2004 Inside Report Network Edition

2004 第5戦 ツインリンクもてぎ

Free Practice - 決勝日フリー走行

◎フリー走行トップ、No.1 ザナヴィニスモZ
リチャード・ライアン「雨でもドライでもクルマのバランスがよくて、安定している。ドライバーもチームも完璧な仕事ができた。すべてがパーフェクト。優勝できる自信はあるよ」
◎No.43 ARTA Garaiya、フリー走行クラストップタイム
高木真一「クルマのセッティングはドライとほとんど変わらないです。キャンバーを少し起こしたぐらいかな。でも、バランスはよかったです。ボクが1周(アタック)しただけでトップタイムが出ましたから。新田さんにタイヤや新品ブレーキの焼入れをしてもらって、一番いい状態でボクが乗りました。ただ、そこから先タレるかどうかは赤旗が出ちゃったので確認できていません。クルマ自体は弱アンダーではありますが、レースを考えて一番スピンしないように仕上がっていると思いますよ。コンディションを見極めてどのタイヤをつけるか。そのへんはチーム、ドライバー、監督の総合力になってくると思いますが、自信はあります。優勝というよりも、表彰台をねらっていったほうが、結果的にいいんじゃないかと思います」
◎No.12 カルソニックIMPUL Z、フリー走行2番手
ブノワ・トレルイエ「クルマはすごくいいよ。最後にリチャード(No.1ザナヴィ ニスモZ)がトップタイムを出したけど、そのときは雨が少なくなっていたからね。レースでは優勝をねらいたい。第2戦のSUGOでは、クルマは速かったけどいろいろ誤算があって作戦がうまくいかなかった。でも、今回は作戦をキチッと決めて勝ちたい」」
◎No.35イエローハットYMSスープラ、フリー走行は3番手
服部尚貴「マシンはバッチリだね。でも天気悪いねぇ。(朝は)タイヤテストをしてたんです。タイムを追い求めていたわけじゃなく、バランスをとったり、いろいろなことをやってました。レースで飛び出してしまったらなんの意味もないので、だから飛び出さずにいるための走行をしてました。いい感じですよ。走る前はデータがなかったけれど、今の走行でそれがクリアになったし。でもレースは雨が止んで、ドライでやりたいなぁ」
◎No.80 エンドレスダイシンアドバン Z、フリー走行クラス2番手
木下みつひろ「クルマは最初ブレーキがロックしやすい状態だったので、セッティングを少し変更しました。それでだいぶよくなったんですけど、赤旗中にさらに沈み込みを減らす方向にしたらもっとよくなりました。路面が乾いていったためもありましたが、それでどんどんタイムが出ましたね。タイヤは2種類のコンパウンドのうちから、雨の量によってどちらにするかチョイスできるということがわかったので、レースに向けては雨の量を見極めて、一番いいタイヤを選びたい。雨が止む方向ならミディアム、降ってくるならソフトのほうがいいと思います。タイヤチョイスをうまくやって勝ちたいですね」
◎No.16 M-TEC NSX、フリー走行はクラス3番手
山野哲也「(雨の走行は)悪くないですよね。路面コンディションに合わせたタイヤの見極めもできました。でも思ったほどのマージンがなかったかな。たしかにトップと同じ2分7秒台で走ってたし、ドライ時のタイムよりも差は縮まってるので、いい方向であることにはまちがいないんですけど…。タイム差だけを考えたら、恵みの雨にはなりますね」
◎No.38 auセルモスープラ、4コーナーでクラッシュ
立川祐路「4コーナーで加速状態に入ったときにいきなりイン側に巻き込んでしまって、ウォールにクラッシュしてしまいました。タイヤバリアはあったと思うけど、芝が濡れていて止まらずフロントからいってしまったんです。水量は多くなかったし、タイヤも問題なかったんですが、一瞬のできごとで自分でもなにがなんだかわからなかった。身体は首の筋をちょっといためたくらいで、大丈夫です。クルマのほうはフレームとかに致命的なダメージがなければ、なんとかなると思うんですけれど…」
◎No.100 RAYBRIG NSX、突然のスローダウン
由良拓也監督「それまでトップにつけてて、すごい快調だったじゃないですか。これは雨いいぞーっと思っていたら、最終コーナーを出て、シフトアップしたら、プンって感じでエンジンに力がなくなってしまったんです。原因はまだわかりません。とりあえずエンジンを交換します。ここまでノートラブルできていただけに残念。でも調子がいいんで、作業が間に合えばいい結果が残せると思います」

Race - 決勝レース

■決勝スタート直前情報(13時50分現在)
天候:曇り/路面状況:ウエット/気温:22度/路面温度:25度
入場者:決勝日(5日)5万1000人/予選日(4日)1万7000人

※ No.38 auセルモスープラ、No.9 ADVAN K-STUDIUM MTはピットスタート
*リタイア(JGTCインサイドレポート班調べ)
 No.88:接触によるダメージ(0L)
 No.31:サスペンション (0L)
 No.111:エキゾースト(8L)
 No.26:前サスペンション(24L)
 No.7:電気系(32L)
 No.12:コースアウト(35L)
 No.11:アンダーパネル脱落(41L)
 No.63:左前アーム(45L)

◎No.6 エッソウルトラフロー スープラ、連続2位表彰台でランキングトップに
脇阪寿一「今日は勝てへんかったけど、ファンのみんなには喜んでもらえたと思います。NSXが速かった。今日は勝つことよりも、今回を入れて残り3レース合計でどれだけポイントが取れるかを考えてました。FNも含めて、表彰台に連続で上がってるんで、この調子で1年を終えられればと思ってます。暑かったし、しんどい部分はありましたが、予選、決勝と変わりやすいコンディションのなかでみごとに戦い抜けたのはチームの総合力やと思います。オートポリスは(ウエイトハンデが増えるので)それなりの走り方をします」
飯田 章「No.35とNo.1とウチの3台のレースになると予想していたんですが、No.35が飛び出してNo.1と2台のレースになるかと思ったら、No.32とNo.37が来た。でもNo.1だけを見てレースしようと思ってました。コースアウトしないように丁寧にレースをしました。路面はどんどん変わってきて、泥とオイルがすごかった。そこをボクらはうまく切り抜けられたからこの位置に来られたんだと思います。残りの2戦はNo.1とのつばぜり合いになると思います。お互いにミスしないと思うし、最後まで戦いたいですね」
◎しぶとく3位入賞を果たしたNo.1 ザナヴィ ニスモZ
本山 哲「前半はタイヤチョイスが(コンディションに対して)あまり合っていなかったみたいで、きびしかった。インターミディエイトのソフトを選んだんだけど、スタートして何周かしたら、もうペースを上げるのはきびしかったよ。クルマのバランスはよかったんだけどね」
◎No.16 M-TEC NSX、ガマンのレースでクラス2位
山野哲也「今日はコンディションをかなり意識したレースになりました。セリカ(No.52)が意外に速くて抜けなくて、ここがチャンス! と思ったら飛び出しちゃったし(苦笑)。ラップタイムも最初は速かったのに、落ちる一方で…。できることといったらひたすら耐えることだった。ガマンガマンのレースで、攻めるレースはできませんでした。でも今日の2位は、シリーズを考えると大きな価値がありますね」
八木宏之「コース上に砂利が出てきたりして、コンディションが目まぐるしく変わってました。スゴかったです。ピットインのタイミングも引き伸ばして様子を見ていたので。今回はホント、タフなレースでしたね。今までで一番だったかも。無線も20秒に1回は指示をいただいてたんではないかな、というくらいでした(苦笑)」
◎No.10 JIM GainerアドバンF360、クラス3位
余郷 敦「開幕戦以来の表彰台ですね。ボクはなぜか、もてぎのレースは外してないんですよ(笑)。残り二つも得意なサーキットなんで、ここらでいっとかないとね。最終戦まで(シリーズ争いが)もつれてくれないと…。今回、前半はタイヤチョイスが結果的には失敗でペースが上がらなかった。はみ出さないようガマンして走ってました。プッシュも出来ずに離されたけれど、哲っちゃんに代わってからはすごくいいペースで走ってくれたので、結果もついてくるだろうと思ってました。ほかがコース外に飛び出したりするなかでキッチリやれたことが表彰台につながったと思います」
田中哲也「3位になれるとは思わなかったです。(表彰台に)上がれてホントによかった。なんとか残り2戦に望みがつながる結果になりました。一度、目の前でNo.52がスピンしてよけきれずにコースアウトしたんです。まあよしとするポジションですかね。オートポリスは(昨年、目の前の勝利を逃したので)勝ちたいですね。がんばります」
◎No.37 DYNACITYトムス スープラ、表彰台まであと一歩
ジェームス・コートニー「最初はインターミディエイトタイヤでも滑りやすいコンディションで(ドライビングが)すごく難しかったけど、そこからはうまく追い上げていけた。どんどん前との差を詰めていくことができたし、アンドレ(ロッテラー、No.32)とのバトルはイギリスF3時代みたいで、楽しめたよ。ボクとしては今年一番のレースができたと思う。でも、タツ(片岡龍也)に代わってからブレーキに問題が出たみたい。テストのときにも同じトラブルが出てたんだ。4位という結果は残念だけど、また次がんばるよ」
片岡龍也「ドライではフロントが入り過ぎてちょっとオーバーでしたね。プッシュすると挙動がナーバスになってしまうので、いけなかった。ブレーキもテストのときからフェード気味でした。ドライなら対フェード性の強いパッドを使う予定だったんですけど、ウエットだとそれは温まらないので使えないんです。だから、後半ドライになってからはフェード気味になるとわかっていました。なんとか後ろを抑えたかったんですけど、GT300に引っかかったときでも、挙動がナーバスになるぶんズバンと抜けなくて(後続に)詰められてしまいました。そこをテクニックでカバーできればよかったんですけどね。意地でも3番手以内に入りたかったので、最後まで気持ちではあきめずに走りましたが、タイム的には辛かったですね。でも、ジェームスがトップに行けることは証明してくれましたので、残り2戦のどこかでバシッといきたい」
◎No.39 デンソーサードスープラGT、ランキングトップを譲る
ジェレミー・デュフォア「とてもきびしいレースだった。予選で若干トラブルがあって、良いポジションにつくことはできなかった。レースではドライブが難しく。それでスピンしてしまった。ハンドリングがたいへんだった。というのもセットアップはウエット用で、僕のステントではスリックタイヤで走ったから。選手権首位からは落ちたけど、次のレースでは40キロだけなので、わるくない。まだ選手権では可能性がある。」
◎No.100 RAYBRIG NSX、レインタイヤで一時トップ快走
加藤寛規「朝のフリー走行でトラブルが出たのでエンジンを載せ換えました。メカニックががんばって作業してくれたのでスタートに間に合いました。オープニングラップでは、90度コーナーで39号車につつかれてスピンしたんです。前が詰まってどうしようもなかったのに、後ろから来ちゃいました。さいわいどこもぶつからず、エンジンもかかってたし、GT300(の車両)が来る前にコースに戻れたんで助かりました。でも悔しい。タイヤをいたわって走ってたわりにタイムも出てたし、今回はチャンスがあったのにな。ピットインのタイミングは、(ピットに)戻るずいぶん前から『もうドライでいけるよ』って(無線で)言ってたんですけど、作戦としてギャンブルをしてたからね。けっこう(タイヤは)持ちましたよ。最後も1分59秒台で走ってたくらいだし。結果的に9位チェッカーでポイントが取れてよかったです。ポテンシャルもアップしてるし、あと2戦がんばるだけです」
◎No.22 モチュールピットワークZ、ラップタイムポイントを加算
影山正美「2周目に1コーナーで飛び出してしまいました。路面がスリッピーだったうえに(ウエイトハンデが)重いためもあって、止まりきれませんでした。その後もみんなが飛び出して泥を巻き上げるので、フロントガラスが泥だらけになって、なにも見えなくてペースを上げられませんでした。路面状況もぜんぜん見えないぐらいだったから、体感でタイムを上げていきました。でも、上げていくとまた泥が出ていて滑ったり…。そんな状況だからピットから(無線で)『スリックでいける?』と聞かれても、わからなかった。ラインが乾いてきたところでグリップしてきたと体感したのと、タイムが(1分)59秒台に入ったので、スリックでいけるんじゃないかということでピットに入って交代しました。今回は生き残ることを第一に考えていたので、ポイントが取れたのはよかった。目標は6位か7位だったんですけど、思いどおりにはいきませんからね。結果としては及第点かな」
◎No.35 イエローハットYMSスープラ、意地のファステストラップ
服部尚貴「(終盤のピットインは)バッテリーを換えるため。(バッテリートラブルだということは)かなり前からわかってたんだけど、最後はもう止まる寸前だったから、ピットに入って交換しました。(タイヤも換えて)ファステストトラップをねらったのは、ポイントを取るためにはそれしか残ってなかったから。ま、これがレースです」
◎No.12 カルソニックIMPUL Z、接触ダメージで無念のコースアウト
ブノワ・トレルイエ「序盤は(ドライビングが)すごく難しかった。路面にダートが出ていて、それをあびてなにも見えなくなっちゃったんだ。ワイパーを動かしたらよけいに見えなくなって、2回ほどコースアウトしてしまった。でも、10周ぐらいしたらまた雨が降ってきたから前のクルマにくっついて走るように(水しぶきがウインドウにかかるように)した。それでようやく前が見えるようになって、そこからはうまく追い上げていけたね。クルマのバランスもよかったよ。(井出に)交代したあとには6号車の前に出られたんだけど、その後なにが起こったのか(コースアウトの原因は)わからない。いい感じで追い上げていっていたのに、すごくガッカリしたよ。しかし、1回ぐらい完走したい。チームやスポンサーにもうしわけないと思う」
◎No.77 クスコスバルADVANインプレッサ、マシントラブルで表彰台を逃す
小林且雄「悔しいねぇ。作戦もうまくいって、絶妙なときにピットインできたと思うんだ。でも、オレが乗り始めてすぐ、シフトレバーの下にあるブラケットのフロアの後ろ側が割れて、ギアをダウンするときにパネルにレバーが当たって、アップは入るんだけど、ダウンが入らず何回やってもニュートラルに戻ってしまう状態で…。何度もやっているうちに、ダウンヒルで2つくらいギアが落ちちゃって、リヤがロックしてスピンしちゃったというわけです。序盤、あの路面のなかで耐えて走って、けっこういいペースでポジションを上げていたのに、その矢先にあんなことになっちゃって…。そのあとはギアがうまく使えないからペースも上げられなかった。見てた人はミスしてスピンしただけだと思われるだろうけどね。自分ではまたツイてないなぁと思ったね。でも悔しいから、最後は意地で(周回遅れにされていた)16号車を抜いてきたよ(笑)」
◎No.80 エンドレスダイシンアドバンZ、一時3位を走るもリタイヤ
星野一樹「スタート後、ウエット(タイヤ)では辛かったのですぐにスリックに換えました。そこからそこそこ追い上げていって5番手ぐらいで木下さんに交代しました。木下さんも快調に追い上げていって3位まで上がったんですけど、最後はドライブシャフトのトリポッドが折れたみたいで、リタイヤになってしまいました。すごく悔しいですね」
◎No.39 デンソーサードスープラGT、No.100 RAYBRIG NSXとの接触でペナルティ
アンドレ・クート「ペナルティはきびしすぎる。雨のなか速いラップで走っているときに、コーナーで自分の前のクルマが自分より少しハードにブレーキングすれば、ブレーキがロックしてしまってどうしようもなくなる。今回はコーナー出口で前のクルマ(No.100 RAYBRIG NSX)が若干ホイールスピンをした。それで後ろから軽く接触してしまって、(前のクルマが)スピンしてしまった。ドライならスピンしなかったはずだ。選手権のルールなので納得していなくても受け入れる。ボクもプロだし、チームもプロだから。次は(接触しないよう)避けるし、もうペナルティを受けるようなことはない。言えることはそれだけ。(6位という結果は)いろいろなトラブルがあった後の結果としてはよかった」

Winner - 優勝者インタビュー

○ GT500 : No.32 EPSON NSX
アンドレ・ロッテラー「すごくいいレースができたと思います。スタートしたときから周囲より自分のクルマが速いとわかったので、うまく抜くことができました。コーナーのイン側にかなりスリッピーなところがあったので、スピンしないように気を使いました。ジェームス(No.37)は途中からかなり追い上げてきて、こちらがスローパンクチャー気味だったためもあり(トップを)守るのはきびしかったです。でも、引き継いだ松田がいいレース運びをしてくれてホントによかったと思います。
 去年はなかなかレースにならず、がんばっても2位だったけれど、今年は勝つことができたのでうれしいです。しかもホンダのサーキットでホンダのクルマで勝てたことはすごくよかった。今シーズン、NSXはターボになったということでみんな手こずっていたので、なかなかチャンピオンシップのことまで考える余裕がなかった。でも、今回はクルマもかなり安定してきました。ただ、残り2戦はウエイトを積まなくてはいけないし、それがなくても今まで大変だったのですから、どうなるかは予測がつきません。とにかく大事に戦っていきたいです」
松田次生「ドライではトップを取れる気はしなかったんですが、ウエットでは朝のフリーでもよかった。だから降ってくれって思ったんですが晴れちゃって、ボクに代わったときには、これは結構つらいよなぁって(笑)。でも、エンジンもシャシーもよくなってきているんで自信を持っていこう、と。片岡選手(No.37)に前にいかれていたんで、プッシュ、プッシュでした。追いついてからはどこでかわそうかと考えて、濡れているところもあったんでなるべく滑らないところでいこう、と。それでうまくかわせて、あとはペースを上げたかったんですけど、ユーズドタイヤを使っていたんで残り10周は後ろに追い上げられてしまいました。でも、コースアウトすることなく、ミスすることなくいけば勝てる自信はありました。(後続の追い上げは)ピットの中嶋監督から『プラス何秒』って言ってもらって、ちょっとプレッシャーもありました(笑)が、それが自分の気を引き締めることになりました。あの状況でタイムを上げるのはムリだったんで、ミスだけはしないよう、GT300を抜くのに気をつけていけば抜かれないという自信ありました。ホンダさんもいいエンジンを作ってくれましたしね。(ゴール後は)泣けてきましたね。このところ勝てなくて、みんなにもうダメって言われてましたから(笑)。ホンダさんの力、チームの力、そしてアンドレの力と、みんなが一丸となったから優勝できたんだと思います。その代表としてボクがチェッカーを受けたわけで、感動でしたし涙が出ました。今後はウエイトもあるし、(救済措置で)2ランクアップしているのを戻したときにどうなるかわからないし、まだまだやることはたくさんあると思います。それでチャンピオンが取れるものなら取りたいですし、それでなくても少しでも上位でゴールできるようがんばりたいです」
○ GT300 : No.43 ARTA Garaiya
新田守男「連勝は、期待はしてましたがこんなにうまくいくとは思いませんでした。こんなコンディションでしたが、タイヤ選択など作戦がいい方向にいったんで(チームやタイヤメーカーの)みなさんに感謝しています。(GT300の最多勝になったことは)うれしいですよ、今年は1勝で終わりかなと思ってましたから。JGTCで勝つのは難しいですからね。11勝ということは、それだけボクを使っていただいたということですから、すべてのスタッフの方に感謝しています。(序盤の)コースアウトは、チョイスしたタイヤがかなりハードで、8分間のフリー走行での感触とスタートしてからがすごくて違ってしまったので、ボクがミスしたかたちになりました。ただ、そのあとはほぼボクたちが思っていたペースになったので、あの段階であわてることはありませんでした。レースがだいたい想像していたとおりの展開になったこともあって、土屋(圭市監督)さんの作戦とタイヤ屋さんの力で、思っていた以上に早く(コースアウトのロスを)取り戻せました。今回は、ボクが経験したなかではサファリラリー以来の悪コンディションでした(笑)。普通に走っていても前が見ないくらい泥がウインドウに着いて、GT500が抜いていったあとの水しぶきでワイパーを使わないと周囲が見えないくらい視界が悪かったです。コースも泥だらけでコースなんだか(コースサイドの)泥なんだかわかんない状況でした。オイルも出ていましたしね。そういう状況はボクが無線で報告して、ライバルの状況を土屋さんが判断してスリックに替える判断をしてもらう、と。それが見事に、今まで一番うまくいって、今回の(勝利への)キーになったと思います。ランキングトップのM-TEC(No.16)とは、まだ7点差ですか。速くないっすか、あれ(苦笑)。あれでフルウエイト(80kg)でしょ? まあ、でもがんばらないと。こんなんで満足していたらチャンピオンシップの勝負にならないんで、もっと気を引き締めていきたいと思います。(最終戦の)鈴鹿がNSXのホームコースですから、そこでボクらがどこまでがんばれるかですね」
高木真一「(新田のコースアウトを見て)これは正直おもしろくなるな、と(笑)。(選んだタイヤでは)雨になったらアウトだというのは(わかっていたが)、チームの賭けでもあったわけです。こういったチームの選択が勝利につながったと思います。(新田が)スピンはしても走るごとに追い上げて、ボクに代わるまでにいい位置に来るな、ボクのところで勝負になるな、と。そこで新田さんががんばってトップで戻ってきてくれたので、展開的にはラクになりました。ボクは滑る状況というのが好きなんでプッシュしていこう、でもミスだけは避けようと思っていたんです。新田さんはサファリラリーの経験があるそうですけどボクはやってないんで(笑)、泥だらけでミラーも見えなくて、カルソニック(No.12)を押し出すようなかたちでぶつかってしまった。そのときは確実にクルマは壊れた、ホントに終わった、と…。でも、さいわいアライメントがちょっと狂ったくらいで、ドライビングでコントロールすればラップタイムに影響するほどでなく済んだんです。マージンは30秒以上あって余裕だったんで、GT500に抜かれるときだけは気をつけて、すべて無線でも教えてもらって、どこでいかせるかを考えて走ってました。今回(勝利の要因)は(エンジンチューナーの)尾川さんがお盆休みも返上してパワーをアップしてくれて、トップクラスと同じ程度のスピードにしてくれたこともありますね。ポイントリーダーのM-TECを追いかけるのは至難のワザですけど、ボクたちがミスしないことはもちろん、クルマのポテンシャルアップも休まずいろんなチャレンジをしていきたいです」

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