2001 AUTOBACS CUP ALL JAPAN GT CHAMPIONSHIP Round2
カッチャオ ALL JAPAN FUJI GT RACE
5.3,4 FUJI SPEEDWAY
RACE RESULT 2001-05-04

決勝レースレビュー

スープラ同士のマッチレース!
エッソウルトラフロースープラがポール・トゥ・フィニッシュ!
GT300は最後の逆転劇でダイシンADVANシルビアが初優勝


No6 Supra


 JGTC初の500kmはやはり激しかった。開幕戦同様に結果こそGT500のエッソウルトラフロースープラ、GT300のダイシンADVANシルビアと、ともにポール・トゥ・フィニッシュだったが、その内容は楽なものではなく、戦略と運がものを言ったようだ。

 GT500クラスは、ポールスタートのエッソウルトラフロースープラの脇阪寿一が一瞬出遅れ、No.30 綜警McLaren GTRの岡田秀樹が1コーナーでトップに立ち、No.38 auセルモスープラの立川祐路にも先行される。だが、スピードで勝る2台のスープラがNo.30マクラーレンをパスし、このあとはNo.38 auセルモとNo.6 エッソウルトラフローとのマッチレースの様相となった。いったんは逃げるNo.38に4秒近い差が付いたが、No.6脇阪は26秒台を連発し、1回目のピットインが近づく35周過ぎにはテール・トゥ・ノーズの状態にまで持ち込んだ。39周目にNo.38はトップのままピットイン。作業は順調だったが、再スタート時にエンストを起こしてしまい、40秒近いピットタイムを使ってしまう。一方、その直後にピットインしたNo.6はノーミス。これにより首位が逆転した。
 この後、No.6エッソの野田英樹は、追うNo.38 auセルモの竹内浩典を徐々に引き離していく。44周目にGT300車のクラッシュでセーフティーカー(SC)が入って築いたマージンを減らしたが、再スタート後はまた15秒以上の差をNo.38につけた。
 80周目に2番手No.38が2度目のピットイン。ここでまたしてもマシンがエンストし、このあとピットインしたNo.6が27秒台という素晴らしい作業を見せただけに、その差は15〜17秒と大きく開き、再度ステアリングを握った脇阪は余裕のドライビング。
 だが、ラスト8周となった106周目にNo.100 RAYBRIG NSXと5番手を競り合っていたNo.18 TAKATA童夢NSXが周回遅れと接触し、スピンをしながらガードレールに激突。グリーン上で裏返しとなってしまう。このクラッシュで2度目のSCランとなり、なんと再開は111周目。ラスト3周の超スプリントが決行されることになった。
 この時、トップのNo.6 エッソウルトラフロースープラをNo.38 auセルモスープラの立川がこん身の力で追い上げる。480km以上走ったマシンでなんと1分26秒台という驚異的なタイムを叩き出して、ラストラップは0.9秒まで迫ったが、結局No.6 エッソウルトラフロースープラが逃げ切って優勝を飾った。2位にはNo.38 auセルモスープラとなった。脇阪は昨年のこのレースでもNSXに乗ってポール・トゥ・フィニッシュを決めており、富士での強さを印象づけた。この勝利は脇阪にとっては通算3勝目、野田にとっては2勝目となる。
 3位には混乱の中盤を巧みに順位を上げ、ピットワークでも速さを見せたNo.22 ザナヴィヒロトGT-Rが入る。この後ろには僚友のNo.23 ペンズオイルゼクセルGT-Rが予選15位から順位を上げて入った。



 GT300クラスは、ポールポジションのNo.81 ダイシンADVANシルビア(青木孝行)が好スタートを見せて逃げ打つが、最初のピットインの前に同じシルビアのNo.3 ユニシアジェックスシルビア(柳田真孝)にかわされる。だが、このあとトップに立ったNo.3ユニシア(井出有治)にNo.81 ダイシン(大八木信行)がしっかり食いついていき、ラスト・パートの走行に勝負を移す。そして一度はNo.3ユニシア(井出)が逃げるが、ラスト15周ほどでNo.81ダイシン(青木)が背後に迫る。どうもNo.3はペースが上がらず、105周目についにNo.81がトップに返り咲く。この直後に、2度目のSCランにより、その差がなくなり、この2台のマッチレースとなると思われた。
 だが、この時にNo.3の右フロントホイールにトラブルが生じ、緊急ピットイン。幸いSCラン中だったため、素早くタイヤを交換することでこれ以上順位を落とさず、コースに復帰できた。レース再開後もNo.81 ダイシンADVANシルビアはトップを譲ることなくゴール。これでダイシンは念願のJGTC初優勝を飾った。2位はNo.3 ユニシアジェックスシルビア、3位には1ピット作戦という作戦に出たNo.31 ARTA・アペックスMR-Sが入った。



GT500 Winner
No.6 エッソウルトラフロー スープラ
脇阪寿一「スタートは無理な加速はしたくなかった。1コーナーで混乱にならないように、自分のポジションが下がってもいいと思っていた。3番手に落ちたけど、無理せずに行きました。それにピットでひっくり返せると確信してたから。そのあとも野田さんがいい走りをしてくれて、20秒近くも離してくれましたから。あとはクルージングです。とにかくメチャうれしいですよ。フォーミュラでも速いところは見せられても勝てないし、TIも。クルマはいいものを与えてもらっているのに、これで勝てなきゃ(ドライバー)辞めますよ…。って辞めないだろうけど(笑)」
野田英樹「ピットのタイミングは38号車より後にしようと相談してました。それなら絶対前に出れると思ってました。運良く向こうもがエンストですか、ミスしてくれたので、かなり楽させてもらいました。今後は勝てるところで確実に勝って、ポイントを取るところでしっかり取り、確実にポイントを重ねて行きたいです」



GT300 Winner
No.81 ダイシンADVANシルビア
青木孝行「スタートで後続をはなせたんですが、タイヤが早くタレてしまいました。あとは(3号車が)見えるところについていって最後10ラップくらいに、エンジンの設定変更という奥の手で…、と思ったんですけど、むこうがトラぶったようですね。それがなければ最後に面白いレースになったんじゃないですか(笑)。ボクも待ってたんですけど(笑)。(初優勝ですが?) 勝ったって実感がすぐには沸きませんでしたね。これまでいいところで逃していたから、ホントに勝ったのかなって(笑)」
大八木信行「昨日もここで話しましたが(PP会見で)、今日は昨年の夏の雪辱、その思いだけでした。日産さん、ニスモさんに協力してもらい、いいものを提供されているのに、これで勝てなかったから、脇阪君じゃないけど、ボクも辞めなきゃね(笑)。レースはとにかく3号車の見えるところで、いい状況を保って行こうと思ってました。あとは最後を任せればと」




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