■決勝レースレビュー ラスト3周の手に汗握るNSX同士の攻防戦! ハードアタックをしのいだTAKATA童夢NSXが初優勝 RAYBRIG NSXの光貞は悔しい2位表彰台 9月15日、栃木県・ツインリンクもてぎで2002 AUTOBACS全日本GT選手権(JGTC)第6戦MOTEGI GT CHAMPION RACEの決勝レースが行われた。ファイナルラップまでトップ争いが続く激戦をNo.18 TAKATA童夢NSXが制し、今季初勝利を挙げた。GT300クラスは、ポールポジションのNo.62 Vemac R&Dダンロップ320Rが、追いすがるライバルを振りきって今季2勝目を獲得した。 朝は雨模様だったが、午前10時過ぎには上がり、決勝レースが始まる前には、コースのほぼすべてがドライコンディションとなった。気温は23度、路面温度は26度と昨日ほどではないが、あまり上昇しなかった。 予定通り決勝レースは午後2時ちょうどにフォーメーションラップがスタート。全車が決勝レース、63周先のゴールを目指した。 1コーナーは予選結果通り、ポールのNo.76 イエローコーンマクラーレンGTR(服部尚貴)が先頭で進入。それにNo.36 トクホントムススープラ(土屋武士)、No.100 RAYBRIG NSX(加藤寛規)、No.35 プロジェクトμエスペリアスープラ(影山正彦)、No.18 TAKATA童夢NSX(リチャード・ライアン)と続く。 激しい2位争いを制したのは、No.18 TAKATA童夢NSXのライアンだった。12周目にライアンは2番手に上がった。その時にはトップの76服部は5秒先だったが、この後徐々に差が詰まってくる。 26周目、No.100 RAYBRIG NSXがライバルに先駆けて所定のピットインを行う。ドライバーが光貞秀俊に代わるとともに、タイヤも路面温度に合わせたより柔らかいものにしたことで、この後の追い上げを期待する。レース距離の半ばとなる30周を過ぎると、No.16 無限NSX(伊藤から道上龍へ)、No.18 TAKATA童夢NSX(ライアンからセバスチャン・フィリップへ)、No.36 トクホン トムス スープラ(武士からワイン・ガードナー)とルーティンのピットイン。トップを行くNo.76 イエローコーンマクラーレンGTRも32周目にピットイン。30周目時点では76と18の差は2秒少々と詰められていた。このピットインで30秒以上掛かってしまったイエローコーンは、ピットアウト時点で18、100、36に先行される。アウトラップでペースの上がらない76田嶋栄一をさらに、No.39 デンソーサードスープラGT(ジェレミー・デュフォアから織戸学)もパス。これで76は6番手まで落ちた。 レースも終盤となりトップ18TAKATA童夢NSX。追うRAYBRIG NSXは残り10周の時点で5秒少々離されていた。だが、18TAKATA童夢が黄旗や周回遅れに引っかかる中で、RAYBRIGの光貞が1分49秒台という驚異的なタイムで追い上げを見せ、残り3周でテール・トゥ・ノーズに持ち込んだ。ここから、18セバスチャンと100光貞の激しいつばぜり合いが始まる。コーナーでインを突こうとする光貞にセバスチャンもギリギリまでブレーキを我慢。手に汗握る攻防となった。だが、セバスチャンはこのアタックをなんとかしのぎきり、No.18 TAKATA童夢NSXが今季初、セバスチャンとライアンにとっても初の勝利を挙げた。2位はNo.100 RAYBRIG NSX、3位には終盤巻き返しをしたイエローコーンマクラーレンGTRが入った。スカイラインGT-R勢は、No.23 カストロールピットワークGT-R(影山正美>エリック・コマス)が序盤6位を争ったが、コースアウトからサスペンションを壊してリタイヤ。前戦で2位に入ったNo.22 ザナヴィニスモGT-R(本山>ミハエル・クルム)がかろうじて10位となった。 GT300はVemac R&Dダンロップ320Rがポール・トゥ・ウィンで2勝目 クスコスバルADVANインプレッサが2位となる 2番手でVemacを追いまくっていたマッハ号だが、エンジンが不調になり、早めのピットいんとなる。だが、その後も調子が上がらずポイント圏外へと下がった。これで、Vemacが楽勝かと思われたが、クスコスバルがしぶとく食い下がり、Vemacとクスコスバルが同時にピットイン。ピットロード出口では2台がテール・トゥ・ノーズで並ぶ。
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