9月7日、2007 AUTOBACS SUPER GT第7戦「MOTEGI GT 300km RACE」の公式練習走行が、ツインリンクもてぎ(栃木県)で行われた。この日は関東地方を台風9号が直撃、ツインリンクもてぎも暴風雨に見舞われたため午前中の走行はキャンセル。台風が去った午後、13時15分からの走行開始となった。


□練習走行|天候:晴|コース:ドライ/ウェット | 気温27度 | 路面温度28度

 台風一過、蒸し暑い中でスタートした序盤は、まだ路面が乾ききっておらず、ほとんどのチームがインターミディエートタイヤで走行。30分近くたってからスリックに換えるチームが出始める。走行を重ねるごとにラインは乾き、ラップタイムは秒単位で縮まっていく。最初に1分50秒を切ったのはNo.22 MOTUL AUTECH Z(ミハエル・クルム)で、これにNo.3 YellowHat YMSモバHO! TOMICA Z(柳田真孝)がつづく。

 14時10分頃、コースアウト車両回収のため赤旗中断。10分ほどで再開され、再開後No.32 EPSON NSX(ロイック・デュバル)がフェアレディZ勢を上回るタイムをマークする。その後はNo.38 ZENT CERUMO SC430(立川祐路)とNo.32が交互にトップタイムを更新しあう状況に。No.38が1分47秒台をマークした後、GT300クラスの専有走行に入る。

 GT300クラス専有走行は15時15分から15分間。このクラスでは、No.110 GREEN-TEC KUMHO BOXSTER-GT(光貞秀俊)の1分57秒112がトップタイム。2番手No.26 ユンケルパワータイサンポルシェ(谷口信輝)以下、10番手までが1分57秒台でつづく。この日は、一日トータルでの走行時間が予定より少なくなったため、どのチームもセッティングやタイヤ選択をあわただしく進めなければならなかった。そのうえタイムがこれだけ接近していると、予選順位がどうなるのか、予想はかなり難しい状況になっている。


No.110 GREEN-TEC KUMHO BOXSTER-GT

 15時30分から15分間はGT500クラスの専有。気温は29度、路面は33度まで上がる。ここではまずNo.38 立川が1分46秒台をマーク、No.22 クルムがこれにつづくが、No.32 デュバルが1分46秒789までタイムアップし、トップを奪う。この後は予選を想定したアタックに入り、No.18 TAKATA童夢NSX(小暮卓史)、No.17 REAL NSX(金石勝智)、No.100 RAYBRIG NSX(ドミニク・シュワガー)、No.12 カルソニックインパルZ(ブノワ・トレルイエ)なども1分46秒台に入れてくる。その中でのトップはNo.38 立川で、タイムは1分46秒104。No.38は、8月上旬に行われた公式テスト時のノックダウン予選のシミュレーションでもトップタイムをマーク。今回もポール獲得をターゲットにしているようだ。これにつづく2番手はNo.18 小暮。連続ポール記録は前戦で途切れてしまったが、NSXが得意とするこのコースで、今季初優勝をねらっている。3番手No.22 クルムがフェアレディZ勢最上位。ランキングトップのNo.8 ARTA NSX(伊藤大輔)はさすがにウエイトハンデが重いのか8番手に留まったが、タイム的には大きな差はない。

 今回は予選がノックダウン方式で行われるため、どのチームもそれを想定して走行を行っていた。タイヤをどう使うかなど、この日の練習走行だけではまだ見えない部分が多い。はたして予選がどんな展開になるのか、おおいに楽しみになってきた。


Comments

立川祐路/No.38 ZENT CERUMO SC430(GT500クラストップタイム)
コンディションは思ったほど悪くはなく、(タイヤは)グリップしていました。(8月の)テストのときにもクルマはそこそこ良かったので、今日はいい状態でスタートすることができました。ただ今回はタイヤ選択が難しそうですね。スーパーラップだと一発狙いでいいけれど、ノックダウン方式だから、純粋な速さを追及するアタックではなくて、賢い走りをする必要がありますね。今日のタイムはニュータイヤでの一発ですが、そのあと数周走ったときのタイムもシミュレーションできたので、手応えはありますよ。レースでは、もちろん優勝を狙っていきます。今回の目標は(ウエイトハンデの)フルマーク!
光貞秀俊/No.110 GREEN-TEC KUMHO BOXSTER-GT(GT300クラストップタイム)
テストで一通りデータ収集できていたのですが、鈴鹿1000kmでは(クルマを)改善するまでには至りませんでした。今回は調整と改善をして、クルマをリセットしたという感じでしょうか。このクルマは投入してからまだ半年なんですが、極めて高い潜在能力を持っているので、それをうまく引き出すような作業を続けています。タイヤも、クムホさんとひとつずつ相談しながらやってきて、パフォーマンスが上がってきました。ここはタイヤに厳しいコースですが、安定したラップを刻めています。レースではクールに仕事をして勝ちに行きたいですね。個人的にもここは得意なので、頑張ります