GT500 クラス | 優勝

No.8 ARTA NSX

伊藤大輔
ラルフがスタートしてから良いペースで18号車をオーバーテイクして、その後も引き離してくれて、クルマのバランスは良いんだろうと感じました。それからコースが乾いてきて、SCなどのペースが上がってきて、コンディションによって変わるだろうから、マージンは十分だとは思えませんでした。まず、23号車がスリックに替えて出たんですが、アウトラップでのタイヤの温まりがよくなさそうなので、僕らはしばらく待っていました。あと2周くらい待ちたかったんですが、バックストレッチでアクシデントがあってセーフティカーも考えられたので、ラルフが入る判断をしました。
 僕に代わって、スリックでのアウトラップが難しかったのと、運が悪く混雑に引っかかってタイムロスが多くて、1号車、18号車に前に行かれてしまいました。スリーワイドの状況ですが、見てたラルフも(コース外に出て)結構飛んでいたと言ったんですが、僕はそれほど感じませんでしたね。実は、サポートレースのインテグラで同じようなシチュエーションがあって『あんなところ走ったら危ないよねぇ』って言ってたんですよ。まさに自分がそこに行って、気持ちが分かりましたね(笑)。もう引けないですよね、アクセル緩める意識は全くなくて。クルマは大丈夫だと思いますが、ちゃんとチェックしてもらいたいと思います。
 難しいコンディションの中できちっと状況判断ができて、ゴールさせようというのが一番だったので、その中でベストのリザルトですし、18号車とのバトルも良かったし、結果的にはNSXの1・2・3フィニッシュでしたし。ご存じの通り、このところ18号車にトラブルが多くて、それにホンダやスタッフがかなりの時間を費やしてトラブル対策をしてくれて、僕らにも対策部品を渡してくれて、そのためにも是が非でも優勝したいレースでした。その中で、いい結果をお返しできたことが、とても良かったと思ってます。
 この後ウエイトが重くなってしまうですが、(ホンダのホームの)鈴鹿ということもあるし、長いレースですから、ねばり強いレースをしていれば結果は付いてくると思うんで、ポイントリーダーだからと油断せず、気を引き締めてシリーズ後半戦も望んでいきたいと思います
ラルフ・ファーマン
レースのスタート30分前に雨が降ってきて、そこで大きな決断をしなければいけませんでした。タイヤのミゾの深さ、コンパウンド、前後の組合せとか、かなり悩みました。そして、ブリヂストンやダイスケさんと時間いっぱいまで考えて、とてもいいものを選べました。タイヤは浅ミゾでした。ただ、最初の数ラップは(路面に水が多く)苦労しました。セーフティカー先導の走りが長くて、少しフラストレーションも溜まったし。でも、その後は楽でしたね。18号車や周回遅れも上手くかわせて、良いペースでした。路面が乾いてきて、タイヤの交換のタイミング、種類をチームと無線で相談しました。その時、クラッシュがあったので、セーフティカーが入るかもと思って、ピットインの決断しました。ダイスケさんも代わって数周は路面もウエットだし、難しい状況だったと思います。でも、良い走りをしてくれました。今回は久しぶりのホンダの1・2・3フィニッシュだったし、とても良かったと思います


GT300 クラス | 優勝

No.19 ウェッズスポーツセリカ

飯田 章
正直言ってホッとしてます。今年は厳しいシーズンになるのは分かってましたから。ここのところチーム力を上げるため考えて、努力してきました。自分も今までのレースの仕方が染みついてますので、ドライバーとチームがレース運びをしっかりできる体制を心がけてきました。今回、それが上手くいったのと、クルマが救済を受けて空力的に良くなった(前後オーバーハングを延長できた)ことと、コースを考えてこのSUGOがねらい目なんじゃないかと思って、ここに目標を絞ってやってきました。このレースウィークも勝つことはともかく、表彰台に上がることを目指しました。
 今日はあいにくの雨で、スタートは非常に厳しいコンディションで、もうコースにいることがやっとという感じでした。ギリギリの走りでしたが、路面が乾くまで我慢して走ろう、と。あと何周でピットに入ろうかという自分の予測と、周りの状況と、路面の状況がうまくはまって、(後半担当の)関口をコースに入れるタイミングが良かったんじゃないかと思います。彼は、走れば速いのは分かっているんです。だから、ちゃんと走れば結果は残る。ただ、若いしヤンチャだし、あわてんぼだし、おっちょこちょい。コースへ出ると速く走ることだけ考えてしまいがちなので、そこを途中無線でしっかり落ち着かせて、彼がそこを乗り切って、クルマをゴールに運んでくれました。今日のGT300の主役になってくれたと思います。
 クルマのパフォーマンス的には、今回は優勝してもおかしくないくらいと僕は思っていました。僕らのクルマは、TRDのサポートが終了していて、本来はバックアップを受けられないんですが、そこを『ここしかないんだ』と無理を言って(サポートしてもらった)。予選も予想以上のタイムだったし、これだったら行けると実感もありました。あとはドライバーとメカニックと落ち着いてけばと思っていたのが、結果に繋がって良かったと思います
関口雄飛
スタートのスティントは章さんがレインタイヤで走ったんです。それで、ピットに入る直前は、ドライの予選の9〜10秒落ちで、その中をスリックで行くことになって、ちょっと自信がなかったんです。ただ、(ピットアウトは)抜群のタイミングで良かったと思います。でもコースに出て1、2周目はとても怖くて、よくコースにとどまれたな、と。終盤はGT300の周回遅れに引っかかって、ちょっとイライラしたところもあったんですが、無線で落ち着かせてもらって冷静になりました。最後は、目の前にZ(トップの47号車)が見えてきたんで、もうぶち抜いてやろうと思って、その気持ちだけでした。でも抜いてから、みんなのおかげでトップになれたと思ったら、ここでヘマしたらヤバいなと、それまでイケイケだったんですが、急にビビちゃって(苦笑)。
 ミスも結構あったんです。前でアクシデントにあったGT500を避けるときコースアウトしちゃったり、コースアウトしかかったりとか、まだまだ100%の内容じゃなかった。もっと完璧に仕事してれば、もっと早くトップになれたと思う。これからももっともっと勉強しないといけないと思いました。
 自分が今まで出ていたレースと比べて、観客やスポンサーの方たちが多くて、表彰台は正直うれしかったです