6月24日、2005 AUTOBACS SUPER GT第3戦JAPAN GT CHAMPIONSHIP MALAYSIAの練習走行が行われた。
SESSION 1 晴れ、気温30度/路面温度35度、ドライ
1回目の走行は11時30分から13時までの90分間。熱帯特有の強い日差しとじっとりとした湿気は例年どおりだが、気温自体は開始時点で30度と昨年よりは低い。それでもドライバーとクルマとタイヤにとってきびしい条件であることにかわりなく、しかも終了時点では42度まで上昇した。路面温度は開始時が35度、終了時は48度。
このラウンドで最大の注目はNo.8 ARTA NSX。先日、日本国内でNAエンジン車のプライベートテストでを行ったらしいと伝えられたが、今回はその車両をマレーシアに緊急輸送。初めて一般の前で走行した。ホンダ関係者は「公式なコメントは明日まで待ってほしい」と言葉を濁したが、リアサイドのインテイクがないなど外観も、またかん高い排気音も、あきらかに他のNSX勢とは違っていた。
そのNo.8は序盤から精力的に周回。開始から15分ほど経ったところで、2分01秒323というトップタイムをたたき出してみせる。その後、No.12カルソニック インパルZが2分01秒081でこれを上回ったが、No.8もトラブルなく周回を重ねていった。
また、第2戦まで04年型だったNo.35 イエローハットYMSスープラ、No.36とNo.37のDYNACITY TOM'S SUPRAの3台は、このラウンドから05年型にスイッチ。タイム的には下位だったが、大きなトラブルはなかったもようだ。
そのほかの各車も1年ぶりのサーキットの感触を確かめるように10数周から20周あまり周回。データの収集に余念がない。ときおり勢いあまってコースアウトしたりスピンを喫したりする車両もあったが、いずれもすぐに復帰。セッションは中断されることなく、予定どおり13時に終了した。この結果、ここでのトップタイムはNo.12 カルソニック インパルZの2分01秒081。以下、2番手No.8 ARTA NSX、3番手No.38 ZENTセルモスープラ、4番手No.6 エッソウルトラフロー スープラ、5番手No.25 ECLIPSE ADVANスープラ、6番手No.1 ザナヴィ ニスモZまでが2分01秒台をマークした。
GT300クラスは序盤からNo.62 WILLCOM ADVAN VEMAC350Rが2分10秒台でトップ。2番手には当初No.9 Gulf ADVAN FORTUNE MTがつけていたが、その後No.30 RECKLESS MR-S、No.7 雨宮アスパラドリンクRX7がこれを上回る。しかし、残り30分あまりとなってNo.43 ARTA Garaiyaがタイムアップ。2番手となった。3番手のNo.7 雨宮アスパラドリンクRX7はここセパンで3戦3勝。ぜったいの自信を持っており、今回も上位をねらう。また、4番手タイムをマークしたのはNo.77クスコスバルADVANインプレッサ。第2戦優勝のNo.0 EBBRO M-TEC NSXは70kgのウエイトハンデがこたえたか、13番手にとどまった。
SESSION 2 晴れ、気温32度/路面温度52度、ドライ
練習走行2回目は16時17分、予定より2分遅れてスタート。今回、決勝レースは暑さを避けて夕方に行われるため、それに合わせて練習走行もこの時間帯に設定されている。13時ころに42度まで上昇した気温は開始時点で32度まで下がったが、強烈な日差しに照らされた路面の温度は52度と高いままだった。
開始直後、コースインからわずか2周で2分01秒395をマークしたのがNo.12 カルソニックIMPUL Z。1回目にもトップタイムを記録していたが、ここでも最初にタイムアタックを敢行する。次の周には2分00秒564までタイムアップ、1回目の自身のタイムを大きく上回った。この時点での2番手はNo.38 ZENTセルモスープラ、3番手はNo.18 TAKATA童夢NSX。Team Honda Racingのもう1台、No.8 ARTA NSXがエンジンをNAに変更してきたのとは異なり、こちらはターボ仕様だが、こちらにもさまざまな改良が施されているようだ。
開始から20分ほど経って、No.12は1分59秒974と、ついに2分を切るタイムをマーク。昨年のポールタイムを上回る。それからさらに10分ほど経って、No.35 イエローハットYMSスープラがレスキューカーに牽引されてピットに帰還。コースインした周にプロペラシャフトが折れて停まってしまったようだ。
17時07分ころ、No.31 APEXERA MR-Sがバックストレート通過中にオイルスモークを吹き始め、最終コーナー手前でハデにブロー。ピットロードを白く霞ませながら緊急ピットインしてくる。エンジン系のトラブルだった。
17時30分、フラッグタワーで「GT300」ボードが提示され、ここから15分間は同クラスの専有走行。混走の時間帯にはNo.62 WILLCOM ADVAN VEMAC350Rの2分10秒116がトップタイムだったが、同車はここで2分09秒台に入ってくる。最終的にマークしたタイムは2分09秒025。これは従来のレコード(2分09秒214)をも上回っている。2番手に上がったのはNo.7 雨宮アスパラドリンクRX7。こちらのタイムは2分09秒534だった。また、このラウンドがデビュー戦となるNo.15 PROTON R3 LOTUS EXIGE 300RRは、1回目には計測2周しかできなかったが、ここでは8周を走行。ベストタイムは2分25秒531だった。
17時45分から最後の15分間はGT500クラス専有。ここで大幅にタイムアップしてきたのがNo.8 ARTA NSXで、まず2分00秒069で2番手につけると、次の周には1分59秒873をマーク。混走の時間帯にNo.12 カルソニック インパルZが出したタイムを上回り、この日のトップとなった。2番手はNo.12。3番手はNo.38 ZENTセルモスープラ、4番手はNo.18 TAKATA童夢NSXという結果だった。
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