2002 AUTOBACS JGTCRound3
SUGO GT CHAMPIONSHIP
5.25,26 SPORTSLAND SUGO
RACE RESULT 2002-05-26

決勝レースレビュー


6 SUPRA
またも大混戦!終盤にとんでもない結末が…
驚異の粘りでエッソウルトラフロースープラが逆転優勝
ユニシアジェックスシルビアはGT300初優勝を飾る

 5月26日、宮城県・スポーツランドSUGOにおいて2002AUTOBACS全日本GT選手権第3戦SUGO GT CHAMPIONSHIPの決勝レースが行われた。決勝レースは4回もセーフティカーが入る荒れた展開になったが、そのなかで予選6位から着実に順位を上げてきたNo.6 エッソウルトラフロースープラが、今季初優勝を飾った。GT300クラスは、ポールポジションのNo.3 ユニシアジェックスシルビアが一度は順位を下げながらも、終盤に再度挽回し、チームとしてGT300初優勝を飾った。


 決勝レースは、定刻の14時35分にフォーメイションがスタート。GT500はポールポジションのARTA NSX(土屋圭市)以下、2位のトクホン トムス スープラ(土屋武士)と予選順位通り1コーナーに進入していく。だが、GT300クラスでは早くもアクシデントが起こった。数台が多重クラッシュを起こし、この事故処理のために早くもセーフティカーが入った。
 7周から再スタート。2番手トクホントムス以下は6番手のデンソーサードスープラGTまで1列になっての展開となるが、トップのARTA NSXの圭市は後方に1〜2秒の差をつけて逃げを計る。このままARTA NSXの差が徐々に広がるかと思われたが、なんと18周目に緊急ピットイン。フロントのタイヤ2本を換えてコースに戻るが、マシンはフラフラと思うように走らない。なんと、リアのパンクだったのだが、フロントのトラブルと判断してしまったのだ。これでARTA NSXは再度ピットインを余儀なくされ、優勝争いから脱落することとなった。
 これでトップとなったのは、トクホントムススープラだが、後方からはMobil 1 NSXと急激な追い上げをみせたデンソーサードが激しくチャージ。この後、20周に渡りこの3台がトップ争いを繰り広げる。この中で、まず脱落したのはMobil 1 NSXだった。35周目にMobil 1 NSXは突如、トラブルでコースサイドにマシンを止め、そのままリタイア。このMobilを回収するために2度目のセーフティーが入る。このタイミングが、ルーティンのピットインのタイミングにあったために、多くのマシンがピットに殺到。
 各車ピットイン後、トップトクホントムスのトップは変わらなかったが、デンソーサードは1度ピットインをしたが、再度ピットインして燃料を補給するというミスとなった。また、コースに戻る際にピット出口の信号を無視したというペナルティを課せられ、こちらもまた上位から脱落していった。
 これで、トップトクホントムスを追うのは、早めにピットインを済ませて順位を上げてきたRAYBRIG NSXとTAKATA童夢NSX、FK/マッシモADVANスープラ、そしてタイヤ温存作戦で終盤勝負と見越した、エッソウルトラフロースープラがじわりじわりと順位を上げてくる。

 この後も2回、マシンクラッシュやストップでセーフティーカーが入り、その度にトクホントムスのマージンが減るが、それでも再スタート後は後続を確実に引き離し、彼らの優勝は目前に見えてきた。
 一方、2番手を争ったTAKATA童夢とFK/マッシモが接触。これでTAKATAがマシンを壊して脱落。FK/マッシモもマシンにダメージを追いってペースが落ち、64周目にエッソ2番手に。3番手にRAYBRIGと表彰台がほぼ決まったかに見えた。

 だが、残り11周となった70周に、なんとトップのトクホントムスがピット出口の信号無視でペナルティを受けることになった。
 これでなんと、予選6位、一時は9番手まで順位を下げたエッソウルトラフロースープラがトップへと登る。
 結局、このままエッソが最初にチェッカーを受けることになった。2番手にゴールを受けたのはFK/マッシモADVANスープラだったが、こちらはセーフティカー中の追い越し違反を取られ、ゴールタイムに1分加算のペナルティーを受け11位となった。これで、1つずつ順位が繰り上がり、2位にRAYBRIG NSX、3位は予選10位から着実に順位を上げてきた無限NSXが入った。
 なお、TOYOTA TEAM TOM'Sは、トクホントムススープラのペナルティはオフィシャルの指示に不手際があったとして、この裁定に対しJAFに控訴を行った。このため、第3戦の決勝結果は、結論が出るまで暫定のまま保留されることになった。

3 SILVIA
連続するアクシデント!混乱のGT300
しぶとく生き残ったクスコスバルインプレッサが2位に

 GT300クラスは、スタート周に予選クラス4位のVemac R&Dダンロップ320Rと5位の雨宮マツモトキヨシアスパラRX7が接触、Vemacはなんとかレースを続けられたが、雨宮RX7はこれでトラブルを抱えてしまい、走り出したもののS字コーナーでスピン。これにAMPREX BMW M3と910ロデオドライブアドバンGT3Rが巻き込まれて多重クラッシュ。これで3台ともリタイアとなる。このクラッシュの処理のため、1周目からセーフティーカーが導入された。
 一方、この混乱を後目にクラスポールのユニシアジェックスシルビアは、2番手以降をリードしていく。追い上げるのはダイシンADVANシルビアとウェッズスポーツMR-SとARTAアペックスMR-Sだが、2度目のセーフティーカーラン中にダイシンとARTAアペックスが相次いでマシントラブルを起こし、戦線から脱落。また、ユニシアもピットインのタイミングが悪く、3番手に順位を下げてしまう。これで、第2戦富士の終盤とところを変えトップVemac、追う2番手ウェッズという状況に。
 だが、今度はウェッズがマシントラブルで、コース上にストップ。これで、3度目のセーフティカーとなる。ここでトップに立ったのはこの状況を上手く使ったクスコスバルインプレッサ。クスコがトップとなり、これをVemacとユニシアが僅差で追う。
 このまま、3台が接近戦を演じながらレースは終盤へと向かう。ここで、このレース最大のアクシデントが起こった。トップ周回63周目にBANPRESTO CAR倶楽部マッハ号MTが。、馬の背コーナーで200km/h以上のスピードでコースアウトし、タイヤバリアをはじき飛ばすほどの激しいクラッシュを起こす。ドライバーの玉中は自分では動けず、オフィシャルに救出され、救急車で医務室に運ばれたが、幸いに大きなケガには至らなかった。
 これで今日4回目のセーフティーカーとなる。このため、トップ3台の差は一気に詰まり、ラスト10周の大バトルとなる。周回遅れも巻き込んでのサイド・バイ・サイドを制したのはユニシアジェックスの柳田だった。周回遅れにつまずいたクスコとVemacを相次いでかわし、トップにたつ。一方、Vemacはこの混戦で接触を起こし、さらにはミッションにもトラブルが生じて、残り7周でリタイア。
 最後は後方とのマージンを考えながら走行したユニシアジェックスシルビアが、チームにとってJGTC GT300初の公式戦優勝を飾った。2位にはクスコスバルインプレッサ。3番手にゴールしたのはMY&CタイサンアドバンGT3Rだったが、ピットでのタイヤ作業での違反のペナルティをレース後に1分加算して降着。繰り上がってレイジュンR&DダンロップGT3Rが3位となった。


No.6 エッソウルトラフロースープラ(GT500優勝)
飯田 章「予選は6番手だし、タイヤも考えて序盤は抑えていた。バックマーカーにかかるなどして手こずって、順位を下げてしまった。前のほうをいっていたクルマたちがタイヤがきつくなってズルズルと落ちてきて、5番手くらいまで上がれた。そうしたら、ちょうどいいタイミングでセーフティーカーのボードが見えて、ピットに入りました。出口で寿一が止められたりしたけれど、それもそのあとのセーフティーカーに助けられて寿一のいつもながらの走りで、コツコツと順位が上げられた」
脇阪寿一「基本的には富士のレースのパターンと変わらなかった。競技長が富士と同じで、ここのサーキットがブラインドコーナーが多くてコースが狭いので、ある程度セーフティーカー(が出ること)は予想していました。章の前半のペースを見ていたら、タイヤの使いかたがある程度読めた。ムリをせずセーフティーカーで詰めるという作戦で、それがうまくいって25(FK/マッシモADVANスープラ)に追われても逃げることができました。36(トクホン トムス スープラ)は目の前にいるときは勝負しようと思いましたが、離れてからはある程度あきらめたんですが、(向こうのペナルティは)ついていました」
No.3 ユニシアジェックスシルビア(GT300優勝)
柳田真孝「(スタートドライバーの)山野さんが順調に周回を重ねてくれて、マージンを作ってくれました。セーフティーカーが入って、順位を落として3位になっちゃうのかなと思ったけど、チームががんばってくれていたんであきらめるわけにはいかなかったし、なんとしてでもトップでチェッカーを受けたかった。そうしたら、タイミングよくセーフティーカーがまた入ってくれて差が詰まりました。最後は無線で長谷見さんに慎重にいけと言われたんですが、よけい身体が固くなってしまって…。それで帰ってこれたんでうれしかったです。レースが終わってから長谷見さんに『よくやった』と言われて…。あんまりそんなこと言われたことがなかったんで、すごい重みを感じました」
山野哲也「金曜から安定していいタイムが出るクルマに仕上がりました。前回、前々回と(セッティングを)外して予選、決勝に入ってしまったんですが、今回は外さずにいいとこを残したまま決勝に挑めたのがよかったことです。前半は最初もペースカー開けもうまくマージンを作れて、柳田くんに渡せるまでにいい調子が保てました。ボクらのチームとしては全日本選手権で勝っていなかったし、長谷見さんにはクルマの乗りかた、セッティング、精神面などいろいろ教わってきているので、長谷見さんを喜ばせたかった。優勝をプレゼントできてうれしく思います」



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