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2004-06-17 |
2004年AUTOBACS全日本GT選手権第3戦マレーシア大会の前日、6月17日、セパン・インターナショナル・サーキットで練習走行が行われた。走行は13時ちょうどから1時間30分、17時から1時間45分の予定で行われた。
練習走行1回目の走行は予定通り13時ちょうどから1時間30分の予定でスタートした。このセッションはすべての時間帯でGT500、GT300両クラスの混走。上空にはときおり雲が流れるが、すべてを焼きつくすような強烈な陽射しを弱めるまでにはいたらない。開始時点での気温は38度、路面温度は50度と、まさに赤道直下の猛暑となった。
今回、決勝レースのスタートは陽射しが弱まる17時の予定。予選も、2回目のセッションは同じく17時に予定されている。このため、この暑さのなかでのタイムは各チームあまり重視していないようだ。このセッションはタイヤの選択やマシンのセッティングに費やすところが主流。そのなかで好調さが目立ったのがスープラ勢だった。開始15分後にはNo.37 DYNACTYトムススープラが2分02秒571のベストタイムを記録。これに第2戦SUGOで優勝したNo.38 auセルモスープラが2分02秒529で続く。+80kgのウエイトハンデを背負っているNo.38だが、その後2分02秒525とNo.37を上回る。
30分を過ぎた時点でNo.37が2分02秒503を記録して、再度トップに。だが、35分時点でNo.6 エッソウルトラフロースープラが2分01秒307と最初に2分01秒台に突入し、タイミングモニターの最上位に名を刻む。No.36 WOODONEトムススープラも2分02秒433までペースアップしたが、No.6には届かず2番手。以下5番手までスープラ勢が並び、6番手No.1ザナヴィ ニスモZがスープラ以外での最上位。この後、タイムの変動はなくなり、このまま終了かと思われたセッション終了5分前、No.1が2分01秒614を叩き出して、2番手に飛びこんだ。さらにNo.3 G'ZOX・SSR・ハセミZも2分02秒010と4番手のタイムを出す。
この結果、セパンでの最初のセッションでベストタイムをマークしたのはNo.6 エッソウルトラフロー スープラ。以下、4番手までスープラとフェアレディZが交互に並び、NSX勢ではNo.32 EPSON NSXの12番手、2分04秒636がベストとなった。
なお、マレーシアに本拠を置くAMPREX Motorportsが、ここでランボルギーニ・ムルシエラゴR-GTをデビューさせた。このセッションでは17番手に相当する2分09秒173がベストタイムだった。
GT300クラスは、セッション中盤ではNo.16 M-TEC NSXの2分11秒025がベスト。続いてNo.81 シーウエストアドバンZが2分11秒462、No.7 雨宮アスパラドリンクRX7が2分12秒565で続く。その後、セッション終盤にNo.30 RECKLESS MR-Sが11秒526を出し3番手、No.9 ADVAN K-STADIUM MTが2分11秒751で4番手となった。
2回目の練習走行は予定どおり17時に始まった。気温36度、路面温度42度と1回目よりはやや下がったが、依然としてタイヤにもドライバーにも苛酷な暑さ。各チームとも、タイヤメーカーの担当者とデータを付き合わせながらタイヤ選択に頭を悩ます。
ここで序盤から積極的にタイムを出しにいったのがNo.35 イエローハットYMSスープラ。2分00秒752と、1回目の自身のタイムより2秒半も速いタイムを出す。No.100 RAYBRIG NSXが2分01秒782でこれに続く。
逆にタイムをねらわず、淡々と周回を重ねていったのがNo.1 ザナヴィニスモZ。ベストタイムは2分01秒910にとどまったが、37周と、このセッションでどのチームより多く周回した。決勝に向けてのデータ収集がおもな目的だったようだ。
走行開始から1時間15分経ったところでGT300専有の時間帯に入る。この時点でクラスベストのタイムを出していたのがNo.7 雨宮アスパラドリンクRX7。2分08秒667というタイムは従来のコースレコードより1秒以上も速い。序盤に2分09秒307というタイムを出していたNo.16 M-TEC NSXがこれに続く。3番手はNo.72 アドバンBOROポルシェ。今回、スポット参戦している福山英朗が2分10秒344をマークした。
15分間のGT300専有走行が終わり、最後の15分間はGT500クラス専有の走行。各チーム、予選を想定してタイムアタックに入る。ここでNo.36 WOODONEトムススープラの土屋武士が1分59秒802と、唯一2分を切るタイムをマークしてリーダーボードのトップに立つ。残り5分を切って最後のアタック合戦。No.22 モチュールキーバリューZ、No.3 G'ZOX・SSR・ハセミZなどが2分00秒台で2、3番手に上がる。さらにチェッカーフラッグが出された周にNo.35、No.6エッソウルトラフロー スープラがNo.3のタイムを上回り、上位はNo.36、No.22、No.35、No.6、No.3の準となった。NSX勢ではNo.18 TAKATA童夢NSXが最後に2分00秒892をマークし7番手となったのが最上位だった。
なお、No.88 JLOCムルシエRG-1はこのセッション5周したのみ。No.2 プリヴェチューリッヒ・クムホNSXも1回目に発生した水温が上がるトラブルを解消できず1周するに留まった。
No.36 WOODONEスープラ(GT500 トップタイム)
土屋武士「1回目の走行ではタイヤ、特にリヤの磨耗が厳しかったので、上手くタイヤをセーブできるセットアップを探して、午後は走りました。そのセットアップは、タイヤの磨耗だけはいいんですが、乗っているフィーリングは良くないですね。アンダーも出るし、オーバーも出るし。だから、タイヤの磨耗も乗り心地も、両方いいクルマに仕上げたい。他がどういう状況かは分かりませんが、タイヤをセーブできるセットだけは見つかりました。今日の走行で全磨耗するまでタイヤの様子を見ることはできています。1セットのタイヤでレース距離の半分以上は走れましたから。そういう意味ではまぁ順調です。あとはレースが終わるまで集中していくだけですね」
No.7 雨宮アスパラドリンクRX7(GT300 トップタイム)
山路慎一「デフの冷却システムにトラブルが出て、交換作業に40分ほどとられてしまったんですが、クルマは確実に進歩してます。今回は50kgのウエイトが積まれてるんで、思ったほどストレートスピードが出てないんですけどね。勝負はコーナリングスピードだけだと思います。久しぶりにセパンに来て改めて思ったのは、路面のμ(ミュー:摩擦抵抗)が低いってこと。だからドライバーの技量が重要になってくるでしょうね。練習走行で速いのはいいんですが、そういうことよりも決勝でキチンと走れるようにして結果を出すまではプレッシャーがかかってます。だからこのセッションで速くても全然うれしくないですよ。とにかく今回は勝たせてくださいって周りのチームに言っておいてください(笑)」
2004 第3戦/セパンサーキット 練習走行総合結果
2004.6.17 | 天候:晴 | コース:ドライ | セパンサーキット 5.542km1 | 36 | 500-1 | WOODONE トムススープラ | 土屋武士/M.アピチェラ | 2'02.433 | 1'59.802 | BS | |
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2 | 22 | 500-2 | モチュールキーバリューZ | 影山正美/M.クルム | 2'04.229 | 2'00.257 | BS | 30 |
3 | 35 | 500-3 | イエローハットYMSスープラ | 服部尚貴/脇阪薫一 | 2'03.380 | 2'00.354 | DL | 10 |
4 | 6 | 500-4 | エッソウルトラフロースープラ | 脇阪寿一/飯田 章 | 2'01.309 | 2'00.399 | BS | 20 |
5 | 3 | 500-5 | G'ZOX・SSR・ハセミ Z | 金石年弘/E.コマス | 2'02.010 | 2'00.636 | BS | |
6 | 38 | 500-6 | auセルモスープラ | 立川祐路/荒 聖治 | 2'01.911 | 2'00.817 | BS | 80 |
7 | 18 | 500-7 | TAKATA童夢NSX | 道上 龍/S.フィリップ | 2'04.852 | 2'00.892 | BS | +1 |
8 | 39 | 500-8 | デンソー サードスープラ GT | J.デュフォア/A.クート | 2'02.712 | 2'01.046 | BS | 10 |
9 | 12 | 500-9 | カルソニック IMPUL Z | B.トレルイエ/井出有治 | 2'03.536 | 2'01.204 | BS | 10 |
10 | 1 | 500-10 | ザナヴィニスモ Z | 本山 哲/R.ライアン | 2'01.614 | 2'01.910 | BS | 40 |
11 | 100 | 500-11 | RAYBRIG NSX | 中野信治/加藤寛規 | 2'05.747 | 2'01.731 | BS | +2 |
12 | 37 | 500-12 | DYNACITY トムス スープラ | J.コートニー/片岡龍也 | 2'02.503 | 2'01.807 | BS | 20 |
13 | 25 | 500-13 | ECLIPSE ADVAN スープラ | 織戸 学/D.シュワガー | 2'04.335 | 2'01.832 | YH | 50 |
14 | 32 | 500-14 | EPSON NSX | 松田次生/A.ロッテラー | 2'04.636 | 2'02.174 | BS | 10(+1) |
15 | 8 | 500-15 | ARTA NSX | 金石勝智/伊藤大輔 | 2'05.361 | 2'02.318 | BS | +1 |
16 | 15 | 500-16 | AMPREXムルシエラゴ R-GT | 橋本元次/N.サイモン | 2'09.173 | 2'04.826 | MI | |
17 | 21 | 500-17 | フェラーリ550GTSマラネロ | 光貞秀俊/植松忠雄 | 2'08.792 | 2'06.522 | DL | |
18 | 7 | 300-1 | 雨宮アスパラドリンクRX7 | 山路慎一/井入宏之 | 2'12.656 | 2'08.667 | YH | 15 |
19 | 16 | 300-2 | M-TEC NSX | 山野哲也/八木宏之 | 2'11.025 | 2'09.307 | DL | 30 |
20 | 72 | 300-3 | アドバンBOROポルシェ | 平川 晃/福山英朗 | 2'12.913 | 2'10.344 | YH | |
21 | 80 | 300-4 | エンドレスダイシンアドバンZ | 木下みつひろ/星野一樹 | 2'12.934 | 2'10.494 | YH | +1 |
22 | 63 | 300-5 | LEYJUNダンロップ320R | OSAMU/吉本大樹 | 2'12.967 | 2'10.626 | DL | 30 |
23 | 88 | 500-18 | JLOC ムルシエRG-1 | 山西康司/WADA-Q | 2'10.856 | 2'31.461 | DL | |
24 | 81 | 300-6 | シーウエストダイシンアドバンZ | 柳田真孝/尾本直史 | 2'11.462 | 2'10.934 | YH | +2 |
25 | 5 | 300-7 | プロジェクトμB-1マッハ号GT320R | 玉中哲二/三船 剛 | 2'13.198 | 2'11.081 | YH | |
26 | 52 | 300-8 | プロジェクトμ太陽石油セリカ | 竹内浩典/西澤誠剛 | 2'13.243 | 2'11.105 | DL | +1 |
27 | 10 | 300-9 | JIM Gainer アドバンF360 | 田中哲也/余郷 敦 | 2'14.419 | 2'11.243 | YH | 15 |
28 | 11 | 300-10 | JIM RodeoDrive アドバンF360 | 松田秀士/菅 一乗 | 2'14.891 | 2'11.301 | YH | 30 |
29 | 30 | 300-11 | RECKLESS MR-S | 佐々木孝太/後藤 聡 | 2'11.526 | 2'11.413 | BF | 10(+1) |
30 | 9 | 300-12 | ADVAN K-STADIUM MT | 清水 剛/細川慎弥 | 2'11.751 | 2'12.202 | YH | |
31 | 43 | 300-13 | ARTA Garaiya | 新田守男/高木真一 | 2'12.336 | 2'11.793 | BF | 20 |
32 | 20 | 300-14 | FK/Massimo ADVAN ポルシェ | 井上高志/宮川やすお | 2'15.352 | 2'12.003 | YH | |
33 | 26 | 300-15 | エンドレスタイサンADVAN GT3R | 山岸 大/浅井亮博 | 2'15.223 | 2'12.788 | YH | |
34 | 19 | 300-16 | ウェッズスポーツセリカ | 青木孝行/谷口信輝 | 2'15.357 | 2'12.930 | YH | 55 |
35 | 31 | 300-17 | A'PEX i-mobisess MR-S | 田中 実/松田晃司 | 2'13.891 | 2'12.993 | BF | |
36 | 77 | 300-18 | クスコスバルADVAN インプレッサ | 小林且雄/谷川達也 | 2'14.402 | 2'13.044 | YH | +2 |
37 | 17 | 300-19 | エスペリア Kosei セリカ | 長島正興/松永まさひろ | 2'15.362 | 2'13.469 | YH | 20 |
38 | 910 | 300-20 | 高見沢整骨院アドバンポルシェ | 高見沢一吉/砂子塾長 | 2'15.772 | 2'13.914 | YH | |
39 | 51 | 300-21 | NSC・AUTO-STAFF・ADVANシルビア | 加藤正将/筒井克彦 | 2'17.191 | 2'15.251 | YH | |
40 | 111 | 300-22 | ARKTECH ENDLESS ADVAN GT4 | 飯島寛也/大井貴之 | 2'19.110 | 2'16.033 | YH | |
41 | 2 | 300-23 | プリヴェチューリッヒ・クムホ NSX | 高橋一穂/渡辺 明 | 2'16.322 | 3'16.833 | KH | +2 |
42 | 70 | 300-24 | フィールズ外国屋ADVANポルシェ | 石橋義三/ヒロミ | 2'18.363 | 2'17.822 | YH | |
タイヤ=BS:ブリヂストン/YH:ヨコハマ/DL:ダンロップ/MI:ミシュラン/BF:BFグッドリッチ/KH:クムホ WH=ウェイトハンディキャップ(kg)/ +1:性能引き上げ措置(1ランク)/ +2:性能引き上げ措置(2ランク) |