負ってしまったNo.1は、ここに来てタイヤ交換せざるおえなくなり、表彰台を逃すことになった。これで2番手のNo.18を追うのはNo.64になるのだが、残り3周で差は16秒。結局No.18は辛くも逃げ切って2位を確保してゴール。3番手はNo.64となった。記念となる優勝を飾ったのはNo.2 カストロール・ニスモGT-R、片山右京/ミハエル・クルム組。シリーズ戦ではないが、クルムにとってはNISMOでの、片山にとってはGTでの初勝利を手にすることになった。



圧勝!No.7 RE雨宮マツモトキヨシRX7がSUGOのリベンジを果たす
No7 RX7
 GT300クラスでは、ポールポジションのNo.7 RE雨宮マツモトキヨシRX7(山野>松本)が好スタートを切って逃げる。これをNo.19 ウェッズスポーツセリカ(原>脇阪薫一)とNo.77 クスコスバルインプレッサ(谷川>小林)が追う展開。
 序盤こそトップNo.7に食い下がった両車だったが、No.19は他車との接触で出遅れ、No.77はピットイン時にエンジンが掛からなくなってしまい、2分近いロスで勝利から遠ざかってしまった。一方、No.7は山野、松本共にコンスタントに2分16〜17台を記録し、この暑さの中でノントラブルで走りきり最終的には40秒近い差を付けて優勝した。5月28日に行われた第3戦SUGOで勝利を目前にしながらリタイアとなったレースの雪辱を果たす形となった。



WINNERS

GT500 WINNER
No.2 Castrol NISMO GTG-R
片山右京「ここ(セパン)に来る前に考えたり、聞かれたりしていたんですが、表彰台はあると思ってました。とにかく前半がんばっていけばクルムがやってくれると思っていました。JGTCが初めて海外で行ったレースで勝てたことで、スカイラインや自分たちの力を証明できたと思います。F1以後はモチベーションが高く保てませんでしたが、ル・マンでの2位とこの勝利で、F1とは(モチベーションは)違うけど、もっともっと上にいきたいと思えるようになりました」
ミハエル・クルム「右京ががんばってくれて、予選9位が5位になって帰ってきてくれたので、うまくやれば表彰台が見えると思った。ピット作業がうまくいって2位で復帰できた。それでもトップの18号車に追いつくのはむずかしいとは思ったが、プッシュした。18号車のペースが落ちてきて、ミスも増えたから抜けました。このサーキットはひじょうにすばらしいし、クルマのなかにいても観客の声援が聞こえてきて、それがとてもうれしかったですね」



GT300 WINNER
No.7 RE Amemiya MatsumotoKiyoshi RX7
山野哲也「(ポール・トゥ・フィニッシュでしたが楽勝でしたか?)そんな楽なもんじゃないですよ。ボクたちは前のSUGOで1番を走りながらリタイアしてますし、ここへはリベンジじゃないですけど、そのくらいのつもりでRX7とチームの実力を見せたいと思っていました。だから、今日もここ(優勝インタビュー)に来れたのがひじょうにうれしいです。レースではていねいに走ることを心がけてましたし、それができたこともあって本当にうれしいんです」
松本晴彦「(セパンでの初代勝者ですね?)ここにいられることは、とても光栄です。ここで勝つためにチームもドライバーも一丸となってやってきましたから、とてもうれしいです」



GTインサイドレポート班
Report by GT INSIDE REPORT TEAM