2006 Round8 > Preview

2006 AUTOBACS SUPER GT Round8
SUPER GT in KYUSHU 300km
2006-10-14, 15 / AUTOPOLIS

Preview

2006-10-06

■第8戦 □練習走行
■公式予選
■決__
10月13日(金)
10月14日(土)
10月15日(日)
course ■オートポリス
_4.674km

■プレビュー

タイトルへのサバイバル!
今季最大の激戦が予想されるオートポリス
各チームの駆け引きに注目せよ!!

 全9戦と長いシーズンとなった2006年のオートバックスSUPER GTも、残すところ2戦となった。トーナメント戦でもリーグ戦でもタイトルを争うシリーズでは、最終戦よりそのひとつ前がおもしろいとよく言われる。レースのシリーズ戦でも、そこは同じ。タイトル争いをするチームもそれほど絞り込まれず、多くの可能性を秘めたレースはやる方にとっても、見る方にとっても緊張感溢れるものとなるだろう。
 その第8戦「SUPER GT in KYUSHU 300km」が、10月14、15日に大分県のオートポリスで行われる。オートポリスは、ダイナミックな中高速コーナーが多く、高低差も高いだけにチャレンジングなコースである。また、阿蘇山麓の中腹という高地にあるため気圧の関係でエンジンパワーが普段より落ちてしまう。このため、エンジン形式によるパワー差も少なくなる。また、レイアウトから言えば、ミドシップ車が有利なコースである。だが、過去の結果を見ても著しいアドバンテージがあるとは思えない。やはり、今回も接近した戦いが行われるだろう。


No.36 OPEN INTERFACE TOM'S SC430
 まずは、GT500クラスのタイトル争いから考えてみよう。残り2戦で最大獲得できるポイントは、47ポイント。したがって、現在ランキングトップの脇阪寿一/A.ロッテラー組(No.36 OPEN INTERFACE TOM'S SC430)から15番手の柳田真孝(No.24 WOODONE ADVAN KONDO Z)まで可能性はあるのだが、現実的にはトップから20ポイント差前後がリミットだろう。
 となると、9番手の服部尚貴/P.ダンブレック組(No.35 BANDAI DIREZZA SC430)まで8組が候補に挙がってくる。この中で、ポイント差のあるB.トレルイエ/星野一樹組(No.12 カルソニックインパルZ)や道上龍/小暮卓史組(No.18 TAKATA童夢NSX)、服部組は、ウエイトハンデも少ないだけにこのオートポリスで優勝しないと最終戦前に終わってしまうことになる。


No.100 RAYBRIG NSX
 一方、トップ5の脇阪組、S.フィリップ/細川慎弥組(No.100 RAYBRIG NSX)、立川祐路/高木虎之介組(No.1 ZENTセルモSC)、M.クルム(No.22 MOTUL AUTECH Z)、伊藤大輔/R.ファーマン組(No.8 ARTA NSX)は、ポイントの上でもウエイトハンデの面でも、事実上横一線と言っていいだろう。この4組にとっては、目先の勝利より、当面のライバルより前でゴールすること、リタイアしないことが一番大事なる。より有利な状態で、最終戦富士に挑もうとする駆け引きや決断に注目して欲しい。


No.22 MOTUL AUTECH Z
 また、タイトルは難しいが、日産のエースナンバーを背負うNo.23 XANAVI NISMO Z(本山哲/松田次生組)やオートポリスでの勝利経験のあるNo.66 triple aサードスープラ(A.クート/平中克幸組)や織戸学(No.25 ECLIPSE ADVANスープラ)は、プライドを賭けて勝利をねらってくるはず。こういったチームが勝つことで、タイトルの行方も左右されるだけに、レースのどこもかしこも目の離せない状況になりそうだ。



No.61 enable ADVAN VEMAC320R
 GT300クラスでタイトルの権利があるのは、トップの密山祥吾/谷口信輝組(No.61 アネブル ADVAN VEMAC320R)から7番手の影山正美/藤井誠暢組(No.13 エンドレスアドバンCCI Z)までの7組。密山組から20ポイント以上開けられている柴原眞介(No.62 WILLCOM ADVAN VEMAC408R)以下は、ここオートポリスでの勝利が必須になる。田中哲也/青木孝行組(No.11 JIM GAINER FERRARI DUNLOP)や影山組にとっては、勝つと最終戦でのウエイト増も気になるところだが、もはやそうも言っていられない状況だ。


No.7 Amemiya AsparaDrink RX7
 注目なのは、やはりトップの3組。密山組に10ポイント以上差を付けられている山野哲也/井入宏之組(No.7 雨宮アスパラドリンクRX7)と高橋一穂/加藤寛規組(No.2 プリヴェチューリッヒ・紫電)としては、ここで密山組に少しでも迫りたい。密山組にしてみれば、彼らの前で走ればOKという状況だけに、なによりリタイアだけが怖い状況だ。また、山野組にしてみれば、チームタイトルもこの一戦に掛かっている。現在、トップのdirexiv motorsportが第6戦を最後に撤退したため、彼らのポイントはもう増えない。9ポイントある差をここできっちりひっくり返せば、事実上の王手となるのだ。


 シリーズ終盤に向かい各チームの思惑が入り乱れる第8戦オートポリス。レースの勝ち負けだけでなく、ライバルとの駆け引きや最終戦まで見通した戦略など、より深いレース観戦をしてみてはいかがだろうか?