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2006 AUTOBACS SUPER GT Round8
SUPER GT in KYUSHU 300km
2006-10-14, 15 / AUTOPOLIS

Race

2006-10-15

■第8戦
■決___2006-10-15

□入場者数 : 51,200 人
□フリー走行
■決勝レース
09:00 - 09:30
14:00 Start
[65 Laps / 303.810 km]
course ■オートポリス
_4.674km

ラストラップの最終コーナーまで続いた激闘!!
猛追を振り切りXANAVI NISMO Zが今季初勝利!
ランキングトップを守るも悔しさの残るRAYBRIG NSX

10月15日、オートポリス(大分県)で2006 オートバックス SUPER GT第8戦「SUPER GT in KYUSHU 300km」の決勝が行われた。GT500はNo.23 XANAVI NISMO Z(本山哲/松田次生組)が今季初勝利を手にした。GT300はNo.2 プリヴェチューリッヒ・紫電(高橋一穂/加藤寛規組)が、念願のGT300初優勝を果たした。

Race 晴、気温22度/路面温度43度、ドライ

GT500クラス

 決勝レースは14時スタート。この週末はずっと好天に恵まれ続けたが、決勝も絶好の秋晴れの下でのレースとなった。開始時点での気温は22度。路面温度は陽射しに照らされて43度まで上昇した。

 オープニングラップでは、ポールスタートのNo.18 TAKATA童夢NSX(道上龍)が一気に4番手までポジションダウン。代わってNo.8 ARTA NSX(ラルフ・ファーマン)がトップ、No.23 XANAVI NISMO Z(松田次生)が2番手、No.100 RAYBRIG NSX(セバスチャン・フィリップ)が3番手という順番で1周目を終える。その後、No.8とNo.23の差は3秒ほどに開くが、8周目にNo.8にオレンジディスク旗が提示される。どうやら、スタート時にNo.23との接触があったようで、右リアフェンダーを破損。脱落のおそれがあるということで、オフィシャルにピットに戻っての修復を命じられたのだった。これでNo.23がトップ。その後方は5秒ほど差が開いてNo.100が2番手、そのテールにNo.18が食らいつくというトップ3になる。No.100とNo.18はその後、ときにタイヤをロックさせるほどの真剣勝負を繰り広げるが、26周目にNo.18がNo.100を攻略。2番手に上がる。
 その次の周、トップをいくNo.23がピットイン。松田から本山哲に交代するとともにタイヤ交換、燃料補給などを33秒弱で済ませてコースに戻る。No.100はもう1周後の28周目、No.18は31周目にピットイン。No.100は細川慎弥、No.18は小暮卓史に交代し、それぞれタイヤも4輪交換して、ともに30秒台の作業時間で復帰する。この2台ではNo.18が前で、No.100がその直後。No.18のさらに7秒ほど前方にはNo.23という位置関係になる。

 38周を終えてクラス全車のピット作業が終わったところでNo.23がトップに復帰。No.18はペースを上げてNo.23のすぐ後ろ、No.100もわずか数秒差のところまで迫っており、ここから3台での接近戦が繰り広げられることになる。48周目、周回遅れのNo.24 WOODONE ADVAN KONDO Z(荒聖治)がNo.23を前に行かせたあとNo.18の行く手をふさぐ格好になって接触。No.24はスピンを喫する。さいわいNo.18にダメージはなく、No.23との差も大きくは開かなかった。
 だが、残り5周を切ったところでNo.18のペースががっくりと鈍り、No.100の先行を許すことに。No.100はNo.23のテールに迫り、なんとかパスしようと隙をうかがうが、No.23は救済措置でリストリクターサイズが大きいのを利してストレートで突き放す。この攻防は最終ラップの最終コーナーまで繰り返されるが、ついにポジションは入れ替わることなくフィニッシュを迎えた。

 No.23 XANAVI NISMO Zは今季初優勝。2番手でフィニッシュしたNo.100 RAYBRIG NSXは、レース終了後にピット作業時の違反により30秒加算のペナルティが科され、3位に降着。3番手だったNo.18 TAKATA童夢NSXが2位に上がることになった。
 この結果、No.100のフィリップ/細川が79ポイントでドライバーランキングトップ。2位となったNo.18 道上龍/小暮卓史と、7位に入賞したNo.36 OPEN INTERFACE TOM'S SC430の脇阪寿一/アンドレ・ロッテラーが72ポイントで2位タイに並んだ。さらに、5位入賞のNo.1 ZENTセルモSC 立川祐路/高木虎之介、6位のNo.22 MOTUL AUTECH Z ミハエル・クルム、優勝したNo.23 XANAVI NISMO Z 本山哲/松田次生、11位に終わったNo.8 ARTA NSX 伊藤大輔/ラルフ・ファーマン、2回ピット作戦を採って終盤に4位まで順位を上げたNo.12 カルソニックインパルZ ブノワ・トレルイエ/星野一樹までの8組が、ドライバータイトルの権利を残すという大混戦状態で最終戦を迎えることになった。



GT300クラス

3組によるタイトル決戦は最終戦にもつれ込む
プリヴェチューリッヒ・紫電が歓喜のGT初勝利!
雨宮アスパラRX7は2位。密山/谷口組は痛恨のノーポイント

 GT300クラスは、オープニングラップでNo.101 TOY STORY Racing MR-S(新田守男)とNo.96 EBBRO BTEC MAZIORA 350R(黒澤琢弥)とが接触し、No.101は激しくクラッシュしてリタイア、No.96はドライブスルーペナルティという波乱の幕開けとなる。

 クラスポールのNo.2 プリヴェチューリッヒ・紫電は、これまでレースとドライバーの順番を替え、加藤寛規がスタートを担当。序盤からじりじりと後続を引き離し、42周を終え、1分30秒近いマージンを築いて後半担当の高橋一穂に引き継ぐ。高橋がコースに戻ったとき、そのマージンは30秒弱に減っていたが、高橋はタイヤが冷えている間もペースを乱さず、しっかりこれをキープ。その後も、2番手以下との差を保ちながら冷静な走りを続け、最終的に12秒差を保ったままトップでフィニッシュ。高橋一穂にとっても、加藤寛規にとっても、今季デビューの新型車 紫電にとっても、これがJGTC/SUPER GT初優勝となった。
 2位はNo.7 雨宮アスパラドリンクRX7(山野哲也>井入宏之)。予選2番手だったNo.96が後退した後、トップを快走するNo.2を追いかけたが、最後までその差を詰めることはできなかった。

 3位争いは、序盤はNo.46 吉兆宝山DIREZZA Z(佐々木孝太)がリード。しかしルーティンのピットインで最後尾まで下がってしまったうえに、番場琢がドライブした後半、No.13 エンドレスアドバンCCI Z(影山正美>藤井誠暢)と接触。再度のピットインを余儀なくされ、大きく後退してしまった。さらに、No.61 アネブルADVAN VEMAC320R(谷口信輝>密山祥吾)もこの接触に巻き込まれてコースサイドにストップ。完走扱いとはなったが、ポイント圏外に終わってしまった。
 こうした争いをよそに、予選7番手だったNo.11 JIM CENTER FERRARI DUNLOP(田中哲也>青木孝行)と、11番手スタートのNo.55 DHG ADVAN FORD GT(光貞秀俊>池田大祐)は着実にポジションアップ。いったんはN.55 池田のスピンでNo.11が3位を手に入れたかと思われたが、55周目にガス欠症状が出て緊急ピットイン。燃料補給をして出て行くがけっきょくピットロード出口でストップしてしまい、No.55が再逆転。3位初表彰台をゲットした。
 この結果、ドライバーランキングはNo.2 高橋一穂/加藤寛規が86ポイントでトップ。No.7 山野哲也/井入宏之が81ポイント、No.61 密山祥吾/谷口信輝が75ポイントで続き、チャンピオンの可能性はこの3組に絞られた。