5月4日、富士スピードウェイ(静岡県)で2007 AUTOBACS SUPER GT第3戦「FUJI GT 500km RACE」の決勝レースが行われた。GT500は予選11位からNo.23 XANAVI NISMO Z(本山哲/リチャード・ライアン組)が大逆転の勝利。GT300はNo.43 ARTA Garaiya(新田守男/高木真一組)が優勝した。




決 勝 天候:晴 | コース:ドライ | 気温27度 | 路面温度39度

GT500 Class

 決勝レーススタートは14時。上空は晴れ渡っていたが、昼過ぎからかなり風が強まった。開始時点での気温は27度、路面温度は39度。


 フォーメーションラップのダンロップコーナーで、予選2番手だったNo.1 宝山TOM'S SC430(アンドレ・ロッテラー)がストップ。スタートすら切れずに優勝候補の一角が消えてしまう。だが、これはその後荒れに荒れたレースの、ほんのとば口にすぎなかった。
 序盤、ポールスタートのNo.18 TAKATA童夢NSX(小暮卓史)は順調に周回を重ねるが、その後方は大きく順位が入れ替わった。順位を上げたのはNo.12 カルソニックインパルZ(ブノワ・トレルイエ)とNo.38 ZENT CERUMO SC430(立川祐路)で、逆にポジションを落としたのはNo.8 ARTA NSX(ラルフ・ファーマン)とNo.17 REAL NSX(金石勝智)。10周を終えた時点でのトップ3はNo.18、No.12、No.38の順になる。


No.22 MOTUL AUTECH Z
 14周目、ダンロップコーナーでNo.24 WOODONE ADVAN Clarion Z(荒聖治)とGT300クラスのマシンが接触。No.24はスピンアウトしてクラッシュし、巻き込まれたNo.17 REAL NSX(金石勝智)ともどもその場でリタイアに追い込まれてしまう。
 トップ3のうち、No.12には20周を過ぎたあたりからブレーキに問題が発生。No.38の先行を許し、さらにその後左前タイヤがパンクして大きく遅れてしまった。これでトップ3はNo.18、No.38、No32 EPSON NSX(ロイック・デュバル)の順となる。その後、1回目のピットインが始まるとこの順位は入れ替わるが、全車が作業を終えたところでこの3台がトップ3に戻る。だが、その後方から快調なペースで追い上げてきたのがNo.22 MOTUL AUTECH Z(ミハエル・クルム>松田次生)だった。43周目にはNo.32、48周目にはNo.38(立川>高木虎之介)をパス。これで4位に下がったNo.32は、53周目のネッツコーナーで、スピンした周回遅れのマシンに接触され大破。ドライバーは無事だったが火災が発生したため、レースは赤旗で一時中断となる。ホームストレート上でクラス別の隊列を作り、1周のローリングの後、再スタート。直後の1コーナー、数台が横に並んで入っていった中でNo.38がスピン。大きくポジションを落とす。このできごとに関して、この時点でNo.35 BANDAI DUNLOP SC430(ピーター・ダンブレック)にペナルティの裁定が下り、これでトップNo.18(小暮>道上龍)に続くのはNo.22、No.23 XANAVI NISMO Z(本山哲>リチャード・ライアン)の順となる。


No.6 Forum Eng. SC430
 赤旗中断前までに20秒以上のマージンを築き、中断でそのマージンがなくなった後も順調に周回を重ねていたNo.18のペースが乱れ始めたのは67周あたりから。ストレートスピードがまったく伸びなくなり、ラップタイムはGT300並みにまで落ちてしまう。ミッションにトラブルが発生、このままではフィニッシュできないと判断したチームはいったんピットに入れ、10数分でミッション交換するという早業でレースに復帰させるが、優勝はおろか、上位入賞の望みも絶たれてしまった。
 これでトップに浮上したのはNo.22だが、その直後にピットイン。その次の周には直後につけていたNo.23がピットイン。同チームの2台での接近戦となるが、かろうじてNo.22松田の前でコースに復帰したNo.23本山がポジションを守り、No.23がトップ、No.22が2位となる。その後方には予選14番手から着実にポジションアップしてきたNo.6 Forum Eng.SC430(片岡龍也>ビヨン・ビルドハイム)が迫り、一時は3台が一列縦隊となるが、その後、この間隔もばらけ始め、膠着状態のまま終盤を迎える。
 波乱に継ぐ波乱、赤旗中断もあって3時間半に及んだ長丁場のレースも、残り10周では大きなドラマはなく、このままフィニッシュ。No.23 XANAVI NISMO Zが今季初優勝。2位はNo.22 MOTUL AUTECH Z、3位はNo.6 Forum Eng.SC430となった。予選では上位に並んだNSX勢だが、決勝が終わってみればNo.100 RAYBRIG NSX(ドミニク・シュワガー>細川慎弥)の5位が最上位に留まった。No.23の優勝は昨年の第8戦オートポリス以来。NISMOの1-2フィニッシュは、2001年第4戦富士以来となる。