■決勝レースレビュー 荒れたレースもauセルモスープラの速さが圧倒! 今季2勝目を挙げ連続チャンピオンに急接近 2位にはV6GT-RのザナヴィニスモGT-Rが入る 7月28日、静岡県・富士スピードウェイにおいて2002AUTOBACS全日本GT選手権第5戦JAPAN SPECIAL GT CUPの決勝レースが行われた。このレースも3度のセーフティーカーが入るが、その中をポールポジション・スタートのauセルモスープラが他をしのぐスピードを見せて、ポール・トゥ・ウィンを決めた。GT300クラスは、最終ラップに逆転というドラマでNo.24 EndlessタイサンアドバンGT3Rが今季初優勝を飾った。 決勝レースは、午前中のサポートレースの遅れから予定より20分遅れて15時05分過ぎにフォーメーションがスタート。44台全車が決勝レースのスタートラインを切った。 天候はここ数日と打って代わって空一面の曇り空。雨すら心配させる状況だった。気温こそ31度に達していたが、路面温度は41度とここまでで一番低い状況となった。 1周目のストレートをトップNo.1、続いてNo.25 FK/マッシモADVANスープラ(荒聖治)がピタリと追いかけていく。さあこれからと言うときに、最終コーナーでGT300がクラッシュし、その処理のために早くもセーフティーカーがコースに出た。 5周終了で、レースが再開。逃げるトップのNo.1竹内にNo.25荒が追いすがるが、ペースは竹内の方が上で、差が徐々に開いていく。一方、激しいのは3番手以降の争いだった。No.36武士とNo.22本山に加え、No.76 イエローコーンマクラーレンGTR(服部尚貴)も加わりサイド・バイ・サイドの闘いとなる。さらにはNo.30 綜警McLaren(治樹)とNo.37 ZENTトムススープラ(琢弥)の黒澤兄弟のバトルも場内を沸かせた。 この状況に、さらに波乱を投げかけたのは18周目。最終コーナーでNo.33 United UKYO SUPRA(下田隼成)がスピンアウト。これにより2度目のセーフティーカーがコースに登場。ちょうどこの周回が、このレースのドライバー1人の最低周回数に達していたため、トップを走るNo.1 auセルモスープラも含め、上位のほとんどがピットへ殺到した。 これで、事実上のトップに立ったのはNo.36 トクホントムススープラ(ガードナー)。だが、ガードナーは背後から襲いかかるNo.25 FK/マッシモADVANスープラ(山路慎一)、No.22 ザナヴィニスモGT-R(クルム)に相次いでパスされる。 そして、圧巻だったのはNo.1 auセルモスープラの立川祐路だった。一時4位まで落ちたが、わずか9周で3台を抜きはなってトップに返り咲く。 2番手争いは、No.25 山路が周回遅れと接触し脱落。No.22クルムがこの争いを制す。そしてトップNo.1立川を追うがともに同じようなペース、いや立川がクルムの出方を見ながらのペースを作り、その差は5秒程度から動かない。その後方ではNo.37 ZENTトムススープラ(モンティン)が順位を挙げて3番手に。 そして最後の波乱は49周目。最終コーナーでGT300の3台が多重クラッシュ。これで5周に渡りセーフティーカーランとなる。 そして、ラストはわずか3周の超スプリントとなる。だが、トップNo.1 立川と2番手のNo.22クルムの間には、2台のGT300が挟まっていたこともあり、クルムは立川の背後にもつけない。 結局、ポールポジションからNo.1 auセルモスープラが見事な優勝を飾り、第2戦に続き今季2勝目をこの富士で挙げた。2位には、V6エンジン搭載2戦目となるNo.22 ザナヴィニスモGT-R、3位には予選8位から追い上げたNo.37 ZENTトムススープラが入った。 大逆転でEndlessタイサンアドバンGT3Rが今季初勝利 トップ独走のVemac R&Dダンロップ320Rにラスト3周の悪夢 3度目のセーフティーカーランの前には、トップのNo.62 Vemacと2番手No.24 ポルシェの差は15秒程度、そして数秒後方にNo.81 シルビアという展開となった。No.3 シルビアはウェイト70kgもあり、無理せずの走行となる。
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