2007 AUTOBACS SUPER GT第5戦「SUGO GT 300km RACE」を翌日に控えた7月27日、スポーツランドSUGO(宮城県)で、公式練習走行が行われた。


□練習走行 1回目|天候:晴|コース:ドライ | 気温28度 | 路面温度38度

 練習走行1回目は9時45分から。梅雨明け宣言こそまだだが、上空は青く晴れ渡り、日差しは完全に真夏の強烈さ。気温は開始時点ですでに28度で路面温度は38度、終了時にはそれぞれ、32度、45度まで上がった。

 開始から30分ほど経ったころ、No.26 ユンケルパワータイサンポルシェがコースアウト。回収のためセッションは一時中断となる。今回、このクルマで谷口信輝のパートナーを務めるのはドミニク・ファーンバッハー。22歳のドイツ人ドライバーで、これまでヨーロッパのポルシェカレラカップなどで活躍し、今シーズンはアメリカン・ル・マン・シリーズに出場している。05年のデイトナ24時間ではポルシェ911GT3でGTクラス優勝を果たしている。同年にはル・マン24時間も出場、ここでチームタイサンの千葉泰常オーナーの知遇を得、今回のSUPER GTデビューにつながった。

 中断前、GT500クラスのトップタイムをマークしていたのはNo.18 TAKATA童夢NSXだったが、再開後30分ほど経ったところでNo.3 YellowHat YMSモバHO! TOMICA Z(セバスチャン・フィリップ)が1分16秒474までタイムアップ。逆転でトップに立つ。その後、1コーナーアウト側と3コーナー立ち上がりのイン側にそれぞれストップした車両があったため、10時55分から2度目の赤旗中断となる。この際、1コーナーの車両はピットに戻されたが、もう1台のNo.66 triple aガイヤルドRG-3は止まった場所がそれほど危険度が高くないと判断されたことと、ドライバーがクルマを離れておりすぐには回収できない状態だっため、そのままとされた。

 だが、再開後10分ほど経ったところでNo.4 EBBRO 350R(山崎信介)が3コーナーでスピン、コースアウト。不運にもストップしていたNo.66に接触してしまう。2台とも大破してしまったため三度目の赤旗が提示され、そのままこのセッションは終了となった。
 この結果、このセッションでのトップタイムはGT500クラスがNo.3 YellowHat YMSモバHO! TOMICA Z(セバスチャン・フィリップ)の1分16秒474。練習走行の1セッションとはいえ、NSX勢以外がトップタイムをマークしたのは、今季これが初めて。2番手はNo.18 TAKATA童夢NSX(小暮卓史)、3番手はNo.8 ARTA NSX(伊藤大輔)と、ここまで毎戦ワンツーを争ってきた2台が並び、3番手にNo.38 ZENT CERUMO SC430(立川祐路)がつけた。今回、「機動戦士ガンダムOO(ダブルオー)」カラーの新車を投入してきたNo.35 BANDAI OO DUNLOP SC430は、シェイクダウン間もないためもあって16番手に留まった。

 GT300クラスはクムホ プロμマッハ号320R(竹内浩典)の1分24秒046がベスト。以下、No.43 ARTA Garaiya(新田守男)、No.101 TOY STORY Racing apr MR-S(石浦宏明)のミシュランタイヤ勢が続いた。  なお、クラッシュしたNo.4とNo.66は修復が間に合わないため、予選への出走はあきらめざるをえないようだ。



No.2 プリヴェKENZOアセット・紫電

□練習走行 2回目|天候:晴|コース:ドライ | 気温32度 | 路面温度47度

 練習走行2回目は14時20分から。気温32度、路面温度は47度と、1回目以上に猛烈な暑さのなかでスタートした。開始から30分ほど過ぎたところで、No.18 TAKATA童夢NSXが1分16秒178とこのセッションで最初の1分16秒台をマークしトップに。その後、No.62 WILLCOM ADVAN VEMAC408Rがスピンアウトしたため赤旗中断。5分間ほどの回収作業後、再開される。トップタイムをマークしたNo.18は、その後、コースサイドにストップ。このセッションでの走行を十分に重ねられなかった。15時35分、No.111 KUMHO GREEN-TEC BOXSTER-GT(GUTS城内)がスピンアウトしたため赤旗中断。

 回収後、15分間のGT300クラス専有走行に入る。ここまでの時間帯、このクラスのトップタイムをマークしていたのはNo.2 プリヴェKENZO・紫電(加藤寛規)だったが、専有時間帯に入ってさらにタイムアップ。1分23秒601というタイムでトップを占める。2番手はNo.101 TOY STORY Racing apr MR-S(石浦宏明)で、この上位2台のみが1分23秒台。今回は80kgのウエイトハンデを積んでいるうえに、前戦まで受けていた25kg軽減の特別性能調整はこのレースから取り消しとなったが、それでもなおこのタイムは驚異的だ。3番手はNo.43 ARTA Garaiya。1回目は新田守男がベストタイムをマークしたが、ここでは高木真一が1分24秒031を出している。

 最後の15分間はGT500クラス専有。この時点で路面温度は37度まで下がり、混走の時間帯よりもタイムを出しやすい状況となる。その中で、まずはNo.1 宝山TOM'S SC430(アンドレ・ロッテラー)が1分15秒807と、非公式ながら従来のレコード(1分15秒810)をブレークしてみせる。だが、その直後にNo.8 ARTA NSX(伊藤大輔)が1分15秒645をたたき出し、これがこのセッションでのトップとなった。2番手はNo.1。3番手にはNo.23 XANAVI NISMO Z(リチャード・ライアン)が1分15秒893でつけ、ここまでが1分15秒台となった。


Comments

伊藤大輔/No.8 ARTA NSX(GT500クラストップタイム)
今日はコンディションが悪くて全体にグリップがなく、リヤがすごくナーバスで、初めは何をセットアップしてもうまくいきませんでした。2回目の最後はコンディションが良くなってくるにつれてリヤのグリップが上がって、それに合わせてフロントのグリップを上げるような方向にして走ってみたんです。(タイムが)上がったのは路面がまともになったせいだと思います。今日である程度方向性は見えてきたので、予選はそれをもとにやっていこうかなと思っています。乗りやすくてタイムが出るクルマを目指そうと思っています。できればポールを獲りたいですね。ここは抜きづらいコースですし、天候がどうであれ、最低でもフロントローを獲りたいです
加藤寛規/No.2 プリヴェKENZOアセット・紫電(GT300クラストップタイム)
(ウエイトハンデが15kg軽くなったが)それは関係ないですよ。ここのサーキットとタイヤの相性がいいですね。ヨコハマさんがガンバってくれているので、それに応えたいですね。たぶん周りは燃料を積んで走っていたと思いますが、ウチは決勝に向けては1回目である程度セットが出てたので、2回目は(予選に向けて)軽めのセットを出しにいきました。予選で前にいかないと抜けないレースになっちゃうので、軽めのセットを出しておかないとね。細かなツメや確認も必要ですが、明日までにその対策ができれば、と思います