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2005 AUTOBACS SUPER GT Round6
FUJI GT 300km RACE
9.24 25 / FUJI SPEEDWAY

PREVIEW

2005-08-30

2005 第6戦 プレビュー

高速決戦 第2章

この一戦でタイトル候補が決まる!

駆け引き無用! こんどは300kmの勝負だ!!

富士での第2回戦


Fuji Speedway
 9月24、25日に静岡県・富士スピードウェイで行われる2005 AUTOBACS SUPER GT第6戦「FUJI GT 300km RACE」。全国各地のサーキットで行われるSUPER GTだが、この富士だけが年2回の開催となる。前回の第2戦は大改装で新コースとなった初レースだけに、ほとんどのチーム。ドライバーが手探り状態で戦った。だが、1戦をこなしたことで、どのチームも新・富士のデータを収集し、今回は十分なセッティング、対策を期して乗り込んで来ることだろう。
 そして、全8戦の今シーズン。第6戦となれば、タイトル争いのサバイバルでも重要なレースになることは間違いない。それだけに前回の第2戦以上にシビアで、激烈な戦いになるはずだ。

コース的にはやはりスープラが有利か?

38 SURPA  第2戦の戦いでは、スープラが予選、決勝を通じてライバルにアドバンテージを保ち、No.38 ZENTセルモスープラ(立川祐路/高木虎之介組)がポール・トゥ・フィニッシュの完勝で、新・富士のオープニングレースを飾った。
 新コースとなり、コース終盤はテクニカルなコーナーが連続するだけに、初レース前は旧コースの超高速コースとは大きく様変わりするという推測もあった。だが、テクニカルな後半が追加されたかわりに、前半セクションがより高速化され、トータルで考えるとやはり富士は"超高速"コースであることは変わりないようだ。それは、前記したとおり高速コースを得意とするスープラが強かったことでも明らかだ。
 したがって、今度の第6戦でもスープラ有利は確かだろう。前回優勝のNo.38 ZENTセルモスープラに加え、No.6 エッソウルトラフロースープラ(脇阪寿一/飯田章組)は優勝候補の筆頭だろう。特にこの2台は、タイトル争いで遅れを取っており、この1戦が剣が峰となる。立川、脇阪共にスープラの開発ドライバーでもあるだけに、最終戦を待たずにタイトル争いから脱落することはプライドに係わる事態。この2チームの必死度は他と違うだろう。他にも前戦から強力助っ人を加入させたNo.35 イエローハットYMSスープラ(服部尚貴/P.ダンブレック組)や97年以来のタイトルを目指すTOMSのNo.36 OPEN INTERFACE TOM'S SUPRA(土屋武士/J.コートニー組)& No.37(片岡龍也/山本左近組)も注目に値するだろう。

NSXとZも今度は十分戦えるか?

8 NSX  スープラが強い印象の富士だが、第2戦でも予選ではNo.22 モチュールピットワークZ(M.クルム/柳田真孝組)とNo.8 ARTA NSX(伊藤大輔/R.ファーマン組)が3、4位になり、モチュールピットワークZは決勝でも2位に食い込んでいる。つまり、きっちりセッティングが決まれば、どちらも決してスープラに劣るものではない。前回は新・富士初レースだけに2台体制のチームはセットを分けて当たり外れが出た感があった。だが、今度はしっかりと決めてくるはず。
 そして、ご存じの通り、NSXは第3戦よりNA(自然吸気)エンジンを導入したこととマシンの熟成が進んだことで、第2戦時とはまったく別なマシンになったと言いたくなるような戦闘力のアップを見せている。少排気量NAだけにストレートでは、厳しさがあるかもしれないが、本来高速コーナーが大得意のNSXだけにストレート以外ではすべてに"速さ"を見せてくれるかもしれない。No.8 ARTA NSXとウエイトハンデのないNo.32 EPSON NSX(松田次生/A.ロッテラー組)に注目だ。
22 Z  そしてフェアレディZも、今回は新型空力パーツを投入すると言われている。もちろん、エンジンも高速仕様となるだろう。第2戦も好調だったNo.22 モチュールピットワークZやノーウエイトのNo.3 G'ZOX・HASEMI・Z(金石年弘/E.コマス組)がめいっぱい来そう。一方で、60kgとややウエイトの重いNo.1 ザナヴィニスモZ(本山哲/R.ライアン組)は、タイトルに狙いを絞り、勝ちよりも確実にポイントを挙げる作戦に出てくることもあり得るだろう。
 今季は富士2戦にスポット参戦するNo.20 Tajimax McLaren F1-GTR(田嶋栄一/一ツ山幹雄組)。チームでは今季限りでマクラーレンF1GTRでのSUPER GT参戦は終了と言っているため、このレースがこのマクラーレンのラストランになる。1990年代中盤には世界のGTレースで勝利し、1996年にはJGTCを制したマシンを見るのはひょっとしたこれが最後になるかもしれない。

GT300もタイトル争いが佳境に

43 Garaiya  GT300クラスは、早くもタイトル争いも考えた戦いになりそうだ。ランキングトップのNo.43 ARTA Garaiya(新田守男/高木真一組)、同2、3番手のNo.30 RECKLESS MR-S(佐々木孝太/山野哲也組)とNo.31 吉兆宝山MR-S(田中実/中嶋一貴組)は、ウエイトハンデも重く、さらにどちらの車種もテクニカルコースを得意とするだけに、今回のレースでは、無理に表彰台を狙うより、ポイントを重視してくるだろう。
0 NSX  一方で、タイトル争いで遅れを取っているNo.0 EBBRO M-TEC NSX(黒澤治樹/細川慎弥組)は80kgのウエイトがあるが、そんなことも言っていられない。第2戦のような圧勝は無理でも、なんとか勝利が欲しいところだろう。そして、勝ちに出るか守りに出るか微妙なのがNo.13 エンドレスアドバンZ(木下みつひろ/影山正美組)。ウエイトも40kgで残り2戦を考えると増やしたくはないし、かといってランキングトップになって有利なポジションで残り2戦を迎えたい。チームの選択が気になるところだ。
 この他、車種的に富士に合っているのが、Vemac勢だろう。No.27 direxiv ADVAN 320R(宮川やすお/密山祥吾組)やNo.2 Privée Zurich アップル RD320R(高橋一穂/渡辺明組)、No.62 WILLCOM ADVAN VEMAC350R(柴原眞介/植松忠雄組)あたりが予選からがんばってきそう。この他にも富士初登場のNo.87 JLOCムルシェRG-1(M.アピチェラ/WADA-Q組)やMF408Sを搭載するNo.11 JIM GAINER FERRARI DUNLOP(田中哲也/P.モンティン組)もおもしろい存在になりそうだ。

23日の練習走行日も観戦可能

 富士のすそ野にある富士スピードウェイは、東京から東名高速で1時間半ほど。東名・御殿場インターで箱根方面に出て、以後は案内看板に沿っていけば20分ほどで着く。電車ならJR御殿場線の御殿場駅下車。御殿場駅までは新宿駅からハイウェイバスもある。レース開催日は御殿場駅から臨時バスが運行。運行時間に関しては、富士スピードウェイのホームページを参考に。サーキット周辺は行楽地も多く、特に決勝の日曜日は混雑が予想されるので、余裕を持ったスケジュールを立てることをお薦めする。
 また、第6戦の練習走行日の23日は祝日。お休みの方は思い切って練習走行日の観戦もしてみてはいかがだろうか? 練習走行の雰囲気は予選や決勝とは違うので一見の価値はある。練習走行日は通常のサーキット入場料だけで見られるので損はないはずだ。