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2005 AUTOBACS SUPER GT Round5
MOTEGI GT 300km RACE
9.3 4 / TWIN RING MOTEGI

PREVIEW

2005-08-30

2005 第5戦 プレビュー

シリーズ終盤戦に突入!

タイトルを賭けたサバイバルが始まる…

GT300に驚きのエンジン搭載チームが登場!!

後半4連戦の第1試合


Twin Ring Motegi
 全8戦で行われる2005年のAUTOBACS SUPER GTシリーズ。9月3、4日に行われる第5戦「MOTEGI GT 300km RACE」で、いよいよシリーズも後半戦へと入ることになる。数字上でも折り返し点だが、スケジュール的にもこの第5戦は後半戦への重要な一戦となるだろう。
 それは、この第5戦以降、3ヶ月で4戦、レースの間隔は3週おきという国内レースとしてはかなりの強行軍になるからだ。つまり、後半戦の一戦ごとにマシンの改良や検証などやっている余裕はない。この第5戦が行われる前の8月丸々1ヶ月のインターバルにどれだけマシンを進化させられたか? それが明白になる一戦であり、今後4戦をそのマシンで戦うことになるのだから、ここでの戦闘力が後半戦の実力と判断できるわけだ。
 つまり、この第5戦を見れば後半戦が占える。そういう一戦なのだ。

NSXのプライドを賭けた一戦

8 NSX  となれば、どのチームも勝負を掛けた戦いをこの第5戦で見せてくるだろう。そして、中でもこの一戦に勝ちにくるのがホンダNSX勢だろう。ご存じの通り、ツインリンクもてぎはホンダ系列のサーキット。さらにはSUPER GTのNSX開発においてのテストコースでもある。まさにホームコース、ホームグラウンドだ。もてぎのレイアウトはNSXの特性とも合っており、過去の勝率も良い。
 マシンの熟成も進み、第3戦セパンからターボをNAエンジンに変更したことで、NSXは間違いなく速くなった。だが、第3戦からノンタイトルの鈴鹿1000kmレースも含めて、ここまでの3戦ではトップ争いをしながらも、アンラッキーやミスで落とし続けた。
 この雪辱を期すためにも、もてぎはうってつけのコース。チーム、ドライバー、そしてNSX応援団も、この第5戦は必勝を期待し、臨んでくるはず。No.8 ARTA NSX(伊藤大輔/ファーマン組)、No.18 TAKATA童夢NSX(道上龍/小暮卓史組)のTeam Honda Racingだけでなく、No.32 EPSON NSX(松田次生/ロッテラー組)、No.100 RAYBRIG NSX(フィリップ/デュフォア組)の4台すべてのNSXに注目だろう。

コース的にはOKのZ。そしてスープラは…

3 Z  もてぎは「ストップ&ゴー」のレイアウトと言われる。直線を十分に加速し、きついコーナーで減速、クルッと回って、再度急加速……。これが多く続くコースがこう称される。このため、コーナリング性能、ブレーキ性能に優位があるマシンが、もてぎを得意とする。具体的に言えば、先に挙げたNSX。そしてフェアレディZも加えられるだろう。
 となれば、ハンデウエイトの軽いNo.3 G'ZOX・HASEMI・Z(金石年弘/コマス組)、No.12 カルソニックインパルZ(トレルイエ/井出有治組)などが勝負を掛けてきそうだ。そして、今回ウエイト70kgと多いNo.1 ザナヴィニスモZ(本山哲/ライアン組)は、シリーズタイトルを重視して、無理せず確実にポイントを獲るレースをしてくるだろう。

6 SUPRA  これに対し、スープラはマシン的にもてぎが苦手だ。しかし、前戦SUGOでは先行するZやNSX勢が自滅状態となり、きっちり走りきったNo.37 TOM'S SUPRA(片岡龍也/山本左近組)が優勝を飾っている。このように何があるかが分からないのがSUPER GTだ。いや、スープラを侮ってはいけない。05年型のスープラは、足回りがまったく新設計というウワサがあり、Zに負けないサスペンションを持つとも言う。この8月のインターバルにさらに熟成、改良された可能性もある。スープラのエース的存在でありながら、ここまで未勝利のNo.6 エッソウルトラフロースープラ(脇阪寿一/飯田章組)もこのもてぎで勝てないとタイトル争いから脱落しかねないだけに、こちらも必勝体制できそうだ。そして、もう1台気になるマシンが。もてぎを得意とするDUNLOPを履き、98年全日本F3チャンピオンで、ル・マンやDTMでベンツ・ワークスにも乗ったピーター・ダンブレックが加わったNo.35 イエローハットYMSスープラ(服部尚貴/ダンブレック組)も侮れない存在となりそうだ。
 そう、フタを開けるまで分からない。それがSUPER GT。第5戦もてぎのスタートが楽しみだ。

混戦のGT300。抜け出すチームはあるのか?

30 MRS  前戦SUGOでは、炎上事故の混乱でNo.0 EBBRO M-TEC NSX(黒澤治樹/細川慎弥組)が勝利を逃し、さらにはチームスタッフの不祥事でポイント剥奪というペナルティを受けてしまった。今季どんなレースでも優勝候補に挙げられるこのマシンのノーポイントによって、GT300クラスのタイトル争いは一気に混戦となった。
 現在のポイントリーダーは、シーズン前はノーマークと言って良かったNo.30 RECKLESS MR-S(佐々木孝太/山野哲也組)だ。そして、前戦SUGO優勝のNo.31 吉兆宝山MR-S(田中実/中嶋一貴組)がこれに続く。この2台はハンデウエイトがきついだけに、ここはいかにポイント稼げるかが大事なレースになるだろう。

0 NSX  そして、NSXの最大のライバルとなると言われたNo.43 ARTA Garaiya(新田守男/高木真一組)も前戦の10位でランキング3番手に後退。だが、昨年優勝したこのもてぎで再度ランキングトップを奪い返し、シリーズ後半戦を優位に戦いたいところだ。そして、当然No.0 EBBRO M-TEC NSXも前戦の汚名を晴らすためにも、ホームコースもてぎで快勝したいところ。ただ、さすがにハンデウエイト95kg(ペナルティはポイント剥奪だけで、ハンデは2位分20kgを搭載)はきつそうだ。それでも勝ちに出るか、それとも最終戦まで見越した戦略を取るか。チームの決断にも注目だろう。
 加えて、このコースを得意とするNo.19 ウェッズスポーツセリカ(加藤寛規/谷口信輝組)も注目したい1台に挙げておこう。
 そして、このレースもう1台気になるマシンがある。それは、なんとM-TECの耐久用4.5リッターエンジン「MF408S」を搭載するNo.11 JIM GANER FERRARI DUNLP(田中哲也/モンティン組)だ。諸般の事情から特認車両として認められたこのコンビネーション。果たして、吉と出るか凶なのか? まさに見逃せないマシンであることは間違いない。

ツインリンクもてぎへのアクセス

 ツインリンクもてぎへは、常磐自動車道の水戸ICまたは那珂ICから約20分。東北自動車道なら鹿沼ICから約90分、宇都宮ICから約80分。電車なら、JR宇都宮駅からバスで約90分。決勝日はJR水戸駅からもツインリンクもてぎ行きのバスが出る(所要時間90分)。