GT LIVE USA - JGTC 2004 All-Star / 2004.12.18, 19 / California Speedway

2004All StarRace Review

2004 All-Star USA JGTC All-Star 200 決勝レースレビュー
2004-01-06
Review

初のアメリカ戦は公式戦さながらの激戦乱戦!!

クレバーに走ったG'ZOX・SSR・ハセミZが栄冠を手にする!

PIAA NSXはピットインのタイミングを誤り勝利を逃す

 JGTC ALL-STAR 200の決勝レースが、12月18日(現地時間)アメリカ・カリフォルニアのカリフォルニア・スピードウェイで開催された。多くのファンが詰めかけたスタンドを前に、両クラス共にハードなバトルを展開。No.3 G'ZOX・SSR・ハセミZが初のアメリカ戦オールスターで優勝を果たした。GT300クラスはNo.16 M-TEC NSXが大差を付けて完勝した。
*レース結果は競技団の裁定をそのまま競技結果とすることになり、暫定結果がそのまま正式結果となりました。(2004-01-06)

GT500

 決勝レースは16時30分スタート。当初75周と発表されていた周回数は、コース変更により1周の距離が短くなったため87周に増やされている。また、予選に出走した2台の地元チームのうち、No.002 Bernheim Racing Porsche 911 Cupは決勝出走を取り消し。22台でのレースとなった。

 スタート時間はちょうど日没。きれいな夕焼けをバックに2周のローリングが行われた後、ポールスタートのNo.1 ザナヴィ ニスモZを先頭に、予選順位どおりに最初のシケインに飛び込んでいく。インフィールドの入り口で5番手No.22 モチュールピットワークZをパスしようとしたNo.32 PIAA NSXがスピン。ポジションを8番手まで落としてしまう。
 12周目、トップのNo.1をNo.12 カルソニックIMPUL Zがパス。これにつづこうとしたNo.37 DYNACITYトムス スープラがNo.1に接触すると、No.1はたまらずスピン。そこにNo.18 TAKATA童夢NSXが突っ込んでしまう。2台ともピットには戻るがそこでリタイアを余儀なくされた。

 これより前、GT300トップだったNo.43 ARTA Garaiyaがコースサイドでストップしていたが、この回収のために14周目にセーフティカー(SC)が導入される。今回の特別ルールとして2回のピットインが義務づけられており、1回目は15周がすぎてからでないと規定をクリアしたとは認められない。このため、セオリーどおりピット作業をSC中に済ませようとするチームも1周待ってからピットイン。また、最初の作戦を変えず、ここではピットに戻らないチームもあった。

 16周目からレース再開。この時点での上位はNo.12、No.22 モチュールピットワークZ、No.100 RAYBRIG NSX、No.8 ARTA NSX、No.37、No.32の順となる。21周目、No.37がNo.8をパス。4番手に上がる。No.37は次の周にNo.100をも攻略しようとし接触。2台ともに遅れてしまう。

 22周が終わってトップのNo.12がルーティンのピットイン。ところがアウトラップでコーナーをオーバーランし、ポジションダウン。これでトップに立ったNo.22も33周目にスピン。これで、オープニングでのスピンから着実に挽回してきたNo.32がトップを奪うことになった。一方、3番手に落ちたNo.22は42周が終わったところでピットインするが、その前からステアリングに不調を抱えはじめており、すぐに再ピットイン。その後いったんはレースに戻るものの、けっきょく58周を終えたところでみたびピットに戻ってリタイアとなった。

 65周が終わったところでNo.8がフロントノーズを破損してピットイン。モニターには映らなかったが、どうやら接触があったようだ。ダメージは大きく、そのままリタイアとなってしまう。
 68周目、数ラップ前にコースサイドでストップしていたNo.5 プロジェクトμ B-1マッハ号GT320Rを回収するためSCがコースイン。72周目まで全コースイエローコーションとなる。この時点でのトップ3はNo.32、No.3、No.35 DIREZZA DUNLOP スープラとなっていたが、ここでNo.3が3度目のピットイン。実は15周目の最初のピットインについて、規定周回数の解釈にチーム側とオフィシャル側に食い違いがあり、これをクリアにするためにピットに戻ったのだった。しかし、作業を終えてコースに戻ったところ、ポジションは変わらず2番手のまま。通常では本コース上の隊列の最後につかなければならないはずだが、ピット出口にオフィシャルがいなかったため、もとのポジションに復帰できたのだった。

 75周目、No.12に黄旗区間での追い越しのためドライブスルーペナルティ。これでNo.37が4番手に上がるが、次の周にNo.37がルーティンのピットイン。No.12が4番手に戻る。
 その後の10周あまり、No.32の背後にNo.3がじりじりと迫るが差を詰めるまでにはいたらない。けっきょくこのままフィニッシュ。No.32 PIAA NSX(松田次生/アンドレ・ロッテラー)、No.3 G'ZOX・SSR・ハセミZ(金石年弘/エリック・コマス)、No.35 DIREZZA DUNLOPスープラ(服部尚貴/脇阪薫一)の順でチェッカーを受けた。

 しかし、レース終了後、最初のピットインについて、No.32とNo.35は義務周回数をクリアしていないとの裁定が下され、それぞれレース結果に60秒加算のペナルティ。No.35は4番手のNo.12を大きく離していたため順位の逆転はなかったが、1位と2位の順位が逆転し、No.3が優勝となった。


GT300

GT300はM-TEC NSXが大差を付けて完勝を果たす!

序盤快走したARTA Garaiyaはトラブルで早々にリタイア

 GT300は序盤、ポールスタートのNo.43 ARTA Garaiyaが2番手以下を大きく引き離す展開。ところが10周目、突如スローダウンしてしまう。ドライブシャフトのトラブルのため走行を続けることができず、そのままコースサイドにクルマを止めてしまった。14周目にオフィシャル車両の牽引でピットに戻されたが、その間、新田守男は身を乗り出して観客の拍手に応えた。まさにアメリカのレースそのままのシーンだった。
 これでトップを奪ったNo.16 M-TEC NSXは、No.43回収作業のためのSC中に最初のピットイン。これでNo.81 シーウエストダイシンアドバンZがトップ、2番手No.7 雨宮アスパラドリンクRX7となる。この2台は20周を過ぎたあたりで順位が入れ替わり、No.7がトップに。No.7はその後ルーティン作業のためピットに戻り、ふたたびNo.16がトップに立った。

 49周目、No.16が2度目のピットイン。これでNo.7がトップを奪うが、その数周後、周回遅れのクルマに行く手をはばまれ激しくクラッシュ。左前のサスペンションアームが折れるほどのダメージを受け、ピットに戻ってリタイアとなってしまう。これでNo.16が3度目のトップを奪い返した。
 この時点での2位はNo.63 LEYJUNダンロップ320Rとなるが、7周後にピットイン。No.81が2位、No.5 プロジェクトμB-1マッハ号GT320Rが3位に上がる。しかしNo.5もその2周後にスローダウン。No.43同様ドライブシャフトにダメージがあり、コースサイドに止めざるを得なかった。これで3位にはNo.77 クスコスバルADVANインプレッサが上がる。

 その間、トップを行くNo.16は快調にラップを重ね、終盤には2番手のNo.81をも2ラップ遅れにしてフィニッシュ。レース後、1回目のピットインが15周の義務周回数をクリアしていなかったとの判定で60秒加算のペナルティを受けるが、これほどの大差があったためポジションの逆転はなかった。No.16 M-TEC NSXは今回の特別ルールにより、レギュラーの山野哲也/八木宏之に加えてサードドライバーとして黒澤治樹を登録しており、このレースでは黒澤が2スティント、山野が1スティントを走った(八木は走行せず)。黒澤にとってはJGTC初優勝。2位はNo.81 シーウエストダイシンアドバンZ(柳田真孝/尾本直史)、3位はNo.77 クスコスバルADVANインプレッサ(小林且雄/谷川達也)という結果だった。


GT500 優勝

No.3 G'ZOX・SSR・ハセミZ

エリック・コマス「たぶんボクたちが勝っているはずだよ。最初のピットストップは、No.35もNo.32もボクたちも、たしかに15周目に行っている。レギュレーションでは『15周を終わったところで』となっているから、チームのなかで誤解があったみたいだね。でも、レース中に『最初のピットはカウントされない』と聞いたので、71周目に3回目のピットストップをしたんだ。ルールどおりならボクらは2位から1位になるはずだと思う」(決勝結果発表前のコメント)

GT300 優勝

No.16 M-TEC NSX


黒澤治樹「ボクはスタートから2スティントです。すごくクルマは安定していました。だから、タイムも安定していたと思います」
山野哲也「ボクのスティントはいろんなことが起こって、アクシデントの嵐でコース上にいろんなものが散乱して、コースが変わってしまう(通常のラインが走れない)状態でした。だから安定して走ることだけを考えました。セーフティカーラン中に(1回目の)ピットに入るというチームの判断がリードするきっかけになり、2回目のピットストップも完璧でした。前半は治樹くんが順調に走ってくれて、ボクはゴールを迎えるだけという状態でした。クラッシュだらけのコンディションのなかで、ゴールに進むことだけを考えました。そういう意味では楽なレースでしたね」
八木宏之「今日は乗っていないので、なんと言っていいんでしょうか(笑)。今回は治樹選手が初ドライブですごくいい走りをしてくれたことが(勝因の)ひとつですね。あと、山野さんがいつもどおり安定して速くて、クルマもよくて、完勝でした。明日はボクのスティント(走行)もあるので、そのときは全力でがんばります」



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