2005 SUPER GT Round2 > PREVIEW
2005 AUTOBACS SUPER GT Round2
FUJI GT 500km RACE
5.3 4 / Fuji Speedway

PREVIEW

2005-04-28

2005 第2戦 プレビュー

新生・富士スピードウェイ、最初のビッグレース!

歴史的勝利を手にするのは誰だ!?

下馬評はスープラ有利。ZやNSXの逆襲はあるのか!!

生まれ変わった富士での歴史的一戦


Fuji Speedway
 1年半の大改修を終え、この4月に富士スピードウェイがリニューアル・オープンした。日本のモータースポーツを支えてきた歴史あるコースが生まれ変わって最初のビッグレースが、5月3,4日のAUTOBACS SUPER GT第2戦「FUJI GT 500km RACE」だ。つまり、このレースに勝つことは、単なる勝利ではなく新コースの誕生日に名を刻むような歴史的なこと。各チーム、ドライバーにとっても狙いたい一勝となるだろう。

やはり富士で有利なのはスープラなのか?

35 SUPRA  新・富士スピードウェイは、約1.5kmのロングストレートはそのままながらも、事実上全コーナーが新たになる大幅なレイアウト変更が行われた。高速コースという性格付けは基本的には変わらないが、旧・最終コーナー付近は、テクニカルなコーナーが連続するセクションに生まれ変わるなど、マシンのセッティングはまったく新たなものが求められることになる。
 旧コースでは、ストレートスピードに優るスープラが優位だった。新コースも先に記した通り、基本的な性格は高速コースであることはかわらない。先に行われた4月10、11日の合同テストでもドライコンディションにおいては、No.35 イエローハットYMSスープラ(服部尚貴/脇阪薫一組)がトップタイム、2番手もNo.36 DYNACITY TOM'S SUPRA(土屋武士/J.コートニー組)とスープラが優勢であった。また、この富士を得意としているNo.38 ZENTセルモスープラ(立川祐路/高木虎之介組)や開幕戦優勝のNo.25 ECLIPSE ADVANスープラ(織戸学/D.シュワガー組)も侮れない存在だろう。

SUPER GT最長の500kmレースは何をもたらすか?

1 Z  もちろん、コースとの相性が良いというだけで"勝つ"ということは、また別な要素もある。実際、2003年の第2戦富士ではトップを走っていたスープラにトラブルが発生し、ストレートスピードで劣るTAKATA童夢NSXが逆転で優勝するということもあった。
 今回のレースも、その時と同じく決勝レース距離は約500km。この第2戦以外は約300kmなので、シリーズ最長のレースである。それだけに、マシンにもクルマにも厳しい戦いとなるだろう。しかも500kmではピットインが最低でも2回となり、ピットでの作業のタイムやどのタイミングで入れるかなどレース戦術も重要となってくる。
 そこで注目したいのは、ピットワークでは最強といわれるNISMO。開幕戦では予選で1-2を決めながら接触やトラブルで決勝ではノーポイントに終わっただけに、この第2戦では雪辱に燃えてくるのは必至。開幕で上位入賞しなかっただけにNo.1 ザナヴィニスモZ(本山哲/R.ライアン組)のチャンピオンコンビの逆襲が期待される。
18 NSX  そして、データのない新コースというだけに、先にも登場したNo.18 TAKATA童夢NSX(道上龍/小暮卓史組)&童夢の適応力や勝負強さ、そしてNISMOに負けないレース巧者であるNo.32 EPSON NSX(松田次生/A.ロッテラー組)なども予選ではふるわなくても、決勝では勝負に絡んで来る可能性はあるだろう。
 そして、昨年はNo.21 ノマドフェラーリ550GTS(黒澤琢弥/光貞秀俊組)に代替わりしてしまい参戦しなかったNo.20 Mclaren F-1 GTR(田嶋栄一/一ツ山康組)が富士の2戦限り復活参戦する。このF1の血を引くスーパーGTやNo.88 JLOC ムルシェ RG-1(山西康司/WADA-Q組)が富士のロングストレートで奏でるエキゾーストノートは、それだけでも聞く価値あり。こんなところにもぜひ注目してほしい。

GT300は混戦状態が続く?!

43 Garaiya  GT300でもストレートを得意とするマシンが富士では有利となる可能性が高い。だが、GT300は約300馬力とパワーの絶対値が少ないだけに、トップスピードでGT500ほど差がつかないだろう。そうなると、パワーよりも空力性能やドライバーのテクニックで、サーキットとマシンのハンデを埋めることも可能だ。そして決勝は500kmの長丁場。チームの総合力こそ勝利のポイントとなる。過去にも通常なら2回のピットでそれぞれ替えるタイヤを1回のみの交換にして、ピットタイムを縮めたチームもあるくらいだ。
27 VEMAC  したがって、GT300は混戦模様のレースになると予想される。その中で、注目したいのは、開幕戦ではマシントラブルで10位に甘んじたNo.43 ARTA Garaiya(新田守男/高木真一組)だ。4月10日の合同テストでもクラス2番手につけている。他には、Vemac勢も気になるところ。合同テストでは、No.27 direxiv ADVAN 320R(宮川やすお/密山祥吾組)がトップタイムで、3番手にNo.62 WILLCOM ADVAN VEMAC350R(柴原眞介/植松忠雄組)が入っている。他にも高速コーナーが増えたことで、ロータリーのNo.7 雨宮アスパラドリンクRX7(山路慎一/井入宏之組)や空力に優れたNo.11 GPH FERRARI DUNLOP(田中哲也/P.モンティン組)も忘れてはならないだろう。これに昨年のチャンピオンマシンNo.0 EBBRO M-TEC NSX(黒澤治樹/細川慎弥組)、No.30 RECKLESS MR-S(佐々木孝太/山野哲也組)、No.19 ウェッズスポーツセリカ(加藤寛規/谷口信輝組)、ストレートスピードに優れるNo.46 Dream Cube's ADVAN Z(星野一樹/青木孝行組)などを中心にレースが動きそうだ。

 なにはともあれ、事実上初めてのコースでのレースとなる今回。だが、"荒れる"富士の500kmという定説はきっと今年も変わらないはず。レースの展開はまったく予断を許さない。歴史的にも、おもしろさとしても間違いなく"見逃せない"レースとなるだろう。