11月4日、富士スピードウェイ(静岡県)で2007 AUTOBACS SUPER GT第9戦(最終戦)「FUJI GT 300km RACE」の決勝レースが行われた。GT500はNo.32 EPSON NSX(ロイック・デュバル/ファビオ・カルボーン組)が今季初勝利。GT300はNo.26 ユンケルパワータイサンポルシェ(谷口信輝/ドミニク・ファーンバッハ組)が今季2勝目を挙げた。また、GT300のドライバーズ・タイトルは、このレースで2位となった大嶋和也/石浦宏明組(No.101 TOY STORY Racing apr MR-S)が獲得した。



決 勝 天候:晴 | コース:ドライ | 気温18度 | 路面温度23度

GT300 Class

 スタート直前、一度はダミーグリッドに着いたNo.66 triple aガイヤルドRG-3(古谷直広)がオイル漏れのためピットに押し戻される。また、No.31 DOUBLE HEAD apr MR-S(峰尾恭輔)はスタート直後にドライブシャフトが壊れ、1周もできずにレースを終えてしまった。


No.2 プリヴェKENZOアセット・紫電
 序盤、クラスポールからスタートしたNo.101 TOY STORY Racing apr MR-S(大嶋和也)が逃げ、その後ろをNo.43 ARTA Garaiya(新田守男)が追う展開。その後方では、No.2 プリヴェKENZOアセット・紫電(加藤寛規)以下がNo.43に前を抑えられ、その間にNo.101が差を開いていく。だが、それより速いペースで追い上げてきていたのがNo.26 ユンケルパワータイサンポルシェ(谷口信輝)とNo.88 アクティオムルシェRG-1(マルコ・アピチェラ)だった。No.26は予選7番手から3周で4台をパス。4周目にはNo.43をも抜き、2番手に上がる。No.88も9周目にNo.43を抜き去り、3番手となる。
 13周目にはトップのNo.101がヘアピンでGT500に進路を譲る際にブレーキをロック。No.26はこの隙を逃さず前に出ると、みるみるその差を広げていく。これでトップ3はNo.26、No.101、No.88の順となる。No.101は20周を過ぎるころからタイヤのグリップが落ちてきたのか、スライドが大きくなる。26周目にはこらえきれずにNo.88に先行されると、次の周にはNo.2にも前に行かれてしまう。タイトル奪取のためにはNo.2の前に出なければいけないNo.101は30周を終えたところでピットイン。タイヤ交換と燃料補給を29秒の早さで済ませ、後半担当の石浦宏明の追い上げに後を託す。
 対するNo.2はぎりぎりまでピットインを我慢。No.101に対して1分余りのマージンを築く。また、トップを行くNo.26は33周を終えてピットに入り、実質トップのままドミニク・ファーンバッハーがステアリングを引き継ぐ。


No.101 TOY STORY Racing apr MR-S
 42周目、No.2がピットイン。高橋一穂がNo.26とNo.101の真ん中でコースに戻るが、タイヤが温まっていないアウトラップでポジションキープは難しく、No.101の先行を許してしまう。全車がピット作業を終えた時点で、トップはNo.26、2番手No.101、3番手はNo.2の順となる。
 この順位だと、No.101とNo.2は同ポイントで並ぶが、勝利数の差でNo.101がドライバーズチャンピオン。なんとしてもNo.101を抜き返したいNo.2は、高橋がすばらしい奮闘を見せた。後半、マシンのスライドが大きくなってきたNo.101に対して、No.2のラップタイムは安定。一度は開いたその差は1秒以下に迫り、残り2周では接触寸前のバトルとなる。だが、No.101 石浦がかろうじてポジションを守りきり、2位表彰台とドライバーズタイトルを手に入れた。
 優勝はNo.26 ユンケルパワータイサンポルシェ(谷口信輝/ドミニク・ファーンバッハー)。最高速が速いポルシェの利を、直線が長い富士でみごとに生かしきって今季2勝目を挙げた。2位はNo.101 TOY STORY Racing apr MR-S(大嶋和也/石浦宏明)。大嶋はこれで全日本F3選手権とのダブルタイトル。20歳での戴冠は、SUPER GT/JGTC史上最年少記録となる。3位はNo.2 プリヴェKENZOアセット・紫電(高橋一穂/加藤寛規)。ドライバーズタイトルは昨年と同じくチャンピオンと同ポイントという僅差で逃したが、チームタイトルは獲得してみせた。