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2005 AUTOBACS SUPER GT Round3
JAPAN GT CHAMPIONSHIP MALAYSIA
6.25 26 / Sepang Circuit

RACE REVIEW

2005-06-26

2005 第3戦 決勝レースレビュー

息詰まるサイド・バイ・サイドの連続!

大激戦をザナヴィニスモZが制し今季初勝利

復権へ確実な1歩。新エンジンのARTA NSXが敢闘の2位

 6月26日、マレーシアのセパン・インターナショナルサーキットで2005 AUTOBACS SUPER GT第3戦「JAPAN GT CHAMPIONSHIP MALAYSIA」の決勝レースが行われた。南国らしい暑い日差しが残るなか、4万3579人の大観衆を熱狂させるドライバーの全力を振り絞り出す好バトルが各所で繰り広げられた。このレースで2004年チャンピオンのNo.1 ザナヴィニスモZ(本山哲/リチャード・ライアン組)が接戦を制して今季初勝利。GT300は、ポールポジションのNo.43 ARTA Garaiya(新田守男/高木真一組)が実質上トップを譲ることなく、こちらも今季初勝利を挙げた。(観衆:43,579人)

 決勝レースは16時スタート。朝のうちやや雲が多かった上空も昼前には晴れ渡り、熱帯の強烈な日差しが降り注ぐ。開始時点での気温は36度、路面温度は51度。夕方にもかかわらず、ドライバーとタイヤとクルマにとって過酷なレースとなることを予感させた。

 スタート直後の1コーナー、ポールのNo.8 ARTA NSX(ラルフ・ファーマン)はトップをキープするが、No.32 EPSON NSX(アンドレ・ロッテラー)はNo.6 エッソウルトラフロー スープラ(飯田章)にかわされポジションダウン。No.32は、2周目の1コーナーでさらにNo.1ザナヴィ ニスモZにもパスされてしまう。その間、No.8はトップを快走。3周目には2分00秒888というベストラップを記録し、10周を待たずに後続との差を約5秒まで開く。
 その後方では、No.1がNo.6を4周目にパス。2番手に上がる。5周目には、5番手だったNo.12カルソニック インパルZ(ブノワ・トレルイエ)がコースアウトを喫し、ポジションを大きく下げてしまう。
 一度はNo.6に前を譲ったNo.32だが、13周を過ぎて再接近。コーナーでラインをクロスさせてのバトルを繰り広げたあげく、17周目には3番手を奪い返す。
 No.6はその後、No.18 TAKATA童夢NSX(道上龍)とNo.3 G'ZOX・HASEMI・Z(金石年弘)の追撃を受け、20周を過ぎるころには三つ巴でのスリリングな接近戦に。このバトルに決着がついたのは24周目の最終コーナー。No.18の後部に、インをついたNo.3が接触すると、No.18はたまらずスピン。コースアウトはまぬがれたもののポジションを11番手まで落としてしまう。いっぽうのNo.3はそのまま走りつづけたもののドライブスルー・ペナルティの裁定。26周目にエリック・コマスに交代した後、33周目にこれをこなすが、36周目にはコースサイドに止まらざるをえなかった。

 トップのNo.8と追うNo.1の差は一時は6秒ほどあったが、23周目には2秒弱にまで詰まる。No.8は24周目にピットイン、2番手No.1もその次の周に入る。コースに復帰したNo.1はNo.8の前に出るが、タイヤが温まっていなかったのか、あっさりとNo.8に先行を許す。28周目、トップはNo.8だが、直後0.5秒差にNo.1の車影が迫る。逃げる伊藤大輔、追うリチャード・ライアン。ときおり並びかけるライアンを、伊藤は必死で抑え込む。息詰まるバトルが10周以上にわたってつづく。そして44周目の1コーナー、ついにポジション逆転。No.1がトップに躍り出る。
 だが、伊藤はあきらめなかった。いったんは1秒以上開いた差を51周目には0.3秒まで詰め、次の周のターン11でトップを奪い返してみせる。しかし、猛暑のなかでのバトルに、伊藤の体力は消耗しつくしていた。同じ周の最終コーナー、アウトからかぶせたライアンがラインをクロスさせて抜き返すと、もはやついていくことはできなかった。

 激闘の54周を終えてチェッカー。優勝はNo.1 ザナヴィ ニスモZ(本山哲/リチャード・ライアン)。2位はNo.8 ARTA NSX(伊藤大輔/ラルフ・ファーマン)。最後の気力まですべて振り絞った伊藤は、ゴール後自力でマシンを降りることができず、その場で応急措置の冷水浴を受けるほどだった。3位はNo.36 DYNACITY TOM'S SUPRA(土屋武士/ジェームス・コートニー)。No.36は、序盤に7番手までポジションを落としながら、すばやいピット作業で失地回復。淡々と単独走行をこなし、表彰台をゲットした。この結果、本山/ライアン(No.1)はドライバーズランキング・トップを奪取。ランキング2位は土屋/コートニー(No.36)、3位は伊藤/ファーマン(No.18)が上がった。


ミシュラン・ユーザーが好結果

厳しいレース環境を乗り越えARTA Garaiyaが完勝!

レース巧者エンドレスアドバンZが3位に滑り込む

 GT300クラスは、ポールスタートのNo.43 ARTA Garaiya(新田守男>高木真一)が序盤から独走。いっぽうセパン勝率100%を誇る最大のライバル、予選3番手だったNo.7 雨宮アスパラドリンクRX7(山路慎一>井入宏之)はオープニングラップで最後尾近くまでポジションを落とす。替わって3番手に上がったNo.27 direxiv ADVAN 320R(密山祥吾)もパワステトラブルでリタイアを喫するなど、次々脱落していく。
 これで、No.43の後方にはNo.30 RECKLESS MR-S(佐々木孝太>山野哲也)とNo.31 APEXERA MR-S(中嶋一貴>田中実)がつづくかたちになり、ミシュランタイヤ勢がワン・ツー・スリー態勢を築く。

 ルーティンのピット作業が終了した後もこのポジションに変わりはなかったが、30周を過ぎるころから3番手No.31の後方にNo.13 エンドレス アドバンZ(木下みつひろ>影山正美)とNo.11 GPH FERRARI DUNLOP(田中哲也>パオロ・モンティン)が迫ってくる。32周目にはNo.13がNo.31をパス。40周目にはNo.11もNo.31の前に出る。

 その後、このポジションに変化はなく、No.43 ARTA Garaiya(新田守男/高木真一)が優勝。2位はNo.30 RECKLESS MR-S(佐々木孝太/山野哲也)。3位はNo.13 エンドレス アドバンZ(木下みつひろ/影山正美)という結果となった。