4月13日、岡山国際サーキット(岡山県)で2008 AUTOBACS SUPER GT第2戦「OKAYAMA GT 300km RACE」の決勝レースが行われた。GT500はポールポジションのNo.23 XANAVI NISMO GT-R(本山哲/ブノワ・トレルイエ組)が優勝。開幕戦につづき2連勝を飾った。GT300はNo.43 ARTA Garaiya(新田守男/高木真一組)が、やはりポール・スタートから優勝を果たした。
□決 勝 天候:曇/雨 | コース:ドライ/ウェット | 気温18度 | 路面温度25度
決勝レースは14時スタート。曇り空は朝からあいかわらずだが、スタート直前になって冷たい風が吹き始め、雨の気配が忍び寄り始める。全車がコースインした後、スタート準備を行うメカニックは、レインタイヤを用意してグリッドに向かう。
1周のフォーメーションラップの後、No.23 XANAVI NISMO GT-R(ブノワ・トレルイエ)を先頭にオープニングラップに突入。予選順位のまま1周を終えて戻ってくる。
序盤はほぼそのまま推移するが、10周を過ぎる頃からNo.22 MOTUL AUTECH GT-R(柳田真孝)のペースが上がらなくなり、6位以下数台が数珠つなぎになる。13周目の1コーナー、No.100 RAYBRIG NSX(井出有治)がNo.22のインを攻略。ひとつポジションを上げる。
この間、トップをいくNo.23の後方にNo.1 ARTA NSX(ラルフ・ファーマン)がじわじわと迫り、21周目のストレートでは横に並んでコントロールラインを通過。No.1のノーズがわずかに前に出ていたため、この周のトップはNo.1と記録される。だが、つづく1コーナーではNo.23が前。その後は周回遅れに出会うタイミングなどもあり、ふたたびその差は少し開く。
この頃から小雨がぱらつき始め、路面を濡らすまでには至らなかったが、全体のラップタイムはややダウン。その中でもNo.22のタイムの落ち幅は大きく、26周目のヘアピンで、No.36 PETRONAS TOM'S SC430(アンドレ・ロッテラー)、No.32 EPSON NSX(ロイック・デュバル)、No.17 REAL NSX(金石年弘)の3台に、一気にパスされてしまう。
No.12 カルソニックIMPUL GT-R
さらに31周目、アトウッドカーブを立ち上がったところでNo.3 YellowHat YMS TOMICA GT-R(横溝直輝)のテールにNo.38 ZENT CERUMO SC430(リチャード・ライアン)が接触しNo.3がスピン。これを避けたNo.6 ENEOS SC430(伊藤大輔)とNo.22も接触してしまう。このできごとに関して、No.38にドライブスルーペナルティの裁定が下されたほか、No.22、No.6なども大きく順位を落としてしまった。
32周目、GT300車両2台をラップしようとしたNo.23が軽く接触。その隙を突こうとしたNo.1と、やはりこの状況をかわそうとしたNo.11 JIMCENTER DIXCEL ADVAN F430(田中哲也)も接触してしまい、No.1はフロントフェンダーにダメージを負う。
No.1はここでピットイン。フェンダーの応急修理と通常のピット作業を済ませ、伊沢拓也に交代してコースに復帰する。だが、これでトップNo.23との差はかなり開いてしまった。
35周を過ぎるあたりから上位陣が続々ピットイン。通常のピット作業を済ませて出ていくが、No.18 TAKATA童夢NSX(道上龍)、No.100細川慎弥はアウトラップでスピン。順位を大きく落としてしまう。
トップNo.23は40周を終えてピットイン。本山哲への交代を済ませる。50周を過ぎ、全車のピット作業が終わったところでのトップ3は、No.23本山、No.1伊沢、No.12カルソニックIMPUL GT-R(セバスチャン・フィリップ>松田次生)と、予選順位どおりに戻っていた。この3台ではNo.23のペースがいちばん遅く、3台の差はじわじわと詰まっていく。
60周を過ぎたあたりでふたたび雨の量が増え、ことに最終コーナー付近は滑りやすい状態に。65周目にはNo.22ミハエル・クルム、No.17金石勝智らが相次いでスピン。No.17はそのままアウト側のスポンジバリアに接触し、その場で動けなくなってしまった。
一方、2番手からトップをうかがっていたNo.1は、68周目のWヘアピンでハーフスピン。すぐに立て直すがNo.12の先行を許してしまう。その前の接触の影響が、クルマに少し残っていたようだ。
これでNo.23、No.12のGT-R勢が1-2態勢を構築。その後はこのトップ3に動きはなく、82周を終えてチェッカーフラッグを受けた。
No.1 ARTA NSX
優勝はNo.23 XANAVI NISMO GT-R(本山哲/ブノワ・トレルイエ)。前戦よりも100kg(5kg分はリストリクター径縮小で相殺)重いクルマでポールポジションから優勝、しかもファステストラップをも記録するという、まったく信じがたいような圧勝劇を演じてみせた。SUPER GT/JGTCのシリーズ戦で連勝を果たしたのはこれが3チーム目。前回は98年第1戦、第3戦(第2戦は悪天候のため中止)で、23号車スカイラインGT-Rが記録している。
2位はNo.12カルソニックIMPUL GT-R(セバスチャン・フィリップ/松田次生)。3位にはNo.1 ARTA NSX(ラルフ・ファーマン/伊沢拓也)が入った。GT-R勢をかわせるチャンスもあっただけに、二人のドライバーはやや悔しそうな表情をみせていたが、伊沢が見せたパフォーマンスには新人とは思えない落ち着きがあり、今後に期待を抱かせる結果だった。
4位に入ったNo.36 PETRONAS TOM'S SC430(脇阪寿一/アンドレ・ロッテラー)がSC430勢の最上位。表彰台には届かなかったが、レース終盤には脇阪がNo.32 EPSON NSX(平中克幸)を攻略するシーンもあり、予選の状況を考えれば大健闘といえる結果だった。