2003 AUTOBACS JGTC 第2戦『全日本GT富士500』 5.3予選, 4決勝/富士スピードウェイ
1年半ぶり!スカイラインGT-Rの1-2フィニッシュ モチュールピットワークGT-Rが勝利をもぎ取る ポールのauセルモスープラ、またもノーポイント… No.22 MOTUL PITWORK GT-R 好天に恵まれたゴールデンウィークの富士スピードウェイで2003 AUTOBACS全日本GT選手権(JGTC)第2戦ALL JAPAN GT FUJI-500の決勝レースが行われた。このレースで、予選3位のNo.22 モチュールピットワークGT-Rが優勝。スカイラインに2001年8月のレース以来の勝利をもたらした。GT300では、開幕に続きポルシェGT3Rが強さをみせ、No.26 PULS e タイサンアドバンGT3Rが勝利した。 レースは13時55分にスタート。6万6000人の大観衆が詰めかけた富士スピードウェイの上空は青空で、気温は28度、路面温度34度と初夏を思わせる気候だった。昨日の予選でクラッシュしたNo.19 ウェッズスポーツMR-S以外の44台が114周先のゴールを目指した。 スタート後、1コーナーにトップで飛び込んだのは、レコードタイムでポールポジションを獲得したNo.38 auセルモスープラ(立川祐路)。これにNo.36 WOODONEトムススープラ(土屋武士)、No.22 モチュールピットワークGT-R(影山正美)と予選結果通りに続く。スタート直後、予選6位のNo.1 エッソウルトラフロースープラ(脇阪寿一)がスローダウン。左フロントのホイールハブを壊して緊急ピットインし、修理に掛かるが、これで事実上戦線から離脱した。 逃げを狙うトップauセルモは時には1分25秒台というハイペースで後続を引き離しに掛かかり、10周目には2番手のWOODONEトムスに4秒近い差を付けた。後方では、WOODONEトムスとモチュールピットワークが僅差で競り合うが、13周目にWOODONEトムスもエッソ同様に左フロントにトラブルが発生し、こちらも脱落した。 これでトップauセルモを追うのはモチュールと予選10位から驚異的な追い上げを見せるNo.12 カルソニックスカイライン(トレルイエ)、そしてNo.39デンソーサードスープラGT(シュワガー)の3台となったが、トップのauセルモのペースは好調で30周目には2番手12カルソニックに11秒もの差を付けた。 36周目から上位陣が予定のピットインを開始、まずはデンソーサード(>織戸)とカルソニック(そのままトレルイエ)が早めのピットイン。モチュールは先に乗った影山正美がマシンに無理をせずに3番手をキープ。39周目にピットインすると後をライアンに託した。auセルモは立川で41周目まで引っ張りリードを広げる作戦にでる。 上位陣1回目のピットインが終わった時点で、トップはauセルモスープラ(竹内浩典)、これをカルソニックスカイラインとモチュールピットワークGT-R、デンソーサードスープラGTが追う展開に。カルソニックはスタートのトレルイエが代わらずに猛追を掛け、auセルモとの差を2秒まで詰める。一方、モチュールのライアンもハードな追い上げを開始し、交代前は10秒近くある差をどんどん詰めていく。 そして、60周目にまたレースが大きく動いた。まずNSXで最上位8番手につけていたNo.18 TAKATA童夢NSX(道上龍)がタイヤトラブルから最終コーナー出口でスピン。背後につけていたNo.16 G'ZOX無限NSX(伊藤>コロネル)がこれに巻き込まれて2台がクラッシュ。ともにリタイアしてしまう。そして6番手のNo.25 ADVANスープラ(デュフォア>野田)がエンジントラブルでリタイア。No.8 ARTA NSX(土屋圭市)も電気系のトラブルでコースサイドにマシンを止めた。トップ争いも激化してくる。まずは、22が12を抜き、2番手に浮上すると、トップ38との差は1秒となる。 ここからauセルモとモチュールのバトルが始まる。そして、72周目の100Rでにモチュールはauセルモをパスし、トップに上がる。なおも追いすがるauセルモだったが、次の周のサントリーコーナーでが挙動を乱し、次の100Rでダートに飛び出す。スピン状態となったスープラは、このままスポンジバリアに激突した。 auセルモは再スタートを切り、3番手でコースに戻が、左フロントのフェンダーが壊れてバタついた状態だ。竹内の規定周回を何とかこなしてピットインしたいセルモはこのまま走行を続けようとするが、オフィシャルからは危険状態のマシンを修復せよというピットインを示すフラッグ(オレンジボール旗)が提示される。提示されてから4周後に38はピットインしたが、これは定められたルールを1周上回るものと判断され、この後38には競技除外(失格)という重い裁定が下り、これでジ・エンドとなった。 これで、トップのモチュールピットワークGT-R(引き続きライアン)を脅かすのはカルソニックスカイライン(トレルイエ>井出有治)だけ。2番手のカルソニックとは10秒近いマージンがあり、ライアンは後方との状況を見ながら安定したペースで走行。モチュールピットワークGT-Rは、このままの体制をキープし、500kmをトップで走りきった。 3位はデンソーサードスープラGT(織戸>シュワガー)に追い上げてきたNo.23 ザナヴィニスモGT-R(本山>クルム>クルム)がラストラップまで争うがわずか0.8秒差でデンソーが逃げ切ってゴール。スカイラインGT-Rの表彰台独占を阻んだ。 競技除外となったNo.38 auセルモスープラは、決勝ベストラップなどの決勝レースすべて結果が削除された。なお、予選でのタイムとポイント、ウエイトハンデは結果として残る。 PLUS eタイサンアドバンGT3Rが完勝を果たしたGT300
健闘するものの2、3位に終わったハセミZとARTA Garaiya No.26 PLUS e TAISAN ADVAN GT3R GT300クラスは、初ポールのNo.9 正義の味方 覆面レーサーX MT(菅一乗)を予選3位からNo.26 PULS e タイサンアドバンGT3R(山路慎一)が見事に刺して、1周目からトップに立った。この後、PULSeタイサンは後続を引き離しに掛かり、20周で2番手のNo.3 はセミスポーツ・エンドレス・Z(木下みつひろ)に8秒の差を付ける。 この後、ハセミスポーツ・エンドレス・Z(>柳田>柳田)がピットインでタイヤ2本交換などの作戦で追いすがるが、PULS e タイサンアドバンGT3Rの山路−西澤和之−山路の走りはまったく脅かされることなく、終始6〜8秒のセーフティマージンをキープして見事に逃げ切った。GT500の優勝経験がある山路だが、GT300では初の勝利。相棒の西澤も初勝利だった。 ポールのNo.9 覆面レーサー(菅>筒井克彦)は61周目に1コーナーでコースアウトし、そのままリタイヤ。3番手以降はめまぐるしいサバイバルになるが、この激戦を我慢のレースで走りきったNo.43 ARTA Garaiya(新田守男>高木真一>新田)が入った。
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