7月22日、宮城県・スポーツランドSUGOでAUTOBACS SUPER GT第4戦SUGO GT 300km RACEを翌日に控え、練習走行が行われた。午前に1時間30分、午後に1時間45分の2回の走行が行われた。
SESSION 1 雨、気温20度/路面温度21度、ウェット
練習走行1回目は9時20分から開始された。宮城県地方はまだ梅雨明けしておらず、この日も朝から雨模様。コントロールタワーでは『Light On』の指示が出される。細かい雨が降り続くなか、全車レインタイヤでの走行となった。開始時点での気温は20度と、7月下旬とは思えない涼しさ。路面温度は21度だった。
今回の注目はGT500クラスのNSX勢。前回、第3戦セパンではNo.8 ARTA NSXのみがターボからNA(自然吸気)に換装していたが、このSUGOでは残り3台もそろってNA化された。しかも走り出しから順調にタイムアップ。一時はタイミングモニターのトップ3を占めてみせる。マシンのデリバリーが最後になったNo.100 RAYBRIG NSXこそやや出遅れる格好になったものの、その他の3台はその後も順調に走行。30周以上の周回を重ね、データを蓄積していった。最終的には50kgのウエイトハンデを積んだNo.8 ARTA NSXが1分25秒483で2番手。No.18 TAKATA童夢NSXが3番手のタイムをマークしている。
対するライバルのなかではNo.12 カルソニック インパルZが目立った。走行開始から20分あまりが過ぎたところで1分25秒台後半をマーク。NSX勢のあいだに割って入ると、その後さらにタイムアップ。最終的には1分25秒483というタイムで、このセッションでのトップを占めた。No.3 G'ZOX・HASEMI・Zも終盤に1分25秒台を出し、4番手。NISMOの2台(No.1 ザナヴィ ニスモZ、No.22 モチュールピットワークZ)が1分27秒台に留まったのとは対照的な動きをみせた。
過去、ここSUGOでの成績がよいスープラ勢は、このセッションではスロースタート。No.35 イエローハットYMSスープラがマークした1分26秒294がベストで、順位としては6番手にとどまった。
ただし、このタイムと順番はあくまで雨のなかでのもの。セッション中にはコースアウト車両を回収するために3回の赤旗中断もあり、はたしてどこまで予選や決勝に結びつくのかは未知数といえる。
GT300クラスではNo.0 EBBRO M-TEC NSXの1分31秒437がベスト。No.11 JIM GAINER FERRARI DUNLOPが1分31秒813でつづき、3番手のNo.31 吉兆宝山MR-S以下は1分33秒台。ポイントリーダーのNo.43 ARTA Garaiyaは1分33秒147でクラス6番手となっている。
また、今回がGT300クラスへのデビュー戦となるNo.87 JLOCムルシエRG-1と、ベース車両のマイナーチェンジに合わせてフロント部分を変更してきたNo.77 クスコスバルADVANインプレッサは、ともに1分34秒台をマークしている。
SESSION 2 曇り、気温23度/路面温度24度、ウェット
練習走行2回目は13時50分に開始。直前まで降り続いていた小雨は上がったが、路面はまだ濡れた状態。全車レインタイヤでコースに出ていった。開始時点での気温は23度、路面温度は24度。1回目よりは上がったが、依然としてタイヤが温まりにくい状況に変わりはない。
GT500クラスでは、1回目に上位タイムをマークしていたNo.8 ARTA NSX、No.12 カルソニック インパルZ、No.18 TAKATA童夢NSXなどがここでも順調。ともに1分24秒台でタイミングモニターの上位に並ぶ。1回目には他より周回が少なかったNo.100 RAYBRIG NSXも、ここではその遅れを取り戻し、開始から1時間ほど経ったところで、全車のなかで最初に1分22秒台をマークする。その後、No.32 EPSON NSXがこれを上回り、新エンジンになったNSX勢が全車上位に並ぶかたちになる。その後、No.34 BANDAIスープラがコースアウトしたため赤旗が提示され、走行は中断した。
15時05分、フラッグタワーに『GT300』ボードが提示されるなか走行再開。ここから15分間は同クラス専有の走行となる。ここまで多数の車両が周回を重ねたため走行ライン上は乾き始めており、スリックタイヤでのタイムアタックが可能な状態に。No.46 Dream Cube's ADVAN Z、No.19 ウェッズスポーツセリカ、No.7 雨宮アスパラドリンクRX7などが1分25秒台を次々マークしていく。
最初に1分24秒台に入れてきたのはNo.11 JIM GAINER FERRARI DUNLOP。つづいてNo.43 ARTA Garaiya、No.30 RECKLESS MR-S、No.27 direxiv ADVAN 320Rなども1分24秒台をマークする。これを上回ったのがNo.0 EBBRO M-TEC NSX。1分23秒975と、非公式ながら従来のコースレコードを更新してみせる。この日のクラストップはこれで決まりかと思われたが、最後にこれを上回ったのがNo.27。密山祥吾が1分23秒403というタイムをたたき出してみせた。その直後、No.46がコースアウトしスポンジバリアにクラッシュ。ダメージは大きくはなかったが、車両回収のため赤旗が提示され、そのまま専有セッションは終了となった。
回収作業終了後、15時35分からGT500専有走行がスタート。このクラスもスリックタイヤでの走行となり、いきなり1分19秒台から18秒台というタイムが上位に並ぶ。ここから抜け出したのはNo.12 カルソニック インパルZで、最初に1分17秒500、次の周には1分17秒346というタイムをマーク。従来のレコード、1分17秒805を上回ってみせる。その後は予選並みのタイムアタック合戦となり、No.100 RAYBRIG NSXが1分16秒978と最初に1分16秒台に入れると、次の瞬間、No.12が1分16秒860でこれを更新。No.100は次の周に1分16秒833までタイムアップしてトップを奪い返すが、その次の周で他車と接触しそうになり、コースアウト。これ以上のタイム更新はならなかった。その後、No.18 TAKATA童夢NSXが1分16秒618という、このセッションでのトップタイムをマークしたところでチェッカー。この結果、No.18 TAKATA童夢NSX、No.100 RAYBRIG NSX、No.12 カルソニック インパルZの3台が1分16秒台。これにNo.8 ARTA NSX、No.32 EPSON NSXがつづき、新エンジンを搭載したNSX勢が上位5台中4台を占めるかたちになった。スープラ勢の最上位はNo.37 DYNACITY TOM'S SUPRAの6番手だった。
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