11月4日、今季のAUTOBACS SUPER GT最終戦となる第8戦「SUZUKA GT 300km」の前日練習走行が、鈴鹿サーキットで行われた。午前は1時間30分の、午後は1時間45分の走行が行われた。
SESSION 1 晴、気温18度/路面温度21度、ドライ
練習走行1回目は9時30分から11時までの90分間。さわやかな秋晴れに恵まれ、好コンディションでの走行となった。開始時点での気温は18度、路面温度は21度。終了時には気温23度、路面温度26度まで上昇した。
いよいよ迎えた今シーズンの総決算。チャンピオンがかかったチームはもちろん、すべての参加者がいつも以上に高いモチベーションで臨んでいる。パドックには朝から緊張した雰囲気がみなぎっていた。そのなかで、早めにトップタイムをマークしたのがNo.6 エッソウルトラフロー スープラ。コースインからわずか5周で1分55秒647を出してみせる。今シーズンは思わぬマシン不調に泣かされてきたが、前戦でそれも解消。「最終戦は暴れますよ」という脇阪寿一のコメントどおり、本来の実力を発揮してきそうだ。これにつづく2番手、1分55秒975というタイムを出したのはNo.1 ザナヴィ ニスモZ。タイトル連覇のためには優勝が絶対条件となるだけに、相当に力が入っていることはまちがいない。3番手はNo.8 ARTA NSXで、1分56秒045。現在ランキングトップ、もっともタイトルに近い位置にいるが、ウエイトハンデは90kgと重い。このセッションでの3番手タイムが、ウエイトの重さを克服できたことを意味するのか。予選、決勝での動きが注目される。以下、10番手までは1分56秒台。ランキング2位のNo.36 DYNACITY TOM'S SUPRAは9番手、4位のNo.38 ZENTセルモスープラは5番手につける。ところが、ランキング3位のNo.22 モチュールピットワークZは1分58秒545というタイムで16番手。「満タンだったので」ということだが、逆転タイトルに向けて、なにか秘策を考えているのだろうか。
GT300クラスでは、終盤に2分05秒074を出したNo.2 Privee ZurichアップルRD320Rが最上位。その後ろにはミシュランタイヤ勢がNo.31 吉兆宝山MR-S、No.43 ARTA Garaiya、No.30 RECKLESS MR-Sの順に並び、ここまでが2分05秒台。No.30、No.43とタイトルを争うNo.0 EBBRO M-TEC NSXは2分06秒356というタイムで6番手に留まっている。また、No.30 RECKLESS MR-Sは開始から1時間あまり過ぎたとき、S字コーナーでコースアウト。グラベルにストップして赤旗中断の原因を作ってしまう。さいわいダメージはなくピットに戻ることができた。
SESSION 2 晴、気温24度/路面温度27度、ドライ
練習走行2回目は14時15分から。上空は1回目と同じく晴れ渡っており、やや風はあるものの絶好のコンディション。気温24度、路面温度27度での走行開始となった。
開始から10分足らずの14時24分ころ、シケインでNo.5 プロμMACH5 B-1 320R TEAM KYUSHUがスピンアウト。コース上にスポンジバリアとリアカウルの破片をまき散らしてしまったため中断となる。片付けに10分あまりを要して再開。ところが、それからまた5分ほど経ったとき、今度は最終コーナー立ち上がりでNo.10 MACH-GO FERRARI DUNLOPがコースアウト。やはりスポンジバリアとともにコース上にストップし、再度中断される。このとき、No.2 Privee ZurichアップルRD320Rが赤旗が見えなかったのかコース上のスポンジに突っ込みひやりとさせたが、さいわい軽い接触だけで事なきを得た。
約15分間の中断後、14時57分に走行再開。各チーム、本番を見据えた走行を重ねていく。1回目に予選シミュレーションを済ませたチームは決勝を想定して燃料を満タンにしてのテスト。GT500クラスでは、ほとんどのチームが1分56秒台から57秒台で走行を重ねていく。決勝でのラップタイムはこのあたりが目安となるのだろうか。
15時35分から、15分間のGT300専有の時間帯に入る。ここまでは2分05秒784というタイムを出していたNo.19 ウェッズスポーツセリカがこのセッションでのトップだったが、ここでタイムアタックを仕掛けたのがこのレースで勝たなければタイトルの可能性がなくなるNo.0 EBBRO M-TEC NSX。2分05秒214というタイムでトップを奪う。1回目にトップだったNo.2 Privee ZurichアップルRD320Rもこれを見てアタック。2分05秒512と、自身の1回目のタイムにはおよばなかったが、このセッションの2番手に。けっきょく、1回目との通算ではNo.2がクラストップ。No.0が2番手となった。シリーズランキングトップの2分05秒894というタイムでクラス7番手。ランキング2位のNo.43 ARTA Garaiyaは2分05秒887で6番手となっている。
15時50分からの15分間はGT500専有。まずタイムアタックにいったのはNo.32 EPSON NSXで、1分55秒107を出してトップに立つ。これにNo.3 G'ZOX・HASEMI・Zがつづき、1分55秒261で2番手に。その後、No.1ザナヴィ ニスモZ、No.18 TAKATA童夢NSX、No.38 ZENTセルモスープラの順にタイムアタック。いずれも1分54秒台をマークし、No.32、No.3を上回る。このなかで、最後に1分54秒815を出したNo.18がトップ。No.1が2番手、No.38が3番手、No.8が4番手という順になった。タイトルの可能性を残す5台のうち、No.1、No.38、No.8はここに入ってきたが、No.36 OPEN INTERFACE TOM'S SUPRAは11番手、No.22 モチュールピットワークZは13番手。決勝をにらんでのセッティングに専念しているのか、予選でサプライズがあるのか。本番に向けて、ますます予想がつけにくくなる結果となった。
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