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2005 AUTOBACS SUPER GT Round7
SUPER GT in KYUSHU 300km
10.15 16 / AUTOPOLIS

PREVIEW

2005-10-11

2005 第7戦 プレビュー

阿蘇の地は、タイトルへの天王山!

頂点を目指す最大関門、オートポリス戦迫る

九州唯一のSUPER GTを見逃すな!

ラスト2戦! 勝負のレースに


Autopolis
 10月15、16日に大分県・オートポリスで開催される2005 AUTOBACS SUPER GT第7戦「SUPER GT in KYUSYU 300km」。今シーズンはこのレースを入れても残り2戦。いよいよタイトル争いは佳境になってきた。このレースの結果次第では、最終戦にタイトルの権利がなくなるチームもありうる。まさに今季の天王山となる一戦といえるだろう。

高地であるが、どの車種にもチャンスはある!

36, 38 SURPA  オートポリスは阿蘇山麓の中腹にあるサーキットで、日本の国際級サーキットではもっとも高地にある。このため、SUPER GTではこのオートポリスと富士ではNA(自然吸気)エンジンのためにエア・リストリクター(戦闘力均衡のためのパワー制限)を1段階緩和するハンデもあるくらいだ。だが、最近はNAエンジンの性能も上がり、今季2戦行われた富士では逆にNA車が有利になった感もある。
 そう考えると同じ高地のオートポリスでも同様のことが起こりそうだが、ところがコースのレイアウトや富士以上に高い標高のため、そのハンデが有利に傾くことは少ないと言われている。昨年もNA大排気量のスープラとターボのフェアレディZが互角に戦っている。今季は、これにNAエンジンとなり戦闘力も向上したNSXも絡み、三つどもえの戦いになるだろう。

タイトルの行方を左右する一戦に

1 Z  昨年は、80kgものウエイトハンデを背負ったNo.1 ザナヴィニスモZが優勝し、エッソウルトラフロースープラを逆転してランキング・トップとなった。そして、最終戦鈴鹿はGT500リミットの120kgに苦しみながらも、その勢い、精神的優位を維持してタイトルを獲得している。このように第7戦オートポリスは最終戦を前にして、非常に重要な戦いであると言えよう。
 今年、ランキング・トップでオートポリスを迎えるのはNo.36 OPEN INTERFACE TOM'S SUPRA(土屋武士/J.コートニー組)だ。土屋組は優勝こそないが、安定した土屋と若くスピードに秀でたコートニーとのコンビでこのポジションにいる。ここで優勝すればタイトルに王手、いやライバルが総崩れになればタイトル決定ということも有りうるのだ。それ故に、攻めに出るか、それとも最終戦を考えて慎重にいくのか。彼らのチーム戦略に注目だ。
8 NSX  そして、土屋組を追うのは、今季2勝のNo.38 ZENTセルモスープラ(立川祐路/高木虎之介組)、No.1 ザナヴィニスモZ(本山哲/R.ライアン組)だ。立川組は前戦富士で優勝し、一躍ランキング2番手となったが、その分ハンデは60kgとなってしまった。これをどうクリアしてレースに臨むかが焦点だろう。また、本山組は昨年の再現のごとく、ここで2勝目を挙げ、最終戦を優位な立場で迎えることが理想だ。こういった青写真がどこまで実現できるか楽しみである。
 この2台の背後にもほとんどポイント差がなく、5チームがつけている。トップ土屋組とは12〜15ポイントと、このオートポリスで優勝、上位入賞を果たせば俄然タイトルに近づくことになる。彼らはウエイトとかポイントとかではなく、まさに勝負に出る一戦となり、それがレースに波乱を呼ぶ引き金にもなるだろう。もちろん、他のチームにしても今季の結果を求めて、一発狙ってくる戦いになる。

大混戦のGT300は、早くも駆け引きとなる?

0 NSX  GT300クラスでは、第6戦富士で2勝目を挙げたNo.0 EBBRO M-TEC NSX(黒澤治樹/細川慎弥組)が、ついにランキング・トップのNo.30 RECKLESS MR-S(佐々木孝太/山野哲也組)に並んで、同点トップとなった。見かけ上は同点ではあるが、もし最後まで同点ならルールでは優勝数が多い方が上位となるため、実質は黒澤組がトップとも言える。しかし、黒澤組はGT300リミットの100kgのハンデを背負っており、どちらが有利とも言いにくい微妙な状況である。
 こうなるとこの一戦だけでなく、最終戦鈴鹿も含めた戦略を練らないとならない。特に未勝利の佐々木組は、勝利を狙うか、ハンデを避け高ポイントを狙うか、厳しい舵取りを強いられそうだ。一方、黒澤組はこうなればイケイケという考え方も採れる。実際、昨年は80kgを背負って鈴鹿で優勝し、ARTA Garaiyaをわずか1ポイント差で退け、チャンピオンを手にしている。今年もその再現といくか、それとも別の作戦に出るのか、そこに注目だ。
30 MR-S  もちろん、この2台以外にもNo.13 エンドレスアドバンZ(木下みつひろ/影山正美組)、No.43 ARTA Garaiya(新田守男/高木真一組)も十分に逆転タイトルの目はある。ただ、そのためにはランキング上位につける黒澤組、佐々木組の前を走るのが最低限の仕事になる。ドライバーの実力もチーム力も十分なこの2台にはそれが十分可能だ。特に新田組は昨年の最終戦で涙を呑んだ悔しい記憶が大きなバネになるはずだ。他にもNo.31 吉兆宝山MR-S(田中実/中嶋一貴組)、No.46 Dream Cube's ADVAN Z(星野一樹/青木孝行組)も十分チャンスがあるだけに、ここでの勝負が見物だろう。さらに、タイトルは難しくなったが昨年の優勝者であるNo.7 雨宮アスパラドリンクRX7(山路慎一/井入宏之組)や欧州のGP2ドライバーとなった吉本大樹がスポット参戦するNo.26 direxiv ADVAN 320R、オートポリスは相性の良いNo.10 JIM GAINER FERRARI DUNLOP(田中哲也/P.モンティン組)なども優勝候補であり、彼らの活躍がタイトル争いにも影響しそうだ。

 両クラスともタイトルを争うサバイバルとなるこのレース、SUPER GTファンなら見逃してはならないだろう。