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2007 AUTOBACS SUPER GT Round4

プレビュー

2007-06-15

ここで勝たないとタイトルはない?!
シリーズの鍵を握るマレーシア・ラウンド
ドライバーとマシンの耐久力も問う酷暑の戦い

 6月23、24日、セパン・インターナショナル・サーキット(マレーシア)で、AUTOBACS SUPER GT第4戦「SUPER GT International Series in MALAYSIA」が開催される。今年はマレーシア・日本国交修好50周年ということで、両国のクルマ&スポーツ文化を繋ぐ今大会は記念イベントにも選ばれた。例年以上に熱い視線を浴びる好レースになりそうだ。


シリーズ・タイトルの行方を占う一戦?


No.8 ARTA NSX
 SUPER GT参戦チームの究極の目標、それはやはりシリーズ・タイトルだ。今シリーズは全9戦で行われ、この第4戦は前半戦の締めに当たるレースと位置づけられる。
 というのもここ6年ほどを見てみると、開幕から第4戦までに1勝を挙げたチームがGT500のタイトルを獲得しているのだ。ウエイトハンデやポイント制という点からもシリーズ前半に勝つことが大事だというSUPER GTの特徴がかいま見える。ここまで勝利を逃してきたチームにとっては、極めて大事な戦いとなるわけだ。


フラットで中高速の多いセパンが得意なのは?


No.12 カルソニックインパルZ
 舞台となるセパン・サーキットのレイアウトは中高速コーナーが多く、起伏が少なくフラットであること。このため、コーナリング性能の高いマシンが有利だと考えられる。
 昨年、一昨年もNSXとZが優勝を争っていることからも、この2車種を擁するチームから本命を選ぶのが順当であろう。中でもウエイトハンデの少ないNo.18 TAKATA童夢NSX(道上龍/小暮卓史組)やNo.12 カルソニックインパルZ(B.トレルイエ/星野一樹組)あたりに注目したい。他には、富士でのアンラッキーなリタイアを払拭したいNo.32 EPSON NSX(L.デュバル/F.カルボーン組)と45kgのウエイトを積むものの昨年このレースを制し、今季好調のNo.8 ARTA NSX(伊藤大輔/R.ファーマン組)も気になる存在と言えよう。

No.1 宝山TOM'S SC430
 一方、SC430勢はセパンをあまり得意にはしていない。だが、今季型のSC430はコーナリング性能がかなり向上し、これまでほどNSXやZと差があるとは見えないだけに、勝つチャンスは十分あるだろう。特にタイトル連覇を狙うNo.1 宝山TOM'S SC430(脇阪寿一/A.ロッテラー組)は、ここまで未勝利なだけに、ここは必勝の構えで来るだろう。また、開幕戦勝者のNo.38 ZENT CERUMO SC430(立川祐路/高木虎之介組)も、ここで勝てばかなり有利にタイトル争いをリードできる。そして、ダークホースとして挙げたいのはNo.25 ECLIPSE ADVAN SC430(土屋武士/織戸学組)とNo.39 デンソーサードSC430(A.クート/平中克幸組)だ。共にノーウエイトで、No.25は救済を受けてストレートが速く、No.39は2004年にこのセパンを制した実績を持つ。レースが荒れれば、おもしろい存在なるだろう。


GT300はセパン得意のRX-7か、それとも?


No.7 RE雨宮RX-7
 セパンでのGT300クラスというと、まずはNo.7 RE雨宮RX-7(井入宏之/折目遼組)が挙げられる。このセパンではロータリーの特性とコースレイアウトがベストマッチし、5戦4勝と超得意のコース。今季ここまでは思うような成績を挙げられていないNo.7だが、やはりここでは本命の1台ではある。

No.101 apr MR-S
 この他には、MR-SやGaraiya、Vemac、紫電などもレイアウト的には上位に来そうだ。中でもNo.43 ARTA Garaiyaは前戦優勝し30kgのウエイトを積むものの、優勝候補に考えてもいいだろう。また、No.101 apr MR-S(大嶋和也/石浦宏明組)とNo.2 I.M JIHAN CO.LTD・APPLE・Shiden(高橋一穂/加藤寛規組)は、このレースも注目したい。それぞれ、60kg、50kgとGT300にとっては厳しいウエイトを積んでいるが、この3戦常にレースで争い、ランキングでも1、2位に並ぶライバル関係だ。トップよりも互いを見合う戦いとなるかもしれない。


 そして、GT500、GT300両クラスとも同様に戦わなければならなのが、セパンの暑さ。赤道に近い位置にあるだけに、その熱気は半端ではなく、例年熱中症でダウンするドライバーが出ているほど。当然、各チーム熱対策はぬかりないはずだが、それでも起こるものは起こってしまう。こうなると、最後はドライバーの体力と精神力の勝負になる。レースを見守るファンも目に見えるバトルだけでなく、コクピットでのドライバーの奮闘を思って観戦してほしい。