2007 AUTOBACS SUPER GT第3戦「FUJI GT 500km RACE」を直前に控えた5月2日、富士スピードウェイ(静岡県)で午前と午後の2回、公式練習走行が行われた。


□練習走行 1回目|天候:曇|コース:ウエット>ドライ | 気温17度 | 路面温度23度

 練習走行1回目は9時から。前夜降っていた雨は早朝に上がったものの、上空には厚く雲が残り、路面はまだ濡れた状態で始まった。各チーム、まずはウエット用のタイヤで走行をスタート。1時間ほど過ぎたところで徐々にドライ用タイヤに履き替えていった。開始時点での気温は17度、路面温度は23度。

 GT500クラスで、序盤から意欲的にタイムを出しにいったのはフェアレディZ勢。一時はNo.23 XANAVI NISMO Zを筆頭に、リーダーボードのトップ5を独占してみせる。今回から全車がNAエンジンになり、第2戦までターボで下位に低迷していたNo.3 YellowHat YMSモバHO! TOMICA Z、No.12 カルソニックインパルZ、No.24 WOODONE ADVAN Clarion Zの3チームも上位進出を狙っているようだ。
 セッション終盤になって他陣営もタイムアップ。No.18 TAKATA童夢NSX(小暮卓史)が出した1分34秒611がここでのベストとなった。2番手はNo.100 RAYBRIG NSX(ドミニク・シュワガー)で1分35秒216。No.23を間に挟み、No.8 ARTA NSX(伊藤大輔)も4番手につづき、開幕からここまで他を圧倒してきたNSX勢の速さには、富士でも陰りは見られない。
 一方、富士を得意とするはずのSC430勢では、No.1 宝山TOM'S SC430(アンドレ・ロッテラー)の1分35秒480、5番手がベスト。あるいは、これはまだ本気を出していない、俗に言う“三味線を弾いている"状態なのかもしれない。全体のタイムも、昨年のポールタイムが1分33秒台だったところかから類推するとまだまだ伸びそう。路面も、乾いたとはいえ、まだタイムを出しやすい状態ではなかったようだ。

 GT300クラスではNo.88 アクティオムルシェRG-1(マルコ・アピチェラ)の1分43秒039が最速。直線速度の速さをラップタイムに結び付けているようだ。2番手以下、上位にはNo.2 プリヴェKENZOアセット・紫電、No.13 エンドレスアドバン洗剤革命Z、No.43 ARTA Garaiyaなど、第2戦まで上位をにぎわせていたクルマが並んだ。



No.62 WILLCOM ADVAN VEMAC408R

□練習走行 2回目|天候:曇|コース:ドライ | 気温22度 | 路面温度32度

 2回目は14時開始予定だったが、やや遅れて始まった。上空の雲は1回目のセッションが終わった後に徐々に切れていき、2回目の開始時点では青空に。路面は完全なドライとなった。1回目には強めに吹いていた風もやや弱まり、気温22度、路面温度32度と、1回目よりかなり高めの温度で走行が開始された。この温度は、終了時には気温21度、路面温度27度と、やや下がった。

 このセッション、GT500クラスで早めにタイムを出しにいったのはNo.17 REAL NSX(金石年弘)で、まずは1分35秒台前半でトップに立つ。30分くらい経ったところでNo.38 ZENT CERUMO SC430(立川祐路)が1分34秒987と、このセッションではじめて1分35秒を切り、トップを奪う。その後、コース上に落下物があり赤旗中断。すぐに再開されたが、それから20分余りでGT300クラスのNo.47 宝山DUNLOP Z(密山祥吾)とNo.111 KUMHO GREEN-TEC BOXSTER-GT(滑川健)がネッツコーナーで激しく接触。双方とも走行不能となりふたたび赤旗が提示される。アウトラップでタイヤが温まっていなかったNo.111がスピン。直後に迫っていたNo.47がこれを避けきれず接触したようだ。さいわい、ドライバーは2人とも大きなケガはなかった。

 2台の回収作業終了後、15時45分から走行再開。タイムスケジュールは変更になり、そこから10分間がGT300クラス専有、15時55分から最後の10分間はGT500クラス専有となった。GT300クラスでは、この前に1分42秒924をマークしていたNo.62 WILLCOM ADVAN VEMAC408R(柴原眞介)がトップタイム。専有時間帯にタイムアップしたNo.88 アクティオムルシェRG-1(マルコ・アピチェラ)も1分42秒台に入れ、No.2 プリヴェKENZOアセット・紫電(加藤寛規)以下、8番手までが1分43秒台でつづくという状況でセッションを終えた。なお、今回、新車を投入するとともにタイヤをクムホにスイッチしたNo.110 GREENTEC KUMHO MAZIORA BOXSTERは、この日がシェイクダウン。1回目のセッションではタイムは最下位ながら走行したものの、2回目には走行できなかった。

 GT500クラスでは、専有時間の終盤にタイムアタックをかけたNo.18 TAKATA童夢NSX(小暮卓史)の1分34秒610がベスト。No.1 宝山TOM'S SC430(アンドレ・ロッテラー)が1分34秒630という僅差で2番手につづいた。3番手は1分34秒742でNo.23 XANAVI NISMO Z(本山哲)。11番手のNo.100 RAYBRIG NSXまでがトップから1秒以内に収まっており、予選ではこの順番が大きく入れ替わることも十分に考えられる。


Comments

小暮卓史/No.18 TAKATA童夢NSX(GT500クラストップタイム)
マシンの状態は悪くなかったので、タイムはぼちぼち出ました。富士でこの位置に来ることはなかなかないので、チャンスはチャンスだと思っています。でも、接戦なのでまだどうなるかわからないですね。明日はまたセッティングを見直して、もっとタイムを出せるようにしたいですね。ホントに細かいバランスだけなんですけど、コーナーによってまだフロント(のグリップ)が足りない部分もありますし、リヤが足りない部分もありますから。予選ではポールを獲れればいいなと思っています。
黒澤治樹/No.62 WILLCOM ADVAN VEMAC408R(GT300クラストップタイム)
午前中がウェットだったので(走行)時間が少なくなっちゃったんですけど、その中では限りなくセットアップできたし、柴原さんがいいセットも見つけてくれたし、これから力を合わせて、チームの総合力で予選・決勝と勝ちたいですね。周りはみんなまだ力を持っていると思うし、レースになってみないとわからないんですが、ボクらとしては、決勝セットも良くなっていることも確認していますし、不安はありません。