8月18日、2007 AUTOBACS SUPER GT第6戦「International Pokka1000km」の予選が鈴鹿サーキット(三重県)で行われ、GT500はNo.3 YellowHat YMS モバHO! TOMICA Zの柳田真孝、GT300はNo.2 プリヴェKENZOアセット・紫電の加藤寛規がポールポジションを獲得した。


公式予選2回目 天候:晴 | コース:ドライ | 気温32度 | 路面温度48度

 予選2回目は14時15分から。最初の20分間はGT300クラス、つづく20分間はGT500クラスの全車走行が行われた。

 1回目の走行で基準タイムをクリアできなかった第3ドライバーが何人かいたが、GT500クラスはここで全員がクリア。一方、GT300クラスではNo.67 triple aガイヤルドRG-3の古谷直広、No.26 ユンケルパワータイサンポルシェの西澤和之の2人が2回とも出走せず、ノータイムとなった。No.26はどうやら2人だけで決勝を乗り切る作戦のようだ。一方、No.67は黒澤翼も走行はしたものの基準タイムをクリアできなかったが、審査委員会の裁定により決勝出走は認められることになった。

 スーパーラップはGT300クラスからスタート。予選1回目、ぎりぎりで10番手に滑り込んだNo.7 RE雨宮ADVAN RX-7(井入宏之)からコースに出て行く。今回は、暫定トップタイムをマークしたドライバーがピットに戻ってきたときに座る“王様の椅子”が用意され、トップタイムが入れ替わるたびに“王様”も入れ替わるという演出が行われていた。
 この座にしばらく留まっていたのが3番目に出走したNo.26 ユンケルパワータイサンポルシェの谷口信輝だった。最高速に勝るポルシェの特性を最大限に生かし、スプーンカーブを立ち上がってからホームストレートに戻ってくるまでの直線部分が長い区間だけでタイムを稼いで2分07秒522というタイムをマーク。その後のNo.31 DOUBLEHEAD apr MR-S(峰尾恭輔)、No.77 クスコDUNLOPスバルインプレッサ(山野哲也)、No.101 TOY STORY Racing apr MR-S(石浦宏明)はこれを上回れず、No.26がポジションを二つ上げる。これに対し、1回目の自身のタイムを大きく上回ってきたのがNo.2 プリヴェKENZOアセット・紫電(加藤寛規)。セクター2まででNo.26より1.5秒ほども速く、直線部分ではそのマージンを削られたものの、最終的に2分06秒838をマークして、“王様の椅子”を奪い取ってみせた。つづくNo.13 エンドレスアドバン洗剤革命Z(影山正美)、No.62 WILLCOM ADVAN VEMAC408R(柴原眞介)はNo.26こそ上回ったもののNo.2には届かず、それぞれポジションダウン。最後、1回目暫定トップだったNo.43 ARTA Garaiya(新田守男)のアタックに注目が集まるが、セクター1での0.1秒の遅れを最後まで取り戻すことができず、2分06秒995で2番手どまり。この結果、No.2 プリヴェKENZOアセット・紫電の今季3回目のクラス・ポールポジションが決定した。なお、No.77はスーパーラップ終了後の車検で、最低地上高が規定違反と判定され、スーパーラップでのタイムが抹消された。


No.2 プリヴェKENZOアセット・紫電

 つづいて15時45分からGT500クラスのスーパーラップがスタート。1回目10番手の No.38 ZENT CERUMO SC430(立川祐路)が1分56秒115と、自身の1回目を上回るタイムをマークし、とりあえずこれがターゲットとなる。つづくNo.100 RAYBRIG NSX(ドミニク・シュワガー)、No.6 Forum Eng.SC430(ビヨン・ビルドハイム)、No.17 REAL NSX(金石年弘)はこれを上回れず、No.8 ARTA NSX(伊藤大輔)も、50kgのウエイトと1ランク小さいリストリクターというハンデを感じさせないアタックをみせるが、0.004秒という僅差でNo.38に及ばなかった。
 これを逆転し、一気に1分55秒台まで入れてきたのがNo.25 ECLPSE ADVAN SC430(土屋武士)。1ランク大きいリストリクターを使えるメリットを生かし、1分55秒919をマークして“王様”の座を立川と交代してみせた。

 だが、土屋の王座も“一日天下”に終わる。1回目に4番手だったNo.3 YellowHat YMSモバHO! TOMICA Z(柳田真孝)がほとんどミスのないアタックをみせ、1分55秒781までタイムアップしてみせたのである。
 つづいてアタックに入ったのは3戦連続ポール男のNo.18 TAKATA童夢NSX、小暮卓史。切れのある走りが期待されたが、セッティングにミスでもあったのか、なぜかまったく精彩を欠き、1分56秒台半ばの平凡なタイムに終わってしまう。もう1人、毎回アグレッシブなアタックで満場を沸かせるNo.12 カルソニックインパルZのブノワ・トレルイエも、S字コーナーまでは快調なペースだったもののデグナーカーブでちょっとオーバースピードだったかバランスを崩し、コースアウトしてスポンジバリアに直行してしまう。その直後にギアをバックに入れ、自力で脱出しようとしたファイトはみごとだったが、結果はノータイム。さいわいマシンに大きなダメージはないようで、決勝は10番手グリッドからの巻き返しをねらうことになる。
 最後にアタックするNo.32 EPSON NSX(ロイック・デュバル)は、すでにこのときウォームアップラップに入っていたが、このマシンの排除のために仕切り直し。あらためてウォームアップを行い、アタックに入る。大きなミスもなく、きれいな走りだったが、タイムはわずかにNo.3に及ばず1分55秒898。No.12コースアウトの影響でデグナー付近のコースが汚れていたことと、仕切り直しでよけいに周回を重ねたことが微妙に影響を与えたのかもしれなかった。

 これでNo.3 YellowHat YMSモバHO! TOMICA Zのポールポジションが確定。HASEMI MOTOR SPORTとしては2004年第4戦でエリック・コマスが獲得して以来。柳田真孝は04年第5戦もてぎでGT300クラスポールを獲得したことはあるが、GT500クラスでは初となる。
 この結果、予選トップ3には、ポールがフェアレディZ、2番手にNSX(No.32 EPSON NSX)、3番手にSC430(No.25 ECLPSE ADVAN SC430)と、異なる3車種が並ぶことに。この3車はNo.3がブリヂストン、No.32がダンロップ、No.25がヨコハマと、タイヤメーカーも異なっている。果たして決勝ではどの車種、どのタイヤにアドバンテージがあるのか。まったく予断を許さない予選結果となった。