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2007 AUTOBACS SUPER GT Round2

プレビュー

2007-04-03

Who's the victor of Cornering?
第2戦岡山がシリーズ序盤のヤマ場に!
ツイスティなコースを攻略するのは誰!?

 4月7、8日、岡山国際サーキット(岡山県)で2007 AUTOBACS SUPER GT第2戦「OKAYAMA GT 300km RACE」が開催される。
 3月に行われた開幕戦鈴鹿でのGT500クラスは、予選まで他を圧倒していたNSX勢が、決勝でまさかのトラブル。No.38 ZENT CERUMO SC430(立川祐路/高木虎之介)が優勝、No.23 XANAVI NISMO Z(本山哲/リチャード・ライアン)が2位と、まったく予想外の結果に。3位にはなんとかNo.32 EPSON NSX(ロイック・デュバル/ファビオ・カルボーン)が滑り込み、3メーカーが表彰台を分け合った。この第2戦では、NSX勢が当然ながら巻き返しを狙ってくるはず。迎え撃つSC430勢、フェアレディZ勢との真っ向勝負が期待できる。GT300クラスにも注目マシンが登場。開幕戦以上の混戦が予想される。


GT500 Class
コーナリング性能が問われるテクニカルコース

 第2戦の舞台となる岡山国際サーキットは1周の距離が短く、コーナーが連続するテクニカルなコース。コーナリングを得意とするNSX勢にとって、巻き返しを狙う絶好の舞台となる。だが、対するSC430勢、フェアレディZ勢も今季から前後オーバーハングを延長できるようになり、ダウンフォースが増大。コーナリングスピードが上がっている。果たして実戦ではどのマシンが速さをみせるのか。開幕前の非公式テストではNSX勢が好タイムをマークしていたが、これが実戦に直結するかどうかは未知数だ。

必勝を期して臨むNSX勢


No.8 ARTA NSX
 開幕戦では、No.8 ARTA NSX(伊藤大輔/ラルフ・ファーマン)、No.18 TAKATA童夢NSX(道上龍/小暮卓史)、No.100 RAYBRIG NSX(ドミニク・シュワガー/細川慎弥)の3台が一時トップ3を独占しながら、いずれもフィニッシュラインを越えられなかった。ことにトップを独走しながら最後の1周で涙を飲んだNo.8にとっては、ここは絶対に負けられない戦いとなる。もちろん昨年のウィナー No.18もこれに並ぶ優勝候補の最右翼。この2チームにとっては、開幕戦で見舞われたマシントラブル対策がどこまでできているかが鍵となるだろう。No.100も、昨年2位に入っているだけに、さらに上位を狙いたいところ。No.32は第1戦の結果によるウエイトが気になるが、No.17 REAL NSX(金石勝智/金石年弘)を含めて、侮り難い実力を備えていることは間違いない。

開幕2連勝を目論むSC430勢


No.1 宝山TOM'S SC430
 開幕戦でのSC430勢は、NSX勢のトラブルに助けられる形でNo.38が優勝を果たした。だが、これも最後まで勝ちを狙えるポジションにつけていたからこそ。第2戦でも、どんな状況であろうと最後まで優勝をあきらめない戦いをみせてくれるに違いない。
 ことに、やや不本意な結果に終わったNo.1 宝山TOM'S SC430(脇阪寿一/アンドレ・ロッテラー)は、ディフェンディングチャンピオンの意地にかけても上位を狙ってくるはず。彼らにとっては、第1戦の結果により性能引き上げ措置を受けた状態で戦える点が追い風となる。性能引き上げ措置は、このほかNo.25 ECLIPSE ADVAN SC430(土屋武士/織戸学)とNo.35 BANDAI DUNLOP SC430(服部尚貴/ピーター・ダンブレック)も受けている。この3チームのうちでアドバンテージをうまく生かしたところが上位に入ってくるだろう。なお、引き上げの数値は今季から若干変更されている。
 また、開幕戦5位のNo.6 Forum Eng.SC430(片岡龍也/ビヨン・ビルドハイム)、無念のリタイアに終わったNo.39 デンソーサードSC430(アンドレ・クート/平中克幸)も上位を狙ってくるだろう。

優勝争いにからむかフェアレディZ勢


No.22 MOTUL AUTECH Z
 フェアレディZ勢では、4.5リッター自然吸気エンジンを搭載した07年型マシン、No.23とNo.22 MOTUL AUTECH Z(ミハエル・クルム/松田次生)の2台が優勝争いにからんで来そう。ことにウエイトハンデがないNo.22は開幕戦5位以上の成績が期待できる。
 また、ターボエンジンのNo.3 Yellow Hat YMSモバHO! TOMICA Z(セバスチャン・フィリップ/柳田真孝)、No.12 カルソニックインパルZ(ブノワ・トレルイエ/星野一樹)、No.24 WOODONE ADVAN Clarion Z(ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ/荒聖治)の3台も、第3戦からは自然吸気にスイッチすると予想されているだけに、ターボZでの有終の美を狙ってくるだろう。


GT300 Class
ニューマシンの登場もあるGT300クラス

 GT300クラスでは、No.13 エンドレスアドバン洗剤革命Z(影山正美/藤井誠暢)が開幕戦優勝。今回はウエイトハンデが重くなるが、一昨年のこのレースで勝っていることもあり、単なる“ウエイト降ろし”のレースにはしないはず。持てる戦力の中でベストを尽くす戦いを見せてくれるだろう。


No.2 プリヴェKENZOアセット・紫電
 コースとの相性でいうと、No.2 プリヴェKENZOアセット・紫電(高橋一穂/加藤寛規)、No.101 TOY STORY Racing apr MR-S(大嶋和也/石浦宏明)などミッドシップマシンにアドバンテージがありそう。ただ、この2台は開幕戦で表彰台に上っており、No.13と同様ウエイトハンデの克服が課題となる。この点では、開幕戦5位のNo.62 WILLCOM ADVAN VEMAC408R(柴原眞介/黒澤治樹)を筆頭とするヴィーマック勢のほうが優位かもしれない。
 一方、開幕戦で予選上位につけながら入賞を逃したNo.43 ARTA Garaiya(新田守男/高木真一)やNo.46 宝山DUNLOP Z(佐々木孝太/横溝直輝)は、今回に雪辱を期している。また、昨年ここでのレースに出走できなかったNo.7 RE雨宮RX-7(井入宏之/折目遼)も今回にかける思いは強いはず。RX-7はコースとの相性もよく、ディフェンディングチャンピオンの快走が見られる可能性は高い。

No.88アクティオ ムルシェRG-1
 さらに、開幕戦4位のNo.88アクティオ ムルシェRG-1(マルコ・アピチェラ/山西康司)をはじめとするランボルギーニ勢にも注目。開幕戦では決勝に出走できなかった2台のトリプルAガイヤルドRG-3(No.66 古谷直広/栗原宗之、No.67 黒澤翼/和田久)も、今回こそその雄姿を見せてくれるはずだ。
 もう1台注目したいマシンがNo.33 HANKOOK NSC PORSCHE(木下みつひろ/坂本祐也)。ポルシェ911シリーズでも最新のタイプ997をベースとしているのだ。昨年、デビュー年ながら予想以上のパフォーマンスをみせたハンコックタイヤとのマッチングでどんな走りを見せてくれるのか、おおいに楽しみだ。

 ここに挙げたマシン以外にも、上位を狙えそうなマシン、チームはまだまだある。果たして岡山で栄冠をつかむのはどこか。GT500クラス以上に予想がつけにくいのがこのクラスなのだ。