2001 AUTOBACS CUP ALL JAPAN GT CHAMPIONSHIP Round2
カッチャオ ALL JAPAN FUJI GT RACE
5.3,4 FUJI SPEEDWAY
PREVIEW 2001-04-26

レースプレビュー

激戦必死の高速長距離バトルが展開!/王者NSXにスープラ、スカイライン、マクラーレンの逆襲なるか?!/GT300はシルビアとモスラーMT900Rに要注意

東日本でもGT開幕。ゴールデンウィークは富士へ
 新緑も目に鮮やかになってきたこの時期。待ち遠しいのはゴールデンウィークだろう。このゴールデンウィーク中の5月2〜4日は富士スピードウェイでAUTOBACS CUP全日本GT選手権第2戦「カッチャオ ALL JAPAN FUJI GT RACE」が開催される。東日本では今季初のJGTCとなる注目の一戦だ。
 富士スピードウェイは東名高速御殿場インターから約20分と首都圏や東海・中京地区からのアクセスも抜群だ。コースレイアウトとしては、国内屈指の高速指向であり、約1,400メートルのメインストレートではJGTCマシンの最高速は時速280kmに達する。それだけにスリップストリームを使った高速バトルや、1コーナーでのハードな突っ込みなど迫力のバトルが堪能できる。
 この富士では、決勝指定席やプログラム、ピットウォークなどがセットになったパドックラウンジチケットなどプレミアム(限定)チケットなど、ちょっとリッチでお得なセットチケットなども販売されている。また、このJGTC第2戦からパドック・エリアのドライバーズ・サロンが新装オープンするなど、施設面も充実を図っている。この第2戦期間中はJGTCだけでなくサポートレースや華やかなイベントも多数行われる予定だ。詳しくは インフォメーション を見て欲しい。


富士では苦戦が予想されるNSX
No1 NSX
 開幕戦TIサーキット英田では、1〜3位まで表彰台を独占したNSX軍団だったが、ここ富士ではかなり苦戦を強いられるのではないだろうか。今季の車両規定によりNSXはややトップパワーが抑えられる形になったため、ストレートの最高速では他車種に一歩譲ることとなった。中低速のサーキットではそこを補って余りあるコーナリングスピードで優位を保ったが、高速コースの富士ではそうもいかない。4月のJGTC合同テストでも、No.6 エッソウルトラフロースープラが総合のトップタイムとなり、上位6位までをスープラ3、NSX2、スカイライン1で分け合う形になっている。また2日目午前のセッションではNo.21 イエローコーンマクラーレンGTRが6位にはいるなど、トップスピードの高いマシンが俄然元気を見せている。  さらに、開幕戦で活躍したことからNSXの5台中4台にウエイトハンデが積まれることとなり、これも課題となるだろう。だが、そうはいっても無限×童夢を中心とした歴戦のチームが揃っているだけに、やはりレースの鍵を握るのがNSXであることは間違えないだろう。特にノーハンデのNo.18 TAKATA童夢NSX(加藤寛規/S.フィリップ組)には要注意だろう。


スープラは新ホームコースで結果を残せるか?
No6 SUPRA
 一方、開幕前のテストから意気込みも結果も昨年とは違ったスープラ陣営だったが、開幕戦では結局結果を残すことが出来なかった。タイム的にはNSX、スカイラインとまったく遜色はなかったが、レースの流れをつかめなかった感がある。だが、ここ富士はスープラ向きのコースといえる。ターボによる加速力と十分なトップスピードを持ったスープラが本領を発揮すれば間違いなくトップを走る。特に昨季富士で行われた第4戦でポールを獲ったNo.38 auセルモスープラ(竹内浩典/立川祐路組)と4月のテストでレコードタイムを叩き出したNo.6 エッソウルトラフロースープラ(脇阪寿一/野田英樹組)は、優勝候補筆頭に挙げられる存在だ。
 そしてスープラ陣営にとってもうひとつ奮起につながることがある。昨年11月にこの富士スピードウェイはトヨタ傘下の企業となったのだ。つまり、今年から富士はトヨタ車にとってはホームコースといえる存在になる。トヨタ車ユーザーのチームにとって、この1戦に名を残すことは1勝以上の価値があるはず。彼らの気合いにも注目だろう。
No23 SKYLINE GT-R
 もちろん忘れてはならないのがスカイラインGT-Rの存在。今年の第2戦はJGTC初となる500kmレース。これまで決勝レースは最長300kmだったが、今回は1.5倍以上の距離を走らなくてはならない。こうなるとマシンにもドライバーにも負担が掛かる。ピットインも2回作戦なんてこともありうる。こういう耐久要素が増えると信頼性やドライバビリティに優れるスカイラインGT-Rは強みを発揮する。また、レース巧者であるNISMOのピットでの仕事ぶり、作戦展開も興味深い。決勝レース終わってみれば…、というシナリオがありそうな500kmレースのだ。
 ここ富士ではトップスピードが最大の武器になるために、これら国産マシン以外にも、ビッグパワーでストレートを駆け抜けるマクラーレンF1-GTRやランボルギーニ・ディアブロGT1も、他のコース以上にチャンスがある。特にル・マン24時間で実績のあるマクラーレンF1-GTRにとっては、500kmレースは余裕といえるかもしれない。荒れる展開で上位が潰し合うと、No.30 綜警McLarenGTR(岡田秀樹/A.クート組)やNo.21 イエローコーンマクラーレンGTR(中谷明彦/一ツ山康組)が面白い存在になるかもしれない。



トップスピードのシルビアに注目
No31 MR-S
 開幕戦TIのGT300はNo.31 ARTA・アペックスMR-S(新田守男/高木真一組)の完勝といった雰囲気だった。その大きな要因として、TIはミドシップのMR-Sには有利なサーキットだったことがある。だが、次の富士はガラッと変わって高速コース。完勝ゆえのウエイトハンデもあって、一転苦戦は免れないだろう。同じく2位に入ったNo.77 クスコスバルインプレッサ(小林且雄/谷川達也組)もトップスピードにウィークポイントがあるだけに、我慢の一戦かもしれない。
No26 GT3R
 これに対して巻き返しをしてきそうなのがポルシェGT3R勢。新車両規定で若干パワーダウンではあるが、RRを生かしての立ち上がり加速は健在。昨年のチャンピオンNo.26 シェルタイサンアドバンGT3R(福山英朗/余郷敦組)を中心に、予選ではかなり多くが上位に食い込むだろう。
No31 SILVIA
 そして要注意なのがシルビアだ。元々ストレートスピードには定評あるマシンであるが、今季型は空力的にさらにリファインされており、よりスピードが上がっているようだ。中でも、No.81 ダイシンADVANシルビア(大八木信行/青木孝行組)は、昨年富士で行われた第4戦でポールを獲得しており、優勝候補の一角に挙げられる。また、今季GT300初登場の長谷見昌弘率いるNo.3 ユニシアジェックスシルビア(井出有治/柳田真孝組)も面白い存在だろう。さらにスーパー耐久などで実績のあるC-WESTのシルビアもこの富士から登場し、このシルビア軍団も侮れない勢力になりそうだ。
 このほかにもモスラーMT900RのNo.900 MT900R(マラガムワ/浅見武組)も、あのボディラインもあってストレートはかなり速い。4月の合同テストでの総合2位のタイムは出来すぎにしても、かなり上位に進出する期待を持てる。このほかにも、開幕戦で勝てるチャンスがありながら3位に留まったNo.7 雨宮マツモトキヨシアスパラRX7(山野哲也/松本晴彦組)も、高速得意のロータリーパワーで遠ざかっているシリーズ戦勝利を狙ってくるだろう。

 GT500、GT300ともに例年以上に車種間のタイムが均衡している今シーズン。そしてJGTC初の500kmレースと予測できない条件が多い第2戦富士。混戦、激戦のレースが繰り広げられることだけは、間違いないだろう。

Reported by Team GT InsideReport



BACK
HOME
JGTC.net

Copyright 2001 JGTC.net. http://www.jgtc.net